アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

「蔵」に響くシューベルト

2017年01月29日 | ピアノ
この空間、歌+ピアノには絶対向いてる!! と思ったんですよね(^^)
3月19日にはシューマン詩人の恋レクチャーコンサートをやる「しらべの蔵」で、今日はグランドオープンコンサート。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←短い人生で600曲超の歌曲を(o_o)

内藤晃さんが解説しながら進めてくれるんだけど、オールシューベルトの、歌あり、チェロあり、ピアノソロあり、とっても耳が幸せなひとときでした。

シューベルトさんって、ほんとに美しいメロディーを書いてくれるんだけど、「長いよ!!」ってツッコミたくなることも多いですよね。特にソナタなんて、練習会とかで気軽に選曲できる長さじゃないもの。

でもでも、歌なら短いんですよ!! (^o^)/
いろんな雰囲気のを、次々何曲も聞けちゃうんです。

「春に」「愛の使い」「セレナーデ」「ミューズの子」「水の上で歌う」「さすらい人の夜の歌」「さすらい人」「月に寄せて」

シューベルトって、貧乏のイメージが強いけど、低所得と貧困は違います。彼は「ぼっち」じゃなくて、ちゃんと人脈を持っていて、曲を作っては、誰かが歌ってくれて、近しい人たちの中で披露するというようなそんな作曲生活。リストみたいにリサイタル開いてきゃーきゃー言ってもらったわけではないのだけど、なんだか幸せそうです。

「シューベルティアーデと呼ばれる集いで、彼らはシューベルトの新作を聴き、ワインを片手に文学や芸術を語り合った。」
「友人たちの喝采が彼にはいつでも最高に嬉しいものであったが、大衆の喝采は彼を感動させず、彼はそれを求めもしなかった。」(コンサートで配られた「シューベルティアーデの奇跡(内藤晃)」より)

今日の会場である「しらべの蔵」は椅子をMAX並べても30席が限界の小さなサロンで、しかも二階席まで入れての30席ですから、ほんとうにこじんまりした親しい空間になります。シューベルティアーデの再現にはぴったりです。

それで、今日の歌はみんなドイツ語で歌われていましたが、聞くだけじゃ何いってるかぜんぜんわかんないところ、全部、歌詞の日本語訳をプリントで配ってくれたという親切設計。

私、第二外国語はドイツ語だったんですが、すべて忘れて(もとからあまり覚えてなかったともいう)、いまや1から10までも数えられないていたらくですが、歌を聞きながら日本語の歌詞を見ていれば、ところどころわかる言葉…「森」とか「愛」とか「何」とか「どこ」とか…それと、英語から類推きくような言葉とか…そういうのを手掛かりに、今何を言っているかがわかるんです。そうすると言葉の意味と、歌の旋律がほんとうまいこといってるなぁというか、歌が詩を表現しているのだということが納得できます。

ドイツ語で歌われるときって、意味がぎゅっと少ない数の音節に詰まっていて(ひとつの音節に子音てんこ盛りだから)、同じ歌に日本語の訳詩をつけると、ずいぶんちょびっとのことしか言えなくなります。そうでなくても語順とか違うんだから同じにならないのは当たり前だけれども。

ドイツ語と旋律がぴたっと密着したところに成立しているシューベルトの歌というのがとてもおもしろいと思って、ドイツ語を必要な単位としてしか考えず中身を全スルーしていたことをちょびっとだけ後悔しました(^^;;

ピアノは大屋根全開でしたが、内藤さんはほんとうに音のコントロールが完璧で、音色も音量も、蔵の中でベストバランスになるよう演奏されてました。

歌のほかは、アルペジオーネソナタ、そしてピアノソロはなんと、即興曲op90-3でした!!

