私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

以前からホシムクドリはいたが、年々個体数が増加傾向のようだ。他のムクドリ類も何かしら来てはずなので、これから期待。

2012年7月28日(土)復興元年ふくしま花火大会

2012年07月30日 | 観察図鑑
■2012/7/28(土)19:48-20:48【天気】晴れ
【イベント】「復興元年」第34回ふくしま花火大会
【メモ】ケラー夫妻と鈴木夫妻と共にふくしまの花火大会にやってきた。写真は宇宙っぽい感じのものを選んでみた。花火には違いないが。スローシャッターではなく,手持ちISO100で2段分マイナスのProgramAEで撮影。
【写真】
  
■このへんの3つは花火です。
  
■これも花火/2番目がお気に入り/これもまあまあ好き
 
■これもまあ好き。ギャラクシーっぽいのを選んでみたのですが。雲は星雲というところ。


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2012年5月13日(日)蕪栗沼周辺田圃

2012年07月27日 | 蕪栗沼・白鳥地区
■2012/5/13(日)11:22-13:32【天気】晴れ
【場所】蕪栗沼周辺田圃
【種名】カイツブリ,ダイサギ,コサギ,トビ,ノスリ,バン,ケリ7,イソシギ,キジバト,ツバメ,ヒバリ,ホオジロ,ホオアカ,ムクドリ,スズメ,オナガ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(13科18種)
【メモ】蕪栗沼の田圃にケリを見に行った。例年の田圃は全部休耕田から水田に変わっていたが,近くで繁殖しているらしく,1羽を見つけた後,6羽が例によって助太刀にやってきた。行動がとてもわかりやすい鳥である。偽傷も一通りやるが,半端なのでかえってヒナの場所がわかってしまうのが気の毒だ。田圃ではダイサギがしきりにドジョウを捕まえて食べている。実家近くの池には毎年,バンとカイツブリが繁殖していて,ヘルパーの行動も見ることができる。自分が小さい頃は,ここは鯉を放して秋に地区の人たちが鯉釣り大会をして活気に満ちていた。1年に1回池の水を干して鯉のつかみ取りをし,各々の家で分けるのだが,その中にドイツゴイやライギョも混じっていて,楽しかったものだ。昭和30年代の話だ。
【写真】
  
■田圃のドジョウを捕まえたダイサギ/ノスリ
  
■畦で警戒するケリ。空からもやってきた。/バン
  
■実家近くの池に6羽3番が繁殖している。縄張り争いが激しい。カイツブリも1番いる。


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2012年5月12日(土)金華山沖

2012年07月26日 | 金華山沖・仙台湾
■2012/5/12(土)5:53-9:03【天気】天気晴朗なれど波かなり高し
【場所】金華山沖
【種名】アビ,シロエリオオハム,ハジロカイツブリ,クロアシアホウドリ1,オオミズナギドリ+++,アカアシミズナギドリ1+,ハイイロミズナギドリ+++,ハシボソミズナギドリ+++,ウミウ,ヒメウ,トビ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ミツユビカモメ,ウミスズメ+,ウトウ++,(8科16種)キタオットセイ1
【メモ】今シーズン2回目の金華山沖アホウドリ類調査。心配していた天気も晴れ,今日はばっちりと心弾んで仮桟橋へ。しかし,「今日の波はよくないね」の一言で不安がよぎる。港内は晴れているし,波もそんなに高そうには見えなかった。しかし,出発してすぐにそれは現実のものとなった。今まで,金華山沖調査で乗った船では最悪の波のコンディション。今までの経験だとうねりは高く,雨がざあざあ降っていても,根性で撮影できる。行きが楽勝で帰りがアゲインストで,スクリューが上がるのがわかるような状態で波にアタックしていくような感じでもノープロブレム。しかし,今回は違った。キャノンのISが全く効果無し。ピントも合わない。何しろあらゆる方向に完全にランダムに波が襲うので,カメラを構えるのがやっとで,撮影しようと一瞬でも両手を手すりから離そうものなら,後ろにひっくり返る。何度ひっくり返ったかわからない。ISで対応できるような揺れではなく,ピントが合うような揺れでもないのである。それでも何とか,波浪計の所まで行って,いつもはさらにそこから進んで,アホウドリ類やミズナギドリの密度の濃い海域までいくのだが,今回の場合,もっと人生を先延ばししたいのなら,ここで折り返すのが正解。帰港もまた同じように困難を極めた。しかし,写真は確かに揺れすぎて波飛沫も激しく撮影できなかったが,海鳥の個体数はかなり多かった。金華山を過ぎる頃には,アビ類が多く飛翔し,ハシボソ,ハイイロミズナギドリの数もかなり多い。ウミスズメもかなり出る。その中でも頻繁に出たのがウトウで,これで波がなかったら近くでウミスズメもウトウもでっかく撮り放題だった。途中,仙台港を目指す太平洋フェリーの「M.S KISO」と出会う。その周りをハイイロミズナギドリの大群が飛ぶ。フェリーからは見慣れた光景だ。しかし,今乗っている船から見る風景は別物だ。海が近く海鳥が近い。キタオットセイが船のすぐ近くに顔を出す。やはり5月中旬はかなりいい。来年も4月下旬,5月下旬に船に乗るつもりだ。羅臼のネイチャークルーズのHPを見ると,「うらやましがる」性格でない自分もついつい羨ましくなってしまう。定年退職したら,1ヶ月は夏と冬に居続けると思う今日この頃であった。
【写真】
  
