【政局】:「岸田首相の自己保身」に党内外で厳しい声 「外国人パーティー券購入禁止」に踏み込まず 政治資金規正法改正で自公維合意も
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:「岸田首相の自己保身」に党内外で厳しい声 「外国人パーティー券購入禁止」に踏み込まず 政治資金規正法改正で自公維合意も
自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正をめぐり、岸田文雄首相(自民総裁)は5月31日、公明党の山口那津男代表、日本維新の会の馬場伸幸代表とそれぞれ党首会談を開き、自民党案の再修正で合意した。会期内の法案成立へ前進したが、焦点の「外国人のパーティー券購入禁止」に踏み込まないなど、抜本改革には程遠い。岸田首相の党内議論を飛び越えた独断には不満も噴出している。
「今国会で政治資金規正法改正を実現するのが国民への約束だ。自民党として、思い切った、踏み込んだ案を提示する決断をした」
岸田首相は合意後、官邸で記者団にこう強調した。
修正案では、公明党の主張を受け入れ、パーティー券購入者の公開基準額を「20万円超」から「5万円超」と強化する。使途がブラックボックスとの批判もある「政策活動費」についても、日本維新の会の要求を受け、10年後に領収書を公開することなどで合意した。
ただ、党内外の評価は、「自己保身が念頭の妥協」(自民党中堅)、「ゼロ回答の現状維持」(野党幹部)などと厳しい。
さらに、外国勢力による日本政治への介入や浸透を防ぐ「外国人のパーティー券購入禁止」については、「購入規制を検討」から進まなかった。日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、危機感の欠如は深刻だ。
自民党ベテラン議員は「岸田首相は『改革の体裁』ばかりにこだわった。『外国人のパーティー券購入禁止』に踏み込まなかったのが象徴的だ。政治にお金がかかるのは事実だ。国民は『何にいくらかかり、本当に必要なのか。どう透明化するのか』という点に注目しているのに、岸田首相は党内議論を主導しなかった」と語る。
自民党の姿勢をどう見るのか。
政治評論家の有馬晴海氏は「岸田首相は改正失敗なら退陣不可避だったので、公明党と日本維新の会にすり寄った。自民党の修正案は『検討する』の注釈だらけ。子供だましで、裏金化を防げるのかも疑問だ。野党も、連座制強化や徹底した透明化などを焦点化できなった。国民は選挙で、与野党への〝審判〟を示すべきだ」と指摘した。
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元稿:夕刊フジ 主要ニュース 社会 【話題・政局・自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正をめぐる事案】 2024年06月01日 15:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。