「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         インク漏れしたボールペンと鉛筆

2010-12-21 07:02:03 | Weblog
このブログを書くのに僕は毎日「jetstream」というブランドのボールペンを使っている。長年の習慣で直接パソコンへ原稿を打ち込めないため、100円ショップで買ってきた「雑記帖」に「jerstream」で草稿を書き、キーを叩きながら少し手直してゆくのが日課である。

「jetstream」は実に書き心地のよいボールペンだが、半世紀前、僕が初めて使ったころのボールペンはインク漏れがした劣悪なものだった。昭和23年、大学に入學、講義をボールペンでとったが、指先や手の甲が漏れたインクで真っ青になったのを記憶している。ウイキペディアによると、ボールペンは昭和18年(1943年)にハンガリー系の米国のジャナーリストによって発明されたとある。日本では恐らく進駐軍によってもたらされたものだろう。たしかに戦前はなかった。

新聞記者という職業がら現役時代はもっぱら鉛筆だった。もちろんIT以前の時代で普通は罫(けい)のないざら紙の原稿用紙の上に4Bの鉛筆で書きなぐるように書いた。締切り後の"追っかけ”用の原稿は文選工が何人かで早く拾い易くするため小さな用紙に書いたものだ。これも、もう半世紀以上前の昔の話だ。

あの時代の作家はます目の400字詰めの原稿用紙を使用していた。そして、ボールペンはなく、万年筆を使用していた。僕らも日常生活で役所に提出する書類などはボールペンではなく、万年筆かペンを使用していた。今は、もう万年筆を使用する人はほとんどいなくなった。また、鉛筆も学校以外では使用されない。わが家には鉛筆は一本もない。