Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

東海林さだおと平松洋子が語る手塚治虫

2022-10-31 08:29:30 | 読書
平松洋子 編 東海林さだおアンソロジー「人間は哀れである」の巻末におふたりの対談「創作とショーバイ」が収められ,手塚治虫が話題になっていた.


東海林  : とにかく画期的.それまでの漫画は,コマの中にひとりの人物がいると,必ず全身・足の先まで入っていた.手塚さんが初めて,上半身だけのコマやも上から見た視点のコマ,といった技法を使った.

ただし東海林さんにとっては手塚漫画は全然別の世界.いっぽう谷岡ヤスジが出てきたときはすごいショックだったという.


平松 : ちょうど成長の過程で出会ったのが「リボンの騎士」.主人公サファイアの少年なのか少女なのかわからない両生具有的な存在にただならぬものを感じていた.鉄腕アトムにしても,大人なのか子どもなのか,少年なのか少女なのか,人間なのかロボットなのか曖昧で,この世とあの世を行き来しているような両生具有的な意味を持っているる.
東海林 : それは手塚さん自身であったかもしれない.手塚さんには多分,両生的なところがあったんだよ.手塚研究における新発見 !

ロボットに男女はありえないような気もする.でもアトムにはウランちゃんという妹があった.


東海林 : 赤塚不二夫さん・手塚治虫さんなどの晩年については誰も語ろうとしない.晩年の作品はずいぶん衰えていた.
平松 : 作品の衰えだけを捉えなくても,その人の長い作家生活の一部として,または味として捉えられなくもない.
東海林 : いやそんなことはありません.いけない.いけません.衰えていいことなんかありえないでしょ.怒るよ (笑).

衰えを自覚したら引退しろ,が,1937 年生まれの東海林さんの持論.確かに ご本人も 2014 年連載終了の「アサッテ君」以降は引退同然だ.

引用では 16 トンが勝手に端折った部分があるので,気になる方は原文をお読みください !!
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