私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

今日も同じ場所にいた。ホウロクシギもいたということだったけれど。これはダイシャクシギ成鳥。

2008年9月15日(月)石巻雲雀地区

2008年09月24日 | 石巻雲雀地区
■2008/9/15(月)9:20-9:50【天気】曇り時々晴れ
【場所】石巻雲雀地区
【種名】ミミカイツブリ夏羽冬羽移行個体1,カワウ,ダイサギ,マガモ♀?,カルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,ノスリ,ハヤブサ♂,チョウゲンボウ♀2,ヨーロッパトウネン幼羽足輪1,トウネン,(オジロトウネン),ハマシギ幼羽2,キアシシギ幼羽2,ソリハシシギ幼羽1,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,ハクセキレイ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(14科29種)
【備考】3連休最終日は石巻とした。今シーズンのシギチの個体数は鳥の海もそうだが全体的に少ない。種類の方はそこそこ例年並みとなっているようだ。今年の春も秋も,300羽を越える群れを見ていないのは寂しい限りだ。雲雀地区は埋め立てが進み,池の方は埋め立てが完全に終わり,干潟の方も埋め立てが進んでいる状況で,いずれ,全部埋め立てが終われば,ワシタカ類やコミミズクに,あとはたまに珍鳥しか来なくなってしまうだろう。雲雀地区の埋め立て地が人工のものとはいえ,これまで渡りのシギチにとって,長逗留のできる渡りの中継地であったことは間違いない。
さて,今日もとぼとぼ干潟を一週するつもりで歩いていくと,すでに先客がいてトウネンの群れを観察しておられた。3人のうちお二人は旧知の方だったので,いろいろお話しながら目の前のトウネンとヨーロッパトウネンの足輪付き幼羽を見ていた。最初に,双眼鏡も見ずに,おっヨロネンだ!と思って一生懸命シャッターを押して,2羽いますねとか,言っていて,よく後で見たら,一羽は白いVラインがあって,大雨覆と中雨覆以外は,ヨロネンそっくりのトウネンだった。結局足輪付きの幼羽が1羽だった。写真の中に1枚だけ,嘴が細くやや首が長く,頭が少し小さく,足がちょっと長く,体がややスマートで,初列風切が長い感じのものが写っている。採餌している時には,大雨覆と中雨覆のパターン(これが全然違うが)と,大雨覆のひょうたんマークくらいしか,識別点がない感じがした。しかし,すぐ近くで見る分には全然トウネンと違っている。
シギチに夢中になっていると,邪魔者のハヤブサが二度三度やってきて,群れを飛ばしてしまう。仕方がないから撮影はハヤブサに切り替えた。シギチが戻ってくるまでと一周しようと歩いていくと,今年,ここでは初認(自分が)のオナガガモ,ヒドリガモ,マガモ,ミミカイツブリがいた。ミミカイツブリは,顔は冬羽だが,体はかなり黒く夏羽の名残のようだった。結局,シギチは戻って来ず,職場に行く時間となったので,早々に引き上げた。なお,オジロトウネンもいたらしい。
【写真】
  
  
  
■ハヤブサ成鳥♂。トウネンの群れを何度も飛ばし,我々が観察しているすぐ近くに降りても何ともしない。ここにいればシギチが獲れるとわかっているのだろう。ちなみに北海道の鵡川ではオジロワシやオオワシがカモメファンにとっては邪魔者になっている(カモメ類を飛ばしてしまうので)。/トウネンとヨーロッパトウネン
  
■ヨーロッパトウネン幼羽。右端の写真の体型がヨーロッパトウネンらしい感じが見える。嘴は成鳥は確かにやや細いが,幼羽はトウネンとそう変わらないように見える。
  
■このヨーロッパトウネン幼羽は右側の大雨覆の中のひょうたん型のパターンが左側より明確でない。
  
■トウネン幼羽とヨーロッパトウネン幼羽。ヨーロッパトウネン幼羽の方が各雨覆の軸班が一様に濃く,羽軸が見えにくい。
  
■同じトウネンの幼羽でも肩羽の色に赤褐色が少ない個体も多く見られる。
  
■肩羽が冬羽になりつつあるハマシギ幼羽とヨーロッパトウネン/スズガモの♂♀


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2008年9月13日(土)14日(日)竜飛崎・室根山ワシタカ観望

