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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【ファクトチェック・ニッポン!・10.12】:フジ「めざまし8」MTG途中、北朝鮮がミサイル発射 専門家らの発言から抱いた一つの懸念

2022-11-05 06:21:20 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【ファクトチェック・ニッポン!・10.12】:フジ「めざまし8」MTG途中、北朝鮮がミサイル発射 専門家らの発言から抱いた一つの懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!・10.12】:フジ「めざまし8」MTG途中、北朝鮮がミサイル発射 専門家らの発言から抱いた一つの懸念

 NHKを辞めて、行ったアメリカから帰ってきて毎日放送でコメンテーターを始めたのは2017年10月。つまり、コメンテーターなる立場になって5年が経ったわけだ。その最初の10月4日はフジテレビの「めざまし8」。前日に送られてきた内容では、メインは岸田首相の所信表明演説だった。

 「経済再生の優先」を表明したとされる内容はチェックしていたが、特に目立った内容も感じられない演説だった。例えば電気料金の高騰への対応から「前例のない思い切った対策」を講じると述べていたが、具体例がないため、「思い切った」という言葉が伝わってこない。それくらいのことも理解できないのかと驚いた。

 所信表明演説は各省庁と調整して原稿は作られる。それにどれだけ首相の色を出すかが問われるわけだが、災害対策や外交安全保障については恐らく省庁の挙げてきた内容のままだろう。具体性に乏しい内容だった。妙に具体的だったのは、「公正取引委員会等の執行体制の強化」という点だ。企業間の競争を活発化させるために公的な介入を強化するという……「これが新しい資本主義か?」とも思ってみた。

 そうしたことを考えながら迎えた当日の打ち合わせで異変が起きた。(北)朝鮮が弾道ミサイルを発射。そして番組内容は一気に変わる。これは情報番組の強みでもあるのだろうが、番組は(北)朝鮮一色となった。

<picture>金正恩書記長(C)ロイター</picture>

        金正恩書記長(C)ロイター

 専門家やフジテレビの解説委員が加わって話が進む。専門家の発言は、(北)朝鮮に対して厳しい姿勢をとるよう日本政府に求める内容だ。

 そうした話を聞きながら、やはり一つの懸念を感じずにはいられなかった。金正恩政権の判断の中で、どれだけ日本が意識されているのか、だ。

 小欄でこれまで何度か触れているが、私は過去に2度、訪朝している。その都度、(北)朝鮮に強硬な姿勢で臨むべきとする人々から批判されるが、やはり行かねばわからないことがある。その一つに、対日政策担当者の位置づけの変化がある。

(北)朝鮮にとって日本は重視すべき国だった。それは対日政策担当者の政府内での一定の発言力から推測できた。金日成、金正日政権時は特にそうだったのだろう。それ故に金丸訪朝も、小泉訪朝も実現した。単なる敵対国家なら、そうはならない。また、エリート外交官を養成する平壌外国語大学には日本語学科があり、そこで日本語や日本の政治を学んで政府に入った人間が対日政策担当者となっていた。

 ところが、私の2度の訪朝で、彼らの位置づけが低くなっていることを知った。驚いたことに、平壌外国語大学で日本語学科が廃止になっていた。

 ■いたずらに強硬論を振りかざしてきた結果だが…

 米朝首脳会談に慌てた安倍元首相はそれまでの交渉に応じない姿勢を変えて、「無条件での日朝首脳会談」を言い出し、岸田首相もそれを踏襲している。しかし、それをお膳立てする役割の(北)朝鮮側の人間の地位が下がっている状況への考察はない。いたずらに強硬論を振りかざしてきた結果だが、そこに変化は見られない。

 ※コラムへの感想や意見は以下のアドレスへ。 tateiwa@infact.press

立岩陽一郎
 ■立岩陽一郎 ジャーナリスト

 NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部客員教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「ファクトチェック・ニッポン!」】  2022年10月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ファクトチェック・ニッポン!・10.05】:国葬当日はフジ「めざまし8」に出演 語ったことは従来の繰り返し、プロセスの重要性だ

2022-11-05 06:21:10 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【ファクトチェック・ニッポン!・10.05】:国葬当日はフジ「めざまし8」に出演 語ったことは従来の繰り返し、プロセスの重要性だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ファクトチェック・ニッポン!・10.05】:国葬当日はフジ「めざまし8」に出演 語ったことは従来の繰り返し、プロセスの重要性だ

  9月26日の昼前、国葬の前日にフジテレビ系の「めざまし8」の担当者から電話が入った。翌日の番組に出演してほしいとの話だった。私は木曜日の出演なので緊急出演ということになる。

<picture>安倍元首相の国葬(C)JMPA</picture>

        安倍元首相の国葬(C)JMPA

 当日の火曜日は、三浦瑠麗さんが総合解説、元栄太一郎さんがコメンテーターということで、世間的には安倍元首相に近いと見られている識者だ。あえて詮索はしなかったが、元首相に批判的な私を出すことで番組のバランスを考えたのだろう。趣旨を理解して急きょ、上京となった。

 ただ当日、私が番組で語ったことは、小欄で書いていることの繰り返しだった。それは、プロセスの重要さだ。日刊ゲンダイの読者は納得しないだろうが、私は安倍氏の国葬だから反対という考えではない。安倍氏を批判する人は国葬を認めないし、反対に安倍氏を支持する人は賛成する。

 私が首相としての安倍氏に対して高く評価していないことは小論でも書いてきた。岸田首相は国葬で、安倍氏によって「我が国の安全は一層保てるようになった」「歴史は(政権の)長さよりも、達成した事績によって記憶する」と述べたが、私は同意しない。それでも、同意する人がいることも事実だ。だから、プロセスが大事になる。

 そもそも民主主義とは、得られる結果を評価する言葉ではなく、プロセスの重要性を指す言葉だ。決定への人々の参加、それが民主主義だ。それをするのが国会だ。選挙で選ばれた代表が、有権者の負託に応えて決定に参加する。

 自公が過半数だから国会決議の結果は同じだと言う人はいる。繰り返すが、民主主義とは結果ではなく、プロセスだ。良い政治といった抽象論を語っているわけではない。もちろん、憲法に違反するような議決は認められない。あくまで憲法の枠内で、国会の決議をもって物事を進めるべきだ。

 国葬を支持する人で法的に問題ないと主張する人は多い。しかしそもそも、国葬に関する明確な法律があるわけではない。それは、国葬を是とするための理屈にしか思えない。

 今回は弔問外交が話題となった。それは岸田政権にとっては苦肉の策だろう。平たく言えば「硬いこと言うな、外交の役に立っている」ということか。同時に、G7の首脳が一人として来なかったこともニュースで取り上げられている。それは安倍元首相との関係で語られるケースが多いが、私は正直、違和感を覚える。外交はそこまでナイーブではない。G7首脳が来日するか、しないかの判断は、安倍氏への思いではなく、あくまで日本に来る意味があるか、ないかだろう。この時期に他の何かを差し置いて日本に首脳が行く意味があるのか? それだけだ。ハリス米副大統領が訪日の後に朝鮮半島の非武装地帯に向かったという事実が、それを物語っている。外交経験の浅い副大統領に東アジアを知ってもらう意味があるとの判断だろう。

「のど元過ぎれば」ではなく、国会で検証と国葬のための規則作りをするべきだ。併せて、国葬の遠因となった旧統一教会についても国会で検証する。当然のことだ。

 ※コラムへの感想や意見は以下のアドレスへ。 tateiwa@infact.press

立岩陽一郎
 ■立岩陽一郎 ジャーナリスト

 NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部客員教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載・「ファクトチェック・ニッポン!」】  2022年10月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金子勝の「天下の逆襲」・11.02】:アベノミクスの亡霊にこの国の資産は食い潰される 「安倍・黒田勘定」で清算を

2022-11-05 06:20:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【金子勝の「天下の逆襲」・11.02】:アベノミクスの亡霊にこの国の資産は食い潰される 「安倍・黒田勘定」で清算を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金子勝の「天下の逆襲」・11.02】:アベノミクスの亡霊にこの国の資産は食い潰される 「安倍・黒田勘定」で清算を