■ハジロカイツブリ夏羽/高波と金華山
  
■シロエリオオハム冬羽。2枚目はアビ類以外ではあまり見たことがない飛翔ポーズ/ミツユビカモメ冬羽
  
■金華山付近。ヒメウ,ミズナギドリ類。ここまで上下左右ランダムに揺れるかという状態。
  
■ハシボソミズナギドリ,ハイイロミズナギドリ,オオミズナギドリの群れ
  
■ウミズズメ夏羽,ウトウ夏羽,アカアシミズナギドリ
  
■「きそ」とハイイロミズナギドリの群れ/キタオットセイ


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2000年3月23日 フロリダタラハシー近郊(再掲)

2012年07月19日 | 県外・国外・その他
■2000/3/22,23,24 【天気】晴れ
【場所】マクレイ庭園,ワクラスプリングス,セントマークス国立野生生物保護区,セントジョージ島
【種名】
1 Pied-billed Grebe オビハシカイツブリ
2 American White Pelicanアメリカシロペリカン
3 Brown Pelican カッショクペリカン
4 Double-crested Cormorantミミヒメウ
5 Anhinga アメリカヘビウ
6 Great Blue Heron オオアオサギ
7 Great Egret ダイサギ
8 Snowy Egret ユキコサギ
9 Little Blue Heron ヒメアカクロサギ
10 Green Heron アメリカササゴイ
11 Yellow-crowned Night Heron シラガゴイ
12 White Ibis  シロトキ
13 Snow Goose ハクガン
14 Canada Goose カナダガン
15 Wood Duck アメリカオシ
16 Green-winged Teal アメリカコガモ
17 Blue-winged Teal ミカヅキシマアジ
18 American Wigeon アメリカヒドリ
19 Black Vulture クロハゲワシ
20 Turkey Vulture ヒメコンドル
21 Osprey ミサゴ
22 Peregrine Falcon ハヤブサ
23 Common Moorhen バン
24 American Coot アメリカオオバン
25 Limpkin ツルモドキ
26 Black-bellied Plover ダイゼン
27 American Oystercatcher アメリカミヤコドリ
28 Willet ハジロオオシギ
29 Semipalmated Sandpiper ヒレアシトウネン
30 Western Sandpiper ヒメハマシギ
31 Least Sandpiper アメリカヒバリシギ
32 Dunlin ハマシギ
33 Mrbled Godwit アメリカオオソリハシシギ
34 Short-billed Dowitcher アメリカオオハシシギ
35 Laughing Gull ワライカモメ
36 Ring-billed Gull クロワカモメ
37 Forster's Tern メリケンアジサシ
38 Mourning Dove ナゲキバト
39 Chimney Swift エントツアマツバメ
40 American Crow アメリカガラス
41 Northern Mockingbird マネシツグミ
42 Northern Cardinal ショウジョウコウカンチョウ
43 Savanna Sparrow サバンナシトド
44 European Starling ホシムクドリ
45 Song Sparrow ウタスズメ
46 Red-winged Blackbird ハゴロモガラス
47 Boat-tailed Grackle オナガクロムクドリモドキ
【メモ】
 2000年3月20日から26日まで,ARCSモデルの提唱者,ジョン M..ケラー教授(フロリダ州立大学)のご厚意により,フロリダの州都タラハシー近郊をめぐりながら,すばらしい1週間を過ごすことができた。以下の手記は当地での野鳥観察の記録である。本来の目的はチャータースクール等の視察であったが,こちらの方は,翻訳ができしだい本サイトの「教育工学の部屋」に掲載する予定である。
 なお,撮影した写真だけをとりあえず昨年公開したが,種名で間違っているのもあり,また様々な文献や図鑑,関連サイト等にあたって,まず間違いないと思われるところまで種名の同定ができたので,手記を公開することにした。

