【岸田政権】:1回ポッキリ定額減税の裏で忍び寄る…6月スタート「こっそり増税」と「がっつり負担増」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:1回ポッキリ定額減税の裏で忍び寄る…6月スタート「こっそり増税」と「がっつり負担増」
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・岸田政権・定額減税】 2024年06月09日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【岸田政権】:1回ポッキリ定額減税の裏で忍び寄る…6月スタート「こっそり増税」と「がっつり負担増」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:1回ポッキリ定額減税の裏で忍び寄る…6月スタート「こっそり増税」と「がっつり負担増」
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・岸田政権・定額減税】 2024年06月09日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【テレビが10倍面白くなるコラム】:東京都知事選「蓮舫推し」vs「小池推し」でTVコメンテーター激突!あの人はどっちだ?
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【テレビが10倍面白くなるコラム】:東京都知事選「蓮舫推し」vs「小池推し」でTVコメンテーター激突!あの人はどっちだ?
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 芸能 【芸能ニュース・連載「テレビが10倍面白くなるコラム」】 2024年06月09日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】:皇室と週刊誌の“不幸な関係”はどんどん進む…悪いのはどっちなのか?
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】:皇室と週刊誌の“不幸な関係”はどんどん進む…悪いのはどっちなのか?
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 芸能 【芸能ニュース・皇室・連載「週刊誌からみた「ニッポンの後退」】 2024年06月09日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【「表と裏」の法律知識】:改正された自転車の交通ルール どこがどう変わるのか? しっかりおさらい
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「表と裏」の法律知識】:改正された自転車の交通ルール どこがどう変わるのか? しっかりおさらい
自転車の交通ルールが変わるのをご存じですか? 道路交通法の改正が5月17日に成立しました。これを機に、自転車の交通違反者に対する取り締まりが一気に増加すると思われます。
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どこが変わるかシッカリおさらい(C)iStock
一体どこが変わるのか。シッカリおさらいしてください。
反則金の対象者は16歳以上の運転者です。そして「信号無視」「指定場所一時不停止」「携帯を操作しながらの運転」など113種類程度の違反行為が対象です。
反則金額は今後、政令で決まることになり、5000円から1万2000円になる見込みです。また、酒酔い運転や飲酒運転、スマホの使用で危険を生じさせた場合には従来どおり、赤切符が交付されます。かなり厳しいものになるのです。
みなさんは、子どものころから自転車に乗っている人が多いと思います。とくに交通ルールの講習などは受けず、“なんとなく安全”を意識しながら、公道を運転していると思います。その結果、高齢者の方を含めた成人の方の中には、長年誤った自己流の交通ルールをもとに、わが物顔で自転車の運転をしている人もいます。歩道を運転したり、どこでもかまわず車道を横断したり、いきなり飛び出したり……。
今回の法改正によって、違反を指摘されたときに「そんなルール知らなかったよ」「だれも教えてくれなかった」と言い訳しても、それは通りません。ですからいま一度、交通ルールの再確認が大切なのです。
ただ、「自動車の運転と違って、自転車なんだから」と甘く考え、残念ながら、交通ルールを順守する意識が乏しい者がいることも事実です。
では、どうすればいいのか。反則金制度を導入したとしても、自転車の交通ルールを順守する気がない者には、根気強く交通安全教育の実施をしていくほかありません。規制と教育の両輪があって初めて、交通ルールの徹底につながるのです。ですから今後は、自動車の運転免許制度と同じように、定期的に自転車の交通安全教室に参加を義務付けるなど制度設計が求められます。
罰則強化だけで一件落着させていい問題ではないのです。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「「表と裏」の法律知識」】 2024年06月09日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:政治家はつかみ金温存 庶民は地獄の猛暑と生活苦
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:政治家はつかみ金温存 庶民は地獄の猛暑と生活苦
このところ、新聞に書いてあることの意味が分からず、頭が混乱することがある。7日の読売新聞にも、そんな一行があった。
<首相は政治資金規正法改正案を今国会で成立させたうえで、重点政策の「デフレ脱却」を実現するなどして政権浮揚を図り、総裁選に突入する戦略を描いている>
はて? 政治資金規正法改正案の成立が政権浮揚になるのか。少なくとも、首相はそう考えているらしい。そして、今はデフレで、もっとインフレにして「デフレ脱却」すれば、これまた国民の支持が集まり、総裁選に有利と、首相は踏んでいるらしい。
採決で起立する岸田首相(C)日刊ゲンダイ
国民はア然ではないか。岸田だけ違う国に住んでいるのか、と思ってしまう。今度の規正法改正を評価する国民がいたら、呼んできて欲しいものだ。自民党は企業・団体献金は禁止せず政治資金パーティー券購入者の公開基準を5万円超に引き下げただけで、小口化による抜け穴を堂々と残した。政策活動費の廃止を見送り、10年後の領収書提出も細部は不明。独立機関の監査とやらも“これから検討”という国民愚弄だ。連座制についても巧妙で、会計責任者のせいにして言い逃れできるよう曖昧にしている。
要するに「濡れ手に粟で裏金を掴む」手法はそのまま残したわけで、これが「総裁選再選戦略」とは国民にケンカを売っているのも同然だ。
◆「デフレ脱却」で再選というふざけた戦略
そこに輪をかけてふざけているのが、首相の再選戦略のもうひとつ、「デフレ脱却」なのである。
岸田が指しているのは賃上げと物価上昇の好循環のことで、6月から1人4万円の定額減税で、個人消費に火がつくと踏んでいる。このトンチンカンにも国民の怒りが爆発している。経済評論家の斎藤満氏は呆れ顔でこう言った。
「今度の減税は政治的に最低のやり方です。公費を4兆円も使うのに、まったく、実感が得られないからです。減税には恒久的な定率減税と一時的な特別減税があり、後者は貯金に回ってしまう傾向が強い。それでもドカンとやれば、まだ消費に回りますが、今回の減税は1回限りのうえに、給付ではなく、税金の軽減なので、そもそも税金が少ない人は複数回に分けて軽減する。ちょぼちょぼの分割軽減では実感を味わえません。まして振り込みが2カ月に1回の年金生活者などは、家族分も含めた減税がいつ“完結”するのか見当もつかない。これでは消費に火が付くわけがありません。そのうえ、この間にも物価は上がっていくのです。政治家の裏金ルートは温存するくせに、こんな愚策で国民に大きな顔をされたらたまりません。政党助成金を廃止し、裏金に課税するのが先ですよ」
これが国民のまっとうな声というものだが、実感が乏しいことがわかっている岸田は減税の給与明細への明記を求め、それが企業の経理担当者の怒りを買っている。裏金を温存、正当化する法改正と恩着せがましく無意味な減税。それが「総裁選戦略」とは、お花畑もいいところだ。
