1泊2泊の東京より無事帰還.
これは二紀展の J 子の作品.人物は若き日のご自身とおっしゃている.
16 トンにも描けそうな絵が多いが,以下はこういうのは絶対不可能と思う2点.
上は河野隆行さんの尾道水道.下は坂田允代さんが描いたカープ応援席.
1泊2泊の東京より無事帰還.
これは二紀展の J 子の作品.人物は若き日のご自身とおっしゃている.
16 トンにも描けそうな絵が多いが,以下はこういうのは絶対不可能と思う2点.
上は河野隆行さんの尾道水道.下は坂田允代さんが描いたカープ応援席.
東京の寿司は美味しい !
赤坂通り.鰻 宮川本廛に隣の隣くらい.平日ランチタイム限定上握り 3300 円.久兵衛出身というあるじの他に,客が来る都度ネタを切り分ける職人と,接客の女性の3人.
仕事がしてある鮨で,カウンターに醤油はない.日本橋 吉野鮨本店などは江戸の伝統を守っているが,こちらはそれに創作を加えている.ネタによってシャリも変えているようだ.
写真の穴子はとろけるよう.プリンみたいな卵焼きは賛否がわかれるかも.締めの手巻きふうの干瓢もぼくにとっては新しい味.途中でイクラとズワイ蟹のミニ (マイクロ) 丼.しじみ汁がほとんど最後に供される.
小さいのが 10 貫 だったと思うが結構抱腹した.
SNS で見るとここに限らず,高級店の低価格サービスが進んでいるらしい.夜とどこが違うのか確かめたいものだが,この店ではひとり2万円は覚悟しなければなるまい.
となりのビルにはやはり高級そうな「鮨こしかわ」があった.
講談社文芸文庫 (2024/5)
この 288ページの文庫本の定価が 2,200円 !! 学術書程度の売れ行き ?
ぼくは図書館で借りたけど...
出版社による紹介*****
家業の理髪店で理髪師として出発し、石田波郷門下で句作の道へ。その後、横光利一に師事して小説を書き始め、55年に本書が直木賞候補作となる。選考会では小島政二郎から「ホンモノのリズムが打っている」と絶賛されるが、他の選考委員から「エッセイではないか」「自然すぎる」と批判され、落選。しかしその文章が放つ独特なユーモアと哀感が多くの読者を魅了しつづけ、「名文家」として根強いファンを持つ。「氏の筆の巧妙な幻術に引っかかって(中略)一々事実であると鵜呑みにしないよう」(山本健吉「跋」)ご用心のうえ、この「不世出の作家」が編み出す小説の醍醐味をご堪能あれ。*****
講談社文芸文庫にたくさんの,浅学のぼくは聞いたことがない作家のひとり.全 18 編の短編集.私小説と言っていいと思うが,「私の俳句」というタイトルもあり,他にも まず俳句,次に文章という構成が多い.
最初の「...温泉」以下,「妻」がしょっちゅう登場する.愛妻家というより,妻と仲が良いという感じ...オワカリイタダケルカナ?
あまり寒く笑へば妻も笑ふなり
子どもが活躍する「年玉稼ぎ」もおもしろく,「氏の筆の巧妙な幻術に引っかかって」気がついたら事実であると鵜呑みにしていた.
戦中戦後のモノのない時代に収入がない貧乏自慢的テーマが多い.
異色は「二重橋」.日本に存在する自動車の全部に乗ろうという野心に基づく体験談.
おしなべて「文章が放つ独特なユーモアと哀感」に惹かれるのは確か.
芥川賞候補でなく直木賞候補 !? でも,井伏鱒二も 1938 年という昔だが,受賞したのは直木賞だ.
Joel Ross,Jalen Baker,Simon Moullier など,新人のビブラフォン演奏を聴いてきたが,日本人では ? というわけで,今日は松山夏子さん.でもぼくは今のところ,直接拝見拝聴の機会には恵まれず,ネットで勝手にファンになっているだけである.大井貴司スクールのご出身らしく,2本マレット.大井さんのお弟子さんには美女が揃っていて羨ましい.
動画は「黄昏のビギン」.中村八大のこの曲をぼくも演ってみたいので...
松山夏子(vib),宮之上貴昭(g),清水昭好(b).感情移入に一所懸命な松山さんだが,宮之上さんは余裕で遊んでいるみたい.
もちろんネットには標準 MJQ 編成による Recorda me,The Nearness of You などの,松山さんの名曲名演が多数あります (ちなみに Nearness.. の p は大井さん)
連休最終日・神奈川から酒まつりに来たアイ氏を囲んでミニ?マイクロ?ジャズ研リユニオン (同窓会のこと).やはり皆さん楽器ご持参で,最後はセッションだった.右手前のかたはボンゴで熱演中.
