Martha Argerich - Octaves
マウリツイオ・ポッリーニ全盛の時代にもうひとりの天才がいて、それが女流ピアニストのアルゲリッチ。
女流ピアニストというと「繊細な」ように言われるが、私の親しいピアニストは、「男性ピアニストのほうがずっと繊細でピアノのテクニックもすごい。音も男性ピアニストのほうが美しい」と言う。
その人も女流ピアニストなのに。
ところが、アルゲリッチは違った。
男性ピアニストよりスケールが大きく、激しく、そして音も美しい。
彼女の腕は男性のように太く、そして性格は奔放である。
また、大変な美貌で、岩城宏之氏(指揮者)の本によると、ある演奏会場では楽屋がひとつしかなくて、交代で使ったのだけれど相手は女性、きっと化粧時間などが長いんだろうなと
思っていたら5分もしないうちに「はい、どうぞ」って出てきたという。
ハンドバックとはとてもいえない「袋」ひとつが荷物で、その袋の中からドレスをパッと
出して空中ではたいてしわを伸ばし、頭からかぶる。
お化粧は一切しない、「本当の美女とはそういうものか」と感心したそうだ。
この動画は右手のオクターブで旋律を弾く、男性ピアニストでも困難なことをササッとやってのける凄腕のところを集めたもの。
この超人的な技巧の上に素晴らしい音楽を繰り広げ、聴衆を魅了してしまう。
ステージまで歩く姿は浜辺をサンダルばきで何気なく歩く姿、と称えられた。
彼女はミケランジェリに師事したが「何も教えてくれず、卓球ばかりさせられたわ」と笑っていた。
私はアルゲリッチとポッリーニのショパンやリストを両方聴き比べたが、どちらも遜色なく
「本物の天才」を聴く醍醐味を味わった。
アルゲリッチは若いころは「鍵盤上のマリア・カラス」と称賛されたが、今はすっかり
老女となり、長い髪はそのまま真っ白になり、それも染めずに平気でステージに出てくるところなど、飾るのが大嫌いなアルゲリッチらしい。
「奔放」な魅力のあるアルゲリッチ、そして「深遠な」ポッリーニ、どちらも好きなピアニストである。
Martha Argerich - CHOPIN 24 Preludi Op 28 - 24/24
・・・ショパン「24の前奏曲」より24番
マウリツイオ・ポッリーニ全盛の時代にもうひとりの天才がいて、それが女流ピアニストのアルゲリッチ。
女流ピアニストというと「繊細な」ように言われるが、私の親しいピアニストは、「男性ピアニストのほうがずっと繊細でピアノのテクニックもすごい。音も男性ピアニストのほうが美しい」と言う。
その人も女流ピアニストなのに。
ところが、アルゲリッチは違った。
男性ピアニストよりスケールが大きく、激しく、そして音も美しい。
彼女の腕は男性のように太く、そして性格は奔放である。
また、大変な美貌で、岩城宏之氏(指揮者)の本によると、ある演奏会場では楽屋がひとつしかなくて、交代で使ったのだけれど相手は女性、きっと化粧時間などが長いんだろうなと
思っていたら5分もしないうちに「はい、どうぞ」って出てきたという。
ハンドバックとはとてもいえない「袋」ひとつが荷物で、その袋の中からドレスをパッと
出して空中ではたいてしわを伸ばし、頭からかぶる。
お化粧は一切しない、「本当の美女とはそういうものか」と感心したそうだ。
この動画は右手のオクターブで旋律を弾く、男性ピアニストでも困難なことをササッとやってのける凄腕のところを集めたもの。
この超人的な技巧の上に素晴らしい音楽を繰り広げ、聴衆を魅了してしまう。
ステージまで歩く姿は浜辺をサンダルばきで何気なく歩く姿、と称えられた。
彼女はミケランジェリに師事したが「何も教えてくれず、卓球ばかりさせられたわ」と笑っていた。
私はアルゲリッチとポッリーニのショパンやリストを両方聴き比べたが、どちらも遜色なく
「本物の天才」を聴く醍醐味を味わった。
アルゲリッチは若いころは「鍵盤上のマリア・カラス」と称賛されたが、今はすっかり
老女となり、長い髪はそのまま真っ白になり、それも染めずに平気でステージに出てくるところなど、飾るのが大嫌いなアルゲリッチらしい。
「奔放」な魅力のあるアルゲリッチ、そして「深遠な」ポッリーニ、どちらも好きなピアニストである。
Martha Argerich - CHOPIN 24 Preludi Op 28 - 24/24
・・・ショパン「24の前奏曲」より24番