Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

その裁きは死

2020-10-18 08:32:35 | 読書
アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭訳,創元推理文庫(2020/9).

図書館の新着の棚にあったので借りたが,後から「メインテーマは殺人」を読んだときにどう思ったかを思い出した.つまらないとは言わないが,僕にはヘヴィ.それはこの作品についても言えることだった.このシリーズは10冊刊行される予定だそうだが,これでやめよう.

もと刑事のホーソーンがホームズ役で,語り手のワトソン役を著者ホロヴィッツがつとめる.読者は語り手に同期してハラハラドキドキしなければならない.
弁護士が殺され,その犯人は彼の担当した離婚裁判関係と思われるが,若い頃にかかわった洞窟での死亡事故にも何か秘密がありそうだ.ストーリーはこのふたつの可能性を往復する.殺人現場にペンキで3桁の数字が残されているが,この部分は本を厚くしているだけだ.
紙幅の大半は語り手とホーソーンとの確執に費やされることは前作と同様だが,今回はロンドン警視庁の女性警部も悪玉として登場する.ホーソーンという人物にまつわる謎は,次作以降に繰り越しらしい.ビブリア古書堂など,シリーズ物に共通の手口だろう.

ときどきホーソーンもホームズばりにいいところをみせる.僕が面白いと思ったのは,作家名のアナグラム.
カバーイラスト Will Staele.

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