3月20日(月) 夕暮れのタラハシー空港
 成田からデルタ航空午後の便で約14時間,アトランタに着いた。そこから小型ジェット旅客機に乗り換え,約1時間ほどでフロリダ州都タラハシー空港に到着した。空港ロビーでケラー教授に迎えられた。これ以後1週間は全て英語を聞き,英語で話すことになったわけである。
 ケラー教授のベンツで夕暮れのタラハシー郊外から,ジェブ・ブッシュフロリダ州知事が執務する州政府ビル(左写真)がある市の中心部を通り過ぎ,教授の自宅がある郊外の高級住宅地に向かった。
 ケラー教授の自宅周辺は多くの大小の湖,池とオークの林,そして至る所に様々な種類のアザレアが咲く,別荘地のような場所だった。教授の自宅はそうした住宅地の一画にあり,外見はログハウス風の建物だが,リビングにはソニー製の高級オーディオとテレビがある広い居間があった。その日の夜は,明日からのチャータースクールや大学の訪問を前にゆっくり眠った。

3月21日(火) アザレアの花が満開
 朝,聞いたことのない美しい鳥の声で目が覚めた。オークの木の幹にはリスがいた。珍しいと思って写真を撮ろうと思ったら,何のことはないあちこちにいた。囀っている鳥をさがそうとしたが,高木のてっぺんにいるらしく姿は確認できなかった。日本でも小鳥類は数多くいるが,アメリカの小鳥類の図鑑を見ただけでも頭が痛くなるほどいっぱいいる。
 朝食後,午後から行くチャータースクールでの質問の打ち合わせをし,私がこういう質問をしたいと言うと,教授がメモするという作業を繰り返した。約1時間ほどで打ち合わせが終わり,ビデオやデジタルカメラの充電をした後,出かけた。昼食は,名物のゲーターズテール(つまりアリゲータのしっぽの唐揚げ,チキン風味)を食べた。最初の視察地である"School for the Arts and Science"チャータースクールの視察を終えた後,フロリダ州立大学に行き,社会学の教授から市民教育と大学との連携にについてのお話しをしていただき,その日の日程を終えた。
 ところで,この間,車で移動する窓から見た街の景色はすばらしいものだった。季節的に私が住んでいる宮城県や仙台市より1ヶ月早いのか,アザレアが満開で,木々の若葉が萌え始める美しい季節にやってきたのだということがわかった。5月の連休あたりが仙台では非常に美しい季節だと思うが,タラハシーはちょうどそのような季節にあたっていた。
 主要道路からは大小の湖や池が点在しているのが見え,それらの池には必ずといってよいほど,アメリカヘビウがいて,魚を狙っていたり,濡れた羽を乾かしてた。カナダガンやハクガンもいた。季節的にすでに渡りの季節が終わっているはずなので,いわゆる残雁かもしれない。初日だったので,まさか車を止めて写真を撮らせてほしいともいうわけにもいかず,また,まさかこんなに簡単にガン類が近くにいるとは思わなかったので,600mmを持参しなかったのが残念だった。結局,何度かハクガンやカナダガンがいる湖を通ったのだが,交通量が多いこともあって,停車するわけにも行かず,撮影できなかった。
 夜は,寿司バーで日本酒(月桂冠)を飲みながら寿司を食べたのだが,寿司のフライがあったのには驚いた。寿司醤油はキッコウマンで,日本酒は月桂冠なのだから,かなり日本調だが,やはり,日本の寿司とはちょっと違っていた。

