路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.24】:今くるよさん、桂ざこばさんへの思い 声がよみがえる「話になりまへんがな」

2024-06-24 08:01:50 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.24】:今くるよさん、桂ざこばさんへの思い 声がよみがえる「話になりまへんがな」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.24】:今くるよさん、桂ざこばさんへの思い 声がよみがえる「話になりまへんがな」

 国際花と緑の博覧会(大阪花博)の開幕が近づいた1990年春、大阪のテレビ番組の花博にちなんだクイズで、なぜか漫才の今くるよさんとコンビを組んだ私は、まぐれもあってあれよあれよという間に優勝。結構な旅行券をいただいた。

 そのくるよさんが亡くなって、あのとき得意の「どやさ」は出たのかな、なんて思い出にひたっていると、追いかけるように桂ざこばさんの訃報が届いた。お二方とも私より若い76歳。寂しさが募る中、スタジオでご一緒することの多かったざこばさんへの思いも尽きない。

 とりわけ2012年大阪でのトーク番組。そのころ関西の人気漫才芸人が高額な年収があるのに母親に生活保護を受けさせていたことが問題となり、この日のゲストはその芸人批判の急先鋒(せんぽう)の女性国会議員だった。

 それ以前に芸人が記者会見で「浮き沈みの激しい仕事なので母に生活保護をそのまま受けさせていた」と泣いて謝罪した場面の映像が流れても「制度の悪用は許さない」と息巻く議員に、ざこばさんは一言、「そこまで言うんは(芸人への)みせしめでっか」。その言葉とともに番組はCMに入った。

 すると議員はCMが流れる中、だれに言うともなく、「大阪っておっかしなところよねえ。こういう政治的なことにも芸人が口をはさむのね」とやったから、ざこばさんの怒りの導火線に火がついた。

 「あんたもまた妙なことを言う人でんな」とうなるような声。だけど議員は引っ込まない。「留学していたフランスでもコメディアンは尊敬されてるわ。でも立つ舞台が違うのっ」。

 だが議員は、ざこばさんの「話になりまへんがな」のひと言で完全に浮き上がってしまった。まさに強い者に厳しく、弱い者にはやさしい浪速の笑いの真骨頂。

 だけど、あれから10年余り。時の総理がなんば(グランド)花月の舞台に初めて立ち、悪評ばかりの万博アンバサダーも浪速の芸人がつとめる。

 話になりまへんがな-あの日のざこばさんの声がよみがえる。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年06月24日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.11】:36年前、大阪球場で聞いた門田博光選手の言葉

2024-06-24 08:01:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.11】:36年前、大阪球場で聞いた門田博光選手の言葉

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・06.11】:36年前、大阪球場で聞いた門田博光選手の言葉 

 何で今ごろ? 何で私に? 一瞬、そう思った取材依頼がNHKからあった。

 <プロ野球南海ホークスなどで活躍され、本塁打にこだわって、王選手、野村選手に次ぐ歴代3位のホームランバッター。昨年亡くなられた門田博光さんの特集をただいまEテレで進めております>

ETV特集『ある野球人の死~門田博光とその時代~』Eテレで6・15放送 山田久志、田淵幸一、福本豊ら往年の名選手も出演© TV LIFE web

 メールには1988年に私が月刊誌、「中央公論」に書いた<門田博光 おじさんの出番>が貼付されていた。

 瞬く間に私は36年前にタイムスリップした。

 浪速っ子にこよなく愛された南海球団の本拠地、大阪球場は新聞記者時代の私の持ち場。難波のど真ん中にあって、その時すでに築38年。振り返れば、1988年は昭和最後の年の前年。40歳の門田選手はこの年、ホームラン44本で本塁打王に輝き、MVPも獲得した。

 私は何試合も足を運んでスタンドから門田選手の姿を追った。この4番DHは、どの試合でも自分の打席の2人も前からベンチを出て、思い切りバットを振り回す。

 試合が終わって汗びっしょりのユニホーム姿で、気さくに取材に応じてくれる。

 「うん、DHいうんは試合の流れをつかみにくいんや。そやから少しでも早く出て行って試合の流れに体を合わせなならんのや」

 その門田選手のこだわりは、希代のアーチストとまで呼ばれたホームラン。ヒットには当たり損ないもボテボテもある。だけど本塁打は「バットの芯でとらえて、そのあとのフォロースイングも完璧でないとホームランにはならんのですわ」

 ベンチ横、ひびの入った壁に南海沿線の水間観音のお札が貼られた控室。時は流れ、昨年、門田選手がひっそりと旅立った一方で、大リーグでは10人以上の日本人選手が活躍している。

 Eテレの取材では、その南海ホークスを描いた水島新司さんの漫画の主人公、あぶさんがこよなく愛した通天閣界隈(かいわい)にも足を延ばした。

 NHK ETV特集「ある野球人の死 門田博光とその時代」は、15日(土)深夜11時から。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

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 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年06月11日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.27】:袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは

2024-06-24 08:01:30 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.27】:袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.27】:袴田さん再審裁判 被害者孫の心情「真実明らかに」を胸に刻み込むべきは 

 事件から58年、この秋、無罪が確定するとみられる袴田巌さん(88)の静岡地裁再審裁判が22日、検察側論告求刑、姉ひで子さん(91)の意見陳述を最後に結審した。この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている。

                    袴田巌さん=代表撮影

 メディアの姿勢にも問題はないか。論告は検察の求刑を義務づけているものではない。現に、いずれも再審無罪となった滋賀県東近江市の看護助手患者殺害事件や熊本県松橋町男性刺殺事件の再審裁判で、検察は「量刑は裁判所の適切な判断を」として求刑はしなかった。だが、今回このことにふれたのは地元紙、静岡新聞だけだった。

