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時事問題を中心にブログを書く日々です。
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「歴史と法理のはざま~~尖閣史料最新報告」(いしゐのぞむ長崎純心大学准教授)

2019年01月26日 | 政治

「歴史と法理のはざま~~尖閣史料最新報告」(いしゐのぞむ長崎純心大学准教授)

講演ご趣旨
日本政府の公式見解は「尖閣は歴史的にも法的にも固有の領土」。日本の立場の前提は、1895年の閣議決定まで尖閣諸島は無主地であったということにあるが、中国側は史料を元にそれ以前から尖閣諸島は中国の領土であったと主張する。中国側の明清の史料は事実なのか虚偽なのか、日本側の尖閣史料はどんな歴史を描き出すか。近年の研究成果から、主な有力材料を提示し、語りかける。

八重山日報1月23日記事より・・・石井氏は1594年に当時の明が編纂した公式書「籌海重編」(ちゅうかいじゅうへん)を紹介、同書では日本側の朱印船が福建沿岸の東湧(とうゆう、今の馬祖列島)を明の覇権が及ぶ境界線としたことが記録されていた。明は後の1617年にも尖閣諸島より中国寄りの西側に日中の境界線を設定し、日本に通告したことが、当時の文書「皇明実録」で既に知られている。石井氏によると、中国側史料で見られる尖閣諸島に関する最古の資料は、明の使者が琉球の役人の水先案内で尖閣に渡航したことを記す1534年の「使琉球録」。しかし同書ではそもそも台湾北方諸島と尖閣諸島を区別していなかった。その後の史料でも、尖閣諸島らしいとされる「釣魚ショ」を台湾北方諸島の一つとして誤認し続けている。

18世紀に入っても、1756年に琉球に派遣された大使全魁の渡海のさまを描いた清国の「奉使琉球図巻」で、尖閣諸島の位置を中国の国境線より東の琉球側に描いている。

一方、日本の朱印船時代の航路を記録した17世紀末の日本側史料、「按針術」(1696年、天理大学所蔵)には、尖閣諸島への航路が正確に記録されていることも石井氏の調査で新たにわかった。

石井氏は「当時、中国側にはそもそも尖閣諸島に対する認識自体が存在しなかった」と指摘している。

講演会は外務省の連携シンクタンク、日本國際問題研究所が主催した。石井氏は「『按針術』は,縦横両軸で尖閣の位置を捉えた衝撃的史料だ。今日は政府関係者や一流大学研究者ら満席の人々にこれらを披露できて幸いだった。今後も朱印船史料の研究をおおいに進めたい」と話した。(以上、八重山日報記事より https://www.yaeyama-nippo.co.jp/archives/4923 )

 なお、この講演会の前に石井望長崎純心大学准教授はご自身のサイトに次のように書かれている。

 福建の針路本『順風相送』には永樂元年(西暦千四百三年)の序文があるため、チャイナ側はこれを尖閣最古の史料だと主張し、尖閣發見命名の證としてゐる。いつもチャイナ側主張の劈頭に提示されるため近年注目されるやうになった。その虚構は以下五點により破られる。

 〕、書中の下卷に西暦千五百七十年ポルトガル人長崎開港及び千五百七十三年スペイン人マニラ築城が記録されてゐるため、成立年代はそれ以後である。

 〕、書中の總論、上卷、下卷はそれぞれ内容が異なり、呂宋澎湖鷄籠琉球長崎等の東航路を載せるのは下卷だけであり、總論にも載せない。永樂元年の原始形態は總論と上卷だけで成り、西暦千五百七十三年以後に下卷が追加されたと分かる。

 〕、上卷には繩を垂らして海底の泥を取ったり、緯度を計測した記録があるが、下卷には基本的に無い。航法そのものが上下卷で異なる。

 〕、原寫本の上下卷の分卷個所は葉を換へてをり、別の書の合裝だと分かる。

 〕、馬祖列島から鷄籠を經由せずに北方の彭嘉山に直航し、それから釣魚嶼に向かふ航路を載せる。この航路は他のチャイナ側の書に全く記載されず、同じ航路は琉球『指南廣義』にだけ記載される。琉球人の尖閣航路は北寄りだとの記録も歴代ある。琉球人側の尖閣情報が『順風相送』に採用されたと考へられる。

