Sixteen Tones

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科学の発明と生産性の向上

2019-06-29 08:45:26 | 科学
ちょっと古い話だが,6/6(木)朝日朝刊に,米の経済学者ロバート・ゴードンへのインタビューが出ていた.
オピニオン&フォーラム「低成長時代を生きる」シリーズで,見出しは「画期的発明による生産性の劇的向上 もう起こりえない」.

彼の「アメリカ経済 成長の終焉」は昨年邦訳された.日本語で超1000ページという大著を読み通す気力体力はない.しかし彼のいうことは直感的に正しいと思う.アメリカ経済は衰退するが,それは日本経済衰退の後追いであるという.中国の衰退も時間の問題だ.

デジタル革命のイノベーションは認めるが.電気の発明の衝撃には及ばないという.電気文明が世界中に行き渡ってしまえば,それで成長の時代はおわるということだ.

これは科学の終焉と関係していると思う.

前世紀のゼロックスの普及で科学の論文が手に入り.計算機の普及で計算速度も桁違いに上がった.しかし科学の世界では相対論と量子論以来,イノベーションはないと思う.情報速度の向上が科学にもたらしたものは,本質的には,ない.

昨今のデジタル革命と経済との関係も似たようなものだろう.
物理現象の応用は電気を使うことで終わった.原発は核エネルギーを解放したわけではなく,発電方法のオプションに過ぎない.しかも原発事故は物理現象を工学的に利用することの難しさを人類に思い知らせた.

しかし,それでも,物理学者も電気工学者も経済学者もメシが食えているのだから,よしとするべき.万事この調子で時代は流れていくのだろう.
コメント
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