2008年09月18日 | 観察図鑑
■2008/9/13(土)9:30-12:30,9/14(日)9:00-9:40【天気】晴れ時々曇り
【場所】竜飛崎,室根山
【種名】竜飛崎:ノスリ1,ハチクマ2,ハヤブサ1,室根山:トビ1,ノスリ1,ハチクマ4
【備考】3連休の初日は初めて竜飛崎に行った。仙台の自宅を4時38分に出発し,竜飛崎に着いたのは9時10分だった。浪岡ICから津軽道を通って中泊に行くコースが竜飛に行く近道かとも思ったが,海岸沿いにカモメ類を見ながら行きたかったので,海岸沿いに走って竜飛崎に着いた。9時30分から観察スタート。観察をしている方に今日はどうですか?と聞いたら「まだ飛んでない」の答え。思わず,「えっ今日は外れの日?」と言うと,「今から飛ぶとは思いますが」の答え。気を取り直して周囲や上空を見ていると,最初に現れたのが竜飛在住のハヤブサ成鳥,次に上空にハチクマ2羽,次にノスリが眼下に1という感じで,とにかくそれからは全然飛ばず,白いドバトをハヤブサが狩り損ねたりくらい。で,結局12時30分でやめて,十三湖で「しじみラーメン」を食べ,今回の二番目の目的地である金木の「斜陽館」に向かった。1階はやたら広い日本間があり,蔵と日本庭園がそれらを取り囲み,二階は階段からしてものすごいデラックスで,洋風あり,和風ありの豪華な部屋の連続。ここが太宰治の生家である津島家の豪邸。展示してあった家族の写真に一人だけ不自然に笑っている男の子がいると思ったら,それが本人で,『人間失格』の通りになっている。確かにこの家を見て,彼の育ち方を考えると,ああいう作品群が生まれてくるのもわかりそうな気がした。道路を挟んで,物産館があり,最初の店をのぞいてみると,「メロスは黒い風のように走った」の文字がプリントされたTシャツが売っていて,それを買ってきた。これは仕事で使える。
 帰宅して,パソコンにデータをコピーしているとき,ヨークベニマルに買い物に行くことになり,そのままにして一時間ほどしてから帰った。コピーは終わっているものと思い,USBコードを抜いて,カメラでCFカードをフォーマットしたのが運の尽きだった。休止モードから復帰すると,何かのエラーで実は1.5Gほどあった画像はコピーされていなかったのである。これで,第一回竜飛遠征は終わった。
 翌日は,唐桑に講演を受けていただいた御礼に「牡蠣の森を慕う会」代表畠山氏の元を訪ねた(最新の著作は『鉄が地球温暖化を防ぐ』すごい本ですよ。文藝春秋社刊1300円)。今回は2回目の訪問だ。若柳金成ICで降り,川崎から気仙沼に向かった。途中,室根山に登り,タカの渡りがないか期待した。竜飛の仇は室根山でと考えたのだ。最初に700m付近で北東上空で4羽のワシタカがミニ鷹柱を作っているのを見つけた。ハチクマ3羽とノスリ1羽だ。しばらく観察して,それから800m地点まで車道を登る(車で)と,今度は南南西方向にハチクマ一羽発見。トリッキーな動きをしきりにしていたが,そのうち,どんどん自分の方に近づいてきて,山の斜面近くになって左方向に進路を変え,さらに,南南東方向に飛んで,室根山とその周囲に広がる雄大な山地との間のやたら広い空間を悠然と飛んでいた。後から考えると,時間的に700mと800m地点では1分とかからず,しかも方向や高度が全然違うので,おそらく鷹柱を作っていた3羽のハチクマとは別個体のようだ。山頂付近のきらら天文台のあるところまできて,しばらく屋上で空を見ていたが何も出なかった。
 もしかして室根山は渡りのコース?と思ってしまったがどうだろうか。鳥の海でも秋になるとノスリの大群(といっても10羽+くらいだが)がかなり上空で鷹柱のようになっているのを何度か見たことがあるので,コースというよりは群れで南下しているのだろう。翌日は,石巻でお邪魔なハヤブサを大きく撮影したので,とりあえず,竜飛で撮影したはずの2種はOKだった(単なる負け惜しみだが)。
【写真】
  
