Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

俺の人生まるごとスキャンダル

2023-04-26 08:29:24 | 読書

フリードリヒ・グルダ, 田辺 秀樹 訳「俺の人生まるごとスキャンダル - グルダは語る」筑摩書房 (ちくま学芸文庫  2023/3).「グルダの真実 - クルト・ホーフマンとの対話」洋泉社 (1993/11) の 30 年後の文庫化.「売らんかな」的タイトルになったが,案外内容に合っているかもしれない.本来なら編者としてクルト・ホーフマンの名前をクレジットすべきだと思う.単行本にあった多くの写真も「権利の都合上」割愛されたそうだ.

文庫 裏表紙の紹介*****「どの瞬間においてもそれが命がけであるかのように弾かなくちゃいけない」「モーツァルトはテクニックの点ではごくわずかな例外をのぞいてむずかしくはない。むずかしいのは解釈なんだ」「グールドの《イタリア協奏曲》はヘタだしまったく間違っている」「批評家のお歴々が言う現代音楽は『現代』でもなく『音楽』でもない」──。クラシックの枠にとどまらず、さまざまなジャンルの音楽を分け隔てなく愛し、聴衆を楽しませることに心血を注いだ自由自在の巨匠ピアニスト、グルダ。自らの演奏や同時代の演奏家・批評家、愛弟子アルゲリッチ、ピアノメーカーの音色の違い等、歯に衣着せず、縦横無尽に語る!*****

グルダ 1930-2000 はオーストリアのクラシックとジャズのピアニスト.現在では弟子のマルタ・アルゲリッチのほうがクラシック・ピアニストとしての評価が高そう.この本ではジャズとの二足の草鞋をさかんにアピールしているが,彼のジャズ・アルバムにアンドレ・プレヴィンの My Fair Lady のようなヒットがあるわけではない.でも,「俺が,俺が...」と我を通して,一生を幸福に送ったらしい (訳文での一人称は「俺」である).

全9章のうちの1章は少々自慢たらしい女性遍歴.2度目の結婚相手は日本女性ユウコで,離婚後も彼女はウィーンでジャズピアノを弾き作曲し,寿司店も経営しているそうだ.でもこの Yahoo ニュースの内容と,本の中のグルダの言い分がところどころ食い違うのがおもしろい.

動画はハービー・ハンコックとの共演,All Blues.「Youtube で見る」をクリックしてください.

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