 岸田政権、そして日銀は歴史的敗北に向かっている。ゼロ金利を続ける金融政策は旧日本軍の「インパール作戦」そのものだ。岸田首相、黒田日銀総裁、財務省の神田財務官。3者の頭にあるのは目先の円安阻止だけだ。

<picture>目先の円安阻止だけ(左から岸田首相、黒田日銀総裁、神田財務官)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

 (左から岸田首相、黒田日銀総裁、神田財務官)/(C)日刊ゲンダイ

 足元で繰り返される円買い・ドル売りの為替介入は、ゼロ金利維持に固執する黒田の体面を保つため。単独介入でも相場をコントロールできるとアピールしたいのだろうが、あす(米国時間2日)まで開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4会合連続で0.75%の利上げを決定する見通し。0.5%にとどまるにせよ、年内に日米金利差は4%台に拡大し、日本の貿易赤字はさらに積み上がる。政府・日銀はまるでドンキホーテ。国の借金はすでに1200兆円を突破している。年間20兆円超の貿易赤字を垂れ流す中、無謀な介入を続ければ、外貨準備はみるみる減っていく。アベノミクスの亡霊がこの国の資産を食い潰すことになるだろう。  

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金子勝
著者のコラム一覧
 ■金子 勝 立教大学大学院特任教授

 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載金子勝の「天下の逆襲」】  2022年11月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金子勝の「天下の逆襲」・10.19】:政府・日銀の「矛盾政策」は英ポンド危機の二の舞にならないか

2022-11-05 06:20:40 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【金子勝の「天下の逆襲」・10.19】:政府・日銀の「矛盾政策」は英ポンド危機の二の舞にならないか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金子勝の「天下の逆襲」・10.19】:政府・日銀の「矛盾政策」は英ポンド危機の二の舞にならないか

 9月の企業物価指数が前年同月比で9.7%の上昇となった。これで19カ月連続だ。輸入物価指数は同48%増。円安の影響もあって上昇する中で10月の値上げラッシュを迎えている。

<picture>トラス英首相の経済政策は“首相降ろし“の本格化に発展も…(C)AP=共同</picture>

 輸入物価高を食い止めるため政府・日銀は9月22日、1ドル=145円で円買いドル売り介入したが、10…、

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 ■金子 勝 立教大学大学院特任教授

 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載金子勝の「天下の逆襲」】  2022年10月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金子勝の「天下の逆襲」・09.21】:異常な円安になすすべなし…日銀が「歴史的敗北」に追い込まれる危険性

2022-11-05 06:20:20 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【金子勝の「天下の逆襲」・09.21】:異常な円安になすすべなし…日銀が「歴史的敗北」に追い込まれる危険性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金子勝の「天下の逆襲」・09.21】:異常な円安になすすべなし…日銀が「歴史的敗北」に追い込まれる危険性 

 9月13日、アメリカでCPI(消費者物価指数)ショックが起きた。8月のCPIが市場予想を上回り、8.3%に高止まりしたのだ。これを受けて、ニューヨークダウが1276ドルの大暴落をし、円ドル相場は1ドル=144円後半に突入してしまった。


アベノミクス批判がタブーの岸田首相(左)、口先介入だけの黒田日銀総裁/(C)日刊ゲンダイ

 現在開かれている米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.75%か1%といった大幅利上げが予想される。このまま行くと、日米金利差の拡大により、輸入物価高騰の原因である円安にさらなる拍車がかかるだろう。

 8月の日本国内の企業物価指数は9%で高止まりし、消費者物価もさらに上昇していく気配だ。帝国データバンクによると、10月には食品主要105社で6500品目を超える値上げラッシュが控えている。賃金が上がらず、物価だけが上昇する状況に多くの国民が苦しんでいる状況だ。

 原因は、岸田政権がアベノミクスの失敗を是正し、金融緩和から脱することができないからだ。安倍元首相の国葬にこだわる岸田首相にとってアベノミクス批判は最大のタブーであり、自ら手足を縛っている状態である。その上、来年度予算の概算要求は110兆円超。利上げすれば国債費の増大は必至で、予算は組めなくなるだろう。

 さすがに日銀は異常な円安が進む中で、口先介入を始めた。黒田総裁は9日、急激な円安進行を「好ましくない」と牽制した。ところが、全く効果がなく、先述のアメリカのCPIショックに直面し、1ドル=145円突破が目前になった。そこで14日には、金融機関に為替相場の水準を尋ねる「レートチェック」を実施。「円買い介入をするぞ」という脅しのサインを出してきた。

 しかし、これも足元を見られるのは必定である。アメリカは年内3回も利上げがあり、日本の貿易赤字もひどい。そんな中で、外国の通貨当局は、インフレ抑制のため自国通貨高を維持したいと考えている。とくに売るドルは外貨準備しかないが、アメリカ当局はドル売り=ドル安は望まない。日銀が円買い介入して「円高ドル安」に誘導しようとしても、アメリカ通貨当局は協力しないだろう。

 すると思い起こされるのは、1992年夏にジョージ・ソロスがイングランド銀行を打ち負かした事件だ。欧米などがインフレ対策で利上げする中、身動きが取れない日銀は狙い撃ちにされかねない。先物ファンドが一気に円売りに動けば、日銀はとても耐えられまい。今回の円買い介入スタンスの表明は、日銀の歴史的敗北ののろしになる可能性がある。

 

 

金子勝
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 ■金子 勝 立教大学大学院特任教授

 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載金子勝の「天下の逆襲」】  2022年09月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金子勝の「天下の逆襲」・09.07】:国を挙げて葬るべきは「元首相」ではなく「黒田日銀」ではないか

2022-11-05 06:20:10 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【金子勝の「天下の逆襲」・09.07】:国を挙げて葬るべきは「元首相」ではなく「黒田日銀」ではないか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金子勝の「天下の逆襲」・09.07】:国を挙げて葬るべきは「元首相」ではなく「黒田日銀」ではないか

 安倍元首相の横死を機に噴出した統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐる問題の出口が見えない中、国葬に対する世論の反発が強まっている。統一教会と自民党との関わりの本家本元が安倍で、教団票を差配していたのも安倍なのだから、国を挙げた葬儀に不快感を持つのは当然だろう。

<picture>アベノミクスによって日本は破綻に追い込まれる(日銀の黒田総裁)/(C)共同通信社</picture>

 アベノミクスによって日本は破綻に追い込まれる(日銀の黒田総裁)/(C)共同通信社

 そもそも、国葬に法的根拠はない。国民に弔意を求めないのであれば、なおさら私葬で十分だ。それはすでに営まれている。警備費を含めれば少なくとも30億円とされる国葬費用について、事前に説明しないのも姑息だ。

 最大の争点は安倍が国葬に値する功績を残したか否か、だろう。集団的自衛権行使の容認を閣議決定し、解釈改憲を強行。国家を私物化したモリカケ疑惑、国会で118回も虚偽答弁をした桜を見る会をめぐる疑惑は解明されないまま。問題は国葬以降、深刻になる。9年間に及ぶアベノミクスのツケでいまだ金融緩和を止められず、金利を引き上げられず、歯止めがかからない円安物価高は国民の暮らしをますます蝕んでいく。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が今月20日から開くFOMC(連邦公開市場委員会)では、少なくとも0.5%の利上げが見込まれる。11月、12月のFOMCも流れは変わらない。年内だけでも3回、金利は引き上げられ、日米金利差は3.5~4%に拡大する。円を売ってドルを買うだけで利回り4%が堅いとなれば、投機マネーに限らず、FXトレーダーも参戦し、円安は一層、加速する。

 ついに、1ドル=140円台に突入した。まさに日本売りの様相だ。しかし、黒田日銀も岸田政権も金縛り状態で傍観するしかない。民間調査会社の集計によれば年内の食品値上げは2万品目を超える。円安物価高の影響は大きい。

