アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「羊と鋼の森」の映画化するならぜひ…

2017年01月26日 | ピアノ
森下さんや福間さんのピアノ弾く動作を「美しい」と書きましたが、熟達した動作というものはジャンル問わず美しいもので…

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スポーツももちろん。テニスでボールを打つ動作であれ、棒高跳びの飛び越える動作であれ、洗練され合理的な動作は美しく見えますよね。これ、自分自身は棒高跳びの「ぼ」の字もできないくせに、動作の美しい美しくないは見て取れるってのがおもしろいところだと思います。

音楽やスポーツだけでなく、寿司職人が寿司を握る動作であっても、あるいはプロ棋士が駒をぴしりと打つときの動作であっても同じ。駒なんて、かっこ悪く盤にちょんって乗せたって強さの本質にはなんの影響もないはずなんですがね。不慣れな俳優さんが和服着てタイトルシーンやっても、なかなかプロ棋士には見えません。不思議なもんです。

ピアノの調律だって、ベテランの調律師さんの動作のひとつひとつがサマになっているもので、見た目だけでも一朝一夕にはマネできないと思います。「羊と鋼の森」が映画化されるそうで(来年公開)、楽しみなような怖いような…

調律師の映画といえばもちろん「ピアノマニア」…あれはほんとに調律してるんでいいですが、俳優さんに調律シーンをやらせるならピアノシーンと同等の配慮が必要だと思います。そのシーンに説得力がなかったら根底からひっくり返っちゃうから。

ピアノにも、もちろん調律にも、なんの興味も関心も知識も持っていなかった主人公(当時高校生)が偶然、スーパー調律師さんの調律(高校体育館のピアノ)作業時に居合わせて、それでコロリといっちゃう話なので、その調律がダサかったらなんも始まらないので。

そのあと、主人公がなんとか調律師の専門学校を出て就職し、スーパー調律師さんのホール調律を見学させてもらうシーンがある。このときになると、主人公も一般家庭のピアノだったら何度も調律したことあるんだけど、ホールのピアノは、そしてスーパーな調律というのは別物。

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板鳥さんが鍵盤を鳴らし、耳を澄まし、また鍵盤を鳴らす。一音、一音、音の性質を調べるように耳を澄まし、チューニングハンマーをまわす。
だんだん近づいてくる。何がかはわからない。心臓が高鳴る。何かとても大きなものが近づいてくる予感があった。
(中略)
ぼやけていた眺めの一点に、ぴっと焦点が合う。山に生えている一本の木、その木を覆う緑の葉、それがさわさわと揺れるようすまで見えた気がした。
今もそうだ。最初はただの音だったのに、板鳥さんが調律し直したとたんに、艶が出る。鮮やかに伸びる。ぽつん、ぽつん、と単発だった音が、走って、からまって、音色になる。ピアノって、こんな音を出すんだったっけ。葉っぱから木へ、木から森へ、山へ。今にも音色になって、音楽になっていく、その様子が目に見えるようだった。
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自分は迷子だった(迷子であることにも気づかなかった)、求めていたのはこの音だ、この音があれば生きていける。

…こんなシーンに、調律師と称する俳優の動作が不自然だったらぶち壊しである。映画作るんならホントに気合入れて作ってもらいたいと切に願う。

でもそしたら本物の調律師(それも凄腕の!!)を呼んで来るしかないんじゃないの~?? 映画の技術のことはよくわからんけど。

そういえばパガニーニの映画では、ビジュアルも完璧パガニーニ、それでバイオリンもパガニーニばりに弾ける、しかも演技もできちゃうというなんでそんな人がリアルにいたんだかわかんない人をよくぞ探して主役に持ってきたもんです。バイオリンなんて、ピアノよりもっと、手元と顔と分けて映しづらいからね…

それと、調律したピアノを弾くふたごの高校生もね。調律の音の差がわかる、そして人の心をつかめる素敵なピアノを弾いてほしいなって思います。昨日の記事を書いたあと、のだめのピアノシーンをいくつか見直してみたんだけど(*)、まぁね。とにかく動作が不自然なことは(あれだけ練習してあるのに)隠しようもなく、でもなんか許せるのは全体が基本、コミカルな映画だからというのがあって。

「羊と鋼の森」やるならマジで説得力のある絵と音作ってほしい。よろしくお願いします。(←誰も聞いちゃいないって)

(*) メイキングを見直してみました。特注ピアノ、中はちゃんと弦が張ってあって、でもパタパタ鍵盤叩いててもまったくダンパーはピクとも動いてませんでした。

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