◆クーラーもつけられず病院にも行けない6月以降
怪しい会合の菅前首相(C)共同通信社
それでなくても、庶民の今後の生活苦は凄まじいものになりそうだ。痛みを知らないのは裏金政治家だけである。
まず、東京都の消費者物価指数によると、5月の電気代は前年比13.1%の上昇だった。再生エネルギーの特別賦課金が乗ってきたからだ。そこにもってきて、6月請求分からは電気・ガス代への政府補助が半分になる。これにより、どの電力会社でも6月は過去最高の値上げになるとみられている。
すでに猛暑の気配なのに、今夏はおいそれとクーラーのスイッチすら入れられなくなる。猛暑と生活苦の地獄絵だが、それで体調を崩したら、もっと地獄だ。6月1日からは診療報酬も入院基本料も上がっているのだ。せめてうまいもんでも食べたいが、帝国データバンクによると、6月以降614品目の食料品が値上げである。うち、3割が円安による値上げで、要するに自民党のせいだ。こうして円安を加速、放置することで、大企業を儲けさせ、そこから企業・団体献金をせしめ、裏金化するのが自民党のビジネスだということを忘れちゃいけない。
だから、今回もそれを温存し、庶民には円安・物価高を押し付ける。実質賃金は25カ月も下がり続けているのに、その非を認めず、バカげた減税で「デフレ脱却」などとうそぶいている。そんな亡国の戦略を国民が黙認、放置すると思ったら大間違いだ。
◆ポスト岸田の主導権争いが始まった
それだけに岸田周辺では一気にきな臭いにおいが立ち込めるようになってきた。国民は愛想を尽かし、その反感の凄まじさを肌で知った自民党議員が右往左往で浮足立ってきたのである。
今月4日、横浜市議の佐藤茂市連会長が「党の支持率は危機的だ」「2009年の政権交代に匹敵する」「(岸田総裁は)自ら身を引く決断をしていただきたい」とぶち上げたのは周知の通り。青森でも県連幹部の間で同様の意見が出たと思ったら、「待ってました」と動き出したのが菅前首相だ。6日に都内の寿司屋で小泉進次郎元環境相、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務相、萩生田光一前政調会長らと会食。「反岸田の号砲か」などと報じられている。政治ジャーナリストの山田惠資氏はこう言う。
「岸田首相は今回の規正法改正で、自民党内と国民の双方から総スカンを食らいましたね。パーティー券購入者の公開基準を巡って、公明党と妥協したことで党内は“あり得ない”と怒っているし、国民世論は本質的な問題にメスを入れなかった姿勢を批判している。岸田首相にしてみれば、“この法案が通らなければどうにもならない”“通ればどうにかなる”と思っていたのでしょうが、成立のメドが立って、むしろ、追い詰められている感がある。ま、解散を封じられた今、通らなければ、即、行き詰まったでしょうが、それがちょっと先送りされただけです。この先、国会閉会後に改造をやるのか、できるのか。次に総裁選で誰が出てくるのか、出てこないのか。その時、誰がポスト岸田を主導するのか。菅さんの会合のメンバーには麻生さんの天敵、武田良太氏が入っている。菅さんと麻生さんの主導権争いが始まったという見方もできますね」
言うまでもないが、そこに国民の視点はない。どうすれば、自分たちがヌクヌクと生き残れるか。自民党にあるのはそれだけだ。そこに国民の本質的な怒りがある。それに気づかない自民党は岸田もろとも沈んでもらうしかない。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月08日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:岸田首相への退陣要求が続出確実…政敵・菅前首相の“お膝元”から「地方の反乱」が始まる
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:岸田首相への退陣要求が続出確実…政敵・菅前首相の“お膝元”から「地方の反乱」が始まる
岸田首相への「退陣要求」が地方から上がり、永田町関係者が騒然としている。自民党横浜市連が4日に開いた定期大会で、市連会長の佐藤茂・横浜市議が裏金事件を念頭にこう言ったのだ。
「政治資金規正法改正にメドがついた今、総裁自ら身を引く苦渋の決断をし、強いリーダーシップのとれる新進気鋭の総裁を選び、変革の証しを示さなければならない」
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耐えられるのか(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
「身を引け」という強烈な発言が飛び出した背景の一つに、党本部の不遜な態度があったようだ。
「先月中旬、党幹部が全国を回って地方組織の声を聞く『車座対話』が横浜市内で開かれたのですが、神奈川県連幹部からは不満の声が噴出しました。車座対話のタイミングが遅すぎると批判すると、党本部から来た平口洋衆院議員が『我々も時間を割いて来ている』と反論。これに県連側は『話を聞く気があるのか!』と激怒。その場は荒れに荒れました。この時の遺恨も残っていたのでしょう」(県政関係者)
見過ごせないのは、退陣要求が岸田首相の政敵である菅前首相の“お膝元”から上がったことだ。もともと横浜市議だった菅前首相は、岸田首相に「退陣要求」を突きつけた佐藤市議と近い関係だ。退陣要求の背景に菅前首相の意向が働いていた可能性がある。
「定期大会には“スガ印”の小泉進次郎元環境相も参加。自民党が下野した2009年衆院選に触れ『あの時より怖い。一人一人が危機感を持って変わっていかなければいけない』と発言しました。彼らの発言に、菅さんの意向が働いていないとは思えない。いよいよ菅さんが『岸田おろし』に動き出したのではないか」(官邸事情通)
◆早期解散論後退で発言しやすくなった
さらに、菅前首相は6日、都内の寿司店で萩生田前政調会長、加藤元官房長官、武田元総務相、小泉元環境相と会食。秋の総裁選への対応などについて協議したという。
萩生田氏、加藤氏、武田氏の3人は定期的に会食するなど親密で、それぞれの頭文字をとって「HKT」と呼ばれている。進次郎氏を含め、いずれも菅政権で閣僚を務めた“スガ印”だ。「岸田おろし」に向けた準備を着々と進めているとみるのが自然だ。
菅前首相に近い自民党議員はこう言う。
「波風立てるような言動を嫌う菅さんが、ここまで表立って動くのは珍しい。国会閉幕後、本格的に動き出すために準備しているのかも知れない」
岸田首相にとって頭が痛いのは、今後、地方から続々と退陣要求が上がりかねないことだ。
「しばらく、早期解散説がくすぶっていましたが、ここへきて『会期末解散 見送り』『総裁選後の秋以降』などと一斉に報じられ、早期解散の機運はしぼみつつあります。それによって、誰もが『岸田退陣』の声を上げやすい状況になりました。これまで表立った批判が出てこなかったのは、刺激しすぎると岸田総理が逆ギレして本当に早期解散に踏み切ってしまう怖さがあったからです。ところが、この低支持率で総理が“解散テロ”を起こす可能性は限りなく低くなりました。今後、佐藤市議のような退陣要求が続出するでしょう」(同前)
多くの自民党関係者が「岸田の顔では選挙を戦えない」と考えているのは間違いない。「早く辞めろ」の大合唱になれば、岸田首相は耐えられなくなるのではないか。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月08日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【ロシア】:プーチンの「後継者」は長女か、次女か…肝入りイベントへの姉妹参加にザワつく
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ロシア】:プーチンの「後継者」は長女か、次女か…肝入りイベントへの姉妹参加にザワつく
ウクライナ戦争が2年3カ月に及ぶ中、通算5期目入りしたロシアのプーチン大統領が妙に精力的だ。1カ月足らずで中国、ベラルーシ、ウズベキスタンを外遊し、故郷のサンクトペテルブルクで開催中の肝いりイベント「国際経済フォーラム」(8日まで)に出席。ひた隠しにしてきた長女と次女も参加させ、国内外をザワつかせている。
