「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ムッソリーニのファシストの歌

2010-12-05 07:12:33 | Weblog
10年前に鬼籍入りした親友の夫人から「Giovinezza」の楽譜が送られてきた。「Giovinezza」はイタリアのムッソリ二・ファッススト政権時代の歌で、昭和15年(1940年)日独伊三国同盟が締結された当時、わが国でもよく歌われた。この歌を知っている日本人は、もう後期高齢者のが一部だけだが、僕も何故かメロディだけは覚えていて口ずさむことができる。

親友は大学でイタリア語を専攻、晩年はフィレンツエに居住してイタリア古典文学を研究していたが、大の酒好きで、これがたたって早逝してしまった。彼は酒が入ると、イタリアの民謡とともに「Giovinezza」をよく歌った。まだカラオケがなかった1960年代から70年代にかけての頃だ。

                    Giovinezza
                (Inno del Partito nazionale)
                民族の戦う集団の賛歌

Salve 、Popolo d'Eroi, Salve o Patria immortale! Son rinati i figli tuoi con la fe nell ideale
栄あれ 国民よ 雄々しき 栄あれ 我国よ とこしえの 生れたり 男子は その 抱きて 信念を 理想に

IL valor dei tuoi guerrieri La virtu dei pionieri La vision de I'Alighieri oggi brilla in tutti i cu
武勲と その 武士の 功績や 先駆人の 幻想も 今ぞ 輝く 皆の 心に

この歌はムッソリーニ・ファシスト党の党歌だが、元々は1909年に発表された学生の「別れの歌」で、それがアルプス登山のスキヤーの間で歌われいつのまにか「民族の戦う集団の賛歌」となった。日本ではドイツのヒットラー・ユーゲント(ナチス青年団)の歌とともに当時ラジオから毎日のように流されていた。もう70年も昔のことだ。つくずくと時代の流れを感じる。