「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ドバイから(5) 砂漠の水

2008-11-26 07:07:06 | Weblog
わずか半世紀近くなのに激変したドバイでは、昔僕らが泊まったホテルがどこなのか
特定できなかったが、やっとKカメラマンが撮った写真の給水塔からそれが判った。給
水塔は、王宮(現在は市庁舎)の近くにあり、変電所の建物に変わっていた。46年前、
ドバイの住民は、この給水塔から、さらに引かれた配水所へロバなどにに乗って水を
買いに来ていた。当時の取材ノートによると、石油缶一杯が9円とある。

昔、僕らはホテル以外で食事をした記憶がない。レストランなど一軒もなかった。今回
の旅で、僕らはクリークの上の船上レストランで初めて現地料理を味あった。観光客用
なので、果たしてこれが日常住民が食べているものなのかどうかは判らない。在ドバイ
30年の日本人の話では、香辛料は使っているが、東南アジアのように辛くはない。ハム
-ルという白身の魚が名物だった。

レストランでは日本のように水は出なかった。僕らの泊まっている高級ホテルでも注文
しないとサービスはなかった。やはり砂漠なので、水は貴重品なのかと思ったら、ペット
ボトル(500ml)に入った飲料水を売る自動販売機が町の各所にあった。1ディラム(30円)
のコインを入れると簡単に求められた。

ドバイ市史によると、海水を淡水化するプロジェクトは1979年から本格化している。46年
前のドバイでは、緑はあまりなかった記憶だが、今はクリーク沿いのゴルフ場の芝は青
青としている。飲料水も技術の進歩で砂漠のオアシスの水が大量に汲み取られ、これが
”砂漠の水”として珍重化され、日本にも輸出されているという。