 袴田さんは、いま社会に出ているものの、長期の拘禁で心神喪失状態にあることに鑑み、検察は「刑の判断は裁判 所に委ねたい」とすべきだったのではないか。

 唯一の証拠となった5点の衣類について検察は、再審開始を決定した東京高裁の大善文男裁判長が「捜査機関によって捏(ねつ)造された可能性が極めて高い」とした点については、これまで同様の主張をしてきた弁護側に対して「非現実的だ」と反論しただけで、高裁の指摘には、ふれようともしなかった。

 被告、弁護側には刃(やいば)を突きつけてきても、裁判所という権威とはことを構えたくない。検察の小狡さ(こずるさ)、小賢しさ(こざかしさ)ばかりが目につく。

 検察側は結審で、被害者の孫にあたる男性の心情を代読陳述したいと主張。弁護側は、男性は事件当時、生まれてもいなかった。さらに無実の被告側に聞かせる言葉ではないとして反対したが、検察は強行した。

 陳述で孫は被害家族のなかで、ただ1人生き残った自分の母が事件後どれほど苦労したか切々と訴え、袴田さんにふれることは一切なかった。そして最後に「事実を再度精査し、真実を明らかにしてください」と強く訴えたのだった。

この言葉を胸に刻み込むべきは、代読した検察官、そう、あなたたちではないのか。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年05月27日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.14】:聞きしにまさるインバウンド狂騒 京都の町を黒幕で覆うわけにはいかない

2024-06-24 08:01:20 | 【経済・産業・企業・IT・ベンチャー・起業・インバウンド(訪日外国人客)事業】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.14】:聞きしにまさるインバウンド狂騒 京都の町を黒幕で覆うわけにはいかない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.14】:聞きしにまさるインバウンド狂騒 京都の町を黒幕で覆うわけにはいかない 

 「この植民地状態、どないもならんのどすか」。

 大型連休最後の夜、久しぶりに訪ねた京都。祇園の小さな割烹(かっぽう)の女将(おかみ)は、そうため息をつく。聞きしにまさる京のインバウンド狂騒。

 開店と同時にどやどやとやってきて「お好み焼きクダサイ」。そこは、どこの店もお好み焼きを置いているわけではないとお引き取り願うとして、ツアーガイドから「お客さん1人につき、いくらマージンくれますか」と頻繁にかかる電話。表に出れば舞妓(まいこ)さんの前に立ちはだかってスマホをかざして警備員と小競り合い。

 いつもお世話になっている個人タクシーの運転手さんの悩みも深い。毎年、青紅葉のころに来る常連さんの予約は、今年は半減した。円安で外国人客に的をしぼったホテルは1室10万円以上がザラ。日本人にはちょっと手が出ない。それでも来てくれたお客さんは食べ歩きでポイ捨てにされた串、紙皿が散らばる道路に「こんな京都は見たくない」。

 店内飲食をお願いする看板も、東南アジアの訪日客も多いのに、せいぜい英語、中国、韓国語かスペイン語まで。店内が難しいなら、せめて商店街と市でイートスペースは作れないかという。

 京都駅からのお客さんに「清水寺」と言われたら、1日の売り上げに相当響く。道にあふれる人の波と駐車場に列をなすマイカーで、タクシーは身動きがとれない。なにしろ清水は連休中、1日2万人の人出だった。

 だけど外国人に人気なのは、この清水さんをはじめ金閣、銀閣、二条城、伏見稲荷、それに嵐山の“6カ所詣で”。ほかに行ってほしいというのが地元の本音だが、これはパリ旅行でエッフェル塔や凱旋(がいせん)門、ルーブル美術館も外してというようなもので、まず無理だ。

 ここは外国人も日本人もお互い「もううんざり」とならないために、知恵のしぼりどころではないだろうか。富士山の絶景スポット前の町道のように、京都の町をすっぽり黒幕で覆うわけにはいかないのだから。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年05月14日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.29】:大阪読売の記事捏造、下地は3年前に 幹部を一から教育し直しては

2024-06-24 08:01:10 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.29】:大阪読売の記事捏造、下地は3年前に 幹部を一から教育し直しては

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.29】:大阪読売の記事捏造、下地は3年前に 幹部を一から教育し直しては 

 前回16日のこのコラムに「牛の世話をしている人とかと違って(県職員となった)みなさんは頭脳、知性が高い」と言い放った川勝平太静岡県知事を、読売新聞静岡支局の一記者の記事が辞職に追いやったと書いた。

 だがこのスクープの翌17日、私が記者の第1歩を踏み出し、20年近く勤めた大阪読売の紙面に頭を抱えたくなるおわび記事が載った。

 メディアのタブーの中でも最も悪質な捏造(ねつぞう)。小林製薬の紅麹事件をめぐって、取材した同社の取引先の社長が「突然、『危険性がある』と言われて驚いた」「補償について明確な連絡はなく、早く説明してほしい」と、あたかも実際にコメントしたように社会部主任がでっち上げたという。会社の聞き取りに主任は「岡山支局から届いた原稿のトーンが、自分がイメージしたものと違っていた」としている。

 先に親会社の下請け、取引先イジメというストーリーを作っておいて、「ええい、取引先に成り代わって記者が親会社を成敗してくれる!」という権力者然とした振る舞い。なにが、この記者をこれほどまでに思い上がらせたのか。じつは下地は3年前からできていた。

 読売新聞大阪本社は2021年末、大阪府と包括連携協定を結んだ。教育、情報発信、災害対策、地域活性化など8項目。ほぼ地域行政全般について手を結び合い、現在、日本維新の会共同代表でもある吉村洋文大阪府知事と大阪読売トップが協定書を取り交わした。