3月22日(水) マクレイ庭園に植物を見に行く
 午前中は,フロリダ州立大学の教育工学の教授のお話と,ゼミに参加させてもらう予定だったが,教授の都合がつかず,予定があいたので「植物にも興味がある」と言ったら,それでは"Alfred B.Maclay State Garden"に行こうということになった。
 フロリダ州立公園の一つであるマクレイ庭園の入口からすぐの広場は,見事な樫の木(オーク)があった。小さな池をめぐる小径には,美しい花をつけた灌木があり,ショウジョウコウカンチョウ(カージナル)が茂みを出たり入ったりしていた。茂みが暗い上に動きが速く,f8の500mm反射望遠では撮影できなかった。また,様々な小鳥を見ることができたが,写真を撮ってあとで確認しない限り,識別は難しかった。池を一巡りするとアザレアが美しい場所に出た。公園の一角からホール湖の美しい姿も見えた。「白鳥の湖」という形容がぴったりの美しい湖だった。こうした大小の湖がタラハシーにはたくさんあるのだ。
 マクレイ庭園の後は,予定していた「フロリダ歴史博物館」(Florida History Museum)を見学し,時代を追った展示物からフロリダの歴史を知ることができた。
 午後は,フロリダ州レオン郡(Leon County)の学校を統括するLeon District School ADM. Officeを訪れ,レオン郡におけるチャータースクールや教育の現状について取材した。また日本でいえば教育実習をどのようにやっているか,教員の研修をどのように行っているか,経費はどのようにしているかなどについて現状を紹介し合った。(とは言っても,相手の英語が速すぎて理解できないときは,ケラー教授に助けを求めたり,何回か聞き直してやっと理解することができた。インタビューはVTRに撮ってあるので,後で聞くとわかったが)
 その後,昨日行ったチャータースクールにもう一度行った。話によると,日本語が話せる教師がいるらしいとの情報を得たそうで,行ってみると,福島市の中学校にALTで勤務したことがある女性教師だった。しかし,日本語は上手とは言えず,結局英語で話す羽目になった。2回目の訪問ということで,子どもたちの授業に飛び入りで日本の紹介をすることになった。とりあえず,自分が住んでいる仙台のことを話した。フロリダに来る前の仙台は積雪が多く,特に自分の住んでいる住宅地は標高が300mもあり雪が多いところなので,雪の話をしたら,子どたちは目を丸くしていた。
 夜は,アメリカの伝統的なディナーだった。家族の紹介や生まれをお互い紹介し合ったが,私は日本の東北地方の農家の生まれであること,そうした日本の地方では,柿の木が多く,秋に柿がなると全部取らずに,木のてっぺんあたりにある柿の実を1個残して,来年柿がまたたくさん実るようにと祈る風習があるのだということなど話した。最初,柿という単語がどうしても思いつかず,持参したキヤノン製の小型の電子辞書で”柿”を”persimmon”に変換して,話をすることができた。こういうときには電子辞書は本当に便利だなと思った。

3月23日(木) いよいよバードウォッチング

 午前中は,”Steele-Collins Middle School”という黒人の子どもたちが通うチャータースクールに行った。経営者でもある若くて非常に経営手腕がありそうな校長からいろいろ話を聞いた。ケラー教授は,これで今回のタラハシーにおける教育関係のジョブは全て終了し),アイザワの好きなバードウォッチングに連れて行ってやるとのことだった。それは実にすばらしいことであった。

