★ ヴェルディ「ルイザ・ミラー」から≪穏やかな夜には≫
Giacomo Lauri-Volpi "Quando le sere al placido" Luisa Miller
★ 1951年録音、名歌手ジャコモ・ラウリ=ヴォルピ59歳の時の録音、ヴェルディのオペラ「ルイザ・ミラー」から≪穏やかな夜には≫のアリアである。
まだ戦後復興などほど遠いころのイタリアであった。(ヴィットリオ・デ・シーカの映画「自転車泥棒」は1948年)
これがヴェルディだ、まぎれもなくヴェルディの唱法である。
誇り高くスタイリッシュで情熱的だ。
彼は80代まで歌っていて、その時にすでに世界的になっていたフランコ・コレッリやカルロ・ベルゴンツイがレッスンを受けに来た。ヴェルディ声というのがあって、この声を持たないとヴェルディを歌ってはいけないとイタリアでは言われてきて厳しく守られてきたが、今はポピュリズムに音楽の基本はどこかに流されてしまった。
時間をかけてじっくりと基礎基本を教える教師も、我慢強く勉強する若手も今は昔。
★ コレッリやベルゴンツイより一時代前の名テノーレ、マリオ・デル・モナコが同じ曲を歌う。
1952年、ローマで録音。デル・モナコ37歳であった。
軍隊から帰り、厳しい生活の中でオペラを歌ったが、一日の食事は茹で卵一個だったこともあるという。
Mario del Monaco "Quando le sere al placido" Luisa Miller