「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ドゥテルテ比大統領訪日を前に(3)友好親善の歴史

2016-10-23 06:07:43 | 2012・1・1
在日フィリピン人の数は中国、韓国に次いで多い(23万人)が、残念ながら日本人の対フィリピン感情は今一つである。とくに僕ら戦中派にとっては、さきの戦争中、フィリピンで45万人もの犠牲者が出ており、フィリピンのゲリラ兵の抵抗が激しかったという印象が強く残っているからかもしれない。それに戦後の連合軍裁判も影響している。

しかし、歴史を紐解くと日比の歴史は大河ドラマ「黄金の日々」の呂宋助左衛門やキリシタン大名高山右近の時代まで遡れるし、特に近現代史でのフィリンピン独立時のわが国の隠れた独立支援はあまり知られていないが大きい。例えば、東京のど真ん中の日比谷公園には二つも日比友好の碑が建っている。一つはフィリピン独立の父と言われるホセ.リサール(1861-96)が東京滞在中宿泊していたホテル跡に記念碑がある。もう一つは戦争中、モンテンルパの刑務所に収容中の”戦犯”千人を恩赦した当時のキリノ大統領への顕彰碑だ。このほか、米比戦争の英雄で、フィリピン陸軍の父といわれるリカルテ将軍(1866-1945)の胸像が、将軍が亡命中住んでいた家の近くの横浜の山下公園内に建ってある。さらに千葉県銚子市の”地球が丸く見える”岬の公園内にも右近、リカルテ、キリノの顕彰碑がある。

ドゥテルテ大統領は、これらの友好親善像おあることをご存知だろうか。短い公式訪問だが、出来れば日比谷公園の二つの碑を訪れ花束を贈られたらどうだろうか。日比両国の友好親善を深めるための演出効果は十分である。”暴言”のイメージを覆すのにも役立つものと思うのだが。