【大阪・岸和田市】:「2歳女児・置き去り死」…不幸な事故はなぜ起きてしまったのか?
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪・岸和田市】:「2歳女児・置き去り死」…不幸な事故はなぜ起きてしまったのか?
「事件当日も作業していましが、全く気がつきませんでした。報道で事故を知りましたが、まさか、ここが現場だとは、驚いています」
こう話すのは、女の子が息を引き取った現場であろう自宅の前の工事現場で働く男性だ。
11月12日、大阪・岸和田市で父親の車に取り残され、2歳女児・渕上惺愛(せいら)ちゃんが市立桜台保育所の駐車場で熱中症で亡くなっているのが見つかった。発見される前に、すでに自宅駐車場で亡くなっていたとみられている。
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惺愛ちゃんが見つかった保育園の駐車場には花が供えられていた(提供写真)
「お姉ちゃんと妹さんは、別のこども園に通っており、惺愛ちゃんは、あそこの保育園に通っていた。事件があったこの日、お父さんが、最初に2人をこども園に連れて行って、惺愛ちゃんを保育園に送ろうとしたところ、忘れてしまい、そのまま自宅に戻ってしまったようです」(警察関係者)
父親は、夕方になり、惺愛ちゃんが通う保育園に向かえに行った際、惺愛ちゃんが来ていないことに気がつき、ようやく保育園の駐車場でぐったりしている惺愛ちゃんを発見したという。
■近隣同士の関係がまだ希薄だった新興住宅街
惺愛ちゃんら家族が暮らすのは、岸和田市でも山手の新興住宅地だ。まだ開発されて2~3年しかたっておらず、地域でのコミュニティも希薄だったという。
「Aさんの自宅はまだ、できて間がなかったので、引っ越されてきてからまだ数カ月しかたっていなかったのではないでしょうか。そもそも、ここは働いている人が多いので、子どもを通したつながりがなく、本当に近所の人しかしらないんです。みなさん、報道やマスコミが来て初めて知ったというぐらいなんで、それほど、横のつながりがないんです」(地域の住民)
また、住宅自体も新しく、外部の音が聞こえない構造だったことも不幸を呼び起こしてしまった。
「確か、Aさんのお隣さんは長期留守だったはず。もし、いらっしゃれば、変わっていたのかもしれませんね」(別の住民)
市立保育園を運営する岸和田市の担当者に話を聞いてみると、
「事件があった地域は最近、開発されたばかりということもあり、保育園の数は少ない。また、待機児童もありますので、姉妹3人を同じ保育園に入れることは中々、難しいのは事実です。早朝の時点で、園は惺愛ちゃんが来ていないことは把握しており、交代の際に引き継ぎましたが、電話しようとした際に、他の保護者に気を取られ、連絡したつもりになっていたようです」(子ども家庭応援部子育て施設課)
新天地で、新しい生活を楽しみにしていたはずの家族5人の新居が、悲しみの事故現場になってしまった。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・事故・父親の車に取り残され、2歳女児・渕上惺愛(せいら)ちゃんが市立桜台保育所の駐車場で熱中症で亡くなった事故】 2022年11月16日 12:55:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。