【新型コロナ】:小池氏の「暴走」に国が待った、休業要請の調整難航
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:小池氏の「暴走」に国が待った、休業要請の調整難航
東京都の小池百合子知事は8日、144人が新たに新型コロナウイルスの感染が確認されたと、明らかにした。1日の確認数では過去最多。95人が経路不明だった。一方、緊急事態宣言を踏まえ、国との間で調整がつかなかった休業要請の対象先について、小池氏はこの日も国と調整を続けた。都独自のリストで対応しようとする小池氏の「暴走」に、国は「範囲が広すぎる」と待ったをかけた。都と他の対象地域の足並みも、まだ乱れたまま。混乱は続いている。
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小池氏は8日夜、都庁で取材に応じ、新たに144人の感染が確認されたことについて「残念だ」とした上で「若い方が圧倒的に多く、50代以下が81名。この傾向が強くなっている」と懸念を示した。感染経路不明も95人と、6割を超える。感染経路不明の増加が、安倍晋三首相が緊急事態宣言に踏み切った要因のひとつでもあり、都の感染状況は依然、深刻だ。
しかし都と政府の間では、緊密な連携が取れているとは言い難いのが実情だ。
都では緊急事態宣言を前提に、事前に内部で休業要請の対象先を独自に準備したが、国との調整がつかず、発表を10日に先送りするまさかの対応を迫られた。 休業要請の対象については、業態を広げて実効性を高めたい都と、経済活動への影響を避けたい国とは隔たりがあり、理容室を含めるかひとつとっても、対応は異なる。関係者によると、都と政府の協議では「社会生活の維持に必要な施設」に何が該当するかをめぐり、見解の違いが複数浮上。政府は都が、当初休業要請のリストに含めた対象のうち、ホームセンターや百貨店などを外すよう要求したという。小池氏の「暴走」に、国が待ったをかけたとの見方がある。
退庁時に報道陣の取材に応じる小池百合子都知事(撮影・村上幸将)
この日も、西村経済再生担当相と調整を続けた小池氏は「政府から資料が送られ、新しい枠組みの通知があった。感染症を拡大させないための最も有効な方法の道を探す」と語った。一方、「基本的な対処方針に、外出の自粛の効果を見定めてから、といった文言がある。2週間といわれるが東京にとってはきつい。スピード感を持って対処しなければ」と苦言を呈した。
全国知事会が開いたインターネット中継による対策本部会合で発言する東京都の小池百合子知事(共同)
一方、西村氏が7都府県知事とのテレビ会議で、休業要請を2週間程度見送るよう打診したことが、関係者への取材で分かった。
都の方針は、当面、休業要請しない方針を打ち出している6府県とも足並みがそろっていない。神奈川県の黒岩祐治知事は会見で「歩調を合わせるのはほぼ不可能」と述べた。休業要請をめぐっては、国と7都府県側の足並みもそろっておらず、事前の調整不足が露呈。混乱は続きそうだ。
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策】 2020年04月08日 21:19:00 これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。