 まかり間違えばトルコ危機の二の舞いになりかねない。ここまで円安が進んでいるにもかかわらず、貿易赤字が膨らんでいるからだ。1~6月は8兆円弱、7月は1.4兆円余り。年間15兆円を超える史上最悪の貿易赤字を記録する危険性がある。貿易赤字の拡大もドル買い需要を膨らませるので、大きな円安要因となる。

 アベノミクスによって日本経済は破綻に追い込まれている。国を挙げて葬らなければならないのは、元首相ではなく、黒田日銀だ。何もしないがゆえの岸田政権の失政は年末に向けて取り返しがつかない事態を招くだろう。

金子勝
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 ■金子 勝 立教大学大学院特任教授

 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載金子勝の「天下の逆襲」】  2022年09月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【岸田首相】:旧統一教会問題での被害者との面会「来週までに調整」ようやく具体的日程を提示

2022-11-05 00:10:50 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【岸田首相】:旧統一教会問題での被害者との面会「来週までに調整」ようやく具体的日程を提示

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:旧統一教会問題での被害者との面会「来週までに調整」ようやく具体的日程を提示 

 岸田文雄首相は4日、衆院厚労委員会で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題の被害者との面会について「来週までに、できるだけ早い時期に調整したい」と明言した。被害者救済へ向けた自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党による協議会では与野党間の隔たりから今国会での法案提出が危ぶまれるなど、野党側は批判を強める。11日から東南アジア歴訪を予定している岸田氏は「具体的にどの方に、どういった形でお会いするのか今、調整している」と述べ、外遊前に政権批判をかわす狙いも透けて見える。

岸田首相(2022年8月6日撮影)岸田首相(2022年8月6日撮影)

 これまで岸田氏は旧統一教会の2世信者ら被害者との面談の意向を示していたが、ようやく具体的な面会日程を提示した。この日、被害救済法の整備などをテーマとする第5回協議会が開催されたが、マインドコントロール(洗脳)による高額献金の規制や家族による取り消し権などについて与党側が難色を示すなど進展していない。

 委員会質疑では立民の早稲田夕季氏から「被害者救済の新法を先送りすることなく、今国会で成立させるべき」と指摘された岸田氏は「速やかに検討を行い、準備ができたものから臨時国会に提出をしていきたい」と強調した。

 立民の泉健太代表は4党協議について「与党の妨害によって停滞している。先送り、骨抜きの動きが、やはり出てきた。立憲、維新の案に対して文句をつけるだけが繰り返されている」などと指摘した。泉氏は「自民、公明の後ろ向きな姿勢の中で闇に葬られる恐れを非常に感じている」とし、「もし、協議がまとまらないということであれば、岸田総理、自民党は国民に対する重大な背信行為だと思う。内閣不信任に値する」と批判した。【大上悟】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・岸田政権・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題の被害者との面会】  2022年11月04日  20:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【立憲民主党】:泉代表、旧統一教会問題の協議停滞で「先送り、骨抜きの動き」「内閣不信任に値する」

2022-11-05 00:10:40 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【立憲民主党】:泉代表、旧統一教会問題の協議停滞で「先送り、骨抜きの動き」「内閣不信任に値する」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【立憲民主党】:泉代表、旧統一教会問題の協議停滞で「先送り、骨抜きの動き」「内閣不信任に値する」

 立憲民主党の泉健太代表は4日、記者会見で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済を巡る与野党協議について「与党の妨害によって停滞している。先送り、骨抜きは許されないということを何度も申し上げてきたが、先送り、骨抜きの動きが、やはり出てきた」と指摘した。

記者会見する立憲民主党の泉代表(共同)記者会見する立憲民主党の泉代表(共同)

 自民・公明と立民、日本維新の会による4党協議では高額献金の規制や家族による取り消し権、マインドコントロールの定義などでについて与野党間の隔たりがある。泉氏は「自民・公明示さないばかりか、立憲、維新の案に対して文句をつけるだけが繰り返されている」と批判を強めた上で「改めて新しい法律、新法を作ることが重要。この国会の中で実現する、成立をさせるということが被害者からも求められている」とした。

 また与党側の対応について「自民・公明の後ろ向きな姿勢の中で闇に葬られる恐れを非常に感じている」とし、「もし、協議がまとまらないということであれば、岸田総理、自民党は国民に対する重大な背信行為だと思う。内閣不信任に値する」と述べた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・立憲民主党・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済を巡る与野党協議について】  2022年11月04日  13:27:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田内閣】:寺田総務相、自ら続投を明言も野党から辞職勧告 立民・泉代表「早く、身をひいてもらいたい」

2022-11-05 00:10:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【岸田内閣】:寺田総務相、自ら続投を明言も野党から辞職勧告 立民・泉代表「早く、身をひいてもらいたい」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田内閣】:寺田総務相、自ら続投を明言も野党から辞職勧告 立民・泉代表「早く、身をひいてもらいたい」

 自民党の寺田稔総務相は4日、記者会見で自身が関係する政治団体の政治資金を巡る問題が相次いで判明しているが「引き続き、大臣として職責を果たしたい」と改めて辞任の意思がないことを明らかにした。

4日、記者会見する自民党の寺田総務相(共同)4日、記者会見する自民党の寺田総務相(共同)

 寺田氏が関係する政治団体「寺田稔竹原後援会」は3年前に死亡している故人を会計責任者とする政治資金収支報告書を提出するなどの問題が判明した。寺田氏は「私自身が直接管理している団体ではない」と関与を否定し、「政治資金規正法上、全く問題ない」としているが、自らの国会答弁を修正、陳謝するなど釈明に追われている。

 立憲民主党の泉健太代表は同日の会見で「いつ辞めるのかと思っていたが、逃げ切りを図ろうとしている」と指摘した。そして「選挙法や政治資金規正法とかを所管する大臣自ら、居直るということは理屈が通らない。早く、身をひいてもらいたい。辞任を求めたい」となどと辞職を勧告した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・岸田内閣・寺田稔総務相・自身が関係する政治団体の政治資金を巡る問題】  2022年11月04日  13:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【独占インタビュー】“統一教会”問題、渦中の2人に直撃②  会見中止要求に突然の自宅訪問…教団の“反撃”への激しい怒り、それでも捨てきれない家族への想い

2022-11-05 00:05:50 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【独占インタビュー】“統一教会”問題、渦中の2人に直撃②  会見中止要求に突然の自宅訪問…教団の“反撃”への激しい怒り、それでも捨てきれない家族への想い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独占インタビュー】“統一教会”問題、渦中の2人に直撃②  会見中止要求に突然の自宅訪問…教団の“反撃”への激しい怒り、それでも捨てきれない家族への想い

  “統一教会”の被害を訴え続ける小川さゆりさん(仮名)と橋田達夫さんが、二人揃って「情報ライブ ミヤネ屋」のインタビュー取材に答えました。その模様を、3回に渡ってお届けします。第2弾となる今回は、二人が被害を訴えてからの、教団側の“反撃”に対する激しい怒りと、いまだに続く「家族が信者」であることの苦悩を語ります。<button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">小川さゆりさん(仮名)と橋田達夫さん</button>

小川さゆりさん(仮名)と橋田達夫さん

 ■【動画】ミヤネ屋・独占直撃!“統一教会被害”橋田達夫さんと小川さゆりさん(仮)② 教団からの“反撃” への激しい怒り、「家族が信者」である“苦悩”

 ◆会見中に届いた中止要求「両親が世界中の前で私を批判した」

 ◆元妻の動画を公開「異常さを感じた」

                 教団への怒りをあらわにする橋田さん

◆のめり込む家族、それでも捨てきれない想い

                    捨てきれない親への思い

 元稿:讀賣テレビ(NNN系列) 主要ニュース 社会  【話題・旧統一教会を巡る数多くの疑惑】 2022年11月02日 14:00:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

 

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【独自解説】初開催の「専門家会議」に紀藤弁護士&エイト氏が指摘する不安と懸念、”統一教会”への解散命令請求に今必要な3つのコト

2022-11-05 00:05:10 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【独自解説】初開催の「専門家会議」に紀藤弁護士&エイト氏が指摘する不安と懸念、”統一教会”への解散命令請求に今必要な3つのコト

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独自解説】初開催の「専門家会議」に紀藤弁護士&エイト氏が指摘する不安と懸念、”統一教会”への解散命令請求に今必要な3つのコト 

 岸田首相が年内に着手すると語った「質問権」の行使ですが、「質問権」は過去に行使された例がないため、行使する際の基準を検討する「専門家会議」が招集され、10月25日にその初会合が開かれました。「専門家会議」は今後数回開かれる見通しで、基準が設定されたのち、宗教法人審議会で調査に関する質問案や「質問権」を行使するのかどうかも議論する予定です。今後、解散命令の請求まで進むにあたって気になる点を、紀藤正樹弁護士と鈴木エイト氏が解説します。

「質問権」の行使に着手
「質問権」とは?

