私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

以前からホシムクドリはいたが、年々個体数が増加傾向のようだ。他のムクドリ類も何かしら来てはずなので、これから期待。

2012年8月13日(日)南三陸コース

2012年10月22日 | 南三陸漁港
■2012/8/13(月)8:41-13:54【天気】曇り
【場所】長面浦~相川漁港~志津川~気仙沼
【種名】カイツブリ,カワウ,ウミウ,ダイサギ,コサギ,アオサギ,オオハクチョウ,カルガモ,キンクロハジロ,ミサゴ,トビ,オオバン,イソシギ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ハクセキレイ,イソヒヨドリ,ムクドリ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(13科21種)
【メモ】震災前も震災後も長面浦には何度となく行った。特に稲荷神社前の潟湖は松林に囲まれた美しい風景が広がっており,干潟が出たときはシギチもいた。たいていは冬に行くのでウミアイサを間近で観察することができる場所だった。長面浜には大型カモメ類やコクガンを観察しに行った。コクガンの大群が十三浜の対岸で休息しているのや,シロカモメが混じるオオセグロカモメ等の大群が砂浜で休息しているのを観察した。大津波によって,ちょうど県道238号線の北側(南側もだが)が水没し,北上川と富士川とこのエリア一帯が一つになり,長面浜は消滅し,稲荷神社の先は広大な北上川の河口と化している。引き返して新北上大橋を渡っていつもの南三陸コースを北上した。相川漁港の船揚場にはオオセグロカモメの群れがいたが,その他にめぼしいカモメはいなかった。波伝谷漁港も同様だったが,来る度に少しずつだが漁船や仮設の関連施設が稼働し始めているようだった。志津川中学校に行く道の途中,志津川の市街地を見渡す。鉄筋だけになった防災庁舎が見え,遠くにはホテル観洋が見える。そこから北上して歌津,本吉を通り,大谷海岸を過ぎて気仙沼の市街地を通り,室根山から金成若柳ICへの長い道をたどって帰仙した。
【写真】
  
■向こうに見えるのが長面浦。かつては見えるはずのない風景。/大津波で枯れた杉林の前を飛ぶカルガモ/長面浦
  
■水没した住居跡のアオサギ/オオセグロカモメ第3回冬羽/オオセグロカモメ成鳥夏羽
  
■オオセグロカモメ成鳥夏羽/志津川の市街地展望/ドリーム大島


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2012年8月5日(日)伊豆沼・内沼のハス

2012年10月21日 | 伊豆沼・内沼
■2012/8/5(日)12:56-13:36【天気】晴れ
【場所】伊豆沼獅子鼻,内沼
【種名】チュウサギ,ヒバリ(2科2種)
【メモ】内沼ハス祭りで船に乗って見学しつつ,チュウサギの撮影をした。毎年同じことの繰り返しだが,今年は船頭さんに聞くと,花はたくさん咲いてはいるが何か勢いがないとのことだった。チュウサギはハスの葉に乗っていて,首を伸ばし小魚を捕るのだが,今回はその様子を撮影はできなかった。
【写真】
  
■ハスの大群落の中にチュウサギがいる。緑の中の白,黄色,ピンクの色が印象的(獅子鼻)/内沼のハス/チュウサギ成鳥
  
■チュウサギ成鳥/チュウサギ若鳥/ヒバリ若鳥(幼鳥)


クロハラアジサシ観察図鑑(3)

2012年10月20日 | 観察図鑑
■2012/10/7(日)10:24-16:01(中抜け11:30-15:00)【天気】晴れ
【場所】加瀬沼
【種名】クロハラアジサシ35+(1科1種)
【メモ】大沼には2回ほど通ったが1羽しか見ることができなかったので,鳥の海から加瀬沼に移動してクロハラアジサシを観察した。羽数的には写真判定で31羽+4羽で35羽+とした。加瀬沼は初めてだったので堤に上がって,そこから見える景色のあまりの美しさに圧倒されてしまった。しかも,堤から見える岸近くの岩に白いアジサシが舞い,大きく広がった風景の中,ずっと遠くの対岸にも白いアジサシが群れ,青空に旋回するアジサシのタカ柱や松島のような両岸の美しい林と,とにかくアジサシというよりは,そのオープンな風景に感動してしまった。こういう風景はこれまでの自分のフィールドにはないもので,とにかく感動した。クロハラアジサシだが,一つ不思議なのは15:50頃を過ぎて,群れがどこかへ消えてしまったことだ。また早朝はいないらしく,その間,どこに行っているのかは,沼にこの日1回しか行っていないのでわからない。また,やはり釣人がたくさん岸近くにいると岩には寄りつかず,ずっと遠くの対岸でダイビングしているようだった。こちらの堤の岩で休んだり,その周辺でダイビングして採餌したり,そうかと思うと,青空に大きく舞ったり,時折タカ柱になったり,対岸で採餌したりという行動を繰り返していた。2回目午後3時過ぎに行ったときには対岸にいて,けっこう歩いて対岸近くまでいき,採餌の様子を観察したりしていると,今度は堰の方に行って,そこから反転してこちらの方にやってきて,その後どこかへいなくなってしまったという訳である。岩でじっと休んでいるのかと思えばそういう訳でもなく,けっこう移動を繰り返していたようだった。そのため,岩に降りたところの写真は,時間的には比較的短い時間で,1羽1羽じっくり観察することはできなかった。
【写真】
  