毎年開かれるフォーラムには、プーチン大統領に尻尾を振っていた安倍元首相らG7首脳も出席していたが、経済制裁を強める欧米からの参加はほぼナシ。中国やインド、中東などからの投資呼び込みに軸足を置いている。
■「国家機密」並みにひた隠しだったのが…
最終日に予定されているプーチン大統領の演説よりも注目を集めているのが、愛娘2人のスピーチだ。6日は国立大プロジェクトを指揮する次女のカテリーナ・チホノワ氏(37)が軍需産業のセッションにオンラインで顔を出し、7日は長女で医学者のマリヤ・ボロンツォワ氏(39)がバイオエコノミーの集まりにリアル参加。「国家機密」とされるほど、その存在は徹底的に伏せられてきたのに、どういう風の吹き回しなのか。
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(左から)医学者の長女、マリア・ボロンツォワ氏(Sptunik/共同イメージズ)と「国際経済フォーラム」でビデオ演説する次女、カテリーナ・チホノワ氏(C)ロイター/Roscongress Foundation
筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう指摘する。
「プーチン体制の後継者のお披露目です。本命は長女でしょう。年明けに医療系NPOのインタビューに応じた映像が公開されたのですが、知的でカリスマ性にあふれ、その振る舞いはプーチンの生き写し。異なっていたのは〈ロシア社会で最も大切なのは人権〉などと、『プーチンのロシア』とは真逆の発言をしていたこと。『これからのロシア』への期待を膨らませるための甘言でしょうが、国内では好評です」
となると、いよいよプーチン大統領は引退を視野に入れているのか。
「来週のG7首脳会議で凍結したロシア資産(約46兆円)の利子活用が協議されますが、ロシア側はいずれ没収ではないかとピリピリしている。売却されたらプーチン一族が干上がるだけでなく、支えてきたオリガルヒから反旗を翻されてしまう。リスク増大を止めるには、プーチン氏が身を引き、戦争責任を問われない真っさらな人物に権力を委譲するしかない。欧米と時機を駆け引きしながら〈ネオナチを一掃した〉と宣言して『特別軍事作戦』に幕を引き、辞職を発表。3カ月後に実施される大統領選で長女を押し上げるシナリオです」(中村逸郎氏)
「21世紀の皇帝」はしぶとい。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・国際情勢・ロシア】 2024年06月08日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:新連立? 有権者の冷ややか 権力亡者「ムジナ3兄弟」の浅ましさ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:新連立? 有権者の冷ややか 権力亡者「ムジナ3兄弟」の浅ましさ
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、同党が提出した政治資金規正法改正案が6日午後の衆院本会議で可決され、参院に送付された。
提出するまでに「3度の修正」という異例の展開となった自民案に対しては同党と公明党、日本維新の会が賛成し、立憲民主党や日本共産党などは反対した。
あざとい維新与党入り、我利我利亡者に国民の信頼は戻らない(左から公明・山口代表、岸田首相、日本維新の会・馬場代表)/(C)日刊ゲンダイ
後半国会最大の焦点の同改正案は、7日、参院の政治改革特別委員会で趣旨説明が行われ、審議入り。23日までの会期内に成立する公算が強くなった。
「事件の再発防止、国民の信頼を取り戻す橋頭堡になる」
公明の山口代表は党中央幹事会で、自民案についてこう説明していたが冗談ではないだろう。
「橋頭堡」とは「その後の作戦の足場とする拠点。事に着手する足がかり。よりどころ」などを意味する言葉だが、抜け穴だらけのザル法のたたき台が、国民の信頼を取り戻す足掛かりになるはずがないではないか。
同改正案では①政治資金パーティー券購入者の公開基準額を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げる②使途公開が不要な「政策活動費」の領収書を10年後に公開する③政治資金収支報告書の不記載などで議員が確認を怠れば公民権停止の対象とする--ことなどが柱だが、具体策は軒並み「今後の検討課題」に先送りされたままだ。
◆裏金事件に対する真摯な反省もなく国民をバカにしている
「実効性がないという指摘は全くあたらない」
岸田は6日、こう言っていたがトボけるのもいいかげんにしてほしい。
例えば、パーティー券購入者の公開基準額の引き下げが盛り込まれたものの、あくまでパーティー1件当たりの基準額に過ぎないから、複数回開催したり、複数人数が分担して購入したりすれば従来とほぼ変わらない。
使途の報告義務がなく「ブラックボックス」と批判されてきた「政策活動費」の領収書公開についても、年間の上限額は決まっておらず、法案の付則で「早期に検討」とあるだけだ。そもそも「10年後に公開」とは一体何なのか。
政策活動費は秘匿性が極めて高い分類に位置づけられる国家機密でも何でもない。しかも、政治資金規正法違反の公訴時効は5年で、所得税法上も時効が成立した後の公開となるから、仮に10年後に違法行為や不正が発覚しても政治家や秘書らは無罪放免だ。
さらに言えば、議員本人が10年後も現職なのかさえ分からないし、政党そのものが解党している可能性だってあるのだ。
これでは何ら抑止効果が期待できないのは明らか。結局、これまで通り、「政治活動」という名のもとに「やりたい放題」が続くことになるだろう。
独立した第三者機関の設置や監査の在り方も付則に明記されたが、第三者委にどのような権限を持たせるのか。独立性をどう担保するのかは例によって今後の検討課題。監査の在り方だって、すでに現行の監査が形骸化している状況は分かっているはず。先延ばしせず、今すぐに改善できるところから手を付ければいいではないか。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「自民は相変わらず、まったくやる気がない。裏金事件に対する真摯な反省もなく国民をバカにしている。政治的感度に乏しいというよりも、ここまで愚鈍だと、もはや政党として存在意義が失われていると言ってもいいと思います」
◆“第2自民党”の本領を発揮した維新
国民をバカにし軽視している(C)日刊ゲンダイ
政策活動費の領収書の保存義務も明記されておらず、野党側が強く求めていた企業・団体献金の禁止も見送り。立憲の長妻政調会長は会見で「自民案はザルで、抜け穴だらけ。事実上、今と変わらない」と批判していたが、今以上に酷いと指摘せざるを得ないだろう。
それにしても、今回のザル法合意で、「与党の一員になった」などと有権者から冷ややかな声が上がっているのが維新だ。
維新は1月末に「維新版政治改革大綱」を公表。そこには政治資金パーティーについて、「広く薄く草の根の支援を集める本来の趣旨に立ち返る」として抜本的な見直しを提起。個人献金や少額の購入を促す仕組みを求めるとともに、企業・団体によるパーティー券の購入禁止、政策活動費の廃止にも踏み込んでいた。
ところがいざ、改正法案の審議が始まると“第2自民党”の本領を発揮。どんどん自民案にすり寄り、議員が会計責任者と同等の責任を負う「連座制」の導入についても、いつの間にやら頬かむりだ。馬場代表は「一歩でも二歩でも改革を進めていくのが維新だ」「100%、我が党の考え方が通った」などと大はしゃぎしていたが、国民から見れば裏切り行為以外の何物でもない。
◆自公維ともに次の選挙で鉄槌を下す以外にない
いずれにしても、今回の規正法改正をめぐる二転三転のドタバタ劇でハッキリしたのは、権力の座に居座り続けるためなら、公党の代表者同士が「合意書」まで交わしながら、平気で反故にする自民の破廉恥ぶりだろう。
そして、そんな人間性が疑われるような反社組織に近い集団から「連立解消」の文字をチラつかせられた途端にヘ~コラする公明の愚かさ。おととい、国会内にある公明の国対委メンバーの控室に岸田から代理人を通じてシュークリームが差し入れられた際、佐藤国対委員長は「首相がだいぶ配慮してくれた」などとご満悦だったらしいが、何をかいわんや。シュークリームごときで「ザル法OK」なんて、マトモな国民から見れば怒りしか感じ得ないのではないか。
そんな国民愚弄の自公と対峙するのではなく、自分たちも利権のおこぼれにあやかりたいと本性を剥き出しにしている維新もまた卑しい。まさに権力亡者「ムジナ3兄弟」の浅ましさだ。
