アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

和太鼓を叩く予備動作

2012年08月19日 | ピアノ
今日は和太鼓の生演奏を堪能してきました(^^) 東京国際和太鼓コンテスト~歴代グランプリの祭典~というものです。

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和太鼓はやっぱり生ですよね。あれは、聞くものであると同時に見るものでもあるし、CDにしちゃったら(CDもあるけど)ぜんぜん別物になってしまうという感じがします。

え? イイ男いたのかって?? まぁ、いましたけどそういう「見る」ではなくて、太鼓を叩く動作のことです。

太鼓はもちろん、その音を出す仕組み上、大きな予備動作が必要ですが、それに加えて、パフォーマンスのための動作をすることがよくあります。特に組太鼓(大人数で叩く)では、今、音を出している人以外が踊ったりすることも可能なのでそういうまったく「太鼓を叩く」のと無関係の動きもありますが、「飛び跳ねる」「バチ回し」あるいは、ぐるりと回って人が入れ替わるなど、太鼓を叩きながらの大きな動きもあります。

つまり、予備動作という、スーッといってトンという、叩く勢いとタイミングを適切に取るための必然の動きがあるほかに、見た目のおもしろさを狙っている、音と関係ない動作があるわけですね。それはもちろん、くるくるとバチを回して見せたところで、音は変わりません。

祭りの太鼓なら、まぁ盛り上がればなんでもいいんですけど、和太鼓コンテストの場合は、あくまでも音楽性の追究が第一なので、音を邪魔するような動作はいくらおもしろくても評価されません。バチ回しや入れ替わりに気を取られて、あるいはタイミングが狂って、リズムが乱れたり、へなちょこな音になったら元も子もないのです。

子どもの部の組太鼓で、審査員の目から見て「パフォーマンスに走りすぎている」と思われたチームが(うまいチームなのに…)複数あった年があって、講評の際に苦言を呈されていた模様です。

ところで、私も和太鼓を一年くらい習っていたのですが、あるとき先生が新しい曲を教えるってんで、「じゃまず一回やりますね」と演奏してくれたんです。そのとき、私が横で先生の真似をして完璧に叩いたので先生はびっくりして「あれ? 前にやりましたっけ??」

いや生まれて初めて聞きましたが(楽譜もないし)、先生の予備動作があまりに完璧で、すなわち力学的に無理がなく、エネルギーを無駄なくよい音の響きに変える、きれいなものだったので、私は呼吸を合わせ、予備動作についていくだけですんなり同じリズムを叩けたのです。けどまったく覚えてはいないんで(^^;; 先生はじめっからお願いします。

だいたい、うまい人の太鼓の叩き方というのは、予備動作から音がすべて納得のつながりをしていて、見ていても美しいものです。そこにパフォーマンスのための動作が加わるときも、パフォーマンス~予備動作~音が合理的に流れていき、音を助けこそすれ邪魔はしない。そこまでの域に達すればパーフェクトですね。

ピアノを弾くときの動作も、すべからくそうありたいものです。予備動作は太鼓に比べて目立ちませんが、合理的で、見た目も聴き手からみて「音楽を受け取るのに助けになりこそすれ邪魔にはならない」アクションが求められることは同じです。打楽器であるところは同じなので、「音の出る瞬間の力の伝え方~響きを生かす力の抜き方」の部分は共通だと思います。

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コメント
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