「質問権」とは、法令違反などの疑いのある宗教法人に、文部科学省などが運営の実態や報告を求め質問できる権利のことです。質問に応じない、または虚偽の報告をした場合は、代表の役員に対して10万円以下の過料が科せられることがあります。この調査の結果次第では、宗教法人の「解散命令」につながる場合もあるといいます。

紀藤正樹弁護士

Q.今回の「専門家会議」に気になる点があるそうですが…
(紀藤弁護士)
「今回の『専門家会議』は、『宗教法人審議会』のメンバーから選ばれています。『宗教法人審議会』は、『質問権』を行使する場合に、その質問の正当性を諮問されるところです。その審議会と同じメンバーが『質問権』を行使する基準を決めるのは、正当性がどうなのか心配です。私は文化庁の宗務課で基準を決めた上で、『専門家会議』はそれを判断するくらいにしないと、質問者の意図が基準作りに影響したと思われる恐れがあるので、その正当性が疑われるのではないかと思います」

岸田首相「民法も不法行為も入り得る」

 岸田首相は10月19日、「個別事案に応じて、解散命令の請求について判断すべきであり、行為の“組織性”や“悪質性”、“継続性”などが明らかになり、宗教法人法の要件に該当すると認められた場合には、民法の不法行為も入り得る」としました。

鈴木エイト氏

Q.「民法の不法行為も入り得る」となりましたが、気になる点はありますか?
(鈴木氏)
「“統一教会”がどういう団体なのかを、政府がきちんと認定していないことが問題なのですが、民法上の不法行為も入るとなると、使用者責任も入るということになります。そこには“濃いもの”と“薄いもの”があるので、どこで線を引くのかの立て付けを、しっかり設定する必要があります」

(紀藤弁護士)
「『解散命令の請求について、民法の不法行為が入り得る』ということになると、“組織性”が必要なのかという議論も出てきます」

岸田首相、元信者との面談を明言

 また岸田首相は、「元信者と面会する」と明言し、政府として被害実態の聞き取りを行う方向で調整を進めていることを明らかにしました。
Q.この政府の姿勢に関してはどう思われますか?
(紀藤弁護士)
「私はとてもいいことだと思います。実は被害者との面談だけでなく、政府として被害弁護団の意見を聞きたいということも明言されたので、『質問権』の行使の基準であるとか、『質問権』の内容を我々弁護団とも協議する場を文化庁の中に作っていただきたいと思います。しかし、基準作りは文化庁宗務課で考えればいい事なのに、わざわざ『専門家会議』を開くというのは、個人的には質問案を作る時間稼ぎに見えています」

岸田首相、元信者との面談を明言

Q.これから「解散命令」の請求まで進めるにあたって、気になる点はありますか?
(紀藤弁護士)
「最終的には『解散命令』が下るような証拠が必要です。基準作りも、質問の案も、証拠収集も同時に進めないと、迅速にスピード感を持って『解散命令』の請求ができないと思います。現時点で政府が、民事事件以外の証拠をどの程度つかんでいるかを、ある程度公開していかないとだめだと思います。また、行政処分の基準は基本的に公開されていますので、今回の場合も、たとえ抽象的であっても基準は公開しないといけません。その上で『質問権』を行使するという立て付けでないと、年内行使は間に合わなくなるのではないかと恐れています」(情報ライブミヤネ屋2022年10月25日放送)

 元稿:讀賣テレビ(NNN系列) 情報ライブ ミヤネ屋 主要ニュース 社会  【話題・旧統一教会を巡る数多くの疑惑】 2022年10月25日 14:00:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

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【独自解説】“統一教会”『異例ずくめ』の会見を有田芳生氏と紀藤正樹弁護士が徹底解説「都合が悪いことは説明しない」「国会できちんと議論を」

2022-11-05 00:05:00 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【独自解説】“統一教会”『異例ずくめ』の会見を有田芳生氏と紀藤正樹弁護士が徹底解説「都合が悪いことは説明しない」「国会できちんと議論を」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独自解説】“統一教会”『異例ずくめ』の会見を有田芳生氏と紀藤正樹弁護士が徹底解説「都合が悪いことは説明しない」「国会できちんと議論を」 

 10月20日、“統一教会”が行った6度目の会見は、現役信者による反論VTRが流れるなど『異例ずくめ』の内容でした。会見を見た元2世信者からは、「最低の会見だった」との声も上がっています。ジャーナリストの有田芳生氏と紀藤正樹弁護士の2人がこの会見について徹底解説します。

 ◆信者の元夫にアポなし訪問の理由は「とにかくお話を…」

勅使河原本部長「誠意を示したつもり」

 会見の中で特に語られたのは、信者の元夫・橋田さんに関する話です。10月16日に“統一教会”の勅使河原協会改革推進本部長が橋田さんの自宅をアポ(事前約束)なしで訪れたことについて勅使河原本部長は、「10月15日に高知家庭教会から橋田さんに『明日1対1でお話をしたい』と連絡を入れたところ、橋田さんからは『1対1の必要があるのか?』『1週間後くらいだったら』と面会を断られた」と話しました。さらに、勅使河原本部長は「高知に行く機会はめったに作れないので、翌16日にアポなし訪問をした」としています。また、勅使河原本部長は「橋田さんが非常につらい思いをしておられるのにも関わらず、その声を家庭連合が聞いてくれないと、いうことで、私はどこかで話を聞きにいかなければいけないと思った。とにかくまずお話を聞くということにより誠意を示したつもりだ」と語りました。

橋田さん・勅使河原本部長「メディアに出ないで」発言で対立

 一方、橋田さんは「勅使河原本部長に『メディアに出てほしくない』とはっきり言われた」と主張し、「言論封殺」行為として抗議書を提出していますが、勅使河原本部長は「言ってない」と否定しています。

ジャーナリスト 有田芳生氏

Q.会見でこのような主張をするのは、橋田さんが証言されていることが“統一教会”側にとって非常に影響力があったということでしょうか?
(有田芳生氏)
「教団の2世3世がかなり動揺しているので、今回の会見には、それを抑えるという教団の内部向けのメッセージの側面が大きくあったと思います。勅使河原本部長が、『来るな』と言われてもアポなしで訪問したのも、彼の判断ではなくて教団の上司の指示でしょう。“統一教会”の教えでは上司の言うことには絶対服従なのです。そういう背景がありますので、勅使河原本部長の言葉や行動は上司たちの命令に従っているだけです。本人は逆らえず、こういう非常識なものになるのです。そういう組織構造であるという点を、これからのこの問題を見るのに押さえておいてほしいと思います」

会見中、橋田さんの元妻の動画が流される

 また、会見の途中、橋田さんの元妻の動画が流されました。その中で、元妻は橋田さんとの関係について、「新婚当時からよく喧嘩していた。教会に入って関係が悪くなった訳じゃなく、入る前から悪かった」と話していました。

