【政局】:内閣支持率も政党支持率も低迷、「選挙戦えない」と岸田首相へ不満噴出…「内輪もめ」ジレンマも
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:内閣支持率も政党支持率も低迷、「選挙戦えない」と岸田首相へ不満噴出…「内輪もめ」ジレンマも
自民党が、内閣支持率に加えて政党支持率の低迷に危機感を強めている。次期衆院選で政権交代を許すとの懸念から、岸田首相(党総裁)への不満が噴出している一方で、「内輪もめ」は更なる支持離れにつながるとのジレンマも抱える。野党は攻勢を強めるものの、低支持率にあえぐ首相と衆院選で対決したいのが本音で、立場は複雑だ。
「内閣支持率に引きずられるように党の支持率も下がっている。非常に深刻で、これでは選挙は戦えない」
■堀井学氏、次期衆院選の出馬断念…裏金問題を機に支部長の差し替え論が噴出
自民の閣僚経験者は24日、党の置かれた状況をこう嘆息した。読売新聞社が21~23日に実施した全国世論調査で、内閣支持率は自民が政権復帰した2012年以降最低の23%を記録。自民支持率も前月の27%から25%に下落し、12年以降最低(23%)水準に近づいた。
党内では、中堅・若手を中心に「次期衆院選での大量落選が現実味を帯びた」との不安が膨らんでいる。高鳥修一・元農林水産副大臣は23日、首相の下で衆院選を戦えば「(過半数維持は)非常に厳しい」と記者団に言明した。
こうした状況を受け、首相批判は勢いを増している。茂木派の東国幹衆院議員は22日、「ゆめゆめ(総裁選)再選などと口にせず、思いとどまってほしい」と発言。菅前首相は23日、オンライン番組で「(政治とカネで)首相が責任を取っていない」と厳しく指摘した。
一方で、行きすぎた首相批判には苦言も出ている。田村憲久政調会長代行は23日のフジテレビ番組で「けなし合いは党にとって良くない。言うなら(首相)本人に言った方がいい」と語った。元岸田派ベテランは「責任をトップに押しつけ、仲間割れを演じる党は支持されない」と訴える。
公明党も「説明責任が尽くされていない」(山口代表)と自民の姿勢には批判的だが、党幹部は「外野から混乱させる振る舞いはしない」とし、首相批判とは距離を置く構えだ。
これに対し、野党は自民批判のボルテージを上げている。立憲民主党の泉代表は取材に「新たな政権の準備を加速させたい」と意気込んだ。日本維新の会の藤田幹事長は「国民は自民の逃げの姿勢を許さない」と強調し、国民民主党の玉木代表も「自民に自浄作用がなく、国民は愛想を尽かしている」と語気を強めた。
ただ、立民、維新両党の支持率も6%と低迷している。新首相の下で衆院解散・総選挙が行われれば、刷新感から自民が息を吹き返す可能性がある。立民ベテランは「岸田首相に続投してもらうのが一番だ」と漏らしている。
◆あわせて読みたい
- 菅前首相の「ポスト岸田」人物評、自民党内に波紋…総裁選へ政局的な動き活発化の可能性も
- 厚生年金、パートやアルバイトら加入時の企業規模要件を撤廃…政府方針
- [深層NEWS]秋の自民党総裁選、伊藤惇夫氏「岸田首相は四面楚歌」
元稿:読売新聞社 主要ニュース 政治 【政局・岸田政権・世論調査】 2024年06月25日 08:07:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。