「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      日本人の宿泊を断った英植民地時代のホテル

2010-12-16 07:28:17 | Weblog
昨夕、招かれてアラビア海(ペルシャ湾)湾岸の島国、バーレーンの独立パーテイに出席した。48年前の1962年11月、新聞社の移動特派員として、この国を訪れ僅か1週間滞在しただけの縁なのだが、アラブの人たちは本当に一期一会を大切にし、心が暖かい。会場の帝国ホテルの大宴会場は招待客で一杯だった。

僕らがバーレーンを取材した時、まだ独立前、英国の保護領であった。ビザの取得が難しく、わざわざロンドンまで出かけた。やっと入国が許可になったが、隣接するドバイなどに比較して、国内のインフラ整備はある程度すすんでいて、高層ビルこそなかったが、立派なホテルがあった。しかし、僕らはこのホテルの宿泊を断られた。泊まったのは二階建ての現地人が宿泊する小さなホテルだった。帰国の途次、香港に立ち寄ったが、ここもぺ二シュラホテルは日本人の宿泊は出来なかった。僅か半世紀前の話である。

帝国ホテルの宴会は、大変なご馳走だった。以前はイスラム国のパーテイはアルコール抜きが多かったが、昨夕の宴席にはワインがで出ていた。半世紀前、僕らが首都マナーマにお世話になった時代は、一切アルコール類はなかった。僕は毎日"セブンアップ”でむなしい夕食だったことを覚えている。

バーレーンはかってのベイルートに代わって中東の金融センターとして発展している。写真を見ると、マナーマ市内には超高層ビルも建ち、日本から観光客も訪れている。アラビアのお茶をご馳走になりながら、つくずく時の流れを実感した一夜であった。