「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        有料誌の廃刊 無料誌の新刊

2008-11-03 05:20:45 | Weblog
大手出版社や新聞社で発行している雑誌の廃刊が続いている。読売新聞社の伝統
ある「読売ウイークリー」(旧名週刊読売)が12月14日号で休刊、講談社の月刊誌「現
代」も同じ12月号をもって廃刊する。いずれも販売部数が低迷し、広告収入が減少、そ
れに用紙高と三重苦が原因のようだ。インターネットの影響もあるかもしれない。

ところがである。東京では無料配布の雑誌が”花盛り”である。先日、都営地下鉄の中
吊りに「中央公論 Adajio」の広告があった。無料配布で、たまたま特集が「太宰治と五
反田を歩く」とあるので、早速駅のスタンドから頂戴してきた。五反田は僕の生まれ故郷
だが、今まで太宰が五反田と関係あるとは知らなかった。僕が生まれた昭和6年、太宰
は3か月だが、その年島津山に住んでいたのを、初めて知った。

無料配布の雑誌は広告が多くて、購買力のない老人にはあまり縁のないイメージがあ
った。しかし、この大手出版社の名前を冠にした無料誌は、読みでがあった。広告もそれ
ほど苦にはならなかった。これで経営が成り立つのだろうか、余計な心配をしたが、”蛇
の道は蛇なのであろう。

今日は「文化の日」。長年、活字の世界で生活してきた僕には、「文化の日」というと、な
んとなく活字の匂いがするが、おカネを出して買う雑誌が次々と廃刊、無料雑誌がいくつ
も誕生する、この現象をどう診たらよいのだろうか。やはり”無料”で気軽に情報をえられる
インターネットの影響が大きいのでは。