Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

術前検査週間

2023-01-21 09:31:42 | 病気

大腸癌手術前の検査 : 昨日は尿・血液の採取と心電図.これは iPhone 画面をキャプチュアした今後のスケジュール.前立腺手術のときの検査にくらべ,消化器をからにするために.飲食の制限が多い点が煩わしい.毎晩・最後の晩餐として美味いものを飲み食いするつもりなのに !!
PETだけは広島市内の病院へ行く.
過剰検査で病院経済が回っているというのが実感.お医者さんが聴診器を使ったり,お腹を押したり叩いたりという問診は皆無で,ものたりない.

PETは陽電子消滅,CTはトモグラフィ,MRIは核磁気共鳴... みな物理屋として,昔取った杵柄ではあるが,それが我が身に返ってくるとは.そういえば放射線治療用の加速器も KEK が関係していた.

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東広島西条 ピッツェリア・アスペッタ

2023-01-20 08:51:47 | 食べる

古い友人だけれど若い友人がやって来たので,西条酒蔵通り裏筋のピッツェリア・アスペッタで昼食.これが初めて.昭和の民家をそのままレストランとして使っているようだ.庭に風情があり,トイレ (というより お手洗い) が懐かしかった.

ピザ,サラダ,ドリンク (エスプレッソを注文) で 1000-1900 円というところ.
サラダはキャロットラペ,クリームチーズを載せた薄焼きトーストなどもあって,前菜と言ったほうがいいかも.グラスワイン (別料金) は質はそこそこだが量は,気前が良かった.

ピザはトマト系 マリナーラ とチーズ系 生ハム+パイン を1枚ずつ取ってシェアした.かなり大きくて (12 インチ?),どうなることかと思ったが,意外に薄くて軽かった.でも6割は友人が平らげてくれた.本日のメニューにはチーズ系 生ハム+洋梨 というのがあったが,なぜか本日は売り切れというので洋梨をパインにした.たぶん洋梨のほうが甘すぎず合ったと思う.平日昼だが客は我々だけだった.

ティラミスまで食べてしまった.

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ミン・スーが犯した幾千もの罪

2023-01-19 11:06:31 | 読書

トム・リン,鈴木美朋訳「ミン・スーが犯した幾千もの罪」集英社 (文庫 2022/11).
原題 The Thousand Crimes of Ming Tsu.
図書館で借用.

Amazon の紹介*****大陸横断鉄道完成間近のアメリカ西部。妻エイダを奪われ、不当な罪を着せられた中国系の殺し屋ミン・スーは、予知能力を持つ老人の言葉に導かれ、奇術ショーの一座と共に西を目指して疾駆する。妻を取り戻すため、自分を陥れた連中に復讐を果たすための苛酷な旅路。終着地カリフォルニアで彼を待ち受ける未来は、救いか、それとも──。アンドリュー・カーネギー・メダル受賞、驚異的なデビュー作。*****

かって西部劇映画というものがあったが,マカロニ・ウェスタンへと移行し,それも消えてしまったようだ.この本はぼくにとって初めての西部(劇)小説だが,西部(劇)小説の典型とは思えない.著者が北京生まれなら,主人公も中国人.残酷場面はマカロニ・ウェスタンを彷彿とさせるが,この小説はラーメン・ウェスタンと言うには重すぎる気がする.

大陸横断鉄道敷設に使われたのはもっぱら中国人労働者だということは,知らなかった.中国人の白人に対する怨嗟も小説のバックにあるようだ.どんどん人を殺し,何の反省もないのは,キリスト教に囚われていないため ?

おもしろいところ : 解説の東山彰良がマジック・リアリスティックという形容詞を使っている部分.すなわち,盲目の中国人預言者,火をつけても燃えない美女,人の記憶を消せるナヴァホ族の男,テレパシーが使える聾唖少年,主人公をあえて襲わない毒蛇,主人公の飢えと渇きを助ける赤目アルビノのクーガー (ピューマ)...などによるエピソード.東山は中国古典の影響としいうが,ぼくはもっと飛躍して,西遊記を連想した.
でも荒唐無稽が,とつぜん哲学的になったりする.

訳者は女性らしい.

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わが データサイエンスことはじめ

2023-01-18 09:58:46 | 新音律

大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる」で,昔のことを思い出した.
名古屋大学プラズマ研究所に助手として就職したのが 1960 年代末で,物理実験のために相関計を作るというテーマを与えられた.アナログ回路を組み合わせて作る,というのが当時の常識だったが,物理信号をアナログ・デジタル変換して,デジタルデータを計算機にたくわえ,そこで相関計算をすることを提案し,認められた.