永田町では自公維による新連立、候補者調整など、さまざまな噂が飛び交っているが、すでに欠陥といわれている改正案のザルぶりが今後の参院審議でさらに浮き彫りになれば「ムジナ3兄弟」もどうなるか分からない。
しょせんはカネと権力欲しさでつながっただけの関係だ。新たな問題が噴出すれば、再び右往左往するのは間違いない。ドサクサ紛れに乗じて、さらなる浅ましい姿を見せれば、改めて国民は呆れることになるだろう。
脱税の疑いで裏金議員を刑事告発した「自民党のウラガネ・脱税を許さない会」の藤田高景代表はこう言う。
「自公維そろって政治資金問題を解決する気がまるでないことが分かりました。岸田首相は野党分断を狙って維新案を取り入れたのでしょうが、その維新案自体がまやかし。まったく資金透明化になりません。すべてが茶番劇、まやかしです」
自公維そろって次の選挙で鉄槌を下す以外にない。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月07日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:石破茂氏は自民幹事長を受けるのか 岸田首相“死に体”政権だけは勘弁と7月末「内閣改造」画策
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:石破茂氏は自民幹事長を受けるのか 岸田首相“死に体”政権だけは勘弁と7月末「内閣改造」画策
衆院解散を断念し、もはや政権延命のカードは「内閣改造」しか残っていないということか。
岸田首相が内閣改造の検討に入ったと報じられ、6日午後、「内閣改造検討」がX(旧ツイッター)のトレンドワードの上位に急上昇した。
実際、岸田首相は7月末、国民人気の高い議員を揃える「オールスター内閣」を誕生させるつもりらしい。
「総理の力の源泉は、“解散権”と“人事権”の2つです。この2つを行使する力を失ったら、政権はもたない。3年前、菅首相が総裁選に出馬できず、退陣に追い込まれたのも、解散権を封じられ、やろうとしたのに内閣改造もやれなかったことがトドメになった。岸田首相は、あの時のことをよく覚えている。菅首相のように“死に体”にならないためにも、この夏、人事を断行するとみられています」(自民党関係者)
しかし、支持率が低迷し、4月の衆院トリプル補選でも3連敗した岸田首相に内閣改造を実行する力が残っているのかどうか。SNSでも<内閣改造で交代してほしいのは誰かというと…><内閣改造よりも裏金体質改造を>といった声が上がっている。
◆最大の焦点は、“石破茂幹事長”が誕生するかどうか
しかも、岸田首相の自民党総裁の任期は9月末までだ。「なぜ、9月に任期が切れる人が直前に人事をやるのか」「人事は総裁選の後にやるべきだ」という声が噴出するのは間違いない。
岸田首相は9月に退陣に追い込まれる可能性もあるだけに、内閣改造を強行しても「泥舟には乗りたくない」と、入閣を拒否する議員が続出する可能性もある。
はたして、内閣改造は成功するのか。
「最大の焦点は、岸田首相のライバルである石破茂を幹事長にするのかどうか、石破さんが幹事長を引き受けるかどうかです。もし、幹事長に就いたら、さすがに石破さんは総裁選に出馬できない。9月の総裁選は、岸田首相が再選される可能性が高くなります。岸田首相と石破さんは、個人的な関係は悪くない。岸田-石破の2人をつなぐキーマンもいます。岸田首相は、石破さんの幹事長就任に自信を持っているようです。逆に、石破さんが幹事長就任を断ったら、内閣改造そのものがなくなる可能性があります」(政界関係者)
いよいよ菅政権の末期に似てきた。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月07日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:「次の選挙で鉄槌」と手ぐすね 世にもおぞましい国会風景を国民は決して忘れない
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:「次の選挙で鉄槌」と手ぐすね 世にもおぞましい国会風景を国民は決して忘れない
日本政治の裏金文化は、やはり温存されるようだ。
自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡る国会審議が大詰めだ。5日の衆院特別委員会で、自民党が公明党と日本維新の会の主張を踏まえて修正した改正案の採決が行われ、自公、維新の「与ゆ党」の賛成多数で可決された。6日の本会議で可決され、参院に送られる見通しだ。世紀のザル法の成立がほぼ確実となった。
岸田首相は6日の特別委で、裏金同然の「政策活動費(政活費)」の領収書の保存や公開に関するルールについて「改正法が成立した暁に罰則の要否も含め各党会派で検討が行われる」なんて悠長なことを言っていた。相変わらずのヤル気のなさである。肝心の政治資金パーティーや企業・団体献金、“掴み金”の政活費の3点セットはほとんど手つかず。法の「抜け道」は維持されることになった。
こんなデタラメが通ってしまった理由は明白だ。改正案の詳細を決めたのが、自公と維新の「ムジナ3兄弟」だったからだ。特筆すべきは、ゆ党・維新の立ち回りである。
もともと、維新は他の野党と同じく、企業・団体献金の禁止、政活費の廃止または領収書の公開、議員が会計責任者と同等の責任を負う「連座制」の導入を要求していた。ところが、先月下旬に突然、政活費について「使途報告書や領収書を10年後に公開する」という案を提示。この大甘のフザケた提案に対して「自民に“助け舟”を出し、最終的に水面下で握る気ではないか」(永田町関係者)などと囁かれていたが、案の定である。党首会談で合意し、修正案に自らの主張が盛り込まれたことで維新は賛成に回ったのだった。
◆維新発のドタバタ劇はヤラセ
この間、岸田側近の木原誠二幹事長代理が維新幹部と複数回にわたって面会。改正案について協議を重ねてきたが、大方、木原にニンジンをぶら下げられてパクッと食いついたということだろう。最初は「野党の顔」をしていたのに、結局は日和ったわけだ。
ところが、自民にスリ寄ったと見られるのを避けるためか、維新は最終局面で自民案に反対。政活費の公開基準の緩さに「話が違う」とこぶしを振り上げ、結果的に採決日が後ろ倒しになったのだが、このドタバタ劇はヤラセだったことがハッキリしている。
「維新の遠藤国対委員長は、採決延期が水面下で協議されていた4日未明に『“自民党寄り”を排除した戦法をとった』『“反対するかも作戦”が効いて良かったわ』などと周囲に話していました。本気で反対するつもりはなく、初めから手を握るつもりだったとみられています」(官邸事情通)
結果的に、維新としては「オレたちが自民をピリッとさせた」と格好つけられ、自民も「野党の意見を取り入れた」とアピールできるわけだ。実際、維新の馬場代表は「維新の存在がなければ、今回このような動き(法案修正)になってはいない」と胸を張り、自民の法案提出者の鈴木馨祐衆院議員は「各党の意見を幅広く受け入れて反映させ、一歩を踏み出すことができた」と誇ってみせた。中身スカスカで裏金づくりの歯止めにならないうえ、水面下で握っているのに、しらじらしいにもほどがある。国民は、世にもおぞましい国会風景を見せつけられたのである。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。
「今回の動きは、ヒドい茶番劇と言うしかありません。国会で審議する前から、どこを落としどころにするか自民と公明、維新の間で決めてしまっている。いわゆる昭和の国対政治です。それぞれが党利党略だけを優先して、国民はそっちのけ。特に維新は野党のふりをしながら自民に恩を売り、実を取る戦略がアリアリでした。完全に化けの皮がはがれた格好です。彼らの水面下の交渉によって、結果的に裏金文化の温存が決まってしまった。また同じような事件が起こってもおかしくないでしょう」
悪辣政権与党と、ゆ党・維新の賛成は歴史に残る暴挙となるだろう。
◆「ムジナ3兄弟」は政権にしがみつきたいだけ
3党連立視野に入れ、公明党も同類だ(山口代表)/(C)日刊ゲンダイ
今回の一件を、国民は絶対に忘れないはずだ。
