私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

以前からホシムクドリはいたが、年々個体数が増加傾向のようだ。他のムクドリ類も何かしら来てはずなので、これから期待。

2009年7月11日・26日,8月1日・2日 鳥の海コアジサシの繁殖PART2

2009年10月28日 | 鳥の海
■2009/7/11(土),7/26(日),8/1(土),8/2(日)【天気】晴れ時々曇り
【場所】鳥の海
【種名】コアジサシ成鳥,幼鳥,ヒナ,アジサシ幼鳥(1科2種)
【メモ】今シーズンは鳥の海でコアジサシの繁殖を抱卵から繁殖の終了までじっくり観察することができた。特に以下の写真のコメントにあるように様々な繁殖行動はとても興味深いものがあった。繁殖も終わりに近づくと,幼鳥はもう親ほどの大きさになり,餌をもらっている姿もちょっと奇異に感じるほどだ。また,ほとんど直立姿勢で全身で親が餌を運んで上空を飛んでくるのを,ここだよ!とアピールする姿には感動した。一方,自分で翼を伸ばし,飛翔しようとする姿には何か決意のような厳しい姿が感じられた。8月22日にカラシラサギを撮影にきた時には,浜はあれほどの喧噪が嘘のように閑かで,打ち上げられた一頭のアカウミガメの死体が,南蔵王の広大な山容と重なるように横たわっているだけだった。
【写真】
  
■餌をねだりにやってきた別の親のヒナを攻撃するコアジサシ/このあと,攻撃されたヒナはぐるっと回って自分の本当の親のところへやってきた。中央にいるもう1羽のヒナがきょうだいらしかった。手前の親鳥2羽が2羽のヒナの面倒をみていた。次の段の写真にもあるが,ヒナが親を間違えると攻撃されるが,親がヒナや幼鳥を間違うというのは観察した範囲では見られなかった。/全身で給餌を催促するヒナ。
  
■手前の幼鳥に給餌した後,別の自分のでない幼鳥が親鳥に寄ってきたのを攻撃する親鳥。上段のヒナはまだ飛べなかったので,踞ってしまっているが,こちらは走って飛んで逃げた。
  
  
  
  
■この給餌シーンはすでに動画観察図鑑でアップしたもの。あまりに大きすぎる餌を与えたために,いったん口に入れたが落としてしまい,親が拾ってもう一度姿勢を低くして与えた。この姿勢を低くして与える行動は,他の場合にも多く見られるが,たいていヒナが1回目で受け取れなかったり,食べたばかりで拒否したりした時,もう一度与えようとする時が多いようだ。それでも受け取らない時は,例え,もう1羽のヒナがいても与えず,自分で食べてしまう行動がよく見られた。さて,このヒナは2回目に受け取ると,何とか頭から飲み込もうとしている。そこへ,近くで見ていたペアの一方がやってきて,明らかに「なにやってんの?」という仕草を相方に見せていた。相方は,まずったなあというように,大きな餌を飲み込もうと難儀しているヒナから,餌を取ろうとするが,ヒナはそうはさせじと一生懸命飲み込む。そこにヒナのきょうだいがやってきて,親に甘えたり,自分のきょうだいがすごいことになっているのを唖然として見ているのであった。だいたい飲み込めることを確認すると,親鳥は2羽とも行ってしまった。残されたヒナ2羽は,並んでまた親が餌を運んでくるのを待っているのだった。
  
■足輪を着けている幼鳥。1羽だけ着けていない幼鳥の写真を撮ったが,あとはすべてH氏の努力の賜である。
  
■アジサシ幼鳥,コアジサシ幼鳥がコアジサシ成鳥に混じって飛んでいる。/8月初旬でもまだ抱卵中の親を見た。卵はたいてい3個だが,大きくなるヒナは2羽でいる場合が多いようだ。3きょうだいのうち1羽は死ぬということだろう。動画観察図鑑にその様子を撮影したものを掲載しておいた。
  
■餌を運んできたが,いるべきところに幼鳥やヒナがおらず,子どもを捜している親鳥をよく見かける。この場合も,自分の幼鳥がおらず,自分のでない別の幼鳥が餌を要求しているが無視していた。
  
■雨覆や肩羽などは幼鳥のものだが,その下には,すでに飛翔できる風切が伸びてきている。
  
■アジサシの幼鳥。親鳥はこの時点ではいなくなっていた。/給餌アピールする幼鳥
  
■親ほど大きくなっている幼鳥と給餌アピール
  
■親が給餌するシーンを撮影するためには,幼鳥の給餌アピールを捜せばよい。上空で親が餌を加えて旋回している。それに必死になってアピールしているわけだ。なお,幼鳥が渚で波をかぶっている姿をよく見たが,ほとんどうまく浮いてそこから垂直に飛び上がる行動をしていた。彼らにとって渚に打ち寄せる波も自分の環境の一部なのだろう。