元々、内藤晃コンサートで惚れちゃった曲を、ぼちぼち練習してようやく昨日、人前で弾いたところで、また今日ナマで聞けちゃうなんて(^-^)

もう感激して、ほんといい曲だー!! 昨日で終わりにしちゃうのはもったいない。
家に帰ってから、いそいそともう一度op90-3を弾いてみると、あらなんだか昨日よりちょっと素敵なような…錯覚かもしんないけど(笑) いいイメージを持って弾くといいことがあると思うんだ。

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フラットいっぱいシューベルト

2017年01月29日 | ピアノ
昨日はテーマ限定の会、お題は「フラット4つ以上」でした。

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この会への参加を決めたのはもうずいぶん前で、なんと去年の9月ですよ。そこから、フラット4つ以上ってことはモーツァルトさんとかは書いてないよなと思って、まず見たのがショパン。マズルカの楽譜をつらつらと見ていって、そこでop56-3にずっきゅーんと出会ってしまって(でもフラット3つ)それにハマって延々と回り道。

それで、フラット4つのほうはどうするよ、と思ってブルクミュラー25番、18番、12番の三冊から各1曲だけあるフラット4つに目をつけたはいいものの、結局あれこれと別件あり、正月休みだってちっともブルクに回る隙がなく、そのままバタバタと。

気が付いたら、特に人前で弾くというつもりではなく自分のために弾いてみてたシューベルトの即興曲op90-3、これを弾くっきゃないというところまで追い込まれていた。

いやいいんだけどね、4つどころか6つもフラットついてるし、お題としてはばっちりだよね。

この曲を人前で弾くイメージがつかめなかったのは、おゆき先生も言ってたように、下手に弾くと聞いてる人を退屈のどん底に突き落とすつらい曲(長いし!!)ってことで…でも弾いてるうちにどんどん好きになっちゃったし、もういいやって。


昨日の会場は、ピアノもいいし天井高くてやさしいひびきのホール60(原宿)、街がめっちゃ若者だらけでびびる。

持ち時間は14分、もちろんシューベルトop90-3だけでは埋まらないが、一巡目はなんの曲でもよくて二巡目だけ縛りとのことなので、一巡目はアルカンの「ファ」を弾くことにする。

この曲はイロモノで弾くべく鋭意練習中だけれども当然のことながらまだまったく仕上がってないどころかレッスンもこれからなのだけれども、スケジュールを検討するに、イロモノの前に人前で弾いてみるとすれば昨日がオンリーワンのチャンスなので仕方がない。

自分が弾く前のいろんな演奏を聞いているときには、響きすぎるピアノ(+音響)なのかなという印象だったのに、いざ自分が「ファ」を弾き始めてみるとぜんぜん響かない(ような気がする)。決して弾きにくいピアノではないのだけど、思ったように響かず焦る。

あとでわかったのだが、響きの特性というか私の座っていた客席は響きすぎ、弾いている本人にはやや聞こえづらいという会場のようだ。録音を聞いてみると、本人の主観とは違ってふつうに響いている。

でも弾いてるときは焦ってたのでいつもより余計に噛みまくり。焦ったときに噛みまくるのは曲がわかりにくいせいでもあり練習不足のせいもある。これ、三月までになんとかなるんだろうか??

二巡目の縛りタイムはシューベルト。今度は一転して弾きやすく感じられ、気になっていた響きも、自分が狙うところがちゃんと得られている感触があり、別物のよう。

弾いている間、自分としては気分よく、あちこち細かいところは弾けてないものの(←これは仕様です)、いいピアノ、いい会場をしみじみ楽しんで味わうことができた。

昨日のシューベルトop90-3録音

録音を聞いてみると、確かに楽しそうに弾いてる感じ(笑) ただし聞く立場からいえばテンポ遅いというか、もっと「巻き」でいってもらわないと長くてしょうがないんだがこの曲は。全体にゆっくりなのもさることながら、途中、よく頭に入ってない音を探している間延び感はいつものことながらなんとかしてほしいものだ(と他人事のように)。

もっと弾き込んで手に馴染んでくれば違う明日も見えてくるだろうか。


結局、アルカンは噛んで時間が延び、シューベルトはゆっくり楽しんで弾いて時間が延び、二つ合わせてほぼちょうどよく持ち時間を使い切った格好になった。

みんなの縛りタイムを聞いていると、ショパン、ドビュッシー、そして私が持ってた楽譜(シューベルト)の中からもいくつか。目次を見て思ったんだけどシューベルトのフラット盛りはすごい:

14曲並んでいるこの目次、フラットが全部で46個もありますよ!!

昨日の会で選ばれるのも納得ですね。

それとね、フラット多めの曲を聞いてるとなんかなごみます。まったりしたいい雰囲気、いい演奏てんこ盛りでした。次はシャープ四つ以上という縛りが行われるらしい(^^;; どんな雰囲気になるやら。

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