■堤に上がって沼全体を見渡したときに,堤下の岩に降りようとしているところだった/時期が10月初旬なので,冬羽に換羽している状態だとすると,まず2羽の幼羽がいて,そのうちの右の1羽は冬羽への換羽が進んでいる個体だと思われる。嘴がやや赤い個体がいるがこれは成鳥夏羽から冬羽への移行個体と思われる。問題は,その他の嘴が黒の頭がごま塩で,けっこうすっきりした感じの個体がいるが,これが成鳥冬羽なのか,第1回夏羽から冬羽移行個体なのかは定かでない。ただし,図鑑などで越冬地で撮影された成鳥冬羽としされている個体と特徴が同じすっきりした感じの個体もいるので,これは成鳥冬羽だろうと思われる。/この写真の中で少なくとも右から3番目までの個体は成鳥冬羽と思われる。
  
■前掲2枚目の写真と同じだが,左から2番目の個体は成鳥冬羽ではなく,第1回冬羽から第2回冬羽へ換羽中の個体ではないか。幼羽は2羽比較して,第1回冬羽への換羽の様子がわかる。/岩に降りている群れで4羽が幼羽ということがわかる。対岸でも群れで採餌している。
  
■岩から飛び立ったところ/群れの飛翔/左岸を飛ぶ群れ
  
■右岸を飛ぶ群れ/左岸を飛ぶ群れ。
飛翔写真を見ると,明らかにまだ成鳥夏羽の個体や,成鳥夏羽から冬羽へ移行個体,冬羽になっている成鳥個体,おそらく第2回冬羽へ移行していると思われる個体,幼羽個体と,完全にではないが分けられるような気がする。あくまでも気がするであるが。結論から言えば,目の前でたくさんの個体を何シーズンにも渡ってそれぞれの時期に観察しなければわからないし,そうすると今度は個体差が見えてきて,またわからなくなるという事になるが。


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

クロハラアジサシ観察図鑑(2)

2012年10月11日 | 観察図鑑
■2010/5/5・8【天気】5日は曇り,8日晴れ 詳細は当日のブログ記事を参照
【場所】津波1年前の鳥の海
【種名】アジサシ1,コアジサシ++,クロハラアジサシ2(1科3種)
【メモ】これらの記録写真に残っている鳥の海には干潟と漁港を分ける防波堤があった。この防波堤一つが鳥たちにとって相当大切な環境だったことがわかる。5日はクロハラアジサシ第1回夏羽と思われる個体とコアジサシだけだったが,8日に来てみると,アジサシとクロハラアジサシの成鳥夏羽と第1回夏羽と思われる個体がいた。5日と8日の第1回夏羽と思われる個体が同一かどうかはわからないが,いずれにせよ,成鳥夏羽ではないことは間違いないのではないか,というのがここでの結論である。次回(3)は最近観察・撮影したクロハラアジサシの個体識別について。
【写真】
  
■クロハラアジサシ第1回夏羽と思われる個体。嘴は黒く,頭部と目下のほお部分の白のコントラストが明瞭でない。頭がややごま塩なのは冬羽が残っているせいだろうが,それにしても成鳥夏羽のような艶のある黒色ではないく,足もそれほど赤くはない。ただし,撮影が5月の連休中なので,これから変化する可能性はないとは言えないが,おそらく第1回夏羽だろう。
  