食い違う2人の主張

 元妻の宗教活動について、橋田さんは「元妻は毎日朝から晩まで教会に行き、家庭のことは何もしていなかった。教団のために度々韓国にも行くようになった」と主張していますが、元妻は「教会には月に1~2回行けるか行けないか。毎日教会に行って家を空けることはあり得ない。子どもが保育園ぐらいのときに1週間アメリカにいったことはある。韓国に1週間行くことはない」と反論しています。

元妻をVTRで公開した意図は…

 元妻の動画を公開した意図について勅使河原本部長は、「真実は当事者にしか分からない。当事者が二人いる場合は、もう片方の意見にも耳を傾けるべき。元奥様の話をお聞きすると、橋田さんのテレビ等で仰っている内容と、随分違うということを感じた」と話しました。

紀藤正樹弁護士

Q.橋田さんと教団の問題が、なぜか橋田さんと元妻の問題になってしまったように見えてしまいます。
(紀藤正樹弁護士)
「教団は話を矮小化したいのでしょう。勅使河原本部長は、橋田さんに悪いとは思ってないようです。悪いと思っていないので、端的な謝罪をしないで言い訳が続くのです。橋田さんと教団のどちらが悪いのか、という議論をする時に、“統一教会”がどの程度の金額を元妻から献金として受け取ったのか明らかにしないと、橋田家がどの程度被害を受けたかが分からないのですが、その点がすっぽり抜けています。そこが一番問題だと思います」

元妻「長男は教会に対する恨みは一切ない」

 橋田さんの「長男が自殺したとき、部屋のなかにも“恨む”など色々な落書きがあったそうだ。長男が自殺した原因は、僕は“統一教会”だと思った」という主張に対して、元妻は「長男は、教会に対する恨みは一切ない。部屋の中に教会への恨みは書いてなかった」と、違う主張をしています。

元妻「田んぼは長男が『お母さん売ったらええよ』と言ったので売った」

 また、田んぼの売却について、橋田さんは「教団は元妻に『“悪霊”がつくから長男が暴れ出す。田んぼの名義を変えたら良くなる』と説明して妻に田んぼを売らせた」と主張していますが、元妻は「長男が田んぼに行くのを嫌がって『お母さん売ったらええよ』と言ったので売った」と反論しています。

田んぼの売却に教団は関与していたのか?

「田んぼの売買にも教団が関わっている」という橋田さんの主張について、“統一教会”として調べるつもりはあるか?という質問に勅使河原本部長は、「もし橋田さんから依頼があれば一緒に調べるが、これ以上私が入り込む必要がない。私が奥様から聞いたのは、『第三者が価格決定に関与する』ということ、私が言えるのはそのぐらい」と答えました。これに対して橋田さんは、「第三者が値段を決めてそれで契約するのか?土地については、調査を依頼するようにしたい」と話しています。

Q.どうしてこのように話が食い違うのでしょうか?
(紀藤氏)
「田んぼを売却したことに争いはないのですが、売る動機に争いがあります。元妻の長男が田んぼに行くのを嫌がるようになった経緯や『売ってもいい』と言い出した理由がすっぽり抜けていて、そこに教団が関わった可能性が大きいと思います。勅使河原本部長は聞き取りしていると思うのですが、隠しているようにしか見えません。また元妻は、『長男は“霊的”な子で、田んぼに行くのを嫌がった』と言っていて、橋田さんも“悪霊”という言葉を出していますが、“統一教会”では“霊能師”というのが出てきて『悪霊が憑く』としょっちゅう言います。『長男は霊的な子で、田んぼに行くのを嫌がった』のがどういう経過なのか、長男が“霊的”になった理由が大事だと思います。」

元妻の献金額について「プライバシーに関わるので公開できない」

 1億円といわれる元妻の献金額について、勅使河原本部長は、「家庭連合は献金台帳をつけているので調べればわかると思う」としながらも、具体的な金額については、「プライバシーにかかわるので、ここでは公開できない」としています。

Q.ここでプライバシーを理由にするのか?と思いますが…
(有田氏)
「1億円以上の献金が行われたのなら、改革本部長はそのお金の行方をはっきりと明らかにするべきです。“霊感商法”の事もそうですが、何のために教団を改革するのか一回も説明していません。出発点がおかしいと思います。今回の会見で出てきた橋田さんの元妻の動画について、元信者の人たちに聞くと、自分たちの経験を踏まえて『言わされている』という言い方をします。これは“統一教会”の歴史をみるとしばしばあることで、例えば教団に反対する人がいると信者であるその人の娘の話をビラに載せてばら撒くとか、1992年の勅使河原本部長も参加した“合同結婚式”ときも関係者の姉の信者を表に出して記者会見をしたりして、常に自分たちの都合の良い主張をします。それが“統一教会”のかつてからのやり方なので、そういう目でみないといけないと思います。そして、自分たちの都合が悪いことは説明しないのも教団の特徴です。勅使河原本部長は今回の会見で、献金の台帳があると言っていますが、山上徹也容疑者の母親が1億円以上の献金をして、その献金はどこに行ったかを聞いた時には、『台帳は残っていないので分かりません』と説明していました」

 ◆“2世信者”の新しい地区長が突然ずらり…「彼らが最もふさわしい」

記者たちの前に突然に並んだ“2世信者”

 2世信者への対応に関して勅使河原本部長は「全国68地区のうち20の地区長を2世信者にした。彼らが通過してきた同じような悩みを今抱えている2世信者に対応するには、彼らが最もふさわしい」と語り、実際に2世信者と思われる人たちが記者の前に並びました。

(有田氏)
「改革の象徴としてこの20人の2世信者を出したのなら、所属や氏名も出すべきです。また、記者も2世問題をどう考えているか質問したかったと思いますが、2世信者は一言も喋らないでさっと出てきて、さっと去っていくというのは、元信者も大きな違和感を持っていました」

小川さゆりさん(仮名)「過去一番最低な会見だった」

 今回の会見について先日会見した元2世信者の小川さゆり(仮名)さんは、「過去一番最低な会見だった。今回一番ひどいと思ったのが、信者を盾に使ったこと。信者は、いち被害者だがさらし上げ、自分たちの弁明に利用するのはすごく最低な行為だなと思った」とコメントしています。

勅使河原本部長 「私はすべきでなかったと思う」

 勅使河原本部長は、小川さんの会見中止を求めるFAXについて、「私はすべきではなかった、と実際は思っている。私がやったわけではない。小川さん(仮名)を巡る問題は、事実と仰っている内容があまりにもかけ離れて、なおかつ影響が大きい」と語りました。

Q. 勅使河原本部長は「私がFAXを送ったわけではない」と言っていますが、これが事実なら彼が教団の改革推進本部のトップなのか疑わしいですね。
(紀藤弁護士)
「勅使河原本部長は、広報的なところを担当しているだけで、実権はないと思います。つまり、過去に遡って何かすることはできないと思います。しかし勅使河原本部長も長く教団にいるので、どういう経緯で通知を送ったかは知っているはずです。しかし『権限がない』ので話さないだけだと思います」

 ◆新事実発覚、教団関連団体が一部自民議員と“政策協定”か?

“統一教会”関連団体と政策協定か?