■ バードウォッチングのメッカ,ワクラスプリングス

 フロリダの州都タラハシーは,レオン郡(Leon County)にあり,その隣にワクラ郡(Wakulla County)がある。この辺の地名は,先住民族であるアメリカインディアンにちなむものが非常に多い。
 ところで,以前NHKでワクラスプリングスの大地下水脈のドキュメント番組を放送していたのをご覧になった方も多いと思うが,まさにあの番組にでてきたところを見てきたのだとわかった。番組でやっていた湖の底が抜けて地下水脈の中に湖の水が全部流れてしまい,貴重な古代魚であるガーが死んでしまったという湖も見た。車で走っていくと,ものすごく広い範囲で赤茶けた土地があり,あれは何かと教授に尋ねたところ,2晩で干上がった湖だと教えてくれた。また,人々が水泳をしていたワクラスプリングの底に,あの巨大な地下水脈の洞窟があったとは,今から考えるとぞーっとするくらいである。私はあの深い緑色の巨大な泉の上でレンジャーボートに乗って無邪気に野鳥を撮影しまくっていたのだ。
 さて,ワクラスプリングスに着くと,そこは,うっそうと茂った原生林と広い泉があった。泉のそばに宿泊施設のある保養地があった。詳細は,ワクラスプリングス州立公園のサイトをご覧いただきたい。施設のある裏庭の巨木にアメリカガラスが,たくさんとまっていた。パンフレットを見ると"EDWARD BALL Wakulla Springs State Park and Lodge"とあった。ワクラスプリングスの原生林は,ターザンの映画ロケをしたところで有名ということであった。その泉は,泉というよりは巨大な沼といってよく,また「泉」であるから,すごい量の水が湧き出ている。しかし,日本でいう小さな「泉」を連想してはいけない。大地下水脈の話を総合してみても,すごい場所であることは確かである。
 ところで,アリゲータや野鳥をどうやって見るかというと,巨大な泉を1周する観光船(レンジャーボート)に乗り,レンジャーがマイクに向かって,エンジン音にも負けない大声で解説する話に耳を傾けるのである。ちょうど,伊豆沼や内沼のハス祭りの舟に乗ったと思えばよいのである(イメージはだいぶ違う,どちらかというとTDLのジャングルクルーズか)。ゆっくり一周しながら,あそこにアリゲータがいる!,あそこにタートルとウがいる,あれはリンプケンだ!ほら,あの木にいっぱい止まっているのはシロトキだ!とか言いながら,レンジャーが観光客に解説しまくる。ミサゴの巣も3,4カ所ある。上空をヒメコンドルやクロハゲワシが飛ぶ。水面に一番多いのはアメリカオオバンと,バン,アメリカヒドリ,ミカヅキシマアジで,オビハシカイツブリやアメリカオシもいた。アメリカオシは暗い場所にいたので撮るには撮ったが,大ブレで(何しろ500mmレフレックスF8)写真にならなかった。サギ類では,シラガゴイが印象的だった。しかし,何といってもそこら中にいて目立ったのは,アメリカヘビウ-アンヒンガだろう。日本にはいない鳥で,ウに似ているが,嘴が細長く,胴体を水面下に沈めて,頸から上だけだ出して泳ぐ。濡れた翼を陽に干している姿をよく見かけた。アリゲータは至る所におり,観光客(自分もそのうちの1人だが)や教授もワニの方に興味があるようであった。ケラー教授が案内のレンジャーに日本からやってきたバードウォッチャーだからと,言ってくれて,一番いい場所で撮影することができた。
 それにしてもここにいるアリゲータや野鳥たちは慣れたもので,観光船が大きなエンジン音を立てようが,それに負けじとレンジャーが大声でマイクに向かって叫び,スピーカーからは割れた音ががんがん響こうが,全然意に介しない様子だった。ぐるっと一周して最後に,人々が泳いでいる場所に近づいたとき,その近くの水面の下に巨大な穴が見えたが,あれが今にして思えば,多くのダイバーを虜にしている大地下水脈の入口なのであった。

