路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・07.10】:熱海土石流災害から2年 最後の行方不明者と執念の捜索

2023-07-31 08:02:20 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・07.10】:熱海土石流災害から2年 最後の行方不明者と執念の捜索

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・07.10】:熱海土石流災害から2年 最後の行方不明者と執念の捜索

 先週7月3日、熱海土石流災害は発生から2年となった。この日、静岡朝日テレビは特別番組を放送。私も出演させてもらった。

 消防に通報があった午前10時28分、伊豆山地区では28人の犠牲者の遺族らがサイレンの音とともに黙とう。その中に、この日初めて遺族の1人として手を合わせる太田朋晃さん(57)の姿があった。

 太田さんの母、和子さん(当時80)はあの日、濁流に押し流された自宅にいた。2カ月後、27人の死亡が確認される中、和子さんだけが行方不明のままだった。

 その一方、警察の捜索で昨年6月には診察券が発見されたが、和子さんの行方は依然わからず、1年目の追悼式、太田さんはどうしても遺族として参列することができなかったという。

 だが14カ月目には運転免許証。そして1年7カ月後の今年2月、私がこの局の夕方ニュース番組、「とびっきり!しずおか」の出演中に「土砂の中から人骨発見」の第一報。その数週間後にはDNA鑑定で和子さんの右前腕部の骨と判明した。

 取材に応じてくださった太田さんの仮住まいのアパートの一室には、母の遺影とともに小さな白木の箱に入った遺骨が置かれていた。

 猛暑の夏も、極寒の冬も捜索を続ける警察に、太田さんは診察券や免許証が届けられるたびに「これを遺骨と思って…」という言葉が出かかったという。だが、それを押しとどめるように熱海署の幹部から返ってきた言葉は「捜す所がなくなるまで捜します」。

 追悼の日、長く長く尾を引くサイレンの中、深く頭を垂れる太田さんの背後に、くる日もくる日も土砂をふるいにかけ続けた警察官の姿が浮かんでくるようだった。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年07月10日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・07.03】:袴田事件再審 迷走どころか暴走繰り返す検察 積み重なる耐えがたいほど正義に反する日々

2023-07-31 08:02:10 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・07.03】:袴田事件再審 迷走どころか暴走繰り返す検察 積み重なる耐えがたいほど正義に反する日々

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・07.03】:袴田事件再審 迷走どころか暴走繰り返す検察 積み重なる耐えがたいほど正義に反する日々 

 7月に入り、目を凝らして見ていることがある。57年前、静岡で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)について、この春、東京高裁が検察の抗告を棄却。静岡地裁での再審開始が決まった。

 あれから4カ月。この間、袴田さんの支援集会には9年前、初めて静岡地裁で再審開始を決定、「これ以上、袴田さんを拘束することは耐えがたいほど正義に反する」と異例の死刑囚釈放を決めた村山浩昭元裁判官も出席。袴田さんや姉のひで子さん(90)と面会。再審法制定の必要性を語られた。

 だが検察は、この流れを尻目に迷走どころか暴走を繰り返す。4月、裁判所、検察、弁護側の初の3者協議で「改めて有罪立証するかを含め論点整理に3カ月かかる」と、いきなり7月10日までの猶予を要求。これまで計3回開かれた協議でも方針は示さないままだ。

 それどころか毎日新聞によれば、高裁決定で「捏造(ねつぞう)された可能性がある」とされた5点の衣類について「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがあるという。一体、今月10日の期限直前に、裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか。

 事件から半世紀。「もう何が起きてもがっかりすることはありません」というひで子さん。ただ「死刑囚でない普通の巌と、この先、半日でも1日でも長く暮らしたい」と涙ぐまれる。

 先日、これまで3度も再審が認められた鹿児島県の大崎事件で、福岡高裁宮崎支部は検察の抗告を認め、原口アヤ子さんの訴えを退けてしまった。原口さん95歳。

耐えがたいほど正義に反する日々が、ここでも積み重なっていく。

 

 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年07月03日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.26】:沖縄慰霊の日に 日本社会の病がごろんと転がっているように見えてくる

2023-07-31 08:01:50 | 【終戦・敗戦・第二次世界大戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・原水爆禁止

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.26】:沖縄慰霊の日に 日本社会の病がごろんと転がっているように見えてくる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.26】:沖縄慰霊の日に 日本社会の病がごろんと転がっているように見えてくる 

 取材で沖縄県宮古島を訪ねてきた。地方に足を延ばした時の私の楽しみは地元紙を読むこと。宮古には宮古新報と宮古毎日の2紙があり、さらに沖縄本島から沖縄タイムスと琉球新報が送られてくる、ちょっとぜいたくな地方紙事情だった。