■ハチクマ幼鳥の連続飛翔写真/700m付近のノスリとハチクマ。このハチクマの翼先分離を見ると,左右5枚しか見えず,4枚目は短くなっている。これは換羽中の成鳥と考えられる。
  
■ノスリ/滑空するハチクマ
  
■高空を旋回するノスリとハチクマの群れ
  
■ハチクマ幼鳥。翼先分離は6枚。蝋膜は黄色。オジロワシなどもそうだが,幼鳥の顔は近くで見ると一見トビのようにも見える。嘴の感じがトビそっくりで,ハチクマも成鳥とは顔や嘴がずいぶん違うように見える。
  
■ハチクマ幼鳥の飛翔


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2008年9月6日(土)鳥の海,岩沼

2008年09月15日 | 鳥の海
■2008/9/6(土)11:20-12:05,14:00-14:45【天気】晴れ時々曇り
【場所】鳥の海,周辺田圃,岩沼
【種名】カイツブリ,カワウ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,コブハクチョウ3,カルガモ,コガモ(初認),スズガモ,ミサゴ5,トビ,ノスリ1,チョウゲンボウ♀1,バン,コチドリ成鳥1幼羽8,トウネン幼羽1,オジロトウネン幼羽1,タカブシギ幼羽1,キアシシギ幼羽2,チュウシャクシギ1,タシギ3,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,ヒバリ,ハクセキレイ,セッカ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(18科33種)
【備考】鳥の海防波堤付近にはバンディング足輪トウネン1,キアシ2,チュウシャク1の4羽しかいなかった。この後,釣師浜に行ったが,おそらくワシカモメ幼鳥と思われる2個体(を撮り逃がした)だけで,あとは特にいなかった。鳥の海に戻り,岩沼の休耕田に移動した。途中,「あらはま」前の水の張った休耕田にコガモの群れがいた。岩沼に移動すると運良く,オジロトウネン,タカブ,コチドリの小群が入っている田圃があって,オジロトウネンをじっくり見ることができたのは何よりだった。
【写真】
  
■コガモ,ダイサギ,コサギ(「あらはま」前)
  
■バン幼鳥,バン成鳥,足輪トウネン幼羽
  
■チュウシャクシギ,ミサゴ,コブハクチョウ
  
■コチドリ幼羽とオジロトウネン幼羽
  
■オジロトウネン幼羽。足は黄色,羽縁は白,濃い目の亜麻色に濃い灰汁色のサブターミナルバンドのある羽でほぼ一様に覆われている。全体的に地味な印象。


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2008年9月1日(月)磯浜,釣師浜,新地漁港

2008年09月11日 | 磯浜漁港
■2008/9/1(月)14:20-14:40【天気】晴れ時々曇り
【場所】磯浜,釣師浜,新地漁港
【種名】オバシギ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ハシボスガラス(3科4種)
【備考】9月初日の釣師浜に来た。オオセグロカモメの群れの中に思いがけずオバシギがいて,休息,採餌していた。大型カモメ類はオオセグロカモメだけだったが,すでにすっかり冬羽になっていたものから,まだ夏羽のものまで,また各年代がいて,違いを観察することができた。
【写真】
  
  
  
