【金口木舌・12.22】:未来へ声を出し合う
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.22】:未来へ声を出し合う
高値の影響か。スーパーの野菜売り場で山積みにされていたキャベツが最近、半分にカットされている。今年の漢字は「金」だった。値上げラッシュが生活を圧迫し続けた1年が暮れようとしている
▼自民党の「裏金問題」に続き、ニュースの中心に躍り出た「金」は「年収の壁」。保護者の税負担に影響する、大学生の年収制限が103万円から引き上げられる。当の学生たちは喜んでいるか
▼地方学生のバイト時給は平均1050円ほどという。教科書の外に広がる世界で学びを吸収する時期に、どれだけ学生を働かせる気なのか。どの業界も人手不足は深刻だが、安い労働力による安易な穴埋めは問題の先送りにすぎない
▼物価上昇、政治と金、少子高齢化…。山積する課題と向き合い、どのような社会を未来へ引き継ぐか考えたい。沖縄ではきょう、「安全な暮らし」を求めて県民大会が開かれる
▼キャベツに代わり陳列棚で存在感を増す大根を手に取る。この野菜、いろいろな具材と煮ることでうまみが増す。社会も同じ。いろんな人と手を取り、声を出し合うことで、温かな未来をつくっていけるはずだ。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月22日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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