 大阪府といえば、地域における最高権力機関。そことの協定に組み入れられて、記者も権力の一翼と思い上がってしまうのも、むべなるかなではないのか。

 あり得ないことだが、朝日新聞が小池東京都政と連携協定を結んだら、都民どころか全国民が腰を抜かす。

 捏造事件を機に大阪読売は記者教育を徹底するとしているが、これまた大きな勘違いだ。いまなすべきことは心ある記者が集って、社の幹部を一から教育し直すことではないのか。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年04月29日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・06.23】:「岸田スルー」で動き出した自民党 岸田首相は「究極の鈍感力」で対抗できるのか

2024-06-24 07:45:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【中山知子の取材備忘録・06.23】:「岸田スルー」で動き出した自民党 岸田首相は「究極の鈍感力」で対抗できるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・06.23】:「岸田スルー」で動き出した自民党 岸田首相は「究極の鈍感力」で対抗できるのか 

 裏金問題を抱える自民党の覚悟が問われた政治資金規正法改正の内容が、期待外れでスッキリしない形のまま、1月に始まった通常国会が今日6月23日、会期末を迎え正式に閉幕した。この半年近い時間の間には、岸田文雄首相が衆院解散・総選挙に打って出るんじゃないかの見方もあったが、肝いりの定額減税などの物価高対策、政治資金規正法改正の議論は国民の支持を得られず、支持率はだだ下がり。昨年の今ごろは、地元広島で行ったG7サミットの効果もあり支持率も上昇傾向だっただけに、隔世の感がある。

自民党仕事始めに出席する麻生太郎副総裁(左)と岸田文雄首相(2024年1月5日撮影)
自民党仕事始めに出席する麻生太郎副総裁(左)と岸田文雄首相(2024年1月5日撮影)

 岸田首相は「解散カード」を手にしながら、結局解散に踏み切らなかった。今は「解散したいと思っているのは総理だけ」(自民党関係者)と、身内でも突き放した空気が圧倒的。首相自身は周囲で厳しい声が広がっても「やる気満々」といわれてきたが、野党はもちろん、自民党内でも「岸田首相を大将に、次の選挙を戦うことはない」という認識が広がりつつある。

 長く永田町を見てきた関係者に話を聞くと、今の岸田首相は、かつて不人気で政権を去った2人の総理大臣に重なるという。

 1人は森喜朗氏。病に倒れた小渕恵三氏の後継で就任したが、内閣発足からほどなく20%台に落ち込んだ調査もあった。失言や危機管理力への疑問もあり、政権末期は10%~20%台と低迷したまま。今、当時の森氏と同じような数字の低支持率にあえぐ岸田首相は「国民から批判される首相は多くても、批判以上の『嫌悪感』を持たれてという面で、森さんに近いのではないか」という。 

 そして2人目は麻生太郎氏。麻生氏は就任直後に、衆院解散に踏み切るとみられながら、当時深刻だったリーマン・ショック対応や周囲の反対もあり踏み切らず、結果的に追い込まれる形で解散した。そして、民主党に政権を奪われ野党に転落した。目立った失態こそなくても失言やバー通いなどで、こちらも支持率は低迷。政権発足から半年たたないうちに、1桁に落ち込んだ調査もあった。その麻生氏は、解散直前に行われた東京都議選で10議席減らし、民主党に敗れた。全国の主要選挙で負け続けている岸田首相に、その姿が重なるという。

 先日の当コラムで、6月19日の党首討論で岸田首相が、かつての野田佳彦首相のような「解散宣言」をするかどうか、と書いたが、結局、自分自身から勝負を仕掛けることはなかった。討論での言葉に迫力はまったく感じられず、いらだちや挑発も目立ち、総理としての「王道」的な雰囲気もなかった。立憲民主党の泉健太代表とのやりとりでは、「禁止、禁止、禁止というのは気持ちいいだろうが」「政治にコストがかかるのは当然」と「政治とカネ」で開き直ったかのような言葉を口にし、だれに聞いて欲しいのかは分からないが、唐突に憲法改正をめぐる国会の議論について口にし、どこかがちぐはぐ。党首討論を「見せ場」とはとらえていなかったのかもしれない。

 野党の2党首から解散や総辞職を突きつけられると、こわばったような笑顔で拒否したが、自民党席から首相を後押しするような拍手は少なく、身内の中でも孤立している現実が露呈したようにも感じた。 

 そんな岸田首相には、党内からも「退陣論」が出始めた。前回の総裁選で、岸田首相に引きずり下ろされる形となった菅義偉前首相の地元や、派閥解消や裏金問題の対応をめぐって「トロイカ体制」の瓦解(がかい)もうわさされる麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長の派閥の議員からということで、秋の総裁選をにらんだ政局的な発言であることは差し引いても、岸田首相への「嫌悪感」はもう隠しようがなく、足元からにじみ出ているようだ。

 党首討論の時もそうだったが、21日の記者会見でも、岸田首相の表情はこわばっていた。記者会見で指摘されると 「そう見えるとすれば私の不徳の致すところ。気力は十分みなぎっており、やる気、気力はこれからもしっかり示したい」と述べた。党首討論で、国民民主党の玉木雄一郎代表に「四面楚歌(そか)」と指摘されても「四面楚歌とは感じない」と突っぱねた。

 これまで首相は「究極の鈍感力」(自民党議員)で乗り切ってきた部分もあるが、自民党内はすっかり「岸田スルー」の様相を見せている。衆院解散どころか、秋の自民党総裁選に再選出馬できるのか、そんな土俵際まで追い込まれている。岸田首相に、抗う力はどこまで残っているのだろうか。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年06月23日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・06.16】:石丸伸二氏が「座右の銘」に込めた意味 渋谷の街頭演説で聴衆と一体化した姿に重なったのは…

2024-06-24 07:45:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・06.16】:石丸伸二氏が「座右の銘」に込めた意味 渋谷の街頭演説で聴衆と一体化した姿に重なったのは…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・06.16】:石丸伸二氏が「座右の銘」に込めた意味 渋谷の街頭演説で聴衆と一体化した姿に重なったのは… 