  
■釣師浜のカモメ類が集まっている河口で休息・採餌していたオバシギ幼羽
  
■オオセグロカモメ第2回冬羽/第3回冬羽/第4回冬羽
  
■オオセグロカモメ成鳥冬羽が進む様子。


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2008年9月1日(月)鳥の海

2008年09月09日 | 鳥の海
■2008/9/1(月)12:30-13:30【天気】晴れ時々曇り
【場所】鳥の海,周辺田圃
【種名】カイツブリ,カワウ,ゴイサギ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,コブハクチョウ3,カルガモ,スズガモ,ミサゴ5,トビ,バン,シロチドリ成幼不明1,トウネン幼羽3,ハマシギ夏羽1,ミユビシギ夏羽1,オバシギ幼羽1(足輪),キリアイ幼羽1,キアシシギ幼羽4,イソシギ夏羽1,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,ヒバリ,ハクセキレイ,セッカ,ホオジロ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(18科35種)
【備考】この日は代休だったがあいにく仕事で出勤。11時過ぎに外部機関との連絡調整の仕事が終わり,三陸道~東部道路経由で鳥の海・釣師浜に出かけた。何しろ今日から9月でしかも1日。秋の初めにふさわしい日で天気もよかった。
鳥の海に着くと,最初に足の黄色いカモメを探しにマリンゲートの黄色いフロートを見に行ったが何もいなかった。ぐるっと回って,海岸に出たがゲートが閉まっていたので渚を歩いた。渚を歩いていくと,以前アカウミガメらしき死体が逆さになっていた辺りにシギチの群れを見つけた。オバシギ,ハマシギ,トウネン,ミユビシギ,シロチドリ,それにトウネン大の不明シギ。ヒバリシギっぽかったが渚にいるのは見たことがないので別種。シロチドリが最初に群れから離れて干潟の方へ行った。そのうち他のシギも釣り人に追い立てられて,干潟の方へ飛んでいった。
干潟に行ってみるとヒバリシギに見えたのはキリアイだった。キリアイはもう何度も見ているし,写真もOKなので,ヒバリシギの方がよかったが,贅沢は言っていられない。以前,8月にキリアイの夏羽を鳥の海の防波堤で見たことがあった。
今回は幼羽でトウネンやキアシシギと砂団子だらけの砂地で採餌している。イソシギがコメツキガニの捕獲に成功して,防波堤の上に移動し,さらに対岸に飛んでいった。潮が満ちてきているので干潟の岸の方にじっとして,シギたちが寄ってくるのを待った。程なく目の前までやってきて採餌し始めた。低い姿勢でいつも構えているので正面から走ってくる顔がよく見える。キリアイは水浴びをした後,シギチたちがよくやるぱっと飛び上がる動作をした。これを見るとシラサギ類と比べると非常に短翼だ。早い羽ばたきで一直線に飛んだり,ハイスピードで方向を急に変えるのに適している。いつだったか白石川でカモを見ていたら,ミサゴが急降下し,そのまま突っ込むのではなく,途中で翼を短くたたんでブレーキを2回かけ横「Z」型に飛んで位置調整をし,魚を掴んで飛び去っていった。
干潟が完全になくなる直前,防波堤の上にいたチュウシャクシギが飛んできて近くの干潟に降りた。流し撮りで6枚ほど撮影し,最初の1枚目とランディング後の最後の1枚以外はピントがまあまあ合っていた。
さて,砂浜に戻って,とぼとぼ歩いていくと,先ほどのシロチ以外のメンバーが渚で採餌していた。少しずつ北上しているので,先回りして渚近くの乾いたところに座って待機した。先頭に来たのはオバシギとハマシギだ。この2羽はいつも一緒に行動していた。何といっても広げた足の間隔が広く,よく見ると走る途中宙に浮いている。渚を往復してさらに南下する。目の前を行ったり来たりしながらオバシギ,ハマシギ,ミユビシギが通り過ぎ,キリアイ,トウネンたちも通り過ぎたが,何を思ったかまた戻ってきて,自分の周りを行ったり来たりしている。そこまで旅の途中のシギチとは親しくはないのだが,トウネンは,自分の脇の海藻が打ち上げられているところで一休みし始めた。それを見た他のシギもやってきてしばし休憩している。要するにその海藻のあるあたりが休むのによい場所だったようだ。何となく自分が風よけになっているような感じがしないでもない。5分ほどじっとしていると,またしても渚に向かって餌を捕りに走り始めた。
さすがにそれ以上つきあう気にもなれなかったので,砂浜の上の方にあがってさよならをした。トウネン幼羽3,ミユビシギ夏羽1,オバシギ幼羽1,キリアイ幼羽1,ハマシギ夏羽1の5種7羽の小群だった。違う種類で大きさも年齢も違う集団が何となく他を気遣いながら南を目指していく姿には,少なからず感動を覚えた。「がんばれよ」と心の中でつぶやいた。
【写真】
  
■渚のシギ。ハマシギ,オバシギ,キリアイ,トウネン3羽/キリアイとキアシシギ/カニを捕まえたイソシギ
  
  
  
  
■採餌するキリアイとトウネン
  
■キリアイとキアシシギ
  
■干潟で採餌するキアシシギ幼羽。羽縁の白斑が特徴。夏羽の胸から腹の脇の縞々模様はありません。遠くから見るとソリハシをキアシに見間違えるとことはありますが,その逆はないようです。
  