ここへきて、衆院解散時期について「会期末見送り」「総裁選後の秋以降」などと報じられているが、その理由は明白だ。裏金事件の影響で内閣支持率が低迷し、とても岸田が伝家の宝刀を抜ける状況ではないということ。解散時期を後ろ倒しせざるを得ないわけだ。多くの国民が「次の選挙で鉄槌」と手ぐすね引いていることを、岸田自身も分かっているのだろう。
実際、4月の衆院3補欠選挙で自民は全敗。5月には静岡県知事選に東京都議補選(目黒区選挙区)、岸田の地元選挙区に含まれる広島県府中町の町長選でも自民は敗北した。今月2日の東京・港区長選でも、自公推薦の現職が負けた。いま解散すれば、「自民NO」を突きつけられるのは確実である。
国民が怒るのは当然だ。そもそも、再発防止策の規正法改正の前に、いつから、誰の意思で裏金づくりが始まったのか。カネを何に使ったのか、といった実態の解明は、後ろ向きな自民のせいでまるで進んじゃいない。実態が分からないのに再発防止もクソもないだろう。実態解明をウヤムヤにしておくことで“今後も裏金をつくり続けたい”という自民の本音が透けて見える。
そんな裏金自民に手を貸している公明党と維新も同類だ。文字通りの「ムジナ3兄弟」である。少しでも長く政権に居座りたい岸田としては、解散総選挙で大敗しても、公明と維新を合わせれば政権は維持できると踏んでいるはずだ。今回、規正法改正で維新に花を持たせたのは、その布石だったに違いない。
「第2自民党でいい」と言ってはばからない維新側も、最終的に連立入りを狙っているともっぱら。馬場は万博担当相として「入閣説」まで囁かれているほどだ。
◆自公、維新に課題解決能力ナシ
しかし、ムジナ3兄弟による連立を許してしまえば、この国の民主主義は一巻の終わりだ。またぞろヤラセやゴマカシで国民を欺き、やりたい放題の政治が続くことになる。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「日本はいま、急速な少子高齢化や、産業の空洞化と円安インフレといった深刻な問題を多く抱えています。政権に居座ることだけが目的の自公、維新による野合に、こうした課題を解決する能力があるとは思えません。今回、裏金事件の対応を巡って、自民に統治能力がないことがハッキリと分かりました。そんな堕落した政党を手助けする公明と維新は、文字通り同じ穴のムジナです。党利党略ばかりで国民目線のない政党に任せていて、この国が良い方向に向かうわけがないでしょう。衆院3補選以降の選挙の結果を見て分かるように、既に多くの国民が気づいていると思います。国民が求めているのは、ムジナ3兄弟による古い政治からの転換です。野党は真価が問われています」
ムジナ3兄弟が古い政治を続けられるのは、「どうせ国民はそのうち忘れる」となめているからだ。この際、あらゆる選挙で自公維3党に「NO」を突きつけるべきではないか。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月06日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:自民党総裁を変えても意味なし…党横浜市連会長が岸田首相に退陣迫るも、必要なのは《利権温存のための無限ループ阻止》
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:自民党総裁を変えても意味なし…党横浜市連会長が岸田首相に退陣迫るも、必要なのは《利権温存のための無限ループ阻止》
「政治資金規正法改正にめどが付いた今、総裁自ら身を引く苦渋の決断をし、強いリーダーシップの取れる新進気鋭の総裁を選び、変革の証しを示さなければならない」
自民党横浜市連が4日に同市内で開いた会合で、佐藤茂・市連会長(69)が岸田文雄首相(66)の退陣を求める発言をしたと報じられ、5日朝からネット上で拡散された。
時事通信によると、佐藤氏は裏金事件などで支持率が2割台に低迷している岸田政権の現状について「(自民が下野した)2009年の政権交代時に匹敵する」と指摘。岸田首相に代わる新たな「党の顔」が必要との認識を示したという。
SNS上では《当然》といった声が上がった一方で、多く見られた投稿が《顔をすげかえてもダメ》《強いリーダーシップの取れる新進気鋭の議員など自民党にはいない》《顔を変えて国民をごまかせというのか。バカにしとるな》といった批判的な意見だ。
■「政治資金規正法改正にめどが付いた」とは言い難い状況
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を受け、現在、国会で政治資金規正法改正案が審議されているものの、立憲民主党や日本共産党が求めるパーティー開催の禁止は盛り込まれず、政策活動費も温存されたままで、その領収書公開も「10年後」などと実効性に乏しい内容。佐藤氏が言うように「政治資金規正法改正にめどが付いた」とは言い難い状況だ。そのため、自民党は総裁を交代しても期待できないーーといった声が少なくない。
中には《自民党の利権温存のための無限ループを止める必要がある》として、こんな投稿も。
《裏金事件でハッキリしたこと。自民は数の力でこっそり増税案を押し通し、国民から税金を収奪する→企業団体からは献金を受け、それらが儲かる事業、政策を作り、自分たちが次の選挙で必ず勝つための集票マシーンにする→献金の一部をこっそり裏金にして私腹を肥やす→政策に反対する官僚、市民は権力と人事で干す→自分たちの勢力を拡大→最初に戻る》
抜け穴ばかりの新たな政治資金規正法が成立しても自民党が政権与党にいる限り、日本社会は良くならないだろう。党総裁の顔を変えるのではなく、政権交代が必要なのだ。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月06日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【政局】:彼らは相手にされていない ムジナ3兄弟に冷酷な国民の蔑視
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:彼らは相手にされていない ムジナ3兄弟に冷酷な国民の蔑視
まさに、愚にもつかないドタバタ劇である。
自民と維新の“仲間割れ”は、たった1日で終結し、抜け穴だらけの「政治資金規正法」が成立しそうだ。
4日予定されていた衆院の特別委員会は、前代未聞の流会となった。野党と合意していた審議日程を、与党サイドから撤回を申し入れたのだから異例のことだ。さすがに、自民党の浜田国対委員長も「大変申し訳ない。恥ずかしい話だ」と平謝りだった。
与ゆ党合意で採決だけ決めとく卑しい思惑(左から馬場「日本維新の会」代表、岸田首相、山口公明党代表)/(C)日刊ゲンダイ
4日の特別委は、岸田首相も出席し、自民党が3日に提出した「政治資金規正法案」を採決する予定だった。本会議も開かれ衆院を通過するとみられていた。
その特別委が流会になったのは、自民党と「合意書」までかわしていた日本維新の会が、「自民案には賛成できない」と態度を一転させたからだ。自民と維新との間で「政策活動費」の扱いをめぐって“齟齬”が生じたのが原因だった。慌てた自民党は、4日の特別委を流会にし、維新の主張を取り入れて「自民案」を修正せざるを得なくなった。修正された法案は6日に衆院を通過する予定だ。
自民党関係者がこう言う。
「自民と維新の齟齬は、特別委を流会させるような大きな話じゃなかったはずです。齟齬といっても、現在、使途の公開義務がない『政策活動費』の使途公開について、自民党が提出した法案が『50万円超に限る』としていたのに対し、維新サイドは『全支出を対象にすべきだ』と要求した、という一点だけです。あの一点だけだったら、簡単に折り合える話ですよ。使途を公開するといっても10年後のことですからね。実際、自民党が法案から『50万円超』を削除したら、維新の遠藤国対委員長は『自信を持って賛成したい』と、すぐに矛を収めていた。あのドタバタ劇にどんな意味があったのか疑問です」
自民と維新のケンカは、茶番劇だったのではないか。抜け穴だらけの「自民案」は、ほとんど中身が変わらず、2日遅れで衆院を通過しそうなのだから、バカみたいな話だ。
◆自民の「3点セット」を許すな
裏金集団(C)日刊ゲンダイ
そもそも、自民と維新が結んだ「合意書」を見ても、本気で「政治とカネ」にメスを入れるつもりがないことは明らかだ。
自民と維新は5月31日、トップ会談を行い、維新の主張に沿って自民案を修正することで合意し、岸田と馬場代表は「合意書」までかわしている。馬場は「100%我が党の考え方が通った」と大喜びだった。