 手にした日の沖縄タイムスのコラム、「大弦小弦」の筆者は編集委員の阿部岳さん。辺野古のある北部支社員だった7、8年前からのお付き合いだ。この日のテーマは先の国会で成立した「LGBT理解増進法」。

 <G7広島サミットで高まった外圧に苦慮し、嫌々制定した情けない事情が伝わる▼性的少数者が、差別の被害に遭っている。必要なのは差別を禁止する法律だったー>

 だが現実はどうか。これまで「国家の暴力」「フェンスとバリケード」(共著)などの著書がある阿部さん。ここにも国家のバリケードが見え隠れしているようだ。

 <日本維新の会、国民民主が「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」趣旨の条文追加を提案…法の性格は一変した。▼…「安心して生活」に客観基準はない。多数者が「不安だ」と言うだけで、性的少数者を抑圧する仕組みができてしまった>。

 そして最後は<多数者の責任で差別をやめるのではなく、少数者に分をわきまえるよう強要する。日本社会の病が、この前代未聞の法律に凝縮されて、私たちの前にごろんと転がっている>と結ばれている。

 日本の米軍基地の7割を沖縄に押しつけ、辺野古の海に、きょうも土砂を投入し続ける。日本社会の病が、ごろんと転がっているように見えてくる。

沖縄は23日、78回目の慰霊の日を迎えた。

 

大谷昭宏のフラッシュアップ

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 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

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 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年06月26日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.19】:医療の現場はまだコロナ禍にある 増えない発熱外来

2023-07-31 08:01:40 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.19】:医療の現場はまだコロナ禍にある 増えない発熱外来

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.19】:医療の現場はまだコロナ禍にある 増えない発熱外来 

 先週会った大学病院の医師は「いま、コロナ患者が日々倍増。確実に第9波が来ている」と頭を抱えていた。

 その数日前には地元、大阪のS医師からメールが届いていた。国はコロナを5類に移行して以降、感染者数を全数把握から定点報告に切り替えたが、やはりとんでもないことに。

 〈定点報告では漸増となっていますが、府医師会約450医療機関の調査では週当たり984、1476、1610、2224人と、この1カ月で倍増。なのにほとんど報道されません〉

 S医師はこの事態にたまりかねたのだろう。メールの最後に〈そんな私の印象を近々、朝日新聞の「声」欄が取り上げてくれるようです〉と書かれていた。

 その6月9日の「声」欄。

 〈-新型コロナ感染症が収束する兆しはなく、発熱患者さんが毎日のように訪ねてくる。インフルエンザと同等の扱いとなったため、外来受付にいきなり来られる方が増えた。すでに発熱患者さんがいる場合は院外で待っていただくことがあるが、これに不満で帰ってしまう方も出てきた〉

 国は、5類移行で条件が緩和されれば発熱外来の医療機関が増えると踏んでいたようだが、とんでもない。

 〈大半の病院は従来通り、コロナの疑いのある患者は場所や時間をずらして対応している。診療報酬の特別加算も減らされたなか、こうした難しさを抱える診療に新たに医院が手を挙げるか疑問だ〉として最後は〈社会はアフターコロナでにぎわいを取り戻しているが、医療の現場はまだコロナ禍にある〉と結ばれていた。

 私たちもマイナカードのデタラメばかりに目を奪われている時ではないようだ。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

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 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

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 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年06月19日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年07月29日 今日は?】:画家ゴッホ自殺

2023-07-31 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年07月29日 今日は?】:画家ゴッホ自殺

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年07月29日 今日は?】:画家ゴッホ自殺

 ◆7月29日=今日はどんな日

  杉原千畝リトアニア領事代理がユダヤ難民に日本通過ビザ発給開始(1940)

杉原千畝=NPO「杉原千畝命のビザ」提供

杉原千畝=NPO「杉原千畝命のビザ」提供

「杉原リスト」に記された祖父らの名前を指さすナーマさん(左)と杉原まどかさん=東京都新宿区の早稲田大歴史館で

「杉原リスト」に記された祖父らの名前を指さすナーマさん(左)と杉原まどかさん=東京都新宿区の早稲田大歴史館で

 ◆出来事

  ▼画家ゴッホ自殺(1890)▼神奈川で警官2人を銃で殺傷した少年が逃走後、渋谷の鉄砲店に立てこもりライフル銃乱射。最高裁で死刑確定(1965)

ゴッホの名画「ひまわり」  ゴッホの名画「ひまわり」

 ◆誕生日

  ▼高木美保(62年=女優)▼山田悠介(87年=俳優)▼岡副麻希(92年=フリーアナウンサー)▼左伴彩佳(98年=AKB48)▼村重杏奈(98年=タレント)▼大谷悠妃(04年=SKE48)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年07月29日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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