■同日に撮影したクロハラアジサシ成鳥夏羽と第1回夏羽と思われる個体。違いは明瞭。
  
■クロハラアジサシ成鳥夏羽/クロハラアジサシ成鳥夏羽とアジサシ成鳥夏羽/クロハラアジサシ成鳥夏羽とコアジサシ成鳥夏羽
  
■アジサシ,コアジサシ,クロハラアジサシの群れ。/ほぼ同じ光線状態なので上面を比較すると,クロハラアジサシ成鳥夏羽は上面が第1回夏羽と思われる個体より,いぶし銀の色が白っぽい。腰は両方とも白くはない。第1回夏羽と思われる個体も光線の関係で少し嘴が黒赤色に見える。/不忘山を背景に飛ぶ第1回夏羽と思われる個体だが,2枚目の写真と比較すると,背の部分と翼の上面では背がかなり濃いが,翼は薄い。光線の関係で,黒っぽかったり白っぽかったりする。


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

クロハラアジサシ観察図鑑(1)

2012年10月09日 | 観察図鑑
■2005/8/17(水)14:30-15:00【天気】晴れ
【場所】赤沼
【種名】ハジロクロハラアジサシ幼鳥から冬羽移行中の個体(1科1種)
【メモ】台風17号の影響で,全国各地にクロハラアジサシの群れがきているということだ。今回31羽ほどの群れを見て様々なステージの個体を見たが,クロハラアジサシは幼羽→第1回冬羽→第1回夏羽→第2回冬羽→成鳥夏羽→成鳥冬羽となる。これまで観察した中でデジタルカメラで撮影した分は,成鳥夏羽,第1回夏羽で5月,6月の個体である(伊豆沼,蕪栗沼,鳥の海)。それで今回10月の冬羽や幼羽(第1回冬羽移行中)を見ることができたので,これまでの観察記録から,それぞれの個体のステージについて確認していくことにした。はじめに,2005年8月に赤沼で撮影したハジロクロハラアジサシの写真を再掲する。ハジロの方はデジタル写真はこれしかない。そのうちきれいな夏羽が来たらあのエレガントな姿をぜひ,撮影してみたいものだ。
【写真】
  
  
  
■止まっているのを見ると背が褐色で,雨覆も褐色が混じっている。頭はきれいに黒く顔の白い部分とコントラストがあるが,頭部後方に褐色の羽毛がある。腰は尾羽の色と比べれば白いと言える。目の後方の黒い部分は飛んでいるとき頭を下げていると,目の下まで下がっているようには見えないが,止まっていれば下まで来ている。まさにヘッドフォンをかけてる感じ。8月の中旬ということで,繁殖を終えた群れと南下するのであれば,1羽だけ離れてしまって,赤沼にやってきて採餌している今年生まれの個体ということになるだろう。(2)はクロハラアジサシの成鳥夏羽とおそらく第1回夏羽。


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2011年11月13日(日)田谷地沼

2012年10月06日 | 田谷地沼・宮崎地区
■2011/11/13(日)7:31-8:12【天気】曇り
【場所】田谷地沼
【種名】カルガモ,ミコアイサ,ミヤマホオジロ(2科3種)
【メモ】晩秋の田谷地沼にミコアイサ1羽とミヤマホオジロの群れがいた。枯葉がもうかなり堆積していているが,沼周辺で線量はそれほど高くはなかった。荒沢自然館の木道に入るすぐ近くの灌木の間から小鳥の群れがやってきて,枯葉の上で餌を探していたがそれがミヤマホオジロの群れだった。ミコアイサはカルガモの群れに混じって沼に1羽だけ♀がいた。
【写真】
  
■晩秋の薬莱山/ミコアイサ♀とカルガモの群れ/紅葉したハウチワカエデ
  
■全部で8羽くらいの群れだったが,目の前でサービスしてくれたのはこの♂1羽だった。


Copyright(C)2011 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2012年8月3日(金)4日(土)14日(火)鳥の海