 東京都知事選(7月7日投開票)の告示が6月20日に迫った。前回の22人から倍増以上となる約50人が、これまでに立候補を表明している。3選を目指し出馬する現職小池百合子知事(71)の、2期8年にわたる小池都政に対する「信任投票」という側面が1つのテーマとなる中、小池氏が6月12日に3選出馬を表明して以降、告示に向けた「序章」の活動が本格化してきた。

 5月末の表明から3週間近くになる蓮舫参院議員(56)は週末の街頭演説や視察を繰り返し、14日には日本外国特派員協会で会見し、欧米、アジアのメディアからも質問が飛んだ。事業仕分けの「必殺仕分け人」と呼ばれたが、現都政の予算に含まれる補助金の流れが不透明として「ブラックボックスをあけたい」と意欲を示し、「小池都政のリセット」を掲げた出馬会見以降、小池氏に攻め込もうとする姿が強くにじむ。

 その小池氏は、蓮舫氏の挑発も正面からは受け止めず、わが道を行く作戦のように感じる。選挙期間中の街頭演説も予定するが、現職として公務を優先するため、自身の2期8年の取り組みは生成AIを使った「AIゆりこ」で訴えるとし、朝夜2回のX(旧ツイッター)への投稿を開始。学歴詐称疑惑などネガティブな話題への追及を避けたいのではと、うがった見方もあるが、「現職の強みを知り尽くしている」(永田町関係者)小池氏を軸にした戦いになるのは確かだ。

東京都知事選出馬表明後、初の街頭演説を渋谷スクランブル交差点付近で行った前安芸高田市長の石丸伸二氏(2024年6月15日撮影)
東京都知事選出馬表明後、初の街頭演説を渋谷スクランブル交差点付近で行った前安芸高田市長の石丸伸二氏(2024年6月15日撮影)

 そんな中、6月15日、話題の候補が出馬表明後、初めて東京の有権者の前に登場した。歯に衣(きぬ)着せぬ発言も含めて注目された広島県安芸高田市の市長を1期で退任した石丸伸二氏(41)。初街頭に選んだのは、渋谷のスクランブル交差点前だった。

 取材に出向くと、開始時間前から大勢の聴衆に囲まれ写真撮影に応じている石丸氏がいた。演説が始まるとその数はどんどん増え、道行く人も足を止めて携帯電話のカメラを向けていた。この日のために、東京以外の地域から駆けつけたという人もかなり多かった。

 石丸氏は、選挙カーの上から交差点の全方位に体を向けながら訴えを続けた。肌感覚では、最終的に集まったのは1000人近かったのではないか。渋谷での大聴衆の選挙演説といえば、2001年自民党総裁選に立候補した小泉純一郎氏と応援団の田中真紀子氏の登場に数千人が集まったことがあるが、聴衆の数は及ばなくても、あの時と同じような「熱気」だった。

 100年に1度の大規模開発が進む渋谷を自ら初街頭の場に選んだ理由は、「東京の再建」を掲げたことで納得した。「人生で大事なことはだいたい漫画から学んだ」という石丸氏は、座右の銘を問われ、アニメや映画にもなった漫画「攻殻機動隊」に出てくる「世の中に不満があるなら自分を変えろ」を挙げ、さらに「思いの共有」を呼びかけた。「私たちは変えられると信じ、みんなでやっていこう」とも呼びかけた。

2016年7月、東京都知事選 選挙カー前に集まった聴衆の握手攻めに応える小池百合子氏
2016年7月、東京都知事選 選挙カー前に集まった聴衆の握手攻めに応える小池百合子氏

 言葉を重ね、聴衆を巻き込んでいく石丸氏。れいわ新選組の山本太郎代表のスタイルにも通じるが、他にもどこかで見た覚えがある。8年前、小池氏が最初に都知事選に出馬した時の姿だ。小池氏は当時、勝負カラーの緑のグッズを持参するよう聴衆に呼びかけ、タオルやキュウリなどの野菜も手にした聴衆を巻き込んだ選挙戦を展開した。当初は不利とみられたが、聴衆の「共感」を得ることで小池氏は圧勝で初当選した。

 その小池氏は「大義と共感」というフレーズをよく口にする。大義がなければ政策にならず、そこに共感がなければ政策は浸透しないという意味だが、約1時間に及んだ石丸氏の訴えを取材して感じたのは、演説を聴く人に、自身の思いを共有してほしいと訴える姿。選挙戦になれば具体的な政策を語ることになるが、「みなさんには『責任』を求めたい」とも呼びかけていた。

 選挙では一方的に自分の政策を訴え支持を呼びかけることが多いが、そこでどう共感を得ていけるかが、大きな鍵となる。訴えの内容や立場こそ違っても、聴衆の「共感」を呼び込もうとする石丸氏の訴えには、「小池劇場」と呼ばれた8年前のスタイルと似た部分を感じる。その小池都政について石丸氏に問うと「2期8年の間に東京が動いていたのかなという問題提起を、『東京を動かそう』というキャッチフレーズに込めた」と話していた。

 SNSを通じて全国的に話題になった石丸氏だが、今後はリアルの街頭演説も本格化するようだ。陣営関係者によるとボランティアを希望する人が相次いでいて、渋谷街頭後に開いたボランティア説明会には1000人近くが集まったといい、「台風の目」になりそうな様相だ。石丸氏を含めた候補者がスタートを切る都知事選の告示は、もうまもなくだ。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年06月16日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・06.09】:岸田首相、党首討論での「ハプニング」は起きるか 12年前は野田佳彦氏が電撃解散宣言

2024-06-24 07:45:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【中山知子の取材備忘録・06.09】:岸田首相、党首討論での「ハプニング」は起きるか 12年前は野田佳彦氏が電撃解散宣言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・06.09】:岸田首相、党首討論での「ハプニング」は起きるか 12年前は野田佳彦氏が電撃解散宣言 

