ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ヴェルディ『ドン・カルロ』(シラー原作の歴史劇)をスペイン皇帝フェリーぺ二世を中心に聴く。

2015年03月09日 | オペラ
  
★ 前回のワーグナー『ニーベルンゲンの指輪』(四部作)に続き、ワーグナーと同年生まれで、イタリアの巨星ヴェルディのオペラ『ドン・カルロ』を、フェリーぺ二世の側から取り上げてみた。
「無敵艦隊」を誇り、世界に冠たる強大なスペインの内幕を描いたものである。

リッカルド・ムーティ指揮、ミラノスカラ、歌手はドン・カルロにパヴァロッティ。

Don Carlo ( Parte 10 de 17 )

・・・5分30秒あたりから皇子ドン・カルロの反逆が・・・

王宮前の広場、フランドルからの使者がスペイン皇帝、フィリッポ(フェリーぺ)二世に、フランドル侵攻を思い留まるよう願い出るが聞き入れられない。フランドルに以前から同情していた皇子ドン・カルロは、ついに父である皇帝に剣を抜く。
驚く人々、しかし誰も皇子ドン・カルロを取り押さえる者はない。
皇帝は自ら剣を抜くが、その時、ポーザ候ロドリーゴが皇子に剣を差し出すよう求める。
ロドリーゴは皇子の学友であり無二の親友でフランドル解放の同志でもあった。
また皇帝の苦悩も察していた、皇帝は「この宮廷で唯一の男」とまで信頼していたのがロドリーゴであった。
絶望する皇子ドン・カルロ、そして新教徒の刑は実施され、天からは祈りの声(ソプラノ)が聴こえる。


Don Carlo ( Parte 12 de 17 )

悩んだ皇帝は、ローマカトリックの異端宗教裁判の大審問官を招く。
自分に反逆した皇子をどうすればいいかと問う。
「世がおさまるために私はわが子を犠牲にできるのか、自然な愛情が・・・私はキリスト教徒だが」

大審問官は「神も御子キリストを犠牲にされた」と冷たく答える。
そしてさらに皇帝に詰め寄る。
大審問官「スペインは異端が支配したことはない。その首謀者に比べると皇子などたいしたことはない。真の敵は皇帝が心を許している者だ。(ポーザ候ロドリーゴのことを指す)」

皇帝は「この宮廷でやっと見つけた心を許す友だ。」
大審問官「その弱い手でローマカトリックの支配を壊すつもりか! ポーザ候ロドリーゴを引き渡すのじゃ!」
皇帝「それはできない、断る!」

大審問官「ここでの話でなくてはそなたも異端裁判所に明日でも呼ばれることになろう」
皇帝「なんという厳しいことを。私は苦しんでいる」
大審問官「私はすでに二人の皇帝の戴冠式を執り行った。そなたは強大になったこの国を滅ぼすつもりか、愚か者めが!」
皇帝「どうぞ平和を!」・・・・

そして大審問官は去り、皇帝は嘆く。「ああ、王冠は祭壇の前にひざまずかねばならないのか・・・」


★ シラーの原作をオペラに作曲したヴェルディ、このオペラはスペインでは上演禁止になったが、ローマカトリックの権威とフランドルでの新教徒弾圧を描いた歴史劇であり、実在の人物が登場している。
味わい深く、素晴らしいオペラである。
今回は皇帝フィリッポ二世(フェリーぺ二世)を中心に取り上げたが、ヴェルディのオペラはどの登場人物にも光を当てていて実に見事、ワーグナーに対し、オペラの巨星はヴェルディを置いてはない。


★ 明日はヴェルディやシラーが最も愛した憂国の士ポーザ候ロドリーゴ、そしてフェリーぺ二世(イタリア語読みではフィリッポ二世)の妃、エリザベッタ、など終幕をとりあげる予定です。

ロドリーゴはやはりカップッチッリが望ましい。活躍の時代が違うので仕方ないけれど、ここのロドリーゴ役のコーニも素晴らしい。


コメント (4)
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三宅博前衆議院議員の「週刊新潮」ケネディ・辻元清美の件・宮崎正弘氏のチャイナ内部事情

2015年03月09日 | 政治

★ 三宅博前衆議院議員のサイトのお知らせ

「週刊新潮 辻元清美代議士に目を掛けるケネディ大使に唖然とする」を読んで。
http://blog.goo.ne.jp/yaonomiyake/e/c2fb02cdbed4edb1025279464a49c447