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2009年10月25日(日)広瀬川評定河原橋付近

2009年10月25日 | 青葉山・広瀬川
■2009/10/25(日)12:34-13:55【天気】曇り時々晴れ
【場所】評定河原橋~経ヶ峰
【種名】ダイサギ,マガモ,カルガモ,オシドリ,トビ,ハヤブサ若鳥,イソシギ,キジバト,ヤマセミ,カワセミ,アカゲラ,コゲラ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ヒヨドリ,モズ,ジョウビタキ+,シジュウカラ,ホオジロ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,オナガ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(19科25種)
【メモ】紅葉が街に下りてきている。東北大の文系キャンパスや追廻,青葉山公園,大橋からの眺望,評定河原橋,経ヶ峰付近は,紅葉がとてもきれいだ。あちこちでジョウビタキの♂を見た。評定河原橋の堤防でジョウビタキを撮っていると,カワセミが下流に飛んでいった。今日は女子駅伝の日で,交通規制の時間帯を避けて広瀬川までやってきた。昼食を評定河原橋近く「千代らーめん」で食べるつもりだったがあいにく,今日は休みだったので,瑞鳳殿バス停近くのレストランパリンカに行った。店の中に在仙の写真家故中村ハルコ氏の写真集『光の音-pure and simple』が置いてあった。皿の4個のピザトーストとお冷やだけで,写真集を一枚一枚めくりながら時間を過ごした。「ふーむ」と一つ嘆息して店を出,評定河原橋の上を飛ぶトビや橋の下流の風景を見ながら,いつものコースを歩き始めた。鳥を見始めるとすっかりバードウォッチングモードに変わったが,今記事を書いているとレストランの様子や写真集のシーンが思い出されたいつになく清新な感じがした。鳥もいいが人もやはりいいものだ。
【写真】
  
■どういうわけが堤防の道の上で大人しくしていたハクセキレイ。何かに襲われた直後だったのかもしれない。/あちこちにいたジョウビタキ♂。ここは,ベニマシコ,アカハラなどもよくいる場所だ。/堤防のスズメたち。
  