 自民党派閥の裏金事件を受けて始まった政治資金規正法改正への国会審議。自民党の度重なる迷走や、10年後に領 収書を公開する際のルールづくりはこれから、などという岸田文雄首相のグダグダ答弁がありながらも、数の力で衆議院を通過した。今後参議院での審議を経て6月23日に会期末を迎える通常国会中に成立の見通しだが、「抜け道だらけ」といわれるように中身が生煮えでも、法案成立という「見た目」が優先されてしまうのは、岸田首相が節目で見せる「やってます感」に重なる。

 その岸田首相はかねて、「衆院解散のタイミングを探っている」という指摘がなされてきた。首相自身の政治姿勢だけでなく裏金問題、定額減税など経済政策への不評などで支持率が下がっても「自分の手での解散」を模索している、という声を複数、耳にしてきた。ただ現実は全国の選挙で負けが込み、補選とはいえ国政選挙の4月の衆院3補選は、不戦敗2つを含む全敗。身内からも「負けっぷりにもほどがある」(自民党関係者)と嘆きが出るほど。通常なら「選挙の顔」の役割も担う党トップとしては致命的な評価で、衆院解散総選挙で勝利→秋の自民党総裁選で再選の方程式は崩れたというのが、現実的な見方だ。

 それでも、派閥解散や自らの政治倫理審査会出席など、周囲の想定を超えた行動に出ることで知られる岸田首相。「すきあらば…」の思いは今もどこかにあるのでは?と懸念を持つ関係者がいないわけではない。

2023年10月 衆院本会議場の自席で腕組みをしながら話す岸田文雄首相
2023年10月 衆院本会議場の自席で腕組みをしながら話す岸田文雄首相

 そんな疑心暗鬼もある永田町では、国会会期末の19日にも党首討論を行う調整が、与野党間で始まっているという。党首討論は、かつては丁々発止の議論もあったが、そもそも全体の時間が45分と短く政党の規模で持ち時間も決まり、言いっぱなしで終わるため討論は深まらない。最近は菅義偉政権の2021年6月に行われたきりで、今回行われれば3年ぶりで岸田政権では初めてだ。国会の会期末には立憲民主党などが内閣不信任決議案を提出するとの見方もあり、国会では終盤に向けて緊張感が漂ってきている。

 この党首討論の場で野党から挑発を受けた岸田首相が、「ケンカ師」の本領を発揮して解散に踏み切ろうとするのではないか、という展開は「多分ないけど、絶対ないとは言い切れない」という声を聞いた。「野田さんパターン」という。

 野田さんとは、民主党政権で最後の首相だった野田佳彦氏が2012年11月14日の野党自民党の安倍晋三総裁との討論の場で、議員定数削減法案への協力と引き合いに「私は解散をしてもいいと思っている。やりましょう」と電撃的に解散を持ちかけ、さすがの安倍氏も「約束ですね。よろしいんですね」とあわてた様子で繰り返した。当時、取材していた委員会室の空気は、野田氏の発言で「どわっ」と変わった。今も忘れられない衝撃だった。

2011年11月、首相として両院議員懇談会の冒頭のあいさつを述べた野田佳彦氏
2011年11月、首相として両院議員懇談会の冒頭のあいさつを述べた野田佳彦氏

 当時の野田氏が置かれた立場とは異なるが、今のままなら9月の自民党総裁選で再選は厳しいと見る向きが強い岸田首相が、座して退陣を待つくらいなら、乾坤一擲(けんこんいってき)の大勝負に出るのではないか…。そんな「悪夢」(関係者)のような展開を懸念する声は、なくもない。岸田首相は2020年秋の自民党総裁選で菅義偉氏に敗れ、1度は「終わった」とまで言われたが、そこから再びの挑戦を経て首相にはい上がった。以前、野党関係者に「総理は何をやりたいかではなく、首相の座に固執している」という批判を聞いたことがあるが、このまま黙って追い込まれるくらいなら何か行動を起こすのでは…という推測が出るのも、そうした岸田首相の権力への執着心というものがあるとすれば、うなずける側面もある。

 立憲民主党は岸田首相に総辞職か、解散で国民に信を問うよう求めているが、今の自民党議員の大半は解散など望んでいないはず。一方で、何を考えているのか、仕掛けてくるか分からないのが岸田首相だという側面を、多くの自民党議員、関係者が学習している。だからこそ「ハプニング」への警戒が消えないのかもしれない。

 12年前、党首討論での解散宣言から2日後、実際に衆院を解散した野田氏の勝負は成就せず、民主党は政権を失った。一方、岸田首相は「自分の勝負勘には自信を持っている」と聞いたことがある。党首討論が実現した場合、45分が「無風」で過ぎるのか、何か「ハプニング」が起きるのか、見ていきたいと思う。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

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【中山知子の取材備忘録・06.02】:水面下の神経戦…小池百合子知事が青い服に託した都知事選3選出馬への心境とは

2024-06-24 07:45:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・06.02】:水面下の神経戦…小池百合子知事が青い服に託した都知事選3選出馬への心境とは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・06.02】:水面下の神経戦…小池百合子知事が青い服に託した都知事選3選出馬への心境とは 

 今年の七夕に行われる一大政治決戦、東京都知事選(6月20日告示、7月7日)が一気に動き始めた。これまで都知事選のたびに名前が浮上しながら出なかった立憲民主党の蓮舫参院議員(56)の電撃出馬表明で、雰囲気が激変した。蓮舫氏が「非小池都政」と掲げ、現職の小池百合子都知事(71)との対決姿勢をこれでもかというくらいにみせ、蓮舫氏と小池氏の対立構図が、選挙戦のひとつの肝になろうとしている。

都議会本会議終了後、取材に応じる小池百合子都知事(2024年5月29日撮影)
都議会本会議終了後、取材に応じる小池百合子都知事(2024年5月29日撮影)