 また、“統一教会”をめぐっては新たな事実も発覚しています。教団の関連団体(「世界平和連合」「平和大使協議会」)が、「憲法改正」や「日韓トンネル実現」「LGBT問題・同性婚合法化の慎重な扱い」など教団側が主張する政策に賛同する内容の「推薦確認書」への署名を一部の自民党議員に求めていたという事実が判明しました。

自民・斎藤洋明議員「大変不適切な行動だった」

 自民党の斎藤洋明議員は「政策の方向性としておおむね合致しているという判断のもとにサインをさせて頂いた。書面で確認したという意味でとれば、政策協定ということになると思う。大変不適切な行動であった」としています。一方教団の賛同会員であった井上義行議員は「推薦確認書」への署名は否定しました。

Q.自民党の点検後も色々と出てきていますね。
(紀藤弁護士)
「新聞報道によると『推薦確認書』だけではなく『基本理念セミナー』への参加要請もあったという話も出ています。『推薦確認書』を締結した議員だけでなく、“統一教会”の運動全体を説明すると思われる『基本理念セミナー』に出席した議員が何人いるのかというのも重要な問題だと思います。こういう問題は、自主点検では難しいと思います。私はこの問題は、国会の中に特別委員会を作って調査権限を与えて“統一教会”からも調査できるようにしないと“統一教会”と“政界”との関係は、分からないまま終わる印象を受けます」

岸田首相「政策に影響を及ぼすことはない」

Q.有田さんは『推薦確認書』についどう思われますか?
(有田氏)
「“統一教会”の関連団体である「国際勝共連合」が1980年代から行っていた『共産主義に勝利をする「勝共推進議員」の合意文章を納得して結んでもらったら選挙応援をします』というものが今回出てきたものです。岸田総理は『選挙における接点が政策に影響を及ぼすということはないと確信をしております』と言いますがそうではありません。富山市の自民党会派が市議会に「自分たちは教団関連の講師の話を聞いて、自分たちの政策に一定の影響を受けた」という報告書を出しています。こういうことが全国各地で起きています。安倍元首相銃撃というとんでもない事件が発端ですから、国会に第三者委員会を作るべきです。アメリカでは1970年代に『フレイザー委員会』という小委員会を作って“統一教会”について分析をして、報告書を出しています」

“政策協定”について「選挙権や請願権を行使することと、どこが違うのか?」

 この件に対して勅使河原本部長は「聞いたことがあるが、誤解がないように、やっていたのはUPF(天宙平和連合)ないしは世界平和連合だと思う。国民が一般的に認められている選挙権や請願権を行使するということと、どこが違うのか?」とコメントしています。

(紀藤弁護士)
「『選挙権や請願権を行使するということと、どこが違うのか?』ということがそもそも間違っていて“統一教会”は韓国系です。韓国の中で極右思想を持つ“統一教会”が、関連団体や日本人を通じて政界工作をしていた疑いがあるということなのです。なので、日本の国民の選挙権や請願権ということと同じように語るのは間違っていると思います。ほかの国だとロビイストの規制法などがありますし、日本でも外国人の政治献金は犯罪化して禁止しています。それと同じような問題があるわけですから、国会の中できちんと議論してもらいたいと思います」

Q.“統一教会”の一番の問題は政治家がこの問題を直視しないことだと思います。
(有田氏)
 「宮根さんもずっと言っていますし、私も同感なのですが、未だに岸田首相は『問題のある“統一教会”とは今後関係は断つ』と言うのですが、何が問題なのか具体的に一回も説明していません。そこが一番問題です。文鮮明教祖は80年代にアメリカで脱税によって1年6か月の実刑判決を受け刑務所に収監されました。そういう人物は、日本の入国管理法だと入国ができないのですが、彼は政治家を使って“超法規的”に日本に入国させた、こういう目的を持って政治家とつながるのが“統一教会”なんです。こういうことも多くの人に知っていただきたいと思います」(情報ライブミヤネ屋2022年10月21日放送)

 元稿:讀賣テレビ(NNN系列) 情報ライブ ミヤネ屋 主要ニュース 社会  【話題・旧統一教会を巡る数多くの疑惑】 2022年10月21日 14:00:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

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【独自解説】宗教2世登場、橋田氏元妻の映像放映…“統一教会”6度目会見に紀藤弁護士と鈴木エイト氏が『異議あり!』連発「宗教者としての素養に問題ある」

2022-11-05 00:04:50 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【独自解説】宗教2世登場、橋田氏元妻の映像放映…“統一教会”6度目会見に紀藤弁護士と鈴木エイト氏が『異議あり!』連発「宗教者としての素養に問題ある」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独自解説】宗教2世登場、橋田氏元妻の映像放映…“統一教会”6度目会見に紀藤弁護士と鈴木エイト氏が『異議あり!』連発「宗教者としての素養に問題ある」 

 10月20日、“統一教会”の教会改革推進本部・勅使河原秀行本部長が会見を開き、10月17日に岸田首相が“統一教会”に対し、「質問権」を行使して調査を行うよう指示したことに対する教団の受け止めや、現在進行中の“教会改革”の中間報告などを行いました。消費者被害や宗教・カルトの法律問題に詳しい紀藤正樹弁護士と、“統一教会”を20年にわたり取材しているジャーナリストの鈴木エイト氏が徹底追及します。

会見に臨んだ勅使河原本部長

 ◆謝罪と“改革”の説明から始まった会見

 勅使河原氏は会見の冒頭、「家庭連合に対する被害を訴えられる方が依然いらっしゃるという事実と、政府がその対応に当たらざるを得ない事態に至っている事実を、私どもは大変申し訳なく思っています。仮に文化庁から質問が来た場合には、誠実に対応させて頂きます。また、立法がなされたときには、法令順守の姿勢を徹底して、法例違反が行われないよう指導を徹底していく所存です。このような事態になりましたこと、被害を訴えられる皆様と政府関係者の皆様に対して、心からお詫びしたいと思います」と謝罪しました。

会見で示された“教会改革”の推進状況

 そして、「質問権」の行使や新しい「救済法」の立法処置に関わらず、“教会改革”を進めていくとし、その推進状況の説明を行いました。主な内容として、①10月7日に全国責任者会議を開催し、会長から直接、改革の方針を説明。10月から、教会ごとに自主予算を決める体制に移行。②月収の10分の3を超える献金を受け取る際の確認証の作成、及び集計システムの開発を開始した、ということです。

 ◆会場が騒然となった“宗教2世”の登場

20人の「教区長」を宗教2世から任命すると発表

 また、前回の“教団改革案”に追加する項目として、「宗教2世」に寄り添い改革を推進するため、教区長の約3分の1を二世牧会者に切り替える方針を決定した、ということです。この狙いについては、「宗教2世が通過してきた、同じ悩みに対応するのにふさわしい存在で、彼らの意見を吸収・理解しやすいからです。彼らが、今後の教会改革を主導していくメンバーです」と、宗教的指導者の立場である「教区長」の内、宗教2世から任命された20人を会見の場に呼び、紹介しました。

ジャーナリスト 鈴木エイト氏

(鈴木エイト氏)
「いわゆる“宗教2世”として声を上げている人は、カルト宗教被害にあった“カルト2世”のことなんですが、当事者への配慮から『宗教2世』という呼び方を通常していて、何らかの悩みなどを持つ人を指す言葉として流布しているのです。それを教団側が利用して、『自分たちも普通の宗教で、2世信者を抱えているんだ』みたいな形で、従順な2世信者を牧会者として持ってきたという所が、すり替えというか…。いわゆる『宗教2世』として声を上げている、カルト宗教団体の2世信者たちの思いとは全く違うというところを、まず分かって欲しいです」

紀藤正樹弁護士

(紀藤正樹弁護士)
「『宗教2世』についてもいくつか分類があるんですが、大きく分けると、お父さんお母さんが現世で結婚していて“統一教会”に入って、子どもである自分も入った人。もう一つは、産まれたときから2世信者である『祝福2世』。これは厳然と分けないといけない。その次に、親が1世で入って“祝福”を受けていない2世信者で、幼い頃に入って苦しんだ信者もいますが、成人してから入るような、自分の選択のレベルがかなり高い信者もいるんです。会見で紹介された方々は、かなり年齢にばらつきがありました。『宗教2世』と言っていますが、あのばらつきを見ると、自分の意思で入った2世信者の方もいらっしゃるのではないかと思います。服装で判断すると、ほとんどが男性で、“統一教会”の『男尊女卑』という教義を象徴しているような2世信者の集まりで、それを見せられても“統一教会”の都合に見えるので、もう少し事実関係を明らかにして欲しいと思います」

“第三者”の設置を発表

 さらに、第三者的な立場と視点でアドバイスをもらうため、「国際的な、新たなリーガルチームを編成した」という発表もありました。これについて紀藤弁護士は、

(紀藤弁護士)
「第三者委員会は、その会社からお金はもらいますが、完全に独立しなくてはなりません。場合によっては、守秘義務を解除するような契約を結ぶのですが、『第三者的』という言葉にあるように、自分たちがお金を払って雇った弁護士が内部で検証しても、それは内部委員会であって、外部ではないので『第三者』という言い方はしないです」

