「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      インドネシア女性ジャーナリストからメール

2010-12-12 07:40:58 | Weblog
インドネシア女性ジャーナリスト、トゥティ・カキラウタウさんから先日メールを頂戴した。トゥティさんは44年前、僕が新聞社の特派員としてジャカルタに勤務していた時、いろいろ仕事を手伝ってくれた仲だ。1980年、一度ジャカルタを訪れたさい、会っているが、それ以来お互いに音信がとだえていた。

僕は1966年3月から67年7月までインドネシアに滞在したが、この時代は65年9月30日のクーデター未遂事件から始まって政権が初代大統領のスカルノから二代目のスハルト少将(当時)に委譲された時期で、国中が大荒れに荒れていた。当時僕はインドネシア語もできず、土地の事情もわからず、知合ったトゥティさんに大変お世話になった。

僕がトゥティさんに感謝している一つは、中部ジャワ旅行中に「ブンガワン・ソロ」の作詞作曲歌手のゲサン(Gesang)(故人)を紹介してくれたことだ。「ブンガワン・ソロ」は戦争中、日本の兵隊を中心に歌われ、戦後、藤山一郎によって紹介されて大ヒットしたが、一般にはジャワ民謡とされ小学校の教科書にもそう書かれていた。日本人がゲサンの存在を知ったのは、この時僕が東京に送った記事が最初だ。

メールによると、トゥティさんは長年勤めていた雑誌「Tempo」を辞めジョクジャカルタのガジャマダ大学で歴史の学位をとるため勉強中だという。彼女は1937年生まれだからもう73歳である。インドネシアは日本に比べて短命なのだが、彼女は元気である。僕は早速彼女にメールをかえし、”Hidup Sehat Hidup Bahagia”という言葉で結んだ。インドネシア語で「健康は最大の幸せ」という意味である。