、西暦1981年八月十八日、日本駐英大使館の梅本和義書記官がオックスフォード大學に問合せ、奧原敏雄氏が來館して『順風相送』を閲覽する見込みと申し出る。

、同年秋冬の間、梅本和義書記官がオックスフォード大學に來館し、全本マイクロフィルムを委託作成。奧原敏雄氏自身は來館せず。マイクロフィルムは後に奧原氏、尾崎重義氏の手を經て現笹川財團島嶼資料センター藏。

、西暦1985年、内田晶子論文で上記の〔甲〕につき指摘。活字本にもとづく。内田晶子「向達校注『両種海道針経』中の「順風相送」について--16世紀における中国商船の針路」、南島史学 (25・26), p98-114, 1985-09。
https://ci.nii.ac.jp/naid/40003949839

、〔戊〕の琉球人北寄り航路について、鄙見を平成二十四年(西暦二千十二年)十一月九日の八重山日報が第一面報導。 

、同じく〔戊〕の詳細は、鄙作「尖閣釣魚列島雜説四首、順風相送は琉球人の航路だった」、純心人文研究 (19), pp.220-193, 2013年二月。

https://docs.google.com/file/d/0B2MwcvRggQjpSnJWbkpHZ1ZwTVE/edit

http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10486493 

、〔乙〕〔丙〕〔丁〕につき、鄙作「オックスフォード寫本で新事實、1403年に釣魚嶼なし」、日本會議『日本の息吹』平成二十五年(西暦二千十三年)七月號(六月刊)。『順風相送』寫本フィルムから分卷箇所の書影を掲載。

その後も繰り返し鄙著雜篇で論及してゐる。

、平成二十六年(西暦二千十四年)三月二十一日より、香港海事博物館にてオックスフォード大學と共催「針路藍縷、牛津大學珍藏明代海圖及外銷瓷」特別展覽會、『順風相送』原寫本を展示。

、平成二十六年(西暦二千十四年)四月、オックスフォード大學インターネット頁で『順風相送』原寫本の全本書影を公開。

 、平成二十六年(西暦二千十四年)六月七日八日、香港海事博物館とオックスフォード大學との共催《明代海洋貿易、航海術和水下考古研究新進展》國際學術會議開催。順風相送も議論されるが新論點無し。鄙作についても論及無し。

 10、香港海事博物館刊『針路藍縷』に全本書影を收録。香港中華書局2015年11月13日出版、香港海事博物館2016年1月28日新書發表式典。

 以上の内、平成二十五年(西暦二千十三年)六月の書影フィルムは島嶼資料センターから借して頂いた。深甚の謝意を表したい。八重山日報以外のマスメディアにも大きく報じるやう度々依頼し、記者會見を開くことも求めてゐるが、今まで報導無し。香港と北京の虚構宣傳だけが効を奏し、日本は動かない。いつものことだhttp://senkaku.blog.jp/2019011978790649.html

 
 次のyoutube、大変痛快な石井先生のお話です。

『第13回オックスフォードの古地図でプロパガンダ①』いしゐのぞむ AJER2018.8.30(5)

 
 先生のサイトの解説も何度も「香港」と書かれているが、石井望先生が香港大学にて講演されたことについて書いておきたい。2017年11月の私のブログですが、このように書いています。

★ 以前にも石井望長崎純心大学准教授が香港大学にて講演されたことを当ブログでご紹介しましたが、今回チャンネルAJIERで報告をされています。(下記の動画、とても面白くユーモアたっぷりに話されています)

『石井准教授、香港への道場破り歴史戦報告①』仲村覚 AJER2017.11.9(3)・・・(この動画、チャンネルAJERのyoutubeが何者かに消された時、youtubeでは見ることができなくなっている。今、チャンネルAJERの会員サイトで見ることができます。http://ajer.jp/video/show/ec71dd6d864cf085dd3a9bb75d60cab7 )