 ◆橋田氏訪問についての説明から元妻の映像放映へ

橋田さんの発言を否定

 そして、“統一教会”信者の元夫である橋田達夫氏の自宅に訪問したことについて、勅使河原本部長は、「私は、どこかでお話を聞きに行かなければいけないと思っていました。すぐには時間がとれなかったが、10月16日には時間があるということで、15日に高知教会から一本連絡を入れて頂いて、『明日お話をしたい。1対1でお会いしたい』というお話をさせて頂きました。高知教会からお話が返ってきて、橋田さんは『なぜ1対1である必要があるのか、できれば会うとしても1週間後ぐらいにして欲しい』とお断りがあったんです。私としては、滅多に高知に行く機会を作れないことと、どうせ行くのだったら奥様の意見も聞いてみたいという思いもありましたので、予定通り16日に行ったんです。私の思いは、とにかく会って事情やお話を伺わないといけないという動機でありました。もし訪ねて行って、ご在宅でなければ帰ればいい、ということで伺いました。行くと、倉庫のようなところにお住まいになっているんだと思うんですけど、1mぐらい扉が開いていましたので、覗いたら居たので自己紹介して、『お話を伺いに来ました』と言いました」と話し、マスクなしでの訪問や言論を封殺するような圧力をかけたことはなく、「私は彼がテレビに出ることは、何ら問題だと思っておりません」と、これまでの報道については一部を否定しました。

 そして、橋田氏が呼んだ警察が来た後はその場を離れ、高知教会で橋田氏の元妻と会ったということです。勅使河原氏は、「奥様のお話をお聞きする中で、どうもご主人のテレビ等でおっしゃっている内容と、ずいぶん違うと感じました。そこで私は奥様に、『その内容をTVで語って頂くことは可能ですか?』と聞いたところ、『こういうところに来て、質問を受けるのはもう自分はもう年もそうだし、そういう立場ではないが、録画撮りであれば話しても構わない』ということで、翌々日に東京に来ていて頂いて、本部の地下で撮影したものがございます。これをまず、皆様に見て頂きたい」と述べ、会見では元妻とみられる女性の映像が流されました。

Q.勅使河原氏の会見での言い分と、橋田氏の言い分の相違点はありますか?
(鈴木氏)
「かなり齟齬があります。橋田さんは、勅使河原氏は『メディアに出ないでくれ』という発言をして、もっと高圧的な感じである印象を受けていました。受け取り方の違い以上に、勅使河原氏の発言は信用できないです」

Q.この会見を見て、どう感じましたか?
(紀藤弁護士)
「『ごめんなさい』と言うのが、本来先にあるべきなのですが、“統一教会”の会見は、自分たちにはこういう正当性がある、相手にはこういう問題があると言い続けて、素直な謝罪にならないんです。今日、未来の改革を述べたんですけど、現在、借金献金がどのくらいあるかということは一切話さない。なんら事実の継承がなくて、前半はまだ聞けたのですが、後半は自分の言ったことの正当性や、橋田さんの所に行った正当性を述べて、最終的には奥さんの証言をビデオで撮影して『それを流します』というのは、あまりにも誠実な謝罪、あるいは“教団改革”とは到底思えません。一般の方である橋田さんと違い、勅使河原氏は上下関係で言うと上の立場である教会の牧会者が、本人から聞いたり、その場であったことを、公の席でつまびらかにすることは、プライバシーの侵害、場合によっては損害賠償請求という内容に入っていくと思います。私は正直言ってこの会見は驚きました」

Q.橋田氏の元妻の声を撮ったVTRを流すというのはどういうことなのでしょうか?
(紀藤弁護士)
「宗教者としての素養に欠くと言うことが、第一前提としてあると思います。この問題を扱うため、多くの宗教者とお付き合いをする中で分かりましたが、宗教者の一番重要なものというのは、『牧会』なんです。信施さんをどうやってケアし、宗教者として高みに立ててあげられるかという、その『教え』なのです。その柱となるのは、心情を聞くときの守秘義務です。そして、過度な精神的圧力をかけないことは、あまりにも常識的な素養なのですが、勅使河原氏は”統一教会”の中でも責任ある立場として、橋田さんに対する対応も“自分の都合”ですよね。全く謝る姿勢が見られない。相手に精神的な配慮が全くないです。他方の、橋田さんの元奥さん、つまり信者さんが、仮に『話してもいい』と言ったとしても、『ご主人との関係もあるから仲介しましょう』と言うならまだ分かるのですが、会見でいきなり流すというのも、橋田さんに対する配慮だけじゃなくて、信者の奥さんに対する配慮もない。素養にかなり問題があるなという印象を持ちました」

Q.橋田氏への対応も含めて、教団の対応についてどう思われますか?
(紀藤弁護士)
「本当の意味で悪いと思っていないんです。『個人の自己責任だ』というところから、絶対に抜けられないんです。今回の会見で、橋田さんの元奥さんの映像を流すことは、本来であれば上の立場の人が止めるべきところを、むしろアドバイスをしていると思われます。結局、判断が逆なんです。心底本当に悪いと思っていたら、今日の会見のようなものはできないと思います」(情報ライブ ミヤネ屋 2022年10月20日放送)

 元稿:讀賣テレビ(NNN系列) 情報ライブ ミヤネ屋 主要ニュース 社会  【話題・旧統一教会を巡る数多くの疑惑】 2022年10月20日 14:00:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

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【独自解説】「勅使河原、お前はそこまでやるんか!」信者の元夫が怒りの会見、“自宅アポなし訪問”に紀藤弁護士 「社会的非難に値する」

2022-11-05 00:04:40 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【独自解説】「勅使河原、お前はそこまでやるんか!」信者の元夫が怒りの会見、“自宅アポなし訪問”に紀藤弁護士 「社会的非難に値する」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独自解説】「勅使河原、お前はそこまでやるんか!」信者の元夫が怒りの会見、“自宅アポなし訪問”に紀藤弁護士 「社会的非難に値する」 

 元妻が“統一教会”に高額献金をしたことで、家庭が崩壊したと訴える橋田達夫氏。10月18日に会見を開き、教団の勅使河原本部長が「無断で自宅を訪問したこと」に対し、教団に「抗議書」を送ったことを明らかにしました。

 ◆妻が入信し離婚、長男は自殺…橋田氏を勅使河原氏が突然訪問

勅使河原氏が橋田氏自宅に“アポなし訪問”

 橋田達夫氏の元妻は、約30年前に“統一教会”に入信しました。“悪霊”を祓うため、所有していた田んぼを売却したことがきっかけで、2013年に離婚し、現在は離れて暮らしています。また長男は中学生の頃に不登校になり、成人後はアルバイトなどに就きましたが長くは続かず、両親の離婚後は母親と二男と共に生活をしていましたが、2020年に36歳で自ら命を絶ち亡くなったということです。一家の献金などの総額は、約1億円に上ります。

 10月16日、橋田氏の自宅に、教会改革推進本部の本部長を務める勅使河原秀行氏が、“アポなし”で訪れました。10月15日に高知家庭教会から「勅使河原氏が、メディアを使わないで1対1で話したいと言っている」と電話があり、橋田氏が「会えません」と断ったにも関わらず、突如勅使河原氏が自宅を訪ねて来たため、橋田氏は警察に通報。勅使河原氏はその後、警察と共にその場を去ったということです。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部弁護士

 これを受け橋田氏は10月18日、“統一教会”に「抗議書」を送ったことについて会見を開き、詳細を明らかにしました。勅使河原氏による“アポなし自宅訪問”について、全国霊感商法対策弁護士連絡会の阿部克臣弁護士は、