しかし「100%」どころか、実際には、ほぼ「ゼロ回答」だったのが実態だ。
もともと維新は主要野党と一緒に、▽企業・団体献金の禁止▽政策活動費の廃止または領収書の全面公開▽議員が会計責任者と同等の責任を負う「連座制」の導入--の3点セットを自民党に求めていたが、自民党の修正案にはまったく入っていない。
しかも「政策活動費」の使途公開は10年後である。収支報告書への虚偽記載などの時効は5~10年だから、10年前の支出に違法性が疑われるものが含まれていても罪に問えない。そのうえ、領収書の公開は「黒塗り」でもOKというのだから、ありえない話だ。
さらに、もともと維新案は「政策活動費」の年間支出の上限を5000万円か政党交付金の1%の少ない方としていたのに、自民との「合意書」には「年間の使用上限を設定する」とだけ記され、金額の明記もなかった。
よく、これで維新は自民党と「合意書」など、かわせたものだ。
立憲民主の議員が、「自民、公明が同じ穴のムジナと批判され、その同じ穴に維新まで入った。ムジナ3兄弟だ」と批判していたが、まさにその通りだろう。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「自民、公明、維新の3党が、同じ穴のムジナというのは、その通りでしょう。政界浄化に後ろ向きな自民党に、公明と維新が手を貸しているのは間違いないからです。公明党はクリーンを売りにしていますが、政治資金パーティー券の購入者の公開基準を、現行の“20万円超”から“5万円超”に引き下げることを自民党がのんだだけで、よしとしている。なぜ、政治資金パーティーの禁止を訴えないのでしょうか。自民党が維持しようとしているのは『企業献金』『政治資金パーティー』『政策活動費』の3点セットです。この3点セットの廃止を要求しない維新と公明は、自民党にとっては同志みたいなものでしょう」
自民党は6月23日の国会会期末までに「政治資金規正法案」を成立させ、裏金事件からはじまった「政治とカネ」の問題に幕を引くつもりだ。そうなれば、自民党の狙い通り「企業献金」「政治資金パーティー」「政策活動費」の3点セットも温存されることになる。
◆維新の連立入りにメリット
これまでも維新は、自民党の補完勢力、野党でも与党でもない“ゆ党”だと揶揄されてきたが、いよいよ自民党と一体だということがハッキリしてきたのではないか。
すでに政界では、馬場の「入閣説」まで流布されている。ポストは万博担当相である。自民党にとっても公明党にとっても、維新との連立はメリットがあるという。
「自民党議員にとって、維新は選挙で対峙した時、強力なライバルになります。もし、連立を組み、選挙区を調整できるのならば、自民党はすごく楽になります。公明党にとってメリットは、自民党以上でしょう。次回の衆院選、公明党は大阪と兵庫の6選挙区に候補を擁立する予定です。これまでは維新が選挙区を譲ってくれたから、公明議員は当選できたが、維新とガチンコになったら勝ち目は薄い。維新が連立与党の一員となり、選挙区調整が可能になれば、これほどありがたいことはないでしょう。もちろん、常識的には、維新の連立入りは、次の衆院選の後でしょうが、自民と維新が急接近しているのは確かです」(政界関係者)
冷静な国民は、ムジナ3兄弟に「政界浄化」を期待しても無駄だと気づいているに違いない。
日本の政界から「政治とカネ」の問題を一掃するためには、ムジナ3兄弟を国会から放逐するしかないのではないか。
年明け以降の選挙を振り返ると、有権者も「政権交代」を望んでいる可能性が高い。4月の衆院トリプル補選、5月の静岡県知事選、東京都議補選(目黒区選挙区)、さらに6月2日の東京都港区長選と、自民党候補が次々に落選しているからだ。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「国民の政治不信、自民党不信は、収まる気配がありません。都心部だけでなく、岸田首相の地元・広島の首長選でも自民候補が敗北しています。地殻変動が起きているのは間違いないと思う。驚くのは、投票率が低くても自民党候補が負けていることです。無党派層が動かなくても、自民党候補は落選しているということです。従来の自民党支持者が“自民党離れ”を起こしているのだと思う。こうなったら立憲民主や国民民主は、一致団結して“反自民、反公明、反維新”を掲げて戦うべきです。維新を野党と考えない方がいい。その方が、色分けがハッキリして有権者にも分かりやすいはずです」
裏金事件の発覚から半年。自民党の逃げ切りを許してはいけない。
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元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】 2024年06月05日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【HUNTER・06.04】:裏金事件「無反省」の証明|片山さつき参院議員、武田良太衆院議員が相次ぎ政治資金パーティー
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・06.04】:裏金事件「無反省」の証明|片山さつき参院議員、武田良太衆院議員が相次ぎ政治資金パーティー
今も激震が続く自民党の裏金事件によって麻生派を除き、すべての派閥が解散を余儀なくされた。「キングメーカー」と称された二階派の二階俊博元幹事長は政界引退。我が世の春を謳歌してきた安倍派も、5人衆をはじめとする幹部が離党勧告や党員資格停止となり、事実上消滅した。政党支持率も、内閣支持率も沈んだままの自民党政権。しかし、「反省」「出直し」は言葉だけのようだ。
◆ ◆ ◆
裏金事件を受け、岸田文雄首相が打ちだした政治資金規正法改正案は、公明党と日本維新の会の主張を取り入れたことで、今月の早い時期に衆議院を通過する見込みだ。
これまで20万円超だった政治資金パーティー券購入者の公開基準を5万円超に引き下げるというのが公明党の案。維新は、10年後の政策活動費の領収書公開案を提示し、岸田首相が譲歩した。
要するに、不透明な政治資金パーティーの収支を明朗にしていくというもの。だが、一番問題の「企業団体献金」には手を付けないという“折衷案”で結末を迎えそうだ。
政治資金規正法の改正が大詰めを迎えるなか、5月31日夕刻、大阪市阿倍野区の施設に大勢の人が集まっていた。自民党の片山さつき参議院議員が、大阪で《片山さつき関西スタートアップセミナー》と称する政治資金パーティーを開催したのだ(*下の写真)。
ある参加者がこう話す。
「参議院全国比例の片山さんは過去にも何度か関西でパーティーを開催しています。コロナ禍も過ぎ、新たに関西からスタートということで講師を呼んでのセミナーのような感じでした。少なくとも500人は来ていたのではないでしょうか。自民党に批判が強い中のこと、仕方なく参加した人たちからは『よくやるな』という声が上がっていました。」
片山氏が参加者に配布した案内には《自民党には今までにない厳しい向かい風が吹いていますが、自民党の強みはビジネスフレンドリーな経済金融政策です》《『もうかりまっか?』マインドの出番ですから!》などと記してある。円安が急速に進み、税金と社会保障費の負担の割合、国民負担率が増すばかりの日本のどこがフレンドリーなのか片山氏に聞いてみたいところだ。『もうかりまっか?』に至っては、完全にズレているとしか言いようがない。
案内によれば、パーティー券は相場の2万円ではなく1万円。飲食はなく、セミナー形式で実施されたためと思われる。ちなみに「お土産」は片山氏の著書。参加者は「ゴーストライターが書いたなと一目でわかるようなプアーな内容で、即、ゴミ箱行き。こんなパーティーに1万円なんてね」と呆れ顔だった。
自民党は裏金事件を受けて、派閥のパーティーを禁止するように求めている。だが、議員個人のパーティーは禁止していない。「抜け穴」である。
片山氏は、派閥解散前の安倍派に籍を置いていたが、その前は二階派。裏金事件の中核派閥ばかりを渡り歩いてきた形だ。旧安倍派のある衆議院議員が、次のように嘆く。
「派閥は解消されたので、パーティーのやりようがない。ただ、議員個人のパーティーはみんなどんどんやっている感じ。ただ、野党の立憲民主党などもパーティーをやろとしてたわけで、自民党ばかりが責められるのはどうなのか。ただ、あれだけ大きな裏金事件を起こしたのは我が党だから、逆風は仕方がないのかな」