★ 昨日配信された「時事通信」、気になる記事だったが、チャイナ内部の事情を書いた宮崎正弘氏のメルマガを読んだ。
まず、時事通信の記事から。


首相の招待排除せず=抗日70年行事「誠意あれば歓迎」―歴史認識でけん制・中国
時事通信 3月8日(日)12時14分配信

 【北京時事】中国の王毅外相は8日、全国人民代表大会(全人代=国会)開催中の北京で記者会見した。
王外相はこの中で抗日戦争勝利70年の記念行事に安倍晋三首相を招待するかについて「あらゆる関係国家の指導者らを招待する」と前置きした上で、「誰であろうが、誠意をもって来ればわれわれは歓迎する」と述べ、可能性を排除しなかった。

 記念行事は、共産党・政府が抗日戦勝記念日に定める9月3日に合わせて北京で開催。習近平国家主席が就任して初の軍事パレードと閲兵式が行われ、ロシアのプーチン大統領らが出席する予定のほか、オバマ米大統領の招待も検討しているとされる。

 王外相は名指しこそしなかったが、安倍首相の歴史認識を強くけん制。
昔の外交官の言葉を引用して「加害者がその責任を忘れなければ、被害者が受けた傷は癒やされる」と述べた。
さらに「70年前に日本は敗戦したが、70年後に日本は再び、良識を捨ててはいけない」と強調。
「歴史の重荷を背負い続けるか、過去をきっぱりと断ち切るか、最終的には日本が選択しなければならない」と主張した。
 安倍首相が終戦70年に合わせて発表する「安倍談話」で、「植民地支配と侵略」を謝罪した「村山談話」などを継承するよう中国政府の要求として求めた形だ。

 一方、王外相は、冷却化する中朝関係に関して「しっかりした基礎があり、一時や一つのことで影響を受けない」と指摘した。また「関係の正常な発展に努力している」と強調した。ただ、いまだに実現していない金正恩第1書記と習主席の首脳会談に関しては「まだ双方の都合を見なければならない」と述べ、見通しが立っていないことを明らかにした。(以上)


★ そこで今朝着いた宮崎正弘氏のメルマガには「王毅」外相の中国共産党内でのことが書かれていた。
 
~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)3月9日(月曜日)弐
   通巻第4483号  
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 王毅外相がまたも日本に「反省が足りない」などと強硬発言
  王毅は降格か左遷のおそれあり、反日強硬派のポーズは党内の生き残りを賭けて

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 2015年3月8日、全人代最終日に記者会見に臨んだ王毅外相は、日本に対して「日本は70年前に戦争に負けた。胸に手を当てて誠実に反省しているのか」などと、強硬な姿勢を崩さなかった。
これはNHK北京総局の記者(中国人)の質問「軍事パレードに日本の首相も招待をするのか」に答えたおり、「誠意ある国はどこでも招待する」としたもの。

 しかし多くの問題がつきまとう。
 第一に王毅外相の発言が中国国内の政治において、どれほどの重みを持つのか。王は党内序列が低く、先輩格の楊潔チ前外相(現在国務委員)にはるかに及ばず、しかも次の党大会で国務委員になれないだろうと言われる。つまり彼が何を言おうと報道する価値は低いのである。
 王発言は党内上位に向けての胡麻すり発言でしかないからだ。

 第二に最近、王毅の周囲に起きている血みどろの政争である。
 失脚直前の令計画が党内理論誌『求是』に論文を書いて、16カ所も「習近平への忠誠が重要だ」などと胡麻をすっていたように、日本通の王毅は、それゆえにこそ党内の空気を読んで強い反日を示す政治的理由がある。
 
 先週も或る北京の事情通と話し込んだ折、王毅の微妙な立ち位置に関してのインサイダー情報を得た。王が日本駐在大使のおり、右腕として仕え、日本のマスコミの中国報道をウォッチしていた馬継生が夫人とともに『重大な規律違反』として拘束された。馬は日本勤務のあと外交部報道副部長からアイスランド大使に転任していたが、スパイ容疑を問われたという。

 また王毅が日本大使赴任中に公使参事官だった湯本淵も、14年秋に失脚したほか、中国外交部では数人がスパイ容疑として姿を消している。習近平は王毅を嫌っているという情報も飛び交っている。


