【小社会・12.25】:めりはり消費
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小社会・12.25】:めりはり消費
晩のスーパーは一年で最も華やかかもしれない。いつもより豪華な肉や魚介、総菜などが並ぶ。一昨日の夜に立ち寄った店もそうだった。
最初は浮き浮きしながら店内を回ったが、値段を見て現実に引き戻された。先日もガソリンが値上がりしたばかりだ。止まらない物価上昇に収入増が追い付かなければ、買い物はやはり慎重になる。
総務省が発表する家計調査報告にも消費者心理がよく表れている。2人以上の世帯の10月の実質消費支出は1年前の同じ月より1・3%減少。多くの世帯が家計をかなりやりくりしているのが分かる。
内訳を見ると食料が0・8%減で、中でも肉類は4・6%下がった。照明やカーテンを含む室内装備・装飾品と教育娯楽の月謝類もそれぞれ40・9%と13・8%減少した。洋服の18・4%減は気温が高く、秋物を買わなかったのも大きいだろう。
ニッセイ基礎研究所の上席研究員、久我尚子さんは「割高な商品については、その付加価値を厳密に判断する傾向が強まっている」のではと見る(国民生活センター発行「国民生活 №148」)。よりめりはりを利かせた消費になりつつあるようだ。
皆さんはことし何の出費を削りましたか。「小遣い」との声も聞こえてきそうだが、家計調査報告では、なんと6・4%の増。いろいろな解釈ができる。が、きょうのところは小遣いも質が高まっているとしておきたい。クリスマスなので。
元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【小社会】 2024年12月25日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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