■ シギチとカモメ類,カッショクペリカン,アリゲータ
  -セントマークス国立野生生物保護区-

 ワクラスプリングスを後に,サリー・ワード・スプリング遊歩道に行った。しかし,ここの事務所が休みで,見学はできず,次の目的地であるセントマークス国立野生生物保護区に行った。ここの野鳥ガイドはアパラチーオーデュポン協会のページが参考になる。ワクラスプリングスからセントマークス野生生物保護区までは,メキシコ湾沿いに大小の泉やクリーク,それに広大な湿地帯が広がっている。ちょうど,仙台から石巻まで車で行くとして,その道の両側が全て蕪栗沼か蒲生海岸の風景だと思えばいいのである。道々の湿地帯でハヤブサやミサゴ,ヒメコンドル,クロハゲワシ,そして多くのシギチドリ,カモ類,サギ類,アリゲータを見ることができた。道の両側はところどころ野焼きをしており,灌木から白い煙がでていた。
 1時間30分ほど走って,保護区に着く。メキシコ湾が目の前にあり,白いセントマークス灯台が美しい。数百羽のカッショクペリカンが海上を飛んでいる。上空から海に突っ込んで魚を捕っている。その姿は,ペリカンに対する従来のイメージを払拭するに十分なものだった。それは,まるで映画に出てくるプテラノドンのように飛び,海辺の柵に止まった逆光の姿は,昔見た「マイウエイ」に出てくるガネットのように美しかった。海辺の草地にはユキコサギやダイサギ(もちろんこのへんの亜種),それにハジロオオシギという日本では見られない大型のシギがたくさんいた。目を干潟の方に移すと,ものすごい数のシギチとカモメ類がいる。全部で3,4万はいるだろう。そして巨大なアリゲータ,アメリカミヤコドリ,そして今歩いている小径には,ウタスズメ,ハゴロモガラス,マネシツグミ,オナガクロムクドリモドキ,ホシムクドリなどの小鳥類がいた。シギチドリ類はスポッティングスコープを持ってくれば,もっと多くの種類が見られたはずである。
 これが冬だとハクガンやカナダガン,マガンなどが見られるそうである。ここで1年間暮らしてみたいと思うほど,すばらしい場所だった。

3月24日(金) タラハシーからセントジョージ島へ
 明日は帰国という前日,タラハシーからメキシコ湾岸沿いの道を車で約70Km離れたセントジョージ島へ行った。ここには州立公園になっていて,一級のリゾート地である。この海岸沿いの広い道路の両側はやはり,クリークの多いところである。時々,ハヤブサやミサゴ,ヒメコンドル,それにチュウヒの仲間がが飛んでいるのが見える。海が近いところでは,カッショクペリカン,シギチドリ,メリケンアジサシ,クロワカモメ,ワライカモメが多く見られた。特にカッショクペリカンは日本で言えばウミネコのように小さな船着き場にもたくさんいた。
 セントジョージ島へは,300mほどの橋を渡っていく。アメリカシロペリカンも途中3羽ほど飛んでいるのを見た。橋の手前の道路脇にはワライカモメの大群がいたので,教授に車を止めてもらい,しばらく撮影していた。日本でいえばユリカモメのように頭が黒いカモメでクロワカモメと共に,この辺りでは非常に数の多いカモメである。橋を渡ると,左折し,「プランテーション」と書いてあるゲートを車のフロントガラスのところに証明書をおいて通過する。島の半分は完全な私有地となっており,至る所に豪華な貸別荘が建っている。貸別荘の共同管理組合があって,別荘のオーナーは管理費を払って,管理事務所に管理を依頼しているらしい。これらの超豪華な別荘(日本の別荘とはかなりレベルが違う)は,オーナーが自分の客を泊めたり,家族で泊まったり,また一般の人々に1泊~月単位で貸し出している。カタログを見たが安いのから,高いのまで様々あるが,建物の豪華さやプライベートビーチのあるなしと関係があるようだった。教授の所有する「ISLE DREAM」は,センスの良い調度類と明るい室内,目の前のプライベートビーチ(このページのタイトル写真)と,すばらしいものだった。いつか,自分の家族を連れて泊まらせてあげたいと思った。
 この島には,ブラックスキマー(クロハサミアジサシ)が多く棲息するとのことだった※1が,島のちょうど半分反対側にいるとのことで見ることはできなかった。しかし,メキシコ湾の美しい海やどこまでも続く道と周りの風景に心を洗われる思いがした。
 夜は,教授の家族と晩餐会をしてもらい,名残を惜しんだ。

※1 Birds such as the snowy plover, least tern, black skimmer, willet and many other species of shorebirds frequently nest along the park's sandy shores and grass flats. The barrier islands of the Gulf Coast are important "rest stops" for a wide variety of migrating birds during the fall and spring. The best time to observe migrating birds is after the passage of cold fronts.

