「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             東京のパワー・スポット

2010-12-22 07:14:20 | Weblog
伊勢神宮(内宮・外宮)の年間参拝者数が今年はすでに860万人を越えた。これは過去最高の記録だという。これまでの記録は1973年で、この年は20年に一度の式年遷宮の年だったが、今年はそうではない。昨年に比べても7・7%という伸びようだ。その背景には若者を中心にしたパワー・スポットの”ご利益”があるようだ。

パワー・スポットという僕ら年寄りには聞きなれない言葉だが、現代の世相を反映してかなにか神聖な場所からエネルギーやパワーを貰おうというのがブームなのだそうだ。ネット情報によると、ホテルやレストランなみに効果がありそうな順に五つ星から一つ星まで300近くのパワー・スポットがある。誰がどのような基準で選ぶのか判らないが、五つ星のスポットの一つ京都の鞍馬寺の本殿の前の石には休日には行列ができるほどだという。

東京のパワー・スポットはどこなのか調べてみたら五つ星は明治神宮の境内にある清正の井戸だという。80年近く東京に住んでいても、僕はこの井戸に行ったことはない。加藤清正に関係があるのかどうか寡聞にしt知らないが、こんこんと湧き出る井戸にパワーを感じるらしい。明治神宮に近い原宿の東郷神社も二つ星ながら入っていた。日露戦争の日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を破った東郷平八郎元帥を祭主にした神社だが、元帥の勝運にパワーがあるとのことだ。

同じ日露戦争の勇将、乃木希典大将夫妻を祀った乃木神社も赤坂にあるが、ここはパワー・スポットに入っていない。乃木大将夫妻は明治天皇のご逝去のあと、殉死されておられるが、現代の若者にはあまりパワーを感じないのかもしれない。一過性の流行だと思うが、神社仏閣にとっては、思わぬご利益である。