Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

イレウス日記 3

2023-08-03 09:23:55 | 病気
イレウス日記 0, 1, への追記.
画像は病室にあった絵.額縁も凝ったものだった.

点滴について.

飲まず食わず 点滴だけで 10 日も生きるなんて考えても見なかった.少しは歩いたし,小便はいつもよりたっぷり出たくらい.でも体重は 10kg 近く減ったようだ.
四六時中注入された覚えがあるのが,「ビーフリード輸液」で,ネットで見たら,アミノ酸・糖・電解質・ビタミン (4) キットとあった.ビーフのエキスが入っているわけではない.500ml の薬価が 539 円.食べるより安い.

退院後しばらくは,そして今も多少は,痰に悩まされている.半ば体質化してしまったのではないかと心配だ.これも点滴が原因らしい.
「栄養状態が低下している時,特に老人 (16 トンも老人) や癌の終末期では,身体に水分を回す力が極端に低下する.過度に点滴をすると,肺やお腹・皮膚などに水分が溜まり,また余計な水分が痰としてあがってくるので身体を余計に痛め苦しめます」と記述したサイトもあった.
回復の望みがあれば点滴もやむを得ないが,単なる延命治療としての点滴はごめん被りたい.

点滴を入れる血管は3日おきに変えること,また点滴箇所あたりに腫れを生じたときも血管を変えることになっているようだ,入院最後の数日は,点滴を入れるべき血管が細く脆くなった.点滴名人といわれる2-3 人の看護師さんたちが,小一時間かけて我が細腕に,針をあっちに刺したり,抜いてこっちに刺してみたり,足にしようかという声が聞こえたり.
点滴を止めてくれ ! と言ったのだが,看護師さんにとっては医師の命令は絶対らしかった.

現状 その他.

手術で入院したときは病院から予備知識を与えられていたが,今回はそれはなし.病院側のプログラムはいま思えば,絶飲絶食 → イレウス管挿入 → 引き抜き → 摂口栄養開始と歩け歩け という単純なものだったらしいが,患者としては先の見えないものだった.

医師はとにかくイレウスを手術しないで済んだことを喜んでいた.手術したとしても将来別な箇所に癒着が生じるらしい.
再発の覚悟は必要だそうだ.また突発的に再発することを恐れたら,食事に神経質になり,家に引きこもっているしかないではないか !!
思えば癌手術からイレウス発症までの4ヶ月は,知らぬが仏の,楽しい時期だった.手術で退院したときはその足で喜び勇んでレストランに行ったが,この度は今だに J 子が苦労して作ってくれる食事をなんとか飲み込んでいる状態.食後しばらくは消化器が蠕動している感があり,じっとしていないと気分が悪くなる.

毎朝6時前に歩くことにしている.今朝は 500m ほど.ちょっとの登り勾配で,極端に遅くなる.我が家は1階がリビング,2階が寝室で,昇降はトレーニングになっている.
でも気力 ? 体力 ? の衰えで,一度座り込んだら立ち上がるのを決心するのに5分くらいはかかる.




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イレウス日記 0

2023-08-02 06:17:49 | 病気
イレウス日記,1は入院 7/15 から退院 7/30 まで.今回の番号は 0 だが,内容はこの騒動の発端.

イレウスは何の前触れもなくやってきた.
7/15 は J 子と絵画の講演会に出席.その後,ストーマ・パウチの排出物を捨ててから昼食.チーズトーストと牛蒡等のサラダ.
デパートのギャラリーをひやかしていたら気分が悪くなり,ベンチに座っていたのだが一時的に意識がなくなったかもしれない.
路面電車と JR を乗り継ぎ,西条まで辿り着いたが,J 子が車を取ってくる間にバス停のベンチに倒れ込み,通りかかったおばちゃんがご自分のスマホから救急車を呼んでくださった.
なんと感謝していいやら...

最初は熱中症と思われたようだが,J 子が救急スタッフと交渉して,3月に癌手術をした東広島市医療センターに送ってもらった.当直医の専門は泌尿器で,腸閉塞 (イレウス) だが静置すれば回復するとの見立て.7/15 には4人部屋に入れられたが,他の患者さんの食事時であろうと就寝時であろうと,こちらは喚き続けていたようだ.翌 7/16 個室に移動した.いつからか.多分 7/17 からと思うが,癌手術のときの執刀医が正式に担当になった.

1週間くらいの便秘でも平気な方もおられるらしいのに,排泄 (と言ってもストーマからだが) 後 数時間で意識を失うって,どう言うこと?  聞いても「そう言うこともある」という答えしか返ってこないのだった.牛蒡がいけなかったのは確か

まだもう少し,書かせてください.

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イレウス日記 2

2023-08-01 07:26:23 | 病気
昨日の続きです.

7/18 に鼻からチューブ (イレウス管) を入れ,腸に貯留した内容物を吸引することになった.小腸のどこか途中まで,全長 2.2m を挿入.
楽になるはずだったが,ガスがチューブに溜まってしまう.むせ返り,口の中はあいかわらず気色悪い.チューブ末端の三方弁から太い注射器のようなものでガスを吸引するという操作を,1-2 時間ごとにやってもらう.こんなすぐ機械化できそうなことに.夜昼問わず看護師さんの手を煩わせなくともと思うのだが...


7/19? 突如悪寒に襲われ体がガクガクと震え,その後発熱.翌日血液検査の結果で,敗血症と告げられた.排泄物から細菌が血液に混入したのだそうだ.強力な抗生物質のおかげでそれ以上の悪化はなかった.


7/21 チューブが抜ける.楽になるはずだったし,楽になったはずだが,実感はない,口の中にガスが溜まるのは相変わらず.三方弁にも出番がない.ガスは「痰」だそうだ.点滴のせいかもしれない.


7/22 重湯から食事がスタート.食べ方を忘れてしまったようだし,そもそも口の中が気持ち悪く飲み込むことが禁忌であったのだが.口の端からだらだらこぼしたり.ちなみに水がガブガブ飲めるようになったのは退院後.
この週のうちにお粥から普通炊いたご飯へと変えられたが,追従は困難.スパルタ教育の感じ.


チューブを抜いても小腸の癒着部分がまたくっついてしまうかもしれない.対策として唯一・患者ができることは歩くことによって小腸の蠕動を促すこと,と説得され,点滴棒に支えられての「歩け歩け」が始まった.病室がある階の廊下をひと回りすると 400 歩.とりあえず1日 10 周が目標に設定される.25-28 日あたりは1日 5000 歩くらいには行ったようだ,
ストーマ・パウチにガスが出ることが腸活性化の目安.27 日になんとか達成.
入院以来,毎日のように腹部 x 線 (ここではレントゲンと言う) 撮影2枚ずつ.


7/28 夕刻.医師が病室に現れ,当病棟にコロナ蔓延の兆しがあるので,可及的に近い日程で退院するようにと促される.痰のために眠れないのは相変わらずなんだけど... とりあえず7/30 退院と設定し,この予定通りとなった.
7/29 朝で点滴終了,パウチを交換しシャワー.
後で見たら,退院証明書の「転帰」の項には「治癒に近い状態 (寛解状態を含む)」とあった.ネットによれば,治癒は病気が完全に治った状態だが,これに対し病気による症状や検査異常が消失した状態を「寛解」と呼ぶのだそうだ.

この日記まだ続きます.

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