2012年10月05日 | 鳥の海
■2012/8/3(金)8:10-10:24,8/4(土)10:48-14:59,8/14(火)10:37-11:56【天気】曇り
【場所】鳥の海,周辺田圃,長谷釜,牛橋河口・海岸
【種名】カイツブリ,カワウ,ヨシゴイ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,ハヤブサ,チョウゲンボウ,オオバン,コチドリ,シロチドリ,メダイチドリ,トウネン,ハマシギ,エリマキシギ,アオアシシギ,クサシギ,キアシシギ,イソシギ,ソリハシシギ,チュウシャクシギ,オオジシギ,オオセグロカモメ,シロカモメ,ウミネコ,コアジサシ,キジバト,アマツバメ,ヒバリ,ツバメ,イワツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,オオヨシキリ,シジュウカラ,ホオジロ,ホオアカ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,オナガ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(24科51種)
【メモ】鳥の海北側の今は湿地になっている周辺にシギチや前にはツクシガモが来ているという情報をいただいたことはあったが,津波以前,この周辺はいろいろな店や民家が軒を並べていた地区だったので,あまり積極的に行く気はしなかった。行ってみると予想通り,以前,確か田圃だったところはたくさんの瓦礫や家の中や庭にあったいろいろなものが流され,泥と一緒になっていた。確かこの辺の民家脇の湿地で嘴と舌が変形していたエリマキシギを見たことがあった。8月3日に初めて行ったときには,やたらオオジシギやらキアシシギ,コチドリ,サギ類がいた。オオジシギは道路を挟んで両サイドの湿地にいたし,目の前のU字溝の上に乗っていた。最初はどうせタシギだろうと思ってろくに写真も撮らないで双眼鏡で至近距離で見たら,どうみてもオオジシギだったので,慌てて写真を撮ろうとしたが飛ばれてしまった。翌4日はキアシシギが近かった。少し飛んで14日はオバシギの幼羽がいた。クサシギも2,3羽見つけたが,何といっても,道路脇のすぐ近くの日用雑貨品や,屋根の瓦,瀬戸の割れた食器などが散乱し,泥に埋まっているところを,シギチが一生懸命餌を探しているのを見るのは忍びなかった。それにしても撮るべきものを撮っている自分自身に自己嫌悪しているわけだが,鳥たちも場所を選んではいられないのだろう。これまで何十年も見て来たフィールド自体が被災しているのでしかたがないことだが,沿岸部の惨状はこれが本当に同じ宮城県かと心が重くなる。それでも,昔から弁当を買って鳥の海のセンサスをしていたフラミンゴのご主人が作ったはらこ飯を食べ,昔の話をしたりすると,ちょとは気持ちが明るくなって,また鳥を見に行こうという気が起こるのだった。
【写真】
  
■震災と津波から1年半立ち,津波が襲ったあとよりは底土の状況もやや改善されてきているとはいえ,この干潟の状況はまだまだ鳥の海本来の姿ではない。キアシシギとアオアシシギがしきりに採餌していた。/足が折れ痩せているシロカモメ第1回夏羽/これはタシギ?
  
■キアシシギ/ヌマガレイを捕まえたダイサギ/コチドリ幼羽
  
■キアシシギ成鳥夏羽/長谷釜付近の荒廃した田圃/オバシギ幼羽
 
■オバシギ幼羽


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

2012年9月22日(土)寒風沢,田谷地沼

2012年10月04日 | 田谷地沼・宮崎地区
■2012/9/22(土)9:31-12:00【天気】曇り
【場所】寒風沢,二ツ石ダム周辺,田代高原,田谷地沼
【種名】カワウ,ダイサギ,チュウサギ,アオサギ,カルガモ,トビ,ノスリ,チョウゲンボウ,キジバト,コゲラ,アマツバメ,ヒバリ,ツバメ,イワツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,センダイムシクイ,エナガ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,カケス+,ハシボソガラス,ハシブトガラス(23科30種) カモシカ1(寒風沢)
【メモ】寒風沢から二ツ石ダムに行く途中,ワシタカを探すため上空ばかり注意をしていたら,目の間にカモシカがいて,ガードを軽々と飛び越え,杉林に入っていった。きっとこちらを近くで見ているはずだと,車から降りて,ガード下を見るとやっぱりいてこちらを見ていた。雨露に濡れていたのか,餌不足なのか,よく見るカモシカというよりは,ちょっとみすぼらしい感じがした。二ツ石ダムはほとんど貯水量がゼロに近く,ダムの底を沢が流れている感じだった。田代高原から元田代高原まで車を進めたが,トビとノスリしかいなかった。それから田谷地沼に行って,スイレンなど美しい水面を見ながら,コゲラ,エナガ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,センダイムシクイ等の小鳥の混群がやってきたをしばらく見て,やくらい交流センターでラーメンを食べて,職場に戻った。晴れれば長沼,白沼に行く予定だったが,紅葉シーズンに行くことにした。この辺りはブナの原生林の中に湖沼があり,とても美しい場所だ。加美町に勤務して2年目だが,本当に山の鳥を見るにはいいところである。
【写真】
  
■カモシカ/田谷地沼のスイレン
  
■スイレン/センダイムシクイ/ゴジュウカラ


Copyright(C)2012 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.