★ そして宮崎正弘氏が書いた「書評」をどうぞ。             
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 
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 専守防衛は我が肇国のいにしえよりの伝統、国体の蘇生が急務
   歴史戦に勝つ前提は日本人自身が我が国の国柄を知ることである

  ♪
馬渕睦夫『日本「国体」の真実』(ビジネス社)
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 本書の正式のタイトルはちょっと長くて『政治・経済・信仰から読み解く 日本「国体」の真実』である。 
 要点は中国、韓国、そして米国から仕掛けられた歴史戦を克服するには日本人自らが悠久無比の歴史を振り返り、我が国の国体の意味を再発見することであり、海外からやってきた亜流の似非思想とは一日も早く訣別するべきと説く快著である。
 我が国の国柄は三権分立という近代の法解釈でも、まして欧米が好む二大政党でもなく、古代より二権分立だった。
つまり日本では「権力」と「権威」は棲み分けがされていたと分析・解説され、諸外国やキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の一神教なるものはフィクションでしかないことを同時に喝破される。
 したがって歴史認識とは、日本の歴史の検証である。
 日本は古事記のいにしえより、「専守防衛」が国是であり、「軍隊がまもるべき土地は高天原の神々が生み出された我が国土に限定されている」(68p)。
しからば征韓論と日清戦争はなぜと問えば、
 「征韓論は韓国を独立させるための方法についての日本政府内部の議論であって、韓国を侵略して我が国土に加える目的ではなかった」
「日清戦争も韓国の独立を容認しない清と闘ったもので清国を領有する目的はなかった」のである。
『二大政党』がミンシュシュギの手本のごとく言われるのは『単純な外国礼賛』であり、『自国の政治形態の歴史をよく検討せずに、アメリカやイギリスでは二大政党による政権交代が行われているから、日本も政権交代が可能な二大政党制にするべきだという、憧れだけの議論』でしかないのである。
いざ日本で『政権交代』が実現し、民主党が政権を握るや、日本はどん底に墜ちた。だから朝日新聞の叫んだ二大政党による政権交代はあだ花だった。
 このほか、本書の枝葉の部分では世界を覆うグローバリズムの欺瞞を鋭く批判している。
 対比的に二宮尊?、石田梅岩、鈴木正三ら、日本の経済思想家が比較検証される。
アイン・ランドという完璧な自由主義経済を提唱した女性思想家に関しても、日本では無名だが、欧米に与えた深甚な影響力に関して言及がある。アインは過激な自由思想を説いたロシア系作家で、日本でも『水源』『肩をすくめるアトラス』『利己主義という気概』の三冊が翻訳されている。とくに『水源』はFRB議長だったアラングリーンスパンらに大きな影響を与えた。
著者の馬渕氏は、これら怪しげなグローバリズムの弊害が現在の日本経済をいかにいびつなものとしているかを批判しているが、その思想的源流をフリードマンなどではなくアイン・ランドにまで言及している点もユニークである。
本書の結論はすでに冒頭部分にある。
 すなわち「日本を守る闘いに勝つためには、私たちは日本自身を知ることが求められて」おり、それには「日本の国柄を知ること」、「わが国体を蘇らせることで」ある。


★ 続いて興味深いことが書かれている。「読者の声」に答えたものである。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前々号の記事でタイトルに「習近平訪英で中国は英国から謝罪をとるか」という惹句がありましたが、本分中に該当する記事解説がありませんでした。
 英国が謝罪するとは、いかなることでしょう?
  (JJセブン)


宮崎正弘のコメント)先の李克強首相のロンドン訪問では中国のごり押しにまけて、エリザベス女王が、格下どころか元首でもない中国首相に会いました。英国の外交史上、屈辱的な出来事でしょう。
「鐵の宰相」といわれたサッチャーは香港返還交渉で、九龍半島の99年租借地だけの返還を考えていたのですが、香港島まで返還せざるを得ない状態となった。トウ小平の剣幕に負けて、階段で転んだというエピソードもあります。