 その小池氏は、国政復帰の臆測もたびたび浮上したが、国政復帰への衆院選のタイミングは自力ではどうにもならず、政策の打ち出し方などを見ても、最近は3選出馬が既定路線とみられてきた。蓮舫氏にケンカを売られた格好の小池氏は、都議会開会日に何らか出馬について触れるとみられたが、触れなかった。蓮舫氏の動きが少なからず影響したとみる向きは多い。

 ただ、所信表明の演説を読むと、冒頭から「全身全霊で臨んだの8年間の都政」のタイトルを付けて自身の実績を強調し、その後も「今必要なのは、都政の動きを加速化していくこと」「為すべきは、東京をさらに磨き上げること」など、今後を見据えた思いがにじんだ内容になっていた。

 当日の小池氏は、水色の格子柄のジャケットを着ていた。この色をみて「出馬表明はない」と思った人は、多かった。小池氏の勝負カラーは、これまで緑だった。最初に都知事選に出馬した2016年の会見でも黄緑系のインナーを着ていたし、国会議員時代の選挙でも同様だった。

 一方、青を着た小池氏は「静寂な気持ち」を吐露したことがある。都知事となって初めて都庁に足を踏み入れた時は緑色ではなく、ジャケットの下は青のインナーだった。知事室で知事のいすに座った時、その理由を問うと「緑の服は戦闘服。戦いは終わった。ブルーオーシャンの静かな気持ちで、都政に臨みたい」と語った。

 経済用語で、競争相手がひしめく市場を「レッドオーシャン」というのに対し、競争相手が存在せず、開拓されていない市場のことを「ブルーオーシャン」という表現をする。小池氏は当時、そうしたたとえを引き合いに自身の立ち位置を説明した。5月29日の都議会での服装を見ながら、当時のことを思い出した。

就任当日、職員に訓示を行う小池百合子都知事(2016年8月2日撮影)
就任当日、職員に訓示を行う小池百合子都知事(2016年8月2日撮影) 

 都議会開会日の翌日はエメラルドグリーンの上着になり、その翌日の定例会見では黒系に。今は緑はおろか、青からもどんどん離れていっている。

 8年前、小池氏は2016年の出馬表明時、所属していた自民党に報告せず、ケンカを売るような形で都知事選に強行出馬した。当然自民党は激怒し対立候補をぶつけてくるわけだが、がけから飛び降りてでも自分で風を起こすという「本気度」が有権者に伝わり、選挙戦は小池劇場一色に。「挑戦する時は退路を断つのが、私の生きざまだ」と言い切っていた。

 当時の出馬表明会見で、小池氏は都知事選での公約を公表し「都議会の冒頭解散」「都政の利権追及チーム設立」など、自民党への対決姿勢むき出しの過激な内容を掲げた。「自民党は家族的で素晴らしい政党だが、都連は改革が必要。ブラックボックスのよう」と批判したが、この8年の間に、対立した当時の都連幹部も都議会を去り、激しい対立構図は徐々に消えた。派閥パーティーをめぐる裏金事件で候補者擁立が困難な自民党は、小池氏と歩調を合わせるしかなく、蓮舫氏から「自民返り」と指摘される原因に。小池氏の3選出馬の場合の自民党との距離感はこれまで以上に厳しく見られることになる。

 一方、小池氏はこれまで、節目節目でよくも悪くも相手を「出し抜く」ような対応をみせることで、状況の変化を生み出してきた。都知事選に3選出馬すればてごわいライバルの1人となると見込まれる蓮舫氏は、小池氏の出方をにらみながら選挙で打ち出す公約の精査を続けている。戦略といわれればそれまでだが、8年前の小池氏がみせた腹のすわり方に比べたら、少し物足りない気もする。

 その蓮舫氏は6月に入り、この週末に現場視察や街頭演説の日程を入れ、「空中戦」を意識したような活動も始めた。そして小池氏は今週、都議会本会議で各会派の議員から質問を受ける場に臨む。22人が立候補した前回を上回る立候補者が確実視される今回の都知事選。告示まですでに3週間を切ったが、水面下での神経戦のさなかにある。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

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 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

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【中山知子の取材備忘録・05.26】:選挙の話題は夜開く…静岡県知事選が岸田政権の解散戦略にも影響?重鎮の夜会合で語られたこと

2024-06-24 07:45:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・05.26】:選挙の話題は夜開く…静岡県知事選が岸田政権の解散戦略にも影響?重鎮の夜会合で語られたこと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・05.26】:選挙の話題は夜開く…静岡県知事選が岸田政権の解散戦略にも影響?重鎮の夜会合で語られたこと 

 日本の政治は「夜に動く」といわれてきた。かつて、政治記者にとっていちばん重要なのは「夜会合」の把握だと聞いたことがある。政治家の夜会合への意識やコロナ禍の影響による世の中の流れもあり、以前とは雰囲気はずいぶん変わったと聞くが、そんな夜会合の1つが5月14日、東京都内の老舗料亭で行われた。

小泉元首相らとの会食後、店を後にする山崎拓・元自民党副総裁。左は武部勤・元自民党幹事長(2024年5月14日撮影)
小泉元首相らとの会食後、店を後にする山崎拓・元自民党副総裁。左は武部勤・元自民党幹事長(2024年5月14日撮影)

 小泉純一郎元首相や山崎拓・元自民党副総裁などかつて日本政治を動かした面々が参加した小泉政権の同窓会。定期的に開催され、通常、必ず現職を招くといい、今回は常連メンバーの二階敏博元幹事長が入院していることなどから、今秋の自民党総裁選への出馬が取りざたされる石破茂元幹事長に声がかかり、初めてゲスト参加する形となった。

