「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      日本軍慰霊碑除幕式出席を拒否した大使

2010-12-07 06:53:59 | Weblog
ジャカルタの邦字紙「じゃかるた新聞」に先日、福島の水族館長がLIPI(インドネシア科学院)との共同研究で西パプア州のビアク島海域でシーラカンスの調査をしたという記事が載っていた。結構な話だが、それより僕が気になったのは、調査水域の水深150㍍の海底に大東亜戦争中の航空機が沈んでいたのを発見、その写真が掲載されていた。ビアク島は激戦地で1万人もの犠牲者がでている。写真も撃墜された航空機だと思うが、写真説明がいけない。「戦争中シーラカンスもさぞかしうるさかっただろう」と書いてあった。

ちょっと古い話だが、今年の7月、同じ西パプア州のジャヤプーら県当局が、この地で亡くなった日本軍兵士のために慰霊碑を建設、この序幕式に在ジャカルタ日本大使に出席してくれと招請状を出したが、大使から断り状が届き、代理さえ派遣してこなかった、と現地の新聞が報道していた。(http://grabudaya.indonesia) 西パプア州のかっての激戦地には戦後65年も経ったのに、たくさんの遺骨がいぜん放置されたままで毎年日本から遺骨収集団が訪れている。

大使館が除幕式をボイコットした理由は解らない。地元では日本軍兵士の遺骨や遺留品を観光に使用しており、もしかすると、慰霊碑も日本から観光客を呼ぶために建設されたものかもしれない。しかし、現地の住民が犠牲者を痛み、霊をともらう気持ちで建ててくれたものかもしれない。北九州の水巻町には戦争中炭鉱で亡くなった和蘭軍捕虜のために町民が建てた慰霊塔があるが、ここへは毎年東京の和蘭大使館から代表が来てお参りしている。

戦争を知らない世代が日本の人口の多数を占め仕方がないのかもしれないが、かって国のため犠牲になった多勢の先人たちがいたことを忘れて貰いたくないものだ。戦跡だった地を訪れるさいには、お線香ぐらい持参する気持ちを持って欲しい。