■カルガモ。マガモ♂エクリプスと♀も3つがいほどいた。/評定河原橋付近から上流の景色/ダイサギが1羽,川の真ん中で獲物を狙っていた。


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2009年10月17日(土)宮城蔵王

2009年10月21日 | 宮城蔵王
■2009/10/17(土)7:50-9:50【天気】晴れ
【場所】宮城蔵王
【種名】トビ2,クマタカ成鳥3・幼鳥1,キジバト1,ツグミ1,ホオジロ4,アトリ120+・80+・50+・++,ホシガラス5,ハシボソガラス,ハシブトガラス(6科9種),他小鳥SP+
【メモ】今日は生まれてこの方1回も行ったことがなかった蔵王の紅葉を見に行くことにした。鳥はレストハウスあたりに今期一回も見ていないイワヒバリを期待したのだが結局見つけられなかった。ホシガラスくらいは季節柄いるだろうと思っていたが,こちらは5羽観察できた。おまけはクマタカで成鳥3羽・幼鳥1羽の計4個体確認した。
 宮城IC~村田JCT~川崎ICから青根経由エコーラインがいつものコースだ。土日は高速代が割安なので釜房経由でなくていい。紅葉は光線の関係であまりいう感じではなかった。時間の経過と光線でよくなるかもしれない。蔵王山頂付近はとっくに紅葉が過ぎていたが,前山方面の森林は,逆光が木々の葉や小枝に部分的に反射してまるで,光の滴をまとっているように見えた。この美しさを100-400mmで表現するのは難しいが,何しろデジ一眼1台,レンズ1個しか持っていない。リフトはまだ動く時間ではなかったので,ハイラインの方を登った。駐車場に着くと車はまだ10台ちょっとで,そこからレストハウスを過ぎてお釜の方へ行くと,馬の背を歩いているのは,100mほど先を行く一人だけだった。たいていの観光客はレストハウスから刈田神社へ行くか,途中の柵からお釜を眺めている。
 自分はいないとは思いながらも,イワヒバリを探しにとぼとぼ歩いていった。途中,何かか細いピチピチという感じの鳴き声がそのへんから聞こえたような気がしたが,何もいなかった。お釜周辺の景色は抜群だったので何枚か写真を撮った。イワヒバリにはやはり会えず,またとぼとぼ馬の背をリフトの方に引き返し,リフト近くで休憩していた時だった。今日はまだ1羽の鳥も見ていなかったというのに,馬の背のあたりから山頂を越えて山形方面へ飛んでいく小鳥の大群を見つけた。アトリの群れだった。だいたい100羽前後の群れで,5分おきくらいに宮城から山形方面に向かって行く。2回目の群れの時は,最後尾にどういうわけかツグミがくっついていた。飛んでくる場所の見当をつけて待っていたが,すべて空振りで,こちらで待てばあちら,あちらで待てばさらにあちらという感じで,近くで見たのは1回目だけだった。全部で5回ほど飛んだ。それにしても,馬の背を超えていくアトリの大群というのはちょっと意外だった。これは鳥が例えアトリであっても,高山を越えていくのを観察できたのは非常に有意義なことだった。思えば,最初に馬の背を歩いていた時,微かに聞こえた声はアトリがハイマツあたりで休んでいたのかもしれなかった。もう少しよく見ておけば見られたのかもしれない。
 ここで少し気をよくしてハイラインを下山したが,途中でホシガラスが2羽ほど飛んだ。一応リフト付近を見たが何もいなかった。さて,聖山平付近でホシガラスを撮ったが,何しろ半分逆光と遠いのとでEOS7の解像度で撮影したような写真になってしまった。画素が大きいのとかなり解像するので,ウェブに載せるために1200×900に縮小をかけると,ぎざぎざが目立ってしまう。そのまま縮小しないでトリミングした方がよいようで,来年のハヤブサの撮影が楽しみだ。さて,クマタカだが最初成鳥1羽を見たが,双眼鏡で確認しているうちに木の枝で見えなくなった。ところがそこから約20分後に某所で成鳥2羽,幼鳥1羽を見ることができた。最初,カラス5羽が紅葉の山の稜線上空で飛んでいたので,ふと隣の空を見ると,3羽の白っぽいタカが飛んでいた。明らかに大きさの異なる幼鳥1羽は成鳥1羽とくっついて帆翔していた。その外縁に風切が抜けたり傷んでいる成鳥が飛んでいる。こちらはサービスがよく,結構近くまで(とは言ってもかなり遠いが)やってきてくれた。10分くらい見ていたが,幼鳥と成鳥1は紅葉の稜線の向こうに行って見えなくなったが,もう1羽の成鳥は,しばらく旋回しながら飛んでいた。最初に見た成鳥は風切が全然傷んではいなく,距離も遠いので-とは言ってもクマタカにすればお隣ということだろうが-,別の個体だろう。 紅葉を見に行ってクマタカを4羽も見たのだから,やはり鳥見は無心で行くのがよいようだ。いると思って行くとやっぱりいたり,いなかったり,いないと思っていくとやはりいなかったり,意外な出会いがあったり,それで鳥見はおもしろいのだと思う。
【写真】
  
■五色沢の風景/五色岳とお釜
  
■ナナカマドの赤い実/逆光の紅葉と木々
  
■蔵王を越えていくアトリの群れ/聖山平のホシガラス
  
  
■アオモリトドマツの実を食べるホシガラス。半逆光で頭部が黒く見える。つやつや頭が印象的。何度もうるさく鳴いていた。
  
■クマタカ幼鳥と成鳥
  
■クマタカ成鳥の2個体
  
■クマタカ成鳥


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2009年10月12日(日)広瀬川評定河原橋付近堤防

2009年10月15日 | 青葉山・広瀬川
■2009/10/12(日)13:31【天気】晴れ
【場所】広瀬川
【種名】イソシギ1,スズメ5,オナガ8(3科3種)
【メモ】最近とみに不調だったEOS50D(シャッターエラー)がついに動かなくなり,EOS7Dにした。撮り初めはやはり広瀬川だ。EOS10Dの時も広瀬川で,チョウゲンボウとハシボソガラス幼鳥を撮影したが,今回はスズメだ。評定河原橋から下流へ飛び去っていくかなり距離のあったイソシギも撮影したが,けっこう追従できた。これまで,CanonAE-1,CanonA-1,CanonT90,EOS10D,20D,30D,40D,50D,7Dと購入してきたが,T90はかなりのお気に入りだった。40,50Dとともにフィールドで滑ってカメラを傷つけてしまったので,今回は丁寧に扱うおうと思っている。フォーカスがなかなか気に入っている。動画はまだ撮影する機会がない。レンズは同じものの2台目だ。昔はFD,EFの600mmを持っていたが,どちらも壊れてしまった。
【写真】