(全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部克臣弁護士)
「16日午後4時10分頃、勅使河原氏が、アポイントがないにも関わらず、高知県にある通知人(橋田氏)の自宅を訪問し、通知人の自宅敷地内に無断で立ち入りしました。勅使河原氏は建物の中にいた通知人に対し、『1対1で話がしたい』、『マスコミにはもう出ないでほしい』などと、繰り返し申し入れてきました。通知人は、勅使河原氏によるあまりに非常識な行為に激しく動揺すると同時に、通知人の社会に対する訴えを強引に封じ込めようとする姿勢に恐怖を抱かされました」

 また、“統一教会”及び勅使河原氏に対して、「勅使河原氏による行為は、橋田氏を畏怖させるだけではなく、橋田氏の言論を封殺しようとするものであり、社会的にゆるされるものではありません」と述べ、厳重に抗議するということです。今後、教団関係者が橋田氏に対して連絡を取ろうとする場合は必ず弁護士を通すこと、橋田氏の深刻な被害を直視し、誠意ある対応を求める、という内容で「抗議書」を送ったとしています。

 ◆「そこまでやるんか!」橋田氏怒りの会見

信者の元夫 橋田達夫氏

 橋田氏は勅使河原氏の“アポなし訪問”について、

(信者の元夫 橋田達夫氏)
「15日の土曜日、1時16分ぐらいに、『16日に勅使河原さんが僕に会いたい』というお電話がありまして、僕はそこではっきりと断りました。『家の方には来ないでください』と。彼は僕の家の状況を知っていると思うんですよね。長男が亡くなっていることも知っているし、二男が苦しんでいることも知っている。だから僕は『来ないでください』と言って電話を切りました。そのまま返事も何もはっきり言いませんでしたが、16日の日曜日の4時10分ぐらいに、入口の方から敷地内に入って、『勅使河原です。橋田さんと直接会いたいと思って来ました』と言って、マスク無しで来たんですよ。それもびっくりしたし、急に来られたことがびっくりしたんです」

 橋田氏は、慌てて勅使河原氏に敷地の外に出てもらうと、自身もその場を離れ、警察に電話したと言います。警察が来るまでの約10分間、「話がしたい」、「橋田氏の話を聞きたい」、「もうマスコミには出ないでください」などと言う勅使河原氏に、「長男は恨みを持って亡くなった。僕の恨みはどうしますか」と訴えたということです。しかし、それに対する回答は得られませんでした。

(橋田氏)
「“統一教会”は、僕と反対の立場にいるわけですから、相手の家庭まで入るということは絶対にしたらいかん事なんですよ。命を落としている家庭ですから。勅使河原氏はそんなことは全く考えていない。元妻のところに居る二男から、怒りの抗議が僕の所に届いています。『なんで“統一教会”はお父さんの立場を考えないのか』と、『そこまでやるのか』という怒りがでています。勅使河原氏は自分の都合で来て、僕を封じ込めて、お金も返す気もない。何にもする気もない。ただ聞くだけ。これ以上の怒りはないです。今夜、高知に帰りますが、二男に会う勇気がありません。勅使河原、お前はそこまでやるんか!と、僕は思いました。非常識以上です」

Q.勅使河原氏の「メディアに出ないで下さい」という発言は、どのように感じましたか?
(橋田氏)
「彼らの言う通りやっていたら、密室で“統一教会”のやってきたことと同じことを繰り返します。だから“統一教会”のやっていることを本当に知って欲しいと思うんですよ、皆さんに」

Q.勅使河原氏が来られたことに対して恐怖心はありましたか?
(橋田氏)
「いやもう、恐怖心どころじゃないですよ。前日に断っているのに夕方に来て、僕はそこから24時間寝ていないです。また誰が来るか分からないと思って。ここまでやったら駄目ですよ、人間として」

Q.「抗議書」を出された、その一番の決断となったのは、どういったところでしょうか?
(橋田氏)
「決断というよりも、阿部先生なんかにも相談しまして、この方法を先生が取ってくれました。ふだん高知にいたら、こういうことはできないんですよ。せっかく東京に来ていますので。もう本当に苦しいです。勅使河原は帰ったら家族がいるけど…私の家族を“苦しい家族”にしたのは彼ですよ、本当に。だから彼にも一生償ってほしいです」

Q.勅使河原氏から謝罪はなかったのですか?
(橋田氏)
「それは、僕が彼を追及したときに二、三度ありました。『申し訳ないです』と。気持ちはそんなにないと、僕は思います。頭を下げることはなく、ただ口で『申し訳ないです』と言う感じでした」

Q.今、“統一教会”側に対して、一番求めたいことは何ですか?
(橋田氏)
「きちんと謝罪をして、顔を出して来なさいと。反論は、僕は十分メディアで聞きます。1人で聞くつもりはないです。なぜかというと、1人では判断できませんので。例えば、阿部先生なんかが本当に近くにいてくれたら、一緒に聞いてもらいたいと思っています」

紀藤弁護士「社会的非難に値する」

紀藤正樹弁護士

 この日、橋田氏と会ったという紀藤正樹弁護士は、

(紀藤正樹弁護士)
「橋田さんは二男、つまり弟さんが非常に動揺されているということをおっしゃっているんです。だから橋田さんは、すごく強く言われています。常識で考えて、謝りに行くのなら、複数の人であればまだ分かるんです。例えば勅使河原さんとスタッフの方で、手土産を用意して謝りに行くことは、まだ弁護士がついていない状態だったら、そういうことは考えられるんです。しかし、事前にお断りをしていて、それでいきなり訪問されて、結局橋田さんも弁護士に依頼するしかなくなっている状態というのは、私から見ると、橋田さんのご家族に対する動揺を、むしろ誘発させた行動ということで、社会的非難に値すると思います」

Q.橋田さんはお子さんも亡くして家庭崩壊されている、それに対してどのように償うのかというものを、勅使河原氏が用意して持っていっていたのかもわからないですね?
(紀藤正樹弁護士)
「橋田さんが非常に憤られているのは、“統一教会”が振りかざす自己責任論です。『献金は自分の意思でしょう』、『自殺も自分の意思でしょう』というような言い方を“統一教会”がしているから橋田さんが、『それは組織的にやったんでしょう』ということを言われているわけです。“統一教会”は一歩踏み込んで、これはやはり自分たちの教えとか、それを指導したことが原因で今回の事態が起きている、ということをはっきり認めて謝って、そして賠償をしないといけない、というのが、“統一教会”の本当の反省の在り方だと思います」(「情報ライブ ミヤネ屋」 2022年10月18日放送)

 元稿:讀賣テレビ(NNN系列) 情報ライブ ミヤネ屋 主要ニュース 社会  【話題・旧統一教会を巡る数多くの疑惑】 2022年10月18日 14:00:00 これは参考資料です。 転載等各自で判断下さい。

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【2022年11月04日 今日は?】:ワールドシリーズでヤンキースが優勝、松井秀喜が日本人初のシリーズMVP

2022-11-05 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2022年11月04日 今日は?】:ワールドシリーズでヤンキースが優勝、松井秀喜が日本人初のシリーズMVP

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2022年11月04日 今日は?】:ワールドシリーズでヤンキースが優勝、松井秀喜が日本人初のシリーズMVP

 ◆11月4日=今日はどんな日

  米大統領選でバラク・オバマ上院議員が勝利、初の黒人大統領誕生(2008)

 ◆出来事

  ▼原敬首相が東京駅で刺殺される(1921)▼米大リーグのワールドシリーズでヤンキースが優勝、松井秀喜が日本人初のシリーズMVP(2009)

09年 ワールドシリーズ制覇し、MVPに選ばれたヤンキース松井秀喜09年 ワールドシリーズ制覇し、MVPに選ばれたヤンキース松井秀喜

 ◆誕生日

  ▼志生野温夫(32年=フリーアナウンサー)▼西田敏行(47年=俳優)▼リリー・フランキー(63年=作家)▼浅倉大介(67年=音楽プロデューサー)▼名倉潤(68年=ネプチューン)▼山本未来(74年=女優)▼尾野真千子(81年=女優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2022年11月04日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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