計算機は写真右上のミニ・コンピュータ HITAC10 で,メモリ 4kW=8kByte (2Byte/W=16bit/W だった) ,左下の 16 個のランプとスイッチで1word の 16 ビットのそれぞれに1か0かを指定し,状態を知る.入出力機器は写真左下のテレタイプだけ.横方向1列に孔があるかないかでビット値を知る (パリティチェックもあったと思うが,忘れてしまった).プログラムもデータも,読み書きはテレタイプ鍵盤の左側の穿孔紙テープで行う.
当時の月給は3万円くらいだったと思うが,ミニコンビュータはテレタイプ付きで 500 万円だった.

プログラムは機械語と1対1対応のアセンブラで書いた.「大学4年間の...」にも書いてあるが,今でも計算機が処理できるのは機械語だけだし,その計算機もノイマンアーキテクチュアであることは 1960 年代と変わらない.クロックが速くなり,記憶容量が増しただけ.

この分野にいたのは十数年.写真のように幼稚で可愛かったノイマン計算機は,この間高速大容量化とともに一大官僚機構と化し,ご機嫌をとらないと動かないようになった.職場 (日本原子力研究所に移っていた) が自分と合わないと感じたのを機会に,計算機からも足を洗った.

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前立腺癌は卒業

2023-01-17 09:52:09 | 病気

前立腺癌の転移先・第7胸椎への最後の放射線照射が終了後5年,PSA値が一貫して検出限度以下なので,広島大学病院での経過観察は終了となった.今後は近所で年 1-2 回のPSA検査をとのこと.
通院と称して,都会 (広島市内のこと) に出かけてうろつく機会がなくなるのが心残り.

入れ替わりのように大腸癌が見つかったので,こちらを治療する東広島医療センターに,前立腺癌の経過観察も一本化することになった.

グラフのように,前立腺癌治療後の5年生存率は今では 99 %超.これに対し大腸癌では平均 77 %というところ.いっぽう 1921 年の調査では,81 歳の平均余命は9年弱.5年も9年も 50 歩 100 歩だな.

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たん熊北店広島店

2023-01-16 09:51:05 | 食べる

昭和の京都の料亭のイメージのたん熊は「本家たん熊」.全国的にチェーンを展開している「たん熊 北店」は親戚すじらしい.

その,広島の「たん熊 北店」は,ふつうのデパートの和食処.これは下から2番目の 2900 円のセット.先付け,向う付けまでは一つずつ運ばれてきて,美味しい.9皿のパレットには,つまらないものもあったが,これだけ種類を集めるのは我が家ではとにかく不可能.
次の機会には,呑みながらこれらを平らげ,その後ご飯と清し汁 (どちらも質・量ともにしっかりしていた) という順序でいこう.

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「大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる」

2023-01-15 19:53:31 | 読書

久野遼平,木脇太一「大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる」KADOKAWA (角川文庫 2022/12) .

角川文庫からは
「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」
「大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる」
「大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる」
...
など,類書が多数出版されている.KADOKAWA商法だな.

この「...データサイエンスが10時間でざっと学べる」は 2018/3 刊行の文庫化.254 ページ.見開き左ページにテキスト,右ページに図 と画一化されている.右ページは活字が小さすぎて老視には辛い.

内容は
第1部 データサイエンスの基本 - データサイエンスとは?
第2部 データサイエンスの基礎技術 - 計算機の仕組み,プログラミングの基礎,アルゴリズム,データベース,最適化の方法
第3部 統計学・機械学習の基礎 - 機械学習,過学習とモデル選択,回帰問題と住宅価格,アンサンブル学習と住宅価格,分類問題,教師なし学習
第4部 コーパスとネットワークの分析 -トピックモデル,ネットワーク分析
第5部 ディープラーニング - ニューラルネットワークの基礎,ディープラーニング,系列データ分析,画像分析

大学4年間というが,どの学部どの学科を想定しているのかは不明.情報系かな ?  16 トンが 18 年前まで勤めていた理学部物理学科とは (現在は知らないが) かなり方向が違うように思う.住宅価格,株価予測など,例題は社会科学寄り.

内容はカタログみたいなもの.この本に 10 時間かけるなら,初学者はまともな入門書を2時間集中して5冊読んだ方がいいと思う.でも,カタログ的な魅力があることも確か.

