「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

風物詩でなくなった「赤い羽根募金」

2016-10-02 05:59:18 | 2012・1・1
NHKのアナウンサーの胸に赤い羽根が飾られ、今年も共同募金が始まったのを知った。いつの頃までであっただろうか、10月1日になると毎年、全国津々浦々、駅前や盛り場に赤い羽根を入れた箱を首からさげ、学校の生徒たちが、街行く人に募金を呼び掛け、それが、秋を告げる風物詩にもなっていた。それが、最近は見られなくなった。

「赤い羽根募金」の正式名は”Community Chest"といい、元々は1918年、米国の民間団体が始めた貧者への募金活動で、募金者の胸(Chest)に赤い羽根をつけたのが始まりだそうだが、日本では昭和22年(1947年)GHQ(連合軍総司令部)の発案で戦災者救済のために始まった。僕も大学近くの駅前に立って募金したのを憶えている。

この共同募金が平成7年をピークに毎年、前年比3-4パーセント減り始めているという。原因は色々考えられるが、やはり、その第一は主催団体の募金使途のPR不足が細大の原因であろう。はっきりと何に使われたか判らなければ、誰もすすんで募金はしない。最近は主として市町村を通じて募金が行われており、わが町では回覧板に募金袋がそえられ回ってくる。

共同募金だけではなく、昔は学校を通じての社会奉仕が多かった。敗戦の年の昭和20年10月、当時旧制中学3年生だった僕らは東京の第一京浜国道の焼跡整理に動員されている。先日の東北豪雨だったと思うが、中学の生徒たちが自主的に被災者の救護活動をしていたが、自然災害時などには、学業を一時休んでも、子供たちの目を社会に向けさせる意味で、奉仕活動に従事させるべきである。