メルケル首相「難民受け入れは責務」 米副大統領に釘
ミュンヘン=佐藤武嗣、高野弦
2017年2月18日20時27分
ペンス米副大統領とドイツのメルケル首相は18日、ミュンヘン安全保障会議の場で初会談した。両氏は同会議で相次いで講演し、ともに北大西洋条約機構(NATO)の重要性を強調した。ただメルケル首相は「難民受け入れは欧州連合(EU)の責務だ」と語り、トランプ政権の排外的な姿勢を牽制(けんせい)した。
メルケル氏がトランプ政権の要人と会談するのは、これが初めてだ。テロ対策などでの協力強化を確認する見込みだ。
ペンス氏は講演で、「米国はNATOを強力に支援する。大西洋を挟んだ同盟への関与は揺るぎない」とトランプ大統領の方針を説明。欧米関係を深めるという姿勢は新政権でも変わらないと強調した。
またウクライナに対するロシアの軍事介入を批判。ウクライナ東部での停戦合意を定めたミンスク合意の履行を強く求め、「暴力をエスカレートさせない」と強調した。牽制のために、米国が主導力を発揮するとも述べた。
http://www.asahi.com/articles/ASK2L5H4SK2LUHBI01F.html
★ 昨日、当ブログで「高辻知義 東大名誉教授」と評論家の「小川栄太郎」氏の対談のyoutubeをUP,しかしあれでは「ヴァーグナーを知っている人」だけの出し合い話。
そこで私が持っている高辻氏のヴァーグナーのオペラ脚本翻訳をここに取り上げることにした。
ヴァーグナーの考えの本質はこれです。(以下参照)
Die Meistersinger von Nürnberg (final) Bayreuth 1984 ヴァーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
・・・2分50秒からの場面の歌詞に、高辻知義氏の和訳を付けてみました。
ハンス・ザックス(靴屋の親方)の歌詞・・・「マイスター」は親方の意味です。
気を付けて頂きたい!
私たちを脅かす悪い兆しが見えます!
一旦ドイツの国民と国土が分解すれば、誤った外国かぶれの威厳をかさに着て
王侯はやがて民衆を理解できなくなるでしょう。
そして外国の無価値な悪風を彼らはこのドイツの地に植え付けます。
ドイツのマイスターの名誉に生かされねば、ドイツ的で真正な本質など、誰にも顧みられなくなるでしょう。
ですから申し上げたいのはどうか、ドイツのマイスターを敬いなさい。
それにより良き霊たちを繋ぎ止めることができます。
そしてマイスターの働きに好意を惜しまなければ、たとえ神聖ローマ帝国が霞となって消え失せようとも
神聖なドイツの芸術は変わらず、われらの手に残るでしょう! (以上、高辻氏の和訳・・・youtubeの2分50秒から)
★ 民衆の合唱が親方ハンス・ザックスの言葉を繰り返し、幕となる。
高辻氏の訳はやはり正確で、わかりやすい訳です。
(でもオペラの音楽的な訳には多少の硬さあり。学者の訳なのでしょうね・・・)
主人公ハンス・ザックスはヴァーグナーが言いたいことを語っています。
(作曲家ヴァーグナーは同時に作家でもあり自作のオペラの脚本・歌詞を書いているのです)
しかし・・・ヴァーグナーはこのオペラの金細工師の娘エーファと名門騎士ヴァルターの結婚をハンス・ザックスがまとめる、という筋書きにしています。
金細工師というのはユダヤ人でしょう。ただしこの脚本のどこにも「ユダヤ人」ということは書かれていません。
エーファの父の金細工師も「マイスター(親方)」のひとりなんですから。
「マイスタージンガー」とは「親方歌手」という意味で、庶民出身の親方は伝統的な歌を愛し、それを伝えるための「歌合戦」を開いていたのです。
上の歌を「メルケル」さんはどのように聴くでしょう・・・。
★ ところで私がいつも大笑いするところ、金細工師の娘エーファに横恋慕する役人のベックメッサーが靴屋の親方の店先で(「歌合戦」に優勝してエーファと結婚できるように練習するところ、)夜なので町中の人が「うるさい!」と怒り出してベックメッサーは窮地に。ヴァーグナーのオペラにこんな愉快な場面があるなんて!!
WAGNER: Die Meistersinger von Nurnberg [Arthaus 101273](2分25秒)
★ では「優勝」の歌は若き貴族、ヴァルターです。歌手は現在最高のヴァーグナー歌手、和訳は字幕にでていますが、高辻知義氏の訳ではありません。
訳は大変「音楽的」です。
「マイスタージンガー」 から 優勝の歌 ”朝はばら色に輝き” ベン・ヘップナー
・・・オペラでは青年の役をこのようにベテランの年齢の歌手が歌ってこそ、深みがあり素晴らしいのです。
(この動画はメトロポリタンオペラのコンサートです。)