■チュウシャクシギの飛翔とランディング/渚のオバシギたち
  
■ハマシギとオバシギ。オバシギは足輪をしている。
  
■オバシギのランニング/渚で採餌するミユビシギ/ミユビシギのランニング(飛んでいる)
  
■トウネンのランニング/休息するトウネン,オバシギ/南下する小群。手前からトウネン3羽,ハマシギ,ミユビシギ,オバシギ,キリアイの順。大きさがよくわかる。キリアイとトウネン<ハマシギとミユビシギ<オバシギの順


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2008年8月16日(土)鳥の海,長谷釜,岩沼

2008年09月08日 | 鳥の海
■2008/8/16(土)12:20-14:20【天気】曇り,時々小雨
【場所】鳥の海,周辺田圃,岩沼
【種名】カイツブリ,カワウ,ゴイサギ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,コブハクチョウ3,カルガモ,スズガモ,ミサゴ4,トビ,チョウゲンボウ♀,キジ♀,バン,コチドリ幼羽3,シロチドリ成幼不明2,ケリ幼羽1,トウネン夏羽6(うち1羽足輪),オバシギ幼羽1,キアシシギ夏羽3,イソシギ夏羽1,タシギ3,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,ヒバリ,ハクセキレイ,モズ,セッカ,ホオジロ,ホオアカ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,オナガ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(21科40種)
【備考】この日は6月から初めて職場に1回も行かない日となった。金曜日のうちに日曜日の行事の準備を終えて,今日はゆっくり起きて鳥の海に行った。天気は悪かったが,長谷釜や岩沼の田圃が気になり,また中旬は多くのシギチの夏羽が幼羽より先に飛来するので,「8月頃の夏羽」を観察するよい機会だからだ。愛用している『シギ・チドリ類ハンドブック』は本当に勉強になる。県内でのシギは,冬羽→冬羽から夏羽→ほとんど夏羽→夏羽→8月頃の擦り切れ夏羽→夏羽に冬羽が混じる→ほとんど冬羽→そして冬羽が観察できる。ハマシギ,ミユビシギ,トウネン3種は代表格で,ハマシギ,ミユビシギは6・7月をのぞいて特にその変化が観察できる。
 さて今日の鳥の海はシギチもかなり少なかった。しかしねらい通り,トウネンの夏羽が見られた。前日の石巻の個体群はかなり雨覆が擦れ切れているのが多かったが,今日のは羽軸がまだわかる。H氏に電話してオバシギをバンディングしたらと言ったら,次の回に行ったら同じ個体かどうかは定かでないが,しっかり足輪があった。鳥の海の周辺田圃ではケリの幼鳥が1羽いた。昨年は同じ時期に長谷釜での記録がある。岩沼や長谷釜の田圃はシギチの姿がなくさっぱりで,タシギやコチドリがいたくらいだった。午前の早い時間帯にはオオジシギの群れや各種田圃シギがいろいろいたらしいが,午後はさっぱりだった。
 とりあえず,トウネンの夏羽を見たと言うことで帰った。 
【写真】
  
■防波堤の上のトウネン夏羽,オバシギ幼羽,キアシシギ夏羽/キアシシギがオバシギの後ろからランディング,驚くオバシギ!
  
■採餌するトウネン夏羽
  
■潮が満ちて干潟がなくなると,水浴びに切り替え。このグループの夏羽個体は雨覆がそれほど擦れ切れていなく,羽軸がまだ見える状態。2段目の1羽のトウネンと比べると3段目のトウネンの方が赤っぽく夏羽がかなり残っているが2段目の方は雨覆の擦れ切れが大きく,軸班はやや不明瞭になっている。全体もそれほど赤くはない。これは個体差なのか,それとも色褪せているのかは定かではないが,この個体が渡りの途中辿ってきた困難さや体の状態などが想像できる。ただよく見ると2段目の個体は上背に冬羽が生えてきているのに対し,3段目は上背に冬羽は全然ないので,冬羽になる時期が早いか遅いかという問題なのかもしれない。見れば見るほど疑問が湧いてくるのがまた楽しいし,その疑問がそのうち解けるかも知れないという期待がまた,鳥見に行く原動力になる。