世間の厳しい視線などどこ吹く風と、今月11日に政治資金パーティーを計画していたのが武田良太元総務相だ。ハンターが独自に入手した資料によれば、パーティーは都内のホテルで朝8時から。《武田良太政経セミナー 第25回 「朝食会」》というタイトルで開催するという。
武田氏は8月2日にも福岡市内のホテルで《武田良太政経セミナー》を開催するとして案内を送付していたが、こちらは「AERA dot.」に察知され、中止に追い込まれている。
武田氏は、検察捜査の対象となった旧二階派の事務総長。5年間で1,926万円を記載しなかったことで、党から役職停止処分を言い渡されている身だ。その処分中にパーティーを行うというのだから呆れるしかない。
AERA dot.によれば、取材に対する武田氏側のコメントは、《6月11日に開催する朝食会は講師をお招きしての定例勉強会です。昨年から日程を決めており、ご案内もすでに済ましている関係上、混乱を避けるためにも政治資金規正法等の法令に基づいて適正に対応してまいります。また、8月2日に福岡市内で開催予定のパーティーは中止させていただきます。今後も引き続き、法令遵守の徹底に努めてまいります》、《中止は(AERA dot.の)質問書を受け取ってから決めました。理由ですか? 総合的に判断した結果です》――要するに、メディアに叩かれそうになったから、あわてて裏金事件後に設定した8月分は中止を決めたということだろう。「総合的に判断」というのはまさに詭弁だ。
武田氏の資金管理団体「武田良太政経研究会」の政治資金収支報告書によれば、2022年には4回のパーティーを開催。うち朝食会形式のものは3回で、合計1億円を超す収入を得ていた。残り1回のパーティー「たけだ良太くんを励ます会」の売り上げは8千万円超。自民党の中でもトップクラスの収入だった。
「旧二階派の議員たちをつなぎとめるため政治資金が必要な武田さんにとって、パーティー中止は痛いでしょうね。まあ、大金持ちだから1回くらい中止でも大丈夫なんでしょうが……」(ある自民党の幹部)
自民党が反省していると信じている国民は、皆無に近いはずだ。
元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・政治とカネ】 2024年06月04日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【HUNTER・05.30】:日本維新の会・クジラ処分疑惑の井上議員周辺で相次ぐトラブル
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・05.30】:日本維新の会・クジラ処分疑惑の井上議員周辺で相次ぐトラブル
今月23日、日本維新の会の馬場伸幸代表は記者会見。次期解散総選挙の結果、自民党と公明党の連立与党が過半数割れとなった場合、政策や法案ごとに政権に協力する「パーシャル(部分)連合」の可能性に言及した。大阪・関西万博への冷ややかな世論や所属議員の度重なる不祥事で支持率が低迷する同党――。政府与党にすり寄るつもりらしいが、“粗製乱造”で議員の数だけを増やしてきた同党のこと、危ない話が次々に浮上している。
■維新・石川1区支部長に「政治とカネ」問題
「連立入りするか閣外協力するか、パーシャル連合を組むのか、いろんな連携の形はあると思います。一部、意訳で自民党と連立を組むという活字にもなっている」と自民党との連立の可能性も否定せず、「過去の第3極、新自由クラブ、日本新党、新党さきがけなどあったが、与党入りして最後は大きな集団に吸収されていくという歴史的な事実がある。我々もそういう轍は踏まないスタンスをとっている。大臣のポストをもらうので連立入りするのではない」と述べ、“大臣ポスト”が連立入りの“条件”ともとられかねない発言さえあった。
だが、維新は「身を切る改革」を掲げながら、疑惑、不祥事のオンパレード。ハンターでは、維新創設時のメンバーの一人、井上英孝衆議院議員と大阪市のクジラ処分の不透明な関係を報じたばかりだ(既報)。
その井上氏は現在、維新の選対本部長代行という要職にあるが、石川県、長崎県、和歌山県などの総支部代表でもある。その石川県で、維新絡みの別の疑惑が発覚した。
日本維新の会石川1区総支部長(石川維新の会幹事長を兼任)で、次期衆議院選挙の出馬予定者である小林誠氏が、コロナ禍で政治資金パーティーを開催。その費用の一部を、政府の観光支援政策「全国旅行支援」や「旅行割」などの制度を使って「割引」を受けていたことがわかったのである。
小林氏は2022年5月に梅村みずほ参議院議員、11月に鈴木宗男参議院議員をゲストに招いた政治資金パーティーを開いて、制度を悪用。原資が税金となる観光支援政策で費用を浮かせていたのだ。小林氏は政治団体「こばやしまこと後援会」の2022年分、政治資金収支報告書の訂正を余儀なくされている。
小林氏は割引制度の利用を認め、「道義的責任を感じ、弁護士と相談のうえ、割引分を既にお支払いの上、収支報告書を訂正した」とコメント。だが、小林氏の訂正はこれだけではなかった。
2022年の「石川維新の会」と「日本維新の会衆議院石川第1選挙区支部」の政治資金収支報告書も訂正されていたのだ。それまでなかった金沢市のY氏という人物から《倉庫無償提供》という名目で36万円が2つの政党支部に追加されていた。
日本維新の会の関係者はその「内幕」をこう話す。
「小林はもともと自宅横の建物を政治活動の事務所と登録していました。しかし、Y氏が所有するマンション1階が実際の事務所です。ここに毎日、雇った事務員が詰めていました。1円も支払っていないことから、政治資金収支報告書にも記載していませんでした。全国旅行支援の不正使用をスクープした記者から事務所のことも指摘されたので、あわてて訂正したそうです。現在は、維新が金沢市内に別の事務所を設置したので、小林氏はそこを使っています。それでもマンションの管理人室をまだ倉庫代わりにしているようです」
「無償提供」されていたという問題のマンションを実際に見ると、壁には小林氏と大阪府の吉村洋文知事とのツーショットポスターが貼られ(*下の写真)、マンション所有者のY氏が支援者であることがうかがえる。管理室の窓からは、「後援会」と書かれたポスターのようなものが見えていた。
前出の関係者は「問題は総支部長の井上さんにもあります」言いながら、スマートフォンを取り出した。画面には、2023年7月3日に、石川維新の会がYoutube上でアップした動画。そこには《6月18日に定期大会を開催しました》とあり、小林氏が井上英孝氏と柴田巧衆議院議員と対談する模様が映っている(*下の画像)。撮影されたのは、なんと問題の管理人室だという。
一般的な常識として、管理人室はマンションの維持管理、住民サービスなどのために設置されている。ドアには「管理人室」という表示もある。小林氏はそこに事務員を出勤させて業務にあたらせ、井上氏らも招いてYoutubeを撮影するなど政治活動を行っていたということだ。所有者の了解があったにしろ、政治家の事務所として使うというのは非常識だろう。政治資金収支報告書にも事務所費としての記載がないのだから、なおさらだ。
「2022年に、『小林氏が管理人室を事務所にしている。登録している自宅横の建物は“小林誠市政連絡事務所”とあるが、まった事務所として機能していない。きちんと家賃計上すべき』との情報が維新の党本部に上げられていたそうです。それでも小林は堂々と管理人室を事務所にしていた。Youtube動画の撮影を管理人室で行っていた井上さんも、おかしなことになっていることがわかっていたはず。黙認していたとしか思えません」(前出の関係者)
ハンターは、管理人室を事務所にしていたことを示す写真も入手した(*下の写真)。小林氏のポスターがホワイトボードなどに貼られ、とても管理人室とは思えないものだ。政治資金収支報告書にも家賃計上していなかった小林氏――。そこに招かれ、動画撮影をしていた井上氏――。二人とも、政治家としての資質に問題があるというべきだろう。
2021年、週刊文春は井上氏が過去に女性に暴行した疑いあることを報じたが、同年の政治資金収支報告書から、「地球を4周」できる200万円超という高額なガソリン代を使っていたことも明らかになっている。
井上氏が総支部長を務めている長崎県連では、3人しかいなかった地方議員が全員離党。やはり井上氏が総支部長の和歌山県連では昨年、県議と和歌山市議に離党勧告と除名処分が出るなどお家騒動が続いている。井上氏が総支部長となっている県連でトラブルが頻発しているのは、それなりの理由があるからだろう。ある維新の国会議員が嘆く。