なお、チャンネルAJIERにはこの続きもあって、それは「有料動画」になる。私は急遽この続編である動画を視聴した。それは大変感動的でスリリングなお話だった。香港の人たちは約90パーセントがチャイナからの独立を望んでいるが、実際にそれは不可能、また香港大学の首脳部は独立を願う学生たちとは相容れない。そこへ行かれて講演されたのだから、石井先生はその後も学者の精神で正論を仰ったのだが、はたして無事に帰国できるのか、もし拘束などがあればネットで拡散してほしいということをフェイスブックなどでお書きになっていた。いつ帰国されるかというのも《予定通りなのかどうかも)私たちは無事に帰国されるまで不安だった。三宅博夫人やドイツのクライン孝子女史も石井先生のご活躍を期待されるも心配され、無事に帰国されることを願っておられた。(本当によかった!!)

石井先生の勇気ある行動を今の政治家に示したい。またこの続きの有料動画で香港独立についてすごいことを思い切って仰っていて、大変感動した。残念ながらチャンネルAJIERの有料動画なので書けない。書けるときが来たらお知らせしたいと思う。(以上)

 
いしゐのぞむ氏ご略歴
戸籍名石井望。長崎純心大学准教授。昭和41年、東京都生まれ。平成12年、京都大学文学研究科博士課程学修退学。平成13年、長崎総合科学大学講師。21年より現職。担任講義は漢文学等。笹川平和財団島嶼資料センター調査委員。内閣官房委託尖閣資料調査事業特別研究員。著書『尖閣反駁マニュアル百題』(26年集広舍)、論文「大印度小チャイナ説」(霞山会『中国研究論叢』11)、「尖閣海域史辨妄」(長崎純心大『人間文化研究』15)など。史料監修『真実の尖閣史』(石平著、29年扶桑社)。
 

 

 ★ ところでチャンネル桜の下記の「討論」…虚しい思いで聴いた・・・私個人は内容はあまりない・・・と思った。悲しい気持ち。

【討論】自民党とは一体何だったのか? [桜H31/1/26]


パネリスト:
 荒木和博(元民社党本部書記局員・拓殖大学海外事情研究所教授)
 岩田温(政治学者・大和大学政治経済学部専任講師)
 加藤清隆(政治評論家)
 篠原常一郎(元民主党・日本共産党国会議員秘書)
 馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 宮崎正弘(作家・評論家)
司会:水島総

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安倍総理とプーチン大統領、ラブロフ外相と河野外相の「北方領土」交渉、ヨーロッパの現状

2019年01月26日 | 政治

水島総氏がクライン孝子氏との対談の中で「安倍総理はアメリカのトランプ大統領の要請に応じて、ロシアに歩み寄りロシアが中国に近寄らないようにしていてそれが成功している」という話をされていたが、私は中露が接近するのを我が国の「北方領土問題」を餌にしてする問題ではないと思っている。この件で水島氏の意見について、もしそうなら日本国民として大変な屈辱を感じる。

クライン孝子女史のイタリア・ドイツのお話はヨーロッパにおける敗戦国でありながら、それぞれ違う動きをしていること、またフランスのマクロン大統領への不信感は救いがたく、その中で日本のことを考えると、クライン女史は安倍総理が「北方領土を返してほしい」と言っているがクライン女史がプーチンだったら、もっと厳しい注文をするという・・・。ここで水島氏が安倍首相がプーチンと接触しているのはトランプに頼まれて、中国のほうに行かないようにそうさせている、という。クライン氏は「北方領土返還」の最大のチャンスを過去に逃してきたことを悔しがる。政治は情報の大切さを力説。

 【言いたい放談】イタリアが切れたフランスの偽善、安倍総理の中露離間戦略[H31/1/24]

 

 

 次の佐藤健志氏のお話は『なるほど』と思うが・・・勿論、政治的交渉についてハッキリとモノを言わなければならないのだが、ロシアの威圧が当然強くこの場合はやはり「北方領土」について、今焦る必要はないと思うし、平和条約などこうした中で締結すべきではないと思う。