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2008年8月15日(金)石巻雲雀地区

2008年09月07日 | 石巻雲雀地区
■2008/8/15(金)10:00-11:20【天気】曇り,時々小雨
【場所】石巻雲雀地区 シギチ6種23羽
【種名】ダイサギ,アオサギ,カルガモ,スズガモ,ミサゴ1,トビ,チョウゲンボウ2,キジ♂,コチドリ幼羽3,トウネン成鳥夏羽10幼羽1,キアシシギ夏羽3幼羽1,ソリハシシギ幼羽2,イソシギ夏羽2,チュウシャクシギ1,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,カワラヒワ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科21種)
【備考】池が完全に埋め立てられていた。外洋に面した広い埋め立て地も干潟の状態が悪いようで,おそらく餌もなければシギチも寄りつかないだろう。干潟の最初の島でトウネンの夏羽が1羽いるのを見つけた。一方の足が逆に曲がっている個体だった。一応,一番端の島まで歩いていって,若干のシギチを見て,最初の島に戻ると,トウネンの群れがいた。8月の夏羽でだいぶ擦り切れたり,羽色が褪せたりしている個体が多かった。中に1羽,フレッシュな幼羽個体がいた。今日は,トウネンの8月の夏羽をじっくり観察できたのでよかった。
【写真】
  
■雨覆はほとんど擦り切れて,元のパターンがわからないくらいになっている。喉から胸にかけて赤く,ヨーロッパトウネンとは異なる。
  
■キアシシギ夏羽,トウネン夏羽と幼羽1羽の群れ。夏羽でもいろいろなパターンがあるのがわかる。


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観察図鑑 2008年4-8月蒲生ビール工場のサギのコロニー

2008年09月05日 | 観察図鑑
■2008年4月~8月 4/12,20,26,6/15,7/6,8/3,31 
【場所】蒲生周辺のビール工場のサギのコロニー
【種名】亜種チュウダイサギ,チュウサギ,アマサギ,ゴイサギ(1科4種)
【備考】サギが営巣する林の木々の葉がまだ開かないうちから,サギたちはやってくる。大学時代に田尻町沼辺の民家の裏山にサギのコロニーがあり,就塒前の大乱舞(狂ったようにサギたちが何度もきりもみ状態で飛ぶ)を見たことがあった。同じ町内の舞岳の民家の裏山でも営巣しており,そこに入ったことがあったが,中は阿鼻叫喚という状態で,ゴイサギやシラサギの死骸がたくさん転がっており,その死骸の何倍もの幼鳥が親の餌を待って,ものすごい喧噪だった。比較的状態のいいゴイサギの骨を持ち帰り骨格標本を作ろうとしたが結局やめてしまった。蒲生のサギのコロニーは最初は新田の民家の裏山にあったが,そのうち後ろの道路を挟んだビール工場に移った。観察をはじめた頃は,訳のわからない幼鳥がいて,親が給餌するのを待っているとアマサギだったので,その幼鳥はアマサギとわかった。よく見ると確かに顔が猿顔だし,嘴を含めた顔の造形は確かに親譲りだ。最近やっと各ステージのシラサギのヒナ,幼鳥,若鳥がそれぞれどの種類かわかってきたというのが現状だ。シラサギたちの給餌を見ていると,実に大変だと思う。親が嘴を幼鳥の開いた嘴の中に突っ込んで餌を流し込んでやるようなのだが,その時に興奮したヒナの嘴が親の斜め下に飛び出した目をかすめて親が思わず目をつぶるのを,何回も見たことがある。毎年通っていると実にいろいろなことがわかるもので,興味は尽きない。
【写真】
  
■ゴイサギの営巣。中央の写真は成鳥と1年目夏羽(ホシゴイ)
  
■亜種チュウダイサギ夏羽。生殖羽のフレッシュな4月と6月では目先の色が鮮やかなコバルト色から薄い黄緑に変化している。
  
■アマサギの幼鳥。嘴は黒い。顔が成鳥そっくりの猿顔。嘴は黒から先端の方から黄色に変わる。チュウサギの逆。
  
■親鳥が餌を運んでくるのを待っているチュウダイサギの若鳥。頭に産毛がまだ生えている個体もいる。口角の切れ込みが目の後ろまで伸びているのがダイサギの特徴。
  
  
■巣の中にいるチュウサギのヒナ。求餌行動を同じヒナに対して行っている。よほど,お腹がすいたのかもしれない。


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