【新型コロナ】:豊洲 マグロ暴落 需要なく価格3割 高級食材、通販に道
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:豊洲 マグロ暴落 需要なく価格3割 高級食材、通販に道
新型コロナウイルスの感染拡大で、旧築地市場から移転した豊洲市場(東京都江東区)が、開場から一年半で試練を迎えている。訪日外国人客が激減して外食需要が落ち込み、魚介類など高級食材の取引が減ったり値崩れしたりしているためだ。マグロは前年に比べ半減し暴落。売れなくなった食材をネット通販で割安に販売し、活路を見いだす動きも出ている。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、観光客の入場を中止している豊洲市場=17日、東京都江東区で
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「魚の値段が下がり、客も来ない。ほぼ瀕死(ひんし)の状態だ」。豊洲市場内の水産仲卸業者「大力(だいりき)商店」の原田勝社長(53)はため息をつく。
大力はサクラダイといった高級鮮魚五十~六十品目を扱う。銀座や赤坂のすし屋、日本料理店などを顧客に持つが、新型コロナの影響で三月ごろから取引のキャンセルが相次ぎ、海外の取引先も香港だけに。十五人ほどいる社員の稼働を絞って営業を続けるが、売り上げは通常の二割程度に落ち込み、経営状況悪化に備え融資の申請を検討する。
「先が見えない最大のピンチ。チーム大力で一致団結して乗り切りたい」と原田さんは声を振り絞る。
豊洲市場の水産物週間市況(四月十~十六日)によると、鮮魚類の一日平均取扱数量は四百六十九トンで、前年同期比で約三割減った。マグロは一九・七トンと前年に比べて半減し、国産の卸売価格は一キロ当たり平均二千九百十円で前年の三割近くまで落ち込んだ。
観光客の市場への入場は二月末から中止。市場関係者以外は飲食、物販店も利用できず、人気が高いマグロの競り見学も募集を見合わせている。
一方、行き場を失った食材の一般客向け販路を開拓する動きが広がっている。市場内に物流拠点を持つ通販サイトは、飲食店の需要減を受け、余ったウニやイクラなどの食材を割安の価格で販売している。
サイトを運営する会社の萩原章史社長(58)は「通常の約十倍の売り上げがある日もあり、反響は大きい。豊洲市場には世界中から最高の食材が集まってきており、売れずに困っているものがあれば販売して産地支援もしたい」と話した。(東京新聞)
元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【医療・企業・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う不安】 2020年04月20日 13:56:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。