3月25日(土) 帰国の途に着く
 朝,空港まで送っていただき,そこで1週間お世話していただいた御礼をし,日本での再会を約して帰国の途に着いた。タラハシー空港で,係官が「何か危険なものはもっているか」と言ったのを逆にとって,「Yes!」と答えたら,教授と係官に笑われてしまった。もし,これが昨今のことだったら逮捕されていたかもしれない。アトランタ空港で,荷物がそのまま成田行きの便に積み替えが行われているのを知らないで,ちっとも荷物が流れてこないので焦っていろんな係官に聞いたら,とっくにそれは積んであるのだと6人目くらいの係官に言われ,がっくりきた。
 時差の関係で,日本に着いたのは3月26日(日)の午前中だった。月曜日から1週間,東北大の川内キャンパスで新教科情報の研究協議会に出席しなければならないと思うと気が重かった。
 ということで,私の初のアメリカ本土旅行記はおしまいである。ちなみにお世話になったケラー夫妻は今年4月に来日され,家族でおもてなしをすることができた。約1週間,変な日本語英語をしゃべりまくったが,何とかコミュニケーションを取ることができた。以来,やはり変な英語でALTとしゃべっている。毎日英語ばかり聞いたり,話したりしていると,どういうときにどういう言い方をするのかわかって,英語コンプレックスがなくなったのも大きな収穫だった。
【写真】

撮影した野鳥等の写真はこちらです。

【参考文献】 

CHANDLER S. ROBBINS ,BERTEL BRUUN, and HERBERT S. ZIM, A GUIDE TO FIELD IDENTIFICATION BIRDS of North America, GOLDEN PRESS・ NEW YORK 1966
THAYWARD ALLEN,THE GREAT Blue Heron, North Word Press・ MINNETONKA 1991
ARTHUR MORRIS, BEAUTIFUL BEACHCOMBERS SHOREBIRDS, North Word Press・ MINOCQUA 1996
WINSTON WILLIAMS, FLORIDA'S FABULOUS WATER BIRDS THEIR STORIES, NATIONAL ART SERVICES 1987
JUANICE JOHNSON, BIRDS OF WAKULLA SPRINGS STATE PARK (ワクラスプリングスにおける鳥類に関するパンフ)
EDWARD BALL WAKULLA SPRINGS STATE PARK NATURE TRAILS (ワクラスプリングスの遊歩道のパンフ)
THE St. MARKS LIGHT (セントマークス灯台及び野生生物保護区のパンフ)
参考URL

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2012年5月5日(日)鳥の海

2012年07月16日 | 鳥の海
■2012/5/5(日)9:31-14:30【天気】晴れ時々曇り
【場所】牛橋河口,鳥の海,周辺田圃,阿武隈川河口
【種名】カワウ,ダイサギ,コサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,キョウジョシギ8+,キアシシギ6+,オオソリハシシギ35,チュウシャクシギ1,ユリカモメ++,オオセグロカモメ,ウミネコ,ヒバリ,ツバメ,ハクセキレイ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科25種)
【メモ】昨日は天気も悪く写真もよく撮れなかったので,今日は朝からオオソリ,キョウジョシギ,キアシシギの干潟での採餌を中心に観察することにした。オオソリの群れは,最初は蛭島の西側の干潟に分散していたが,潮が満ちるにつれ,海岸の方の東側干潟に移動してきた。♂夏羽が10羽+で,♀の方が多い。昨日見た相当数のハマシギ,ミユビシギ,トウネンは干潟では全然観察できなかった。潮が満ちてくるとブロックの上に止まっているのが,だんだん止まれなくなり,オオソリ,キアシ,キョウジョシギがそれぞれ場所争いで右往左往しているのがおもしろかった。カモ類はまだ若干残っている。
【写真】
  
■牛橋河口,昨年コアジサシが繁殖していた砂浜/キアシシギ/キョウジョシギとキアシシギ(鳥の海標識付き)
  
