日が暮れて暗くなって、フッと、ベランダから外を見たら、金星が瞬いていた。
黒い山の上に、明るく輝く星。
金星って、こんなに明るかったかしら、としばし見とれる。
そして、夕刊を取りに行こうと、玄関を開けて外に出たら、目の高さに満月が浮かんでいた。
本当に、大きなお盆のように真ん丸の、眩しいくらいに黄色く輝く満月。
まともに、大きな満月を見たのは久しぶり。
17年前に稲城に引っ越しして来た頃は、京王の稲城駅の周りには何もなかった。
稲城駅は高台にあり、ホームから階段を登り改札を出ると、目の前には遮るものは無く、遠くの都心まで素晴らしいパノラマが広がっていた。
仕事で疲れても、この景色を見ると、「さあ、頑張って夕飯を作ろう」 と思った。
そして、約一ケ月に一回の満月の日。
階段を登り改札を出ると、目の前に、真ん丸の大きなお月さんが浮かんでいた。
初めて見た時には、衝撃的だった。非現実的で幻想的で。月ってこんなに大きかったかしら、と。
家々やビルの上に、ポッカリと浮かんでいるのが不思議だった。
帰りのいつもの時間の電車でないと、その、大きな満月とは巡り会えない。
次の電車だと、月は上に動き、大きさも小さくなり、その分輝きも小さくなる。
今は、改札の前には、パン屋さんが出来、スーパーも出来、便利になったが、私は何にもなかった稲城が好きだった。
何にも無く、あるのは駅前の素晴らしい里山。だからここに住む事を決めた。日々の買い物に不便はしたが、それも、楽しい事だった。
どこにもない、オンリーワンの風景。
でも、その里山も住宅地に変わりつつあり、普通の都市近郊の町に変わって行くのが寂しい。
私のデジカメでは満月が上手く撮れない。

黒い山の上に、明るく輝く星。
金星って、こんなに明るかったかしら、としばし見とれる。
そして、夕刊を取りに行こうと、玄関を開けて外に出たら、目の高さに満月が浮かんでいた。
本当に、大きなお盆のように真ん丸の、眩しいくらいに黄色く輝く満月。
まともに、大きな満月を見たのは久しぶり。
17年前に稲城に引っ越しして来た頃は、京王の稲城駅の周りには何もなかった。
稲城駅は高台にあり、ホームから階段を登り改札を出ると、目の前には遮るものは無く、遠くの都心まで素晴らしいパノラマが広がっていた。
仕事で疲れても、この景色を見ると、「さあ、頑張って夕飯を作ろう」 と思った。
そして、約一ケ月に一回の満月の日。
階段を登り改札を出ると、目の前に、真ん丸の大きなお月さんが浮かんでいた。
初めて見た時には、衝撃的だった。非現実的で幻想的で。月ってこんなに大きかったかしら、と。
家々やビルの上に、ポッカリと浮かんでいるのが不思議だった。
帰りのいつもの時間の電車でないと、その、大きな満月とは巡り会えない。
次の電車だと、月は上に動き、大きさも小さくなり、その分輝きも小さくなる。
今は、改札の前には、パン屋さんが出来、スーパーも出来、便利になったが、私は何にもなかった稲城が好きだった。
何にも無く、あるのは駅前の素晴らしい里山。だからここに住む事を決めた。日々の買い物に不便はしたが、それも、楽しい事だった。
どこにもない、オンリーワンの風景。
でも、その里山も住宅地に変わりつつあり、普通の都市近郊の町に変わって行くのが寂しい。
私のデジカメでは満月が上手く撮れない。
