路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER・10.11】:世耕VS二階Jr.で注目される和歌山2区

2024-10-16 07:05:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER・10.11】:世耕VS二階Jr.で注目される和歌山2区

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.11】:世耕VS二階Jr.で注目される和歌山2区 

 石破茂首相のもとで行われる初の総選挙は、10月15日に公示され10月27日に投開票される。裏金議員の処遇を巡って揺れる新政権だが、注目を集めそうなのが和歌山2区である。

 同区の支部長として公認されたのは、長く自民党のドンとして君臨し、裏金問題を受けて引退を決めた二階俊博元幹事長の三男・伸康氏だ。ところが、裏金問題を起こした安倍派の中枢にいた世耕弘成参議院議員が、同区での立候補をぶち上げた。

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 10月5日、和歌山県田辺市のホテルには、午後から大勢の人が集まっていた。世耕氏の後援会が「臨時総会」を開催し、同氏の衆院転出を決議したのだ。その後、記者会見に臨んだ世耕氏は「無所属で和歌山2区から出馬する」と断言し、「いわゆる派閥の還付金(裏金)の問題で皆さんに大変なご迷惑をおかけをいたしました。心からお詫びを申し上げたいと思います」と頭を下げた。

 世耕氏は、裏金事件で最も責任が重い立場だったとして自民党から離党勧告処分となっている。総裁選後の首班指名では石破首相に投票し、「無所属ですが、自民党と政策的には全く同じ考え。今回の首班指名選挙では石破茂自民党総裁に投票した」と発言。二階氏と袂を分かち、保守分裂の選挙に突入する決意を示していた。

 自民党和歌山県連は、世耕氏の出馬表明にすばやく反応。中村裕一幹事長は《今回は石破新総理が基本方針の一番に掲げる「ルールを守る」ことが問われる選挙。自民党の幹部まで務めた人が自らの党規違反によって離党勧告の処分を受けて離党したのちに、党の正式な手続きで選任された公認候補に対抗して立候補することは重大な党規違反》と批判した。

 安倍派の裏金事件では、東京地裁が同派の事務局長兼会計責任者の松本淳一郎被告に禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡している。松本氏は世耕氏が務めていたNTT時代の先輩で、その流れもあって安倍派の事務局長兼会計責任者となった人物だ。しかし世耕氏は、「松本氏はNTT時代の先輩ではあったが、年に1回くらい顔を合わせる程度。当時清和政策研究会で事務局長が急に辞めることになって、その後任を細田会長が探しておられたので、私が候補者の1人としてご紹介をした」と突き放した。だが、判決は《収支報告書の虚偽記載の前提となるノルマ超過分の処理について、清和研会長や幹部らの判断に従わざるを得ない立場で、権限には限界があった》と指摘している。悪人は別にいるということだ。

 しかし、世耕氏はそうした状況を意に介すことなく「自民党では総理の横で官房副長官、8,000人の巨大官庁のトップである経産大臣、そして参院幹事長として議員を束ねてきた。私にはこういう政治的経験があります。この政治的経験値を和歌山県の発展のために、国のために活用、働かせてほしい」と実績を強調する。しかし、総裁選で争点になった「政治とカネ」の問題が、衆院選でさらにクローズアップされることは確実。世耕氏がどれだけ政治的経験を主張しても、裏金もまた彼の「経験」には違いない。

 二階伸康氏を推す「和歌山県町村会」の幹部は、「世耕さんは地元をなめとるわ。あんな大きな問題を起こせば1回休みでおとなしくしているべき。離党処分から半年ほどで衆議院にくら替えなんて、まったく反省してない証拠や。だいたい世耕さんのくら替えは、和歌山のためでなく、総理大臣になりたいという私利私欲から出たもの」と手厳しい。

 裏金の逆風下でくら替えに挑む世耕氏だが、一方の二階氏も万全とはいえない。父親から“地盤、看板、鞄”のすべてを継承し、自民党公認まで得られたのは、二階派を率いた俊博氏の力が残っていたからこそ。伸康氏にはその点の自覚が足りないのか、選挙を前に、二階氏の後援会幹部が苦言を呈する。

 「伸康さんは支部長になってから、とても尊大な態度で振舞うようになった。なんの実績もないのに、お父さんの威光を振りかざしているようなもの。あんなのはダメだ。謙虚でなければ、いくら自民党公認でも、強敵である世耕さんには勝てない。世耕さんにかなり票が流れていく可能性だってある」

 永田町では、和歌山2区の保守分裂をどうみているのか?ある自民党幹部は、「伸康は運がいい。新生党時代、石破首相と引退した二階(俊博)さんは行動をともにした同志だ。森山裕幹事長も二階さんとは良好な関係だった。自民党は完全に伸康でまとまる」と話す。その上で、「記者会見で世耕さんは参院幹事長をやったと自慢したそうだ。離党しているのに、総裁選では安倍派の参議院議員に『高市にいけ』と指令を出していた。高市さんに恩を売って自民党への復党を狙ったのでしょう。世耕さんは会見で『26年の実績』を強調したようだが、和歌山県は人口減で小選挙区も3から2へと1つ減った。ようは世耕さんが政権中枢にいた間、まったく和歌山は発展しなかったということ。ただ伸康が慢心しているとの話も漏れ伝わってきており、心配している」と続けた。

 事実、衆院選挑戦をぶち上げた世耕氏の後援会の集まりでは、300人の定員に600人が集まる盛況ぶり。「苦しい戦いです」と訴える世耕氏を見て、「世耕さんはかわいそうや。奥さんと2人で一生懸命にやっている。うちは世耕さん」という声もあった。

 ちなみに世耕氏の妻は、旧民主党で参議院議員を2期務めた林久美子氏。この日も後援会の総会に姿を見せていた。二階王国で反乱を起こした世耕氏が参入した保守分裂の選挙は、総選挙最大の注目選挙区となりそうだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・政局・2024衆院選】  2024年10月11日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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