【政界地獄耳・01.10】:「賃金アップ」が政権浮揚に直結? なりふり構わぬ岸田首相
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・01.10】:「賃金アップ」が政権浮揚に直結? なりふり構わぬ岸田首相
★「能力に見合った賃上げこそが企業の競争力に直結する時代。ぜひ、インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と訴えたのは5日の経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体などが開いた新年祝賀会での首相・岸田文雄だ。続けるように各企業トップからは「ベアアップが必要」「当然」「賃上げして景気も上げる」などの景気のいいあいさつが続いた。その後の会見で経団連会長・十倉雅和は「ベースアップを中心に、物価高に負けない賃上げをぜひお願いしたい。それは企業の責務だ」とまで踏み込んだ。
★同日開かれた連合の新年交歓会に首相は、2年連続で出席した。首相はあいさつで「今年の春闘で連合は5%程度の賃上げを求めている。ぜひインフレ率を超える賃上げを実現できるようにお願いし、政府としても取り組みを後押ししていきたい」とエールを送った。連合は野党・立憲民主党、国民民主党の最大の支援団体だが、賃金アップこそが政権浮揚に直結すると首相もなりふり構わない。
★水を差すようで悪いが、ある経済関係者との話で、年末年始の軽井沢、京都、沖縄でタクシー不足が大きな話題になった。いずれもコロナ禍で乗務員が仕事を辞めたまま、人の動きが活発になってきたものの、乗務員がタクシー業界に戻ってこないという現象が起きている。観光地で年末年始の人が動く時にタクシー不足で乗務員の乗らないタクシーが遊んでいる。コロナ禍の時に言われたのはタクシーの乗務員のウーバーイーツなどのデリバリーへの転職。人を乗せるより出前を運ぶ方が需要があるという。すると別の記者が言う。「年始のゴミ捨てで、年配の家庭のゴミは少ないが若い人のゴミはいずれも大きい袋が使われるという」。デリバリーの容器で袋がいっぱいになるからだ。矛盾を抱えたままの賃金アップではもう間に合わないかもしれない。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2023年01月10日 07:55:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。