「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      ドバイから(4)成長路線は軌道上

2008-11-25 05:52:32 | Weblog
ドバイの奇跡的な発展のカギは、前首長の故ラシッド氏が打ち出した自由貿易構想
だと指摘する識者が多い。滞在4日目、僕らは市の中心部から20㌔ほど離れたジュ
ベルアリ自由貿易特区を見学した。150hという広大な敷地に世界の大企業650社が
張り付いている。米国の雑誌「フォーチュン」が選ぶ世界の優良企業、500社のうち
150社、ここに工場や倉庫を持っている。日本からも150社が進出してきている。

ドバイの建設ラッシュは聞いていた以上だ。世界の建設機械の四分の一が今、ドバイ
に集中している、というのもあながち誇張ではない。すでに高層ビルが林立しているの
に、さらに高さを競うように新しいビルが建つ。来年には高さ800㍍、世界一のドバイ
タワーが完成する。一方、来年には交通渋滞解決のため、日本の技術陣によって、新
交通システム「メトロ」が一部開業する。その最後の仕上げが急ピッチである。

この工事の担い手になっているのが外国人労働者である。「メトロ」工事の日本人関係
者の話では、41か国、1万4千人が動員されているそうだ。僕らの泊まっているホテル
もそうだ。ドバイ人口260万人のうち8割が外国人だそうだ。この国は外国人なしでは考
えられない。

その昔、砂漠の上をゴム草履で取材した僕らの目には、果たしてこんなにビルが建っ
て大丈夫なのかと余計な心配をする。しかし、現地の新聞は”成長路線は依然軌道
上”と豪語していた。世界的に不況だというのに、見た目には不況はみられない。