【Front Japan 桜】現状では北方領土返還は無理!ラブロフ外相発言を読み解く / 「情報科目」教員不足の解消を / 韓国に妥協するいわれはない[桜H31/1/25]

34分から日露平和条約は・・・これで中国を牽制できると思うか?領土返す気はゼロ、平和交渉は打ち切った方がよい。中露を離反させることはできない。ラブロフ外相の発言は「南クリル諸島」であり「北方領土」という名称は使っていない。安倍首相はそれに対して「北方四島」と言わずにただ「四島」と言った。

 

次は佐藤健志氏とは違って、馬渕睦夫氏は安倍総理側、そして産経新聞の関係記事批判に立って話している。(私は馬渕氏のことを「オタク」ということを聴いたことがあるが、ふとそんな不安がよぎった)

「ひとりがたり馬渕睦夫」#13 北方領土交渉の行方

馬渕氏が語る内容走り書き・・・河野・ラブロフ外相の交渉、産経には「破綻は当然だ」という社説がある。1956年の日ソ共同声明、安倍総理の立場を鮮明にしている。産経新聞を期待していたが、今日本がどのような方法で進みつつあるのかわかる。いよいよ産経が女系天皇への舵を切り始めた。産経も安倍首相の北方領土返還に厳しい態度を示した社説。今回の外相会談で北方領土の交渉を始めたのは昨年11月のシンガポールでの会談で「二島引き渡し」を決めた日ソ共同宣言から話を発展させ、首脳・外相・事務方レヴェル、安倍首相はプーチンとの間で20数回の会談を進め、3つの枠組みを作った。こうしたことは原則的な合意がなされたはずということだろう。常識的に考えて具体的に文章をどうするのか、ということだろう。1月16日の産経の社説のようではこの話はすすめない。外務大臣は今まで日露交渉には参加してこなかった。ロシアは「国内向け」の発言ではないか?河野外務大臣はロシアに言いたいことを言わしておくということではないか?首脳レヴェルで解決していることを外務大臣レヴェルで確認し合ったのではないか?それを産経のように感情的な社説を書かれると日本のメディア全体に感情的なものを貶めることになっているのではない。安倍総理在任中のスパンで考えているのでしょうね。などなど。

 こうして、いろんな話し手の見解を並べて書いたが、尖閣問題について一歩も引かず、正しい歴史的事実をこれでもかと列挙して各国を論破し続けていらっしゃる石井望長崎純心大学准教授の姿は実に気高く、素晴らしい。石井望先生の歴史的な研究に対して、不用意で行き当たりばったりな見識のない大学の教授や外務省関係の不勉強な質問などには「無責任」としか思えないものを感じていた。石井先生のyoutubeが出来たので、次回にUPしたいと思います。 尖閣問題を今、ないがしろにすれば日本はますます窮地に落ちていくでしょう。

 

「入管法」パブリックコメント、本日26日締め切りです。このリンクをクリックhttp://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300130143&Mode=0出て来た画面の一番下をクリックすると書きこむ画面が出てきます。 

 

その他の意見提出方法について・・・郵送は26日必着に間に合わないので下記の方法でお願いします。
【e-Govが使えない場合のメール宛先】
電子メールアドレス: nyukan73@i.moj.go.jp
法務省入国管理局参事官室 宛て
※ 必ずメール本文にテキスト形式で記載してください。添付ファイルやURL
へのリンクによる御意見は受け付けられません。
※ メールの件名を「パブリックコメント(出入国管理及び難民認定法及び法務
省設置法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案概
要等について)」としてください。

【FAXの場合】
ファクシミリ番号 03(3592)7835
法務省入国管理局参事官室 宛て
※ 冒頭に件名として「パブリックコメント(出入国管理及び難民認定法及び法
務省設置法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案 概要等)」と記載してください。

 

 

ブログのティールーム

ヴァーグナー「ローエングリン」より、ジェームス・キングの素晴らしいヘルデン・テナーの声をお聴きください。(歌詞を言うプロンプターの声が入っているのは実演のせいです)

James King Met 1968 Live Lohengrin "In Fernem Land"

 

 

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