「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          高齢者の犯罪と"孤独死”

2008-11-09 05:01:16 | Weblog
先日、家の近くの古い木賃アパートから”孤独死”した老女の遺体が布にくるまれて
運び出される現場を見てしまった。僕の知る限り、このアパートでの"孤独死”は二回
目である。どういう人生を歩まれてきた人たちなのだろうかー。同じ老人としてやりき
れない気持ちである。

法務省の「平成20年版犯罪白書」が発表され、高齢者の刑法犯の数が昭和63年の
約5倍に伸びたという。犯罪の中で窃盗が65%(うち万引が82%)で、その動機は男
性では生活困窮が一番だという。白書では高齢者の犯罪増の理由として(1)核家族
化の結果、親族から疎遠となり(2)単身で経済的にも不安定(3)疾病などで心身上の
問題を抱えているーなどをあげている。

僕の周囲でも子供がありながら、子供や孫と同じ屋根の下で生活している者は少ない。
年金が老後の生活を十分保証しているのならよいが、そうでない場合は悲劇だ。高齢
者の犯罪が増えてきているのも理解できる。

5年後には団塊世代も65歳となり、高齢者の仲間入りする。この世代は数も多いし、年
金の支給額も僕ら世代も低いと聞く。「生活支援定額交付金」で高齢者には一律12000
円のほかに8000円の加給があるという。有難いが、こんな一時的な姑息な方策より将来
を見据えた高齢者政策が必要なのではないかー。現在の老人受難時代も、元はといえば、
過去の政治家たちの無策からきている。