Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

明治の錦絵 「真田幸村」のカバー

2017-06-06 09:26:30 | お絵かき
末國善己「小説集・真田幸村」作品社(2015/10).NHK の大河ドラマに合わせて出版されたらしい,昭和の大衆文学からのアンソロジーだが,中に猿飛佐助をタイトルに含むものがあったので,図書館で借用.362 ページのずしりとしたハードカバーである.

カバー・月岡芳年とあり,原図をパプリックドメイン美術館で見ることができた.1973 年の作.大坂冬の陣の一場面.中央で馬上から槍で藪をつついているのが,真田幸村.左端に息を潜めている若いのが大久保彦左衛門.よく見ると,兜をかぶった徳川家康が抱えられているのが判別できる.遠くにいるのが岩渕主税.右上にキャプションがあるのだがイマイチ判読できない.
戦闘場面に鶴とか鴨とかが飛んでいるのは,お約束だろうか? 何が描いてあるかよくわからないのは色づかいのせいと思うが,刷り上がったばかりの原図では違うかもしれない.

ただし本のカバー.表紙部分に用いられたのは 1/3 幅の真ん中の部分だけ.左の家康と彦左はそでに押し込められて,その気にならなければ拝めない.もったいない.

月岡はサド・マゾ系の変態画や幽霊の絵で,江戸川乱歩に評価されたそうだ.元祖劇画家とされることもあるが,この幸村はそちらの系統だろう.小説集については,後日.
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