 元首相や、かつて永田町を牛耳ったベテラン元議員らの集った会合は、文字通りの「同窓会」。今の政治情勢に大きな影響を及ぼすものではないが、今後の展望に関していくつかのヒントが内蔵されていた。

 会合後のスポークスマン役を務める山崎氏の口からは、岸田文雄首相への前向きな評価はほとんど聞かれなかったが、秋の自民党総裁選など今後の政治の流れへの予測については語られた。今後の政治を読み解く上での鍵となるのは、きょう26日に投開票される静岡県知事選だと話しておられた。

 「静岡の県知事選で自民党が勝てば、必ず解散になるだろうと。負ければ解散できない。自民党総裁選にまっすぐ行っちゃう」。そんな認識が出席者の間で共有されたという。

 川勝平太氏の「失言」に端を発した辞職に伴う静岡県知事選には、6人が立候補。情勢に関しては、これまでさまざまな情報が永田町で飛び交ってきた。総じては、自民党と、立憲民主党&国民民主党がそれぞれ推薦する無所属新人の2候補が競り合っているというものだ。

 自民党裏金事件が起きてからというもの、自民党は今年2月の保守王国・群馬の県庁所在地、前橋市長選で推薦した現職が無所属新人に敗れたり、4月の衆院3補選でも保守王国・島根での大敗と2選挙区での不戦敗で3戦全敗。先週投開票された小田原市長選でも、自民党などが推薦した現職が前市長に敗れる波乱が起きた。自民党、ひいてはトップの岸田首相にはすっかり「選挙に勝てない」というイメージがついてしまった。静岡に関しては、静岡選出の自民党議員に裏金問題や女性問題などさまざまな話題が噴出。初の女性首相候補との声も出始めた上川陽子外相の「うむ」発言の撤回もあり、「鬼門」(自民党関係者)との声もあるようだ。

 国政選挙の結果が時の首相の進退に影響することは多いが、自治体の首長選挙など地方選挙の結果がそこに直結したケースも少なくない。2009年の東京都議選では麻生太郎首相(当時、現自民党副総裁)は、衆院選の直前に行われた東京都議選で、当時の民主党に敗北。その直後の衆院選で惨敗し、政権を失った。直近では、菅義偉前首相が2021年春の補選と再選挙で3戦全敗し、その後の地元・横浜市長選で支援した自民候補が大敗。結果的に総裁選出馬を断念し、退陣した。

 与野党対決の形になっている静岡県知事選についても注目される選挙だけに、岸田政権にとって「国政選挙ではない」と無視できるものではなく、結果が良ければ体力を増し、悪ければそぐきっかけになるとの見方は少なくない。

 今年7月には首都東京で都知事選が予定される。自民党は昨年秋以降、東京都内の選挙で連敗し、その後、小池百合子都知事とのコラボで乗り切った経緯がある。既定路線だった都知事選3選挙出馬へ小池氏はすでに動き始めているが、自民党関係者によると、都議会自民党で小池氏支援に異論を唱える向きはない。恒例になりつつある小池氏とのコラボ路線も踏まえ、他力にすがってでも「負けない選挙」を模索するなど、苦しい対応を余儀なくされている。

 一方で、永田町では夏の衆院選への臆測も飛び交う。真偽不明だが、「噂話」と題され「8月選挙」を予測した文書まで、少し前に関係者の間に流れた。こうした「うわさ」ではなく、多くの経験を踏まえて今の永田町を俯瞰(ふかん)するベテランたちが、夜会合で見立てた静岡県知事選の結果、そしてその先の政治は、どう動いていくのだろうか。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

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 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年05月26日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・05.19】:東京都知事告示まで1カ月 小池百合子知事の態度表明は直前か…過去とは違う雰囲気の選挙戦に?

2024-06-24 07:45:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・05.19】:東京都知事告示まで1カ月 小池百合子知事の態度表明は直前か…過去とは違う雰囲気の選挙戦に?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・05.19】:東京都知事告示まで1カ月 小池百合子知事の態度表明は直前か…過去とは違う雰囲気の選挙戦に? 

 東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)の告示まで1カ月となった。現職の小池百合子知事(71)は3選出馬が既定路線とみられるが、出馬するともしないとも明かしていない。前回2020年の再選出馬表明は告示の6日前で、今回も態度表明はギリギリのタイミングではないかとみられている。都知事選告示日の6月20日は、通常国会会期末の6月23日に近い。岸田文雄首相の支持率低迷や野党の攻勢で、国会会期末には何が起きるか分からず、微妙な政治日程のさなかに告示される都知事選という側面もある。

小池百合子都知事(2024年4月30日撮影)
小池百合子都知事(2024年4月30日撮影)

 小池氏がどう動くとしても、今回の都知事選はこれまでとは雰囲気がちょっと違うものになりそうな気がしている。争点もさることながら、その「景色」の部分も含めてだ。

 5月17日、4月の衆院東京15区補選での行動をめぐり、公選法違反(選挙の自由妨害)の疑いで政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者ら3人が逮捕されたが、黒川容疑者らは4月末、早々と都知事選出馬を表明していた。今回の逮捕で出馬できるのか不透明だが、補選での一連の行為を考えると、選挙戦の混乱は避けられない。一方、「NHKから国民を守る党」が計30人の公認候補を都知事選に擁立すると発表した。前回は、都知事選では過去最多の22人が出馬したが、今回の規模はそれを超えるのは確実だ。

 小池氏は同日の定例会見で、つばさの党の3人逮捕を受けて「問題は、これを模倣していくような人たちが出てくる懸念もある」と警鐘を鳴らした。1990年代からさまざまな選挙の取材をしてきたが、ネット選挙解禁後、政治や選挙の風景がどんどん変わってきていることを肌で感じる。今回のつばさの党の行為は、現場で取材していて理解に苦しむものだった。選挙の現場の風景が劣化しているような気がするのは、私だけはないはずと感じる。

