ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

奥山篤信氏の最新本「さあ、僕がキリスト教を教えましょう」を読んで~何という鋭い直感、何というおおらかさ、そして「人間賛歌」

2021年05月20日 | 政治
 わが畏友、奥山篤信氏の「さあ、僕がキリスト教を教えましょう」を読みました。
読後の感想(青い文字のところです)を書いたら、作家の奥山氏が次のような感想をお書きになり、恐縮しております。

◎声楽家の友人ベッラさんがアップしてくれた書評

 とても嬉しいのはベッラさんはとことん僕という人間を良きにしろ悪しきにしろ理解していただいている点だ。
とくに彼女がいう、僕の姿とは<人間讃歌であり人間大好き人生をとことん楽しむ>ことこそが僕の人生の基本だと分かっていただいている点だ。<ページをすすめる楽しさと広々とした解放感・人間賛歌を思い切り味わうことができました。繰り返し読ませていただいております。>の言葉に表れる