アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

いつの間にかモーツァルトよりバッハが怖い

2017年01月12日 | ピアノ
別に、アラが目立たないとか(現実より)うまく聞こえるとかを求めているわけでもないんだけど、「モーツァルトを人前で弾くのは怖い」と思っていたことが、確かにある。

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べしゃっとミスタッチをすれば別にモーツァルトでなくたって、ショパンだってシベリウスだってバレるわけだからそこにたいして違いはないが(ヤマハの先生が楽譜めっちゃ黒い系のカプースチンを講師演奏で弾いたとき「これなら間違っても誰にもわからないから」っていってたけどそういう曲はそもそも弾けるわけがないし)、ただし同じく「傷」がある場合の残念感というものがモーツァルトだと特大級だという感じが、なんとなくする。

大学時代にはフルートをやっていて、フルート曲というとバッハもモーツァルトもそれなりにあり、間違えたら目立つという意味では両者似たようなものだけど、モーツァルトは、間違えたとき…あるいは、音が間違えてなくても、音が出損ねたり、無理して吹いたっぽい汚い音になったりするとなんかもう破壊的な。

すらーーーっと、滞りなくすんなり美しく、音階などもすべて滑らかに演奏してそこがスタートライン。
そうじゃなかったところは大減点。という雰囲気。

それで、人前で演奏するときに、バッハは何度かやったがモーツァルトは一度もない。怖すぎて吹けない(o_o)

…そんな感覚を持っていたものだから、大人再開ピアノが始まったあとも、人前でモーツァルトを弾くことはずっと、なかった。

ところが、だんだん、いろんな大人のいろんな演奏を聞いていく中で、傷ありモーツァルトであっても、そして知られ過ぎている曲であっても、自分はこう弾きたい、というのが出ている演奏なら別にそれはそれでアリなんじゃないかという気がしてきて、思い立ってレアもの緩徐楽章に手をつけてみた。

ちょうどそのころおゆきさんのところへ体験レッスンに行く話が出てきて、それを持ち込んで「来週弾くんですぅ~」みたいな(←もっと早く持ってこいやぁ!!)緊急手当てレッスン、それで弾いてみたらば思いのほか評判よく、すっかり気に入ってしまってなんと十八番CDに入れるのもこれになった。

このときは、「モーツァルトのソナタのどれか…だと思うんですけどどれですか?」なんて聞かれて、みんなノーマークの選曲に悦に入っていたものだったが、ついにはそこもハジケて全員知ってる(知りすぎてる)ドーミソシードレドを弾いてみたら「一周まわって新鮮」という反応に気をよくしてもう怖いものはなくなった。

一方、バッハのほうは、レッスンでインベンションの半分くらいを見てもらったけれど、そしたらなんか昔思ってたよりずっと難しい(素敵な曲なんですけどね)、私よりほかの人たちはインベンションはいうに及ばずシンフォニアやフランス組曲や平均律まで手をつけてて経験値には大きすぎる開きがあるし、常に、むっちゃ詳しい人が出てきて「それ違う」とかいわれそうななんとなくの恐怖(^^;;

自分でも素敵なバッハや素敵じゃないバッハの演奏を聞く経験を積むうちに、自分がピアノサークルデビュー当時に弾いてたイタリア協奏曲とかがどんなものだったかにもちょっと思い至り…確か、おゆき先生がまだ先生だと知らなかったころに、私がイタコン弾くところをおゆきさんが聞いてたことがある。なんだか苦笑して去った…ような気がするんだけど、私がしていたであろう演奏について思いだすと赤面するorz

そんなこんなですっかり怖くなってしまった。このタブーを打ち破るきっかけは今後来るのだろうか。とりあえず、人前では弾かないにしてもいくつか弾いてみたらいいのだが、なにせ人前で弾く曲が忙しすぎて人前では弾かない曲に練習の順番が回ってこないという困った問題があって話が進まない。

(…じゃ、目途も立たないうちにイベントにバッハをエントリーして、しかるのちに勢いで弾いちゃうのが早道か!?)

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ところで、バイオリンなら人前でバッハ弾いてるんですよね。なんで怖くないかといったら…バイオリンの会のときって、「むっちゃ詳しい人が出てきて「それ違う」とかいわれそうな」雰囲気がまったくないんですよ。変な話ですが。それと、私がバイオリンで弾く場合はむしろバッハよりロマン派の曲のほうが残念感が強い(音色の問題か)というのもあります。

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