石丸伸二・安芸高田市長が出馬表明で小池知事へ対抗心 「政治のエンタメ化は軽薄なものではない」

 一方、今回の都知事選が注目される一因に、広島・安芸高田市の石丸伸二市長(41)が出馬表明したこともある。議会の様子や地元メディアとのやりとりなどの動画がネット上で拡散し、市議会で居眠りをする議員に「恥を知れ、恥を」と叫ぶ姿もで話題となった。17日に自身のYouTubeチャンネルにアップした出馬会見でも、「もてなす」という観点からの「政治のエンタメ化」に言及。都知事選の投票率を「爆上げしましょう」と呼びかけるなど、小池氏が得意とした「劇場型」を思わせるような空気を漂わせている。

 石丸氏は現職の地方自治体首長からの都知事選挑戦となるが、かなりレアケースだ。2011年都知事選で、当時の松沢弘文・神奈川県知事(現・参院議員)がいったん出馬表明をしたが、当時の石原慎太郎都知事の4選出馬表明で出馬をとりやめ、神奈川県知事も任期満了で退任した。松沢氏は、石原氏が国政転身で任期途中で辞任したことに伴う2012年都知事選に出馬したが、猪瀬直樹氏に敗れている。

 首長経験者が都知事選に出馬したケースもあるが、2007年都知事選で石原氏と争った宮城県知事経験者の浅野史郎氏、2011年都知事選に出馬した宮崎県知事経験者の東国原英夫氏もともに敗れた。石丸氏はそうした「他の自治体首長からの転身挑戦」というジンクスとも戦うことになる。

 石丸氏の動向を含め、さまざまな動きを注視しているとみられる小池氏は、8年前の最初の選挙戦では、自民党という「敵」との対峙(たいじ)や「緑グッズ」で聴衆を巻き込む形の「小池劇場」で圧勝した。前回はコロナ禍で選挙活動が制限される中、「2期目を目指す現職は強い」といわれる選挙戦を300万票超の得票でまた圧勝。そして今回、3度目に臨むかどうか。学歴詐称疑惑が再燃し、これまで掲げた公約へのさまざまな評価もある。

 都知事選に複数回出馬し、当選したのは直近では石原慎太郎氏だけ。思い出せば、石原慎太郎氏が都知事2期目のころ、3選出馬に際して、高額な海外出張費や交際費、都文化事業の身内の重用問題で強い批判を受けてかなりの逆風が吹いた。どことなく今の小池氏と重なる面もある。石原氏の3度目の選挙で選対本部長だった初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏が、当初選んだキャッチフレーズは「反省しろよ慎太郎 されどやっぱり慎太郎」。石原氏は前回から27万票ほど票を減らしたが3選された。

 小池氏の動向が明かされるまでは表向き、静けさを保つ都知事選。立憲民主党など野党も水面下で独自候補を調整中で、残された1カ月という短期間の間に、一気に動き始めることになる。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」) 

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【2024東京都知事選】:「カオス都知事選」の政見放送始まる NHK総合で初回は6人で34分 

2024-06-24 07:15:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2024東京都知事選】:「カオス都知事選」の政見放送始まる NHK総合で初回は6人で34分 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024東京都知事選】:「カオス都知事選」の政見放送始まる NHK総合で初回は6人で34分  

 東京都知事選(7月7日投開票)に立候補している56人の政見放送が24日朝、NHK総合でスタートした。

 この日は、通常放送されている「おはよう日本」の放送時間となる午前6時から34分間、6人の候補者の政見放送が放送された。それぞれの候補者は、都知事選に出馬した経緯や自身のプロフィル、選挙戦で訴える公約などを訴えた。一部、特定の企業に対する私見などを口にするケースもあったが、大きな混乱はなかった。6時台の「おはよう日本」は、政見放送終了後の午前6時35分からスタートした。

【イラスト】東京都知事選立候補者【イラスト】東京都知事選立候補者

 東京都選挙管理委員会が21日に公表した政見放送の放送予定によると、NHK総合では午前6時台と午後11時台に分けて放送され、各候補者が2回ずつ登場予定。38分の放送が14回、32分と35分がそれぞれ2回で、総放送時間は11時間6分に達する見込み。一部の候補者からは政見放送の申し込みがなかったとして、経歴放送のみの予定となっている。

 東京ローカル局のTOKYO MXでも放送予定で、各候補者は昼、夜、深夜の放送に各1回ずつ計3回登場予定で、総放送時間は17時間46分に達する見通し。NHKラジオ第1、TBSラジオでも放送される。

 今回の都知事選の候補者数56人は、過去最多。20日の告示日以降、ポスター掲示のあり方や内容をめぐる混乱も起きている中、政見放送での各候補の主張内容にも関心が集まっている。

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 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・東京都知事選】  2024年06月24日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年06月22日 今日は?】:ユネスコが「富士山」を三保松原を含めて世界文化遺産に登録

2024-06-24 00:00:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2024年06月22日 今日は?】:ユネスコが「富士山」を三保松原を含めて世界文化遺産に登録

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年06月22日 今日は?】:ユネスコが「富士山」を三保松原を含めて世界文化遺産に登録

 ◆6月22日=今日はどんな日

  ボウリングの日

 ◆出来事

  ▼日韓基本条約調印。付属協定で韓国は経済協力を代償に対日請求権放棄(1965)▼初の衆参同日選挙。選挙期間中に大平正芳首相が急死。弔い合戦を訴えた自民党が圧勝(1980)▼ユネスコが「富士山」を三保松原を含めて世界文化遺産に登録(2013)

 ◆誕生日

  ▼笹野高史(48年=俳優)▼阿部寛(64年=俳優)▼斉藤和義(66年=シンガー・ソングライター)▼加藤ミリヤ(88年=シンガー・ソングライター)▼伊野尾慧(90年=Hey!Say!JUMP)

  元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年06月22日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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