16 トンは 1980 年代初頭まで,計算機を用いた物理実験データ処理を生業としていた (例えば,https://doi.org/10.1585/jspf1958.47.233).1/3 世紀前には大学で計算機の講義を持っていた.こんな経歴の持ち主には,最近の動向のうれしいカタログ本だった.

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二紀会広島有志による小品展

2023-01-14 20:59:38 | お絵かき

今年で5年目の,二紀展広島巡回展に先立って行われる小品展.

初登場の森下景子さんの作品がおもしろかった...おもしろい というのは失礼にあたるかもしれないが,中央の彼女の視線が何かのストーリーを感じさせる,右上の作品なんか欲しい ! と思ってしまった.
左下の自画像も,おもしろいけど似ていないが,自画像と似顔絵は違うのだろう.

何年も続けて二紀展では森下さんの 100 号の大作を拝見しているのだけれど,別な方の作品みたいに新鮮だった !!

この小品展は今日 1/15(日)1700 まで.

ちなみに J 子はこのグループ展から引退したらしい.

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消失の惑星

2023-01-13 08:42:39 | 新音律

ジュリア・フィリップス「消失の惑星」早川書房(2021/2).

Amazon の紹介*****
カムチャツカの街で幼い姉妹が行方不明になった。事件は半島中に影を落とす。2人の母親、目撃者、恋人に監視される大学生、自身も失踪した娘をもつ先住民の母親……女性たちの語りを通し、事件、そして日々の見えない暴力を描き出す、米国作家のデビュー長篇
*****

アメリカ女流作家による,ロシア・カムチャッカ半島を舞台とする小説.地図ページが有用.原著の出版は 2019 年.

八月,九月,...,七月の全 13 章.12 ではなく 13 なのは「十二月三十一日」という章があるため.最初の八月でふたりの幼い姉妹が拉致される.この事件についての具体的な記述は,最後の六月と七月まで待たなければならない.そこに至るまでの各月には,それぞれ女性が登場し,独立した短編として読める.ただし小説的な結末があるとは限らない.最初の拉致事件は通奏低音として奏でられるが,有機的に各編と絡み合っているわけではない.

カムチャッカ半島の住人はロシア人すなわち白人と先住民で,人種差別が背景にある.レズを扱った章もある.ソ連時代の記憶が残る時代設定.

原題 Disappearing Earth.この邦題とした理由を知りたいところ.
図書館で借用.

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現代カタストロフ論

2023-01-12 09:26:44 | 読書

金子勝,児玉龍彦「現代カタストロフ論 - 経済と生命の周期を解き明かす」岩波書店 (岩波新書 2022/12).

Amazon の紹介*****
コロナ禍の中で見えてきたのは,「周期的な破綻(カタストロフ)」という問題である.経済学と生命科学が専門である著者たちは,現在が50年周期の大転換点にある,とする.現代化したカタストロフ論の視点から,日本と世界が陥っている現状を経済と生命の両面から解き明かし,迫りくるカタストロフへの具体的対処法を示す.*****

カタストロフィー理論 (カタストロフ理論) は 1970 年代に話題になった.入門書くらいは読んだ.トップ左の画像を覚えている.Wikipedia によれぱ,これはホイットニーの定理「曲線から平面への滑らかな写像はすべて,適当に微小な変形をすることによって,その特異点が折り目とひだ (尖点,カスプ) だけになりうる」ことの一例を示している.

カタストロフ(ィー)ということぱを耳にするのは久しぶり.
いっぽう,日本経済がいわゆるカタストロフィーを迎えようとしていることは明らかである.この本は,カタストロフ(ィー)理論を発展させ,財政破綻,日銀ネズミ講,コロナ禍,ロシアによるウクライナ侵略,地球温暖化などの問題を,数学的に快刀乱麻を断つように扱ってくれるもの...と期待したが,裏切られた.

「周期的」という形容詞が頻出するが,フーリエもウェーブレットも現れない.「経済と生命の両面から解き明かし」とあるが,著者のひとりによる生命の部分,新型コロナウィルスの周期的変異の記述はやや理科的.しかし大局的にはここ数十年から現在に至る経済史が,文科的にずらずらと書かれているにすぎない.

アベノミクス批判は小気味良かった.ぼくが期待したものとは違ったが,ニッポンという泥舟がズブズブと沈みつつあることはよくわかった.それなりに面白くためになったと,言えなくもない.

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