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観察図鑑 2008年4-8月蒲生ビール工場のサギのコロニー

2008年09月05日 | 観察図鑑
■2008年4月~8月 4/12,20,26,6/15,7/6,8/3,31 
【場所】蒲生周辺のビール工場のサギのコロニー
【種名】亜種チュウダイサギ,チュウサギ,アマサギ,ゴイサギ(1科4種)
【備考】サギが営巣する林の木々の葉がまだ開かないうちから,サギたちはやってくる。大学時代に田尻町沼辺の民家の裏山にサギのコロニーがあり,就塒前の大乱舞(狂ったようにサギたちが何度もきりもみ状態で飛ぶ)を見たことがあった。同じ町内の舞岳の民家の裏山でも営巣しており,そこに入ったことがあったが,中は阿鼻叫喚という状態で,ゴイサギやシラサギの死骸がたくさん転がっており,その死骸の何倍もの幼鳥が親の餌を待って,ものすごい喧噪だった。比較的状態のいいゴイサギの骨を持ち帰り骨格標本を作ろうとしたが結局やめてしまった。蒲生のサギのコロニーは最初は新田の民家の裏山にあったが,そのうち後ろの道路を挟んだビール工場に移った。観察をはじめた頃は,訳のわからない幼鳥がいて,親が給餌するのを待っているとアマサギだったので,その幼鳥はアマサギとわかった。よく見ると確かに顔が猿顔だし,嘴を含めた顔の造形は確かに親譲りだ。最近やっと各ステージのシラサギのヒナ,幼鳥,若鳥がそれぞれどの種類かわかってきたというのが現状だ。シラサギたちの給餌を見ていると,実に大変だと思う。親が嘴を幼鳥の開いた嘴の中に突っ込んで餌を流し込んでやるようなのだが,その時に興奮したヒナの嘴が親の斜め下に飛び出した目をかすめて親が思わず目をつぶるのを,何回も見たことがある。毎年通っていると実にいろいろなことがわかるもので,興味は尽きない。
【写真】
  
■ゴイサギの営巣。中央の写真は成鳥と1年目夏羽(ホシゴイ)
  
■亜種チュウダイサギ夏羽。生殖羽のフレッシュな4月と6月では目先の色が鮮やかなコバルト色から薄い黄緑に変化している。
  
■アマサギの幼鳥。嘴は黒い。顔が成鳥そっくりの猿顔。嘴は黒から先端の方から黄色に変わる。チュウサギの逆。
  
■親鳥が餌を運んでくるのを待っているチュウダイサギの若鳥。頭に産毛がまだ生えている個体もいる。口角の切れ込みが目の後ろまで伸びているのがダイサギの特徴。
  
  
■巣の中にいるチュウサギのヒナ。求餌行動を同じヒナに対して行っている。よほど,お腹がすいたのかもしれない。


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