「井上は、自分が維新創設者である松井一郎元代表の子分であることや馬場代表と盟友関係にあることをひけらかし、なんでもかんでも上から目線で物事を進める。松井さんが政界から去って、誰も井上を止める者がいなくなった。石川も和歌山、長崎も、井上のやりたい放題という話が聞こえてくる。ハンターが報じたクジラの件は、ヤバい話ですね。事件のにおいがすると党内でも話題です。こんな人を放置しておくと、とんでもないことになりかねないのですが……」
元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・政局・日本維新の会・政府与党にすり寄るつもりらしいが、“粗製乱造”で議員の数だけを増やしてきた同党】 2024年05月30日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【HUNTER・05.22】:聞いて呆れる「身を切る改革」|クジラ処分と万博に通底する維新政治の危うさ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・05.22】:聞いて呆れる「身を切る改革」|クジラ処分と万博に通底する維新政治の危うさ
2023年1月、大阪湾・淀川に迷い込み、亡くなったマッコウクジラ。「淀ちゃん」とニックネームがつけられ、淀川に見学に行く人も数多くいた。だが、同年1月13日に死亡確認。問題になったのはその後だった。
同月17日、松井一郎市長(当時)は記者会見し「海から来たクジラくん、亡くなってしまったら海へ帰してやりたい」と発言。大阪市は8,000万円超の税金を費やしてマッコウクジラを台船で運搬し、紀伊水道沖で海洋沈下処分にした。
そして今年2月、またしてもクジラが大阪湾に入り、死亡。今度は大阪府堺市の埋め立て地に埋設処分した。だが、かかった費用は1,500万円。前年の8,000万円と比較すると5分の1以下だ。この事態を受けた市民が、大阪市に対し住民監査請求していた
今年4月、大阪市監査委員は《調査した結果からは、本件契約の締結に関しては多くの疑義が認められ、契約事務として少なくとも不当なものであった蓋然性が高いことから、その範囲で本件請求には理由があると認められる》と認定。横山大阪市長に対し、第三者機関を設置して調査を求めること、さらに金額が高いと評価された場合には、関与した大阪市職員への損害賠償請求を行うよう勧告した。
89ページで構成されている監査委員の勧告文書によれば、主要な部分はほぼ住民からの監査請求を追認するもの。8,000万円という金額の根拠がいかに薄弱かを露呈した形となった。
それを証明するのが、情報公開された大阪市の公文書だ。大阪市監査委員の調べでも、クジラの処分事例は、2021年から23年までの間で全国で37件。海洋沈下は2件のみで、水産庁は「最も困難が伴う処分方法」と説明している。
ではなぜ、松井氏は「海に帰す」ことにこだわったのか――。
開示された公文書からは、大阪市が、クジラが迷い込んだ時から松井氏と吉村洋文大阪府知事に処分方法のお伺いを立てていたことがわかる。同年1月13日に大阪市港湾局でやり取りされたメールには《市長・知事の判断で、海洋投棄に決定した》、《費用は500万円程度》とあり、大阪市の管轄であるにもかかわらず、処理方法に吉村知事が関与していたことがわかる。(*以下、メールの画像のぼかしと赤いアンダーラインはハンター編集部)
総務省のホームページを見れば、随意契約の場合は《予定価格が少額の場合》と明記されており、8,000万円を超すクジラの海洋沈下処分も当然、競争入札すべき事案だった。
しかし、メールの記載には、クジラが死んだばかりなのに《契約方法は、緊急で随意契約したいとのこと》、《契約相手方のS汽船のZ氏に相談した》と残されており、早い時期に業者をS汽船と決めていたことがうかがえる。
こうも記されている。《随意契約するにしてもS汽船に発注する理由が必要ですが、(大阪市港湾局の)海務課では考えていないようなので適当に考えておきます》――極めて杜撰な役所仕事という他ない。
クジラは1月19日に海洋沈下処分されたのだが、仕様書や契約書は何もないまま行われた。その後、S汽船が出してきた見積書は8,000万円を超えるというとんでもない金額だった。
大阪市港湾局のメールには《とんでもないぼったくり》ともあり、S汽船への不信感を隠そうともしていない。
処分後、S汽船の見積もりを受けて大阪市が試算したのは3千万円超の数字。しかし最終的に、大阪市が折れて8,000万円で契約していた。
素人である松井氏と吉村知事がなぜ海洋沈下処分を決めたのか?そこには、“維新政治”が深く関与している可能性がある。
S汽船は大阪港近くに事務所を構えており、そのすぐ隣には、日本維新の会の衆議院議員井上英孝氏のポスターが貼ってある古びたビルがあった(*下の写真参照)。S汽船の元社長O氏の自宅であり、同社の現在の会長はO氏の息子が務めている。
S汽船の関係者は、「元社長は昔から井上議員の支援者で、維新が創設されたときから後援会に入会していました。地元では有名な維新信者です」と話す。
2022年に大阪維新の会が大阪府選管に提出した政治資金収支報告書には、その話を裏付ける記載がある。同年3月にO元社長が100万円を寄付していたのだ。
先の関係者はこう語る。「2021年10月に衆議院選挙があり、井上議員が圧勝したのですが、O元社長は当選祝いのような意味で寄附したと言っていました。井上さんは維新に入る前は自民党。井上さんのお母さんは元大阪市議です。元社長は、そのころからカネと票で支援してたようです」
調べを進めてみると、井上氏が自民党時代にもS汽船から寄附を受けていたことまで確認できた。さらに、S汽船で大阪市との交渉にあってきたZ氏は、なんと大阪市港湾局に10年以上在籍したOBだった。
「松井元市長や吉村知事は、海洋沈下処分なんて専門外。そんな発想すらなかったはずです。何らかの政治的思惑、例えば、井上議員とS汽船の関係が背景にあったと思わざるを得ません。監査委員の勧告文書にも、大阪湾でタグボート事業をやっている三つの業者のうち、紀伊水道沖まで体長15m重さ40トンのクジラを運べる船を所有しているのはS汽船しかありません。井上議員と緊密なS汽船ありきの海洋沈下処分ではないのでしょうか。井上さんは維新の馬場伸幸代表と並び、松井元市長の一の子分として、忠誠を尽くしてきた人物です。S汽船 ― 井上議員 ― 松井市長のラインで持ち込まれた案件だろうと市役所内部で噂にになっていたほどです」(大阪市関係者の話)
今年1月1日の読売新聞電子版が、《(2023年1月下旬ころ)大阪港湾局の総務課長が、市OBで業者の担当者に日本酒を贈っていたことがわかった。総務課長は取材に「慰労のためだった」と説明している》と報じた。大阪市監査委員の勧告文書でも日本酒を贈ったことが認定されている。
大阪市とS汽船が8,000万円で契約を結ぶ決済が行われたのは2023年3月31日。当時は大阪市長選、大阪府知事選の真っ最中だった。松井氏は政界引退を表明。維新は横山市長を擁立し、吉村知事は2期目に挑んでいた。公開されれた公文書には、決裁の1週間前となる同年3月24日に、大阪市と弁護士が相談した記録が残されていた。
《選挙前のこの時期に、業者側(S汽船)は報告書を作成しており、マスコミや市議会議員、市長にもばら撒くと言っている》――大阪市港湾局が政治的な事情を嘆き、相談していたのだ。この時期、大阪市とS汽船は金額でもめている状態だった。
維新の“タニマチ”であるS汽船と、市が「激突」することは是が非でも避けなければならなかったはず。クジラの海洋沈下処分をめぐる契約問題は、維新内部の都合によって決められた可能性が否定できない。
クジラの海洋沈下処分費は、500万円から3,000万超へと上乗せされ、最後は8,000万円。大阪・関西万博の建設費が,当初予算の2倍となる2,350億円に膨れ上がったのと同じ構図だ。維新は、「身を切る改革」の看板をおろすべきだ。
元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・日本維新の会による大阪府市運営と大阪・関西万博】 2024年05月22日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。