★ 男の嫉妬というのは女の嫉妬など到底及ばない恐ろしいものである、と知った。
あのローマ末期、ローマ皇帝とローマ教皇に妨害されながら、全ヨーロッパを支配した覇王アッティラを撃退したエツイオ、
そしてそれよりはるかに前になるが、ローマがまだ初期の不安定な頃、元老院の無理解や嫉妬の中で、大国カルタゴの天才ハンニバルの大軍を撃退したスキピオ、しばらくその余韻に浸っていた。
以前私はスキピオについてこのように書いた。
>孤高のハンニバルに対し、人なつこく陽気なスキピオはその人間的魅力で敵をも懐柔していく。
ハンニバルはスキピオに破れ、勝利したスキピオはなんとローマの政敵である「カトー」に公金横領という無実の罪をかぶせられることになる。
ここの塩野七生氏の書いた描写など素晴らしい。
スキピオは「今日は私がハンニバルとカルタゴ軍を撃破した15年目の同じ日である。このような記念すべき日には争いや反発はひとまず忘れ、神々に感謝を捧げることで全員が心をひとつにするように・・・あの戦役を戦ったすべてのローマ市民に、祖国ローマの自由と安全のために力を尽くす機会を恵んでくれたことを感謝していきたい。・・・」
これを聴いた人々はスキピオに従って会場を後にした。
その場に残ったのは護民官ふたりとスキピオを訴えた「カトー」だけだった。
また後日、若い議員のグラックスが発言を求めた。人々はみなグラックスがスキピオを非難するのだと思った。
だがグラックスは元老院議員たちに「このやりかたはスキピオへの名誉を汚す以上にローマ市民の名誉を汚すことになる」、と言った。
スキピオ弾劾は中止になった。(以上)
★ しかしスキピオはローマをあとにする。許しがたいものを感じたと思う。スキピオが無実だったのは後に明らかにされたが。
ヘンデルが「スキピオ・マーチ」を作曲していた。
エツイオについてはヴェルディがその壮大なオペラ「アッティラ」で不滅の栄光を与えた。
偉大な作曲家は彼らの名誉を護った、と思う。
・・・各名画はクリックで拡大でご覧になれます。
★ ヘンデル作曲「スキピオ・マーチ」(写真の人物はヘンデル)
March from Scipione - George Friederich Häendel
・・・この「スキピオ・マーチ」は三宅博先生に。
そしてイタリアの国歌に「スキピオ」の名が歌われている。
次の動画に歌詞の和訳があるが、「シピオの兜」というのは「スキピオの兜」であり、
「ビットリヤー」という勝利の女神の正しい呼称は「ヴィットリア」で勝利の意である。
スキピオもヴィットリアも正しくカタカナで書いてほしいと思うが・・・。英語読みの影響かな???
イタリア共和国 国歌「マメーリの賛歌」(Inno di Mameli)日本語訳/National Anthem of Italy
・・・「歌詞はゴッフレード・マメーリ (Goffredo Mameli, 1827年~1849年) によって作詞され、曲はミケーレ・ノヴァーロ (Michele Novaro) によって作曲され、ジュゼッペ・ヴェルディによって編曲(WIKIより)」
・・・日本のスキピオ、三宅博先生。