■ゴカイを捕まえたオオソリハシシギ成鳥夏羽♂/オオソリハシシギ成鳥夏羽♂♀
  
■潮が満ちてきた干潟で採餌するオオソリハシシギ
  
■オオソリハシシギの飛翔
  
■腰の白いオオソリは1羽もいない/キョウジョシギ成鳥夏羽♂
  
■キョウジョシギ成鳥夏羽♂/キョウジョシギ成鳥夏羽♂♀
  
■キアシシギ成鳥夏羽とキョウジョシギ/オオソリハシシギの群れの中にキアシシギが混じる
  
■オオソリハシシギ+キアシシギのランディング
  
■オオソリハシシギ成鳥夏羽♂♀,キョウジョシギ成鳥夏羽♂♀,キアシシギ夏羽
  
■オオソリハシシギ成鳥夏羽♂♀,キョウジョシギ成鳥夏羽♂♀,キアシシギ夏羽
  
■オオソリハシシギの飛翔/キアシシギとキョウジョシギ
  
■潮が消波ブロックに満ちてきて,止まる場所が狭くなってきた/チュウダイサギの夏羽と冬羽から夏羽への移行個体と思われる
 
■阿武隈川河口のユリカモメ夏羽/鳥の海周辺田圃でアメリカザリガニを捕らえたチュウシャクシギ


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2012年5月4日(金)鳥の海

2012年07月02日 | 鳥の海
■2012/5/4(金)7:31-11:18【天気】曇り,もや
【場所】鳥の海
【種名】カンムリカイツブリ,カワウ,ダイサギ,コサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,オカヨシガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,スズガモ,シノリガモ1,ホオジロガモ,カワアイサ,ミサゴ,トビ,オオバン,シロチドリ10+,キョウジョシギ12+,トウネン25+,ハマシギ80+,ミユビシギ45+,キアシシギ18+,イソシギ2,ソリハシシギ2,オオソリハシシギ33+,チュウシャクシギ43+,ユリカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,コアジサシ2,キジバト,ヒバリ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,カワラヒワ,ホオジロ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(19科41種)
【メモ】津波でシギチや,カモ,カモメ類,カワウ,アジサシ類が休む防波堤がすっかり浚われ,航路と干潟の境界がなくなってしまった。以前は,連休の鳥の海ではこの防波堤に座ったり,寝たりしてシギチ類が来るのを待っていたものだ。コアジサシが2羽ほど海岸を飛んでいたものの寂しい限りだ。それでも例年のように,オオソリ,ハマシギ,トウネン,キョウジョ,ミユビ,ソリハシなどの群れはやってきている。チュウシャクシギは春の干潟の代表種だが,これも群れでやってきている。ただ,干潟の形状がすっかり変わっているのと,沈下の影響か,以前は鳥の海の全体が大潮の時には干潟が出ていたのが,今はそうはならない。今まで数十年にわたり,安定してきた干潟の環境が元にもどるのはそう簡単なことではない。しかし,干潟を渡りの中継地としてやってくるシギチたちは,環境が変わろうがその時々の環境に対応して採餌している。決定的に違うのは逗留期間だろう。今日は例年になくシギチの採餌に落ち着きがなく,何度も飛んでは戻ってきてまた飛ぶということを繰り返していた。
【写真】
  
■鳥の海と南蔵王/ヒヨドリの渡り。この日5回ほど観察/キアシシギ夏羽。胸に縞々がある。
  
■ハマシギ,ミユビシギ,キョウジョシギの群れ/時化で汽水湖(鳥の海のこと)に退避したシノリガモ成鳥♂
  
■干潟にランディングするトウネンとハマシギ/干潟を飛翔するオオソリハシシギ,ハマシギ,トウネンの群れ/干潟にランディングするトウネンとハマシギ
  
■ハマシギとトウネン/オオソリ,ハマシギ,トウネンの飛翔
  
■オオソリ,ハマシギ,トウネンの飛翔。干潟にもやがかかってきた。/オオソリハシシギの群れ。♀が体が大きい。/ハマシギ成鳥夏羽
  
■採餌するハマシギ。斜面で立って歩いているのも。
  
■ミユビシギ夏羽移行個体~夏羽個体/オオソリハシシギの群れ
  
■オオソリハシシギ/チュウシャクシギ

■アオサギ


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