■堤防のスズメ


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2009年7月11日(土)鳥の海 アジサシの飛翔

2009年10月08日 | 鳥の海
■2009/7/11(土)11:03-13:36【天気】晴れ時々曇り
【場所】鳥の海
【種名】アジサシ(1科1種)成鳥4,幼鳥1
【メモ】コアジサシのコロニーの観察をしていたら,渚にアジサシが4羽いたのを見つけた。幼鳥も1羽いる。この日は月齢18.1で中潮,関係ないが世界人口デーで佐久間象山の命日にあたる。要するに,潮がかなり退いていて,いつもは見えない浅い砂州が広がっていて,アジサシたちはそこで水浴び(海水)をしていた。上からダイビングして魚を捕らえているのか,単に水浴びをしているのか分からなかったが,すっかり水中に没して浮き上がってくると,そこで水浴びという行動を繰り返していた。中には求愛行動か,水浴びしている1羽に上からホバリングをして,お互いに嘴を広げて接触しあい,ホバリングの1羽は,水浴びをしている1羽のわきに降りて水浴びという行動も何回か観察できた。アジサシもコアジサシもかつては蒲生海岸で普通に見られた。よく日和山の反対側の干潟に大群で降りていた記憶がある。その頃は別に珍しいとも何とも思わなかったので,撮影しなかったのだが,今では季節的に群れで通過,もしくは短期間滞在しているのが見られるだけになってしまった。今回は,次の観察日も含め,アジサシの幼鳥が見られたのはよかった。 アジサシの仲間で好きなのは,エレガントなエリグロアジサシ,大洋を颯爽とゆくセグロアジサシ,可愛いシロアジサシだ。ただアジサシも近くで見ると翼も長いし,なかなかいい。ホバリングしているのを真横から見ると別種かと思われるくらい小さく見えるが。
オオアジサシやオニアジサシ,ベニアジサシ,クロアジサシなんかもいいが,やはり,エリグロアジサシが今まで見た中では一番いいと思う。SKIMMERの類はユニークだけれどバランスがちょっと・・・という感じだ。ついでにペリカンの類は,歩いていたり,止まっているのを見ると間が抜けた感じがするが,これがいったん空を飛んで,獲物めがけて急降下する様子は,当然見たことはないがプテラノドンのような感じで,ダイナミックだ。
【写真】
  
■4羽の成鳥アジサシ。片方の足を失っている個体は,額の黒い部分がやや後退していて冬羽に移行しているものかもしれない。または,これも見たことがないのでわからないが,片方の成鳥と比べると風切羽がまだ黒っぽい部分が多いことから,若鳥かもしれない(カモメ類で言えば,第N回夏羽とか)。
  
■アジサシの成鳥と幼鳥・明らかにコアジサシの幼鳥とは違う。
  
■メモに書いた求愛行動?
  
■水浴び,羽繕い。ダイビングして花を咥えたアジサシ。魚とも思ったのだろうか。
  
■アジサシの堂々とした飛翔形
  
■アジサシの飛翔。露出がいまいちで目がきちんと映ったのがなかった。


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2009年度ハヤブサの繁殖観察 PART2

2009年10月04日 | 観察図鑑
■2009年度ハヤブサの繁殖観察 PART2
【場所】広瀬川
【種名】ハヤブサ(1科1種)
【メモ】約1ヶ月半弱の抱卵からヒナが誕生し,約1ヶ月で3羽の幼鳥は,1羽ずつ巣立ったようだ。巣立ちの瞬間には相変わらず立ち会っていないが,最初の1羽が巣立ってから2羽目が巣立ち,1日おいて3羽目が巣立った。巣立ち期間中は勤務時間が終わってから駆けつけ,18時過ぎからの観察となった。車で15分もかからないのでけっこう近い。今シーズンは曇りや雨の日が多く午後から巣のある岩棚に日が差さない日が多かった。幸いにも2羽目と3羽目の巣立ち直前の夕刻は西日が差して,幼鳥の様子がよく観察できた。2羽の時は,岩棚の左の方に寄って何度も飛び立とうとする様子を見せた。特に最後の1羽の時は風も良く飛ぶかと思われたが,結局18時30分過ぎには巣に戻った。その間,♂の親が周りを飛び回ってしきりに巣立ちを促していた。今年は3羽巣立ったが,その後のアクシデントはいろいろあったと聞いている。ちなみに今年度の観察回数は土日の午後を中心に,また退庁後の18時過ぎからのを含め,23回であった。
【写真】写真は右サイドメニューの観察記録写真に掲載


Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.