夕刻 エムご夫妻の 予期せぬご訪問もあった.
左は,おもたせのアルコール2本.
昭和のセンイチ,平成のジャズラも,興味のある方が見つかった.
遡って酒まつり2日目には「くらら」に行列して上田宗箇流お茶会.広島ではこの流派 ! in situ で,山寺の和尚さんの歌詞「酒は飲みたし酒はなし...」を思い出してしまった.
5時すぎ,酒まつりの撤収が始まっていたが,通りにメニュースタンドが出ていたので「瀬戸のおばんさい ゆきみや」に入ってみた.紙皿,紙コップなどが用意されていたにもかかわらず,客は我々だけで店内は静寂そのもの.
宮城県平孝酒造の日本酒 +11「日高見 超辛口」を一杯.
日本被団協にノーベル平和賞.当事者が「夢でしょ」と頬をつねる場面が放映された.
現在の国力学力から察すると,物理学賞などはもう無理だろう.平和賞の場合は...くじに当たったような感 なきにしもあらず.
党首討論の記事の核禁条約論議から察すると,現政権にとって受賞はありがた迷惑 (もっと露骨に言えば ひたすら迷惑),粛々と無視するつもりらしい.
でもぼくは素直に喜んでいる.
広島市の「被曝体験伝承者等養成事業」なるものに応募したいと思ったことがある.
高齢化に伴って,被爆体験を話す被爆者が年々減少している.そこで被爆者本人に代わって体験を伝承する「被爆体験伝承者」を養成する事業である.
約2年の研修後,概ね5年以上活動できることが応募資格.
研修では被爆の実相や話法技術等の講義を受講後,証言者から被爆体験を伝授され,自分で講話原稿を作成した講話実習を行う.研修後は公財)広島平和文化センターからの委嘱で,平和記念資料館等で,修学旅行生や海外からの訪問者等を対象に講話を実施することになる.
崇高な意識だけではなく,教師という職業を経験して以来、ヒトマエで話すのが嫌でなくなったということもある (ヒトマエでジャズを演奏することも関係するかもしれない).自分の場合,被爆者と年齢層が重なるので,「伝承」もそれなりにリアルにできそうに思えたが...
癌になり,治癒したはずがイレウス頻発という状態で,応募資格喪失 ! のお粗末.被爆者だけでなく,ギャラリーも負けずに高齢化する,と言うこと.
くらら こと 東広島芸術文化ホール・10 月のロビーコンサートは,ビブラフォン奏者も無事参加し,なんとか終了.
ギター以外は生音.J 子はしきりに響きが良かったと言うが.ぼくは残響をやたら長く感じた.
演奏は Still Young Jazz Quartet (cl, bs, vib, g),
セットリストは In the Shade of the Old Apple Tree / 胸の振り子 / Isn’t She Lovely / This Masquerade / C’est Si Bon,アンコールは 東京ブギウギ.
満席の盛況.ありがとうございました.
クラリネット N 村の MC より...
-「胸の振り子」は霧島昇というヒトが歌ったそうだが知らない.石原裕次郎のカバーが有名らしいが,倍賞千恵子のが好きである.
-「This Masquerade」はレオン・ラッセルの曲だが,カレンが歌うカーペンターズ版が好きだ.
-「C'est Si Bon」はイヴ・モンタン,ルイ・アームストロングだが,越路吹雪のが好きだ.
ぼくも彼にならって Youtube を漁ってみた.おすすめはトロンボーン4本による「胸の振り子」.
「遠藤周作 初期短編集 砂の上の太陽」河出書房新社 (2023/11)
図書館で借読.
出版社の紹介*****
『沈黙』が執筆されるまでの、著者の原点となる信仰の苦悩を描く「砂の上の太陽」他、50年代60年代を中心に初期の知られざる短篇を発掘。貴重な作品の数々!*****
この本の最初の2篇は洋行の自己体験.次は旺文社の雑誌「高校時代」に掲載した小説と続き,9編の最後の「砂の上の太陽」は実質的 芥川受賞第1作.短編として完結しているものも,尻切れ蜻蛉のものもある.
次第に純文学的な小説 ? になるように配置されているのかと思った.でもこの順番は解題 (今井真理) によれば,執筆された年代順ではないのだった.同じ今井による解説もある.
最初の2篇の洋行・留学談の,自分だけ酷い目にあったような書き方に閉口した.16 トン自身も ¥360/$ 時代の留学での,思い出したくないことを思い出してしまった.
最後の3編「ピエタの像」「ナザレの海」「砂の上の太陽」がやはり「キリスト教作家」らしくて良い.後期のユーモア小説や狐狸庵随筆に (僕が) 感じる手抜き感は希薄.