 もとより清にアヘン戦争を仕掛け、搾取するだけ搾り取ったのは英国であり、中国人の英国への恨みには深いものがあります。
あれほど米帝国主義打倒と言っていた中国が一夜にして親米となり、近年は米国をしのぐ世界覇権を主唱し、英国なんぞ相手ではないと言わんばかりの傲慢さ。さきの香港の雨傘革命に隠れましたが、「一国両制度を半世紀は守る」とし英国との固い約束も簡単に反故にするほど中国は挑発的です。いや、ナショナリスティックすぎる、危険な中国となったと認識しているのが現在の欧米でしよう。
 謂わば腹立たしい限りの中国の国家元首が、近くロンドンにやってくるということは、英国が、今度は中国の属国化することにもなり、習近平のロンドン訪問時の言動に注目です。


★ では気になる書評をもうひとつ。

まさに戦後日本人をここまで堕落させた米国の陰謀の本質
  WGIPが日本人を洗脳する計画の指令書だった

  ♪
関野道夫『日本人を狂わせた洗脳工作』(自由社ブックレット)
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 GHQが戦後おこなった言論統制の実態は、歴史ならびに道徳教育の禁止、憲法の押しつけと「太平洋戦争史観」の強要、そして日本人を永遠に馬鹿に留め置くために自虐史観の教育現場での展開だった。
 GHQは日本人の七千万人をキリスト教徒に改宗させられると見込んで特別チームを設立したが、この読みは見事に外れた。
あとは概ねうまくいった。
 江藤淳が『閉ざされた言語空間』でそのGHQの闇をえぐった。しかし江藤もアメリカにいて、根源の文書は発見できなかった。

 それが出てきた。
 洗脳工作の具体的指令書は(WAR GUILT INFOMARTION PROGRAM)と呼ばれ、通称=WGIP。極秘文書として夥しい関連資料ファイルのなかに混ざっていた。
 このWGIPの成果は、戦後日本の、ふぬけのような精神の堕落、武士道精神の喪失、教育の腐敗、メディアの無自覚的な傲慢と主知主義、そして唐変木な政治家の夥しい登場に象徴的に顕現されている。
 米国の洗脳工作は大成功を収めたのである。
 国家安全保障や外交をめぐっても、国会で常識外れの議論をしているが、それが国際常識にかなっていないという現実にも気がつかない輩が、我が国の国会議員の大半を占める。
メディアの90%が洗脳教育をうけてきた「疑似エリート」だから、ブンヤの書いている歴史認識は根本的に可笑しい。根本が腐っているのだ。
つまりアメリカの言うことを鵜呑みにするマスコミ人と教育家と議会関係者、ひいては官僚を大量に生み出した。取り返しの付かない状況がやってきた、笑いの止まらないアメリカという図式だろう。
このように自国のただしい歴史を認識できずにいる日本に対して中国と韓国が連合して日本を貶めるキャンペーンを仕掛けてきた。
歴史戦の決戦場がやってきた。

黒幕は米国である。
その目的は日本人に自虐史観を固定化し、日本をふたたび立ち上がらせないようにする世紀の陰謀=洗脳工作だが、その根源にあるのが、このWGIPであり、その証拠書類がでたのだ。
著者の関野道夫氏は執念深く、あちこちを尋ね歩き、とうとうGHQの指令文書を見つけ出した。動かぬ証拠がでたのである。
執筆の動機を関野道夫氏はこう語る。
「諸悪の根源にあるのは、東京裁判史観(何でも日本が悪く、戦勝国は過ちを犯さなかったという思想)だと考えてきました。しかし、それだけでは説明がつかない、もっと悪辣な何かがあるのではないか、と思いつきました。それを突き止めずに、モグラ叩きのように一つ一つ対応しているだけでは、シジフォスの石と同じで不毛の努力」ではないのか、と。
そして関野道夫氏は関係者の参考文献などから、アタリをつけて研究者、国会図書館へ、関連図書館へ通い、ついに世紀の謀略文書の存在を突き止めた。その執念と彼をそこまで突き動かした原動力は不正義への挑戦であり、歴史家としての義務でもあった。
ふと文著の中に著者の父親が軍事評論家とあった箇所をよんで、「あの関野英夫氏のご子息か」とすべてが氷解した。関野英夫氏は海軍出身で夥しい国防関連の翻訳などがあるが、評者(宮崎)も学生時代に何回か講演を聴いた経験もある。
本書はなによりも多くの国民に読んで貰う必要がありブックレット形式、廉価。関係者は大量に購入されて、関係機関や友人知人に配布されたし。

ISBN978-4-915237-80-5
自由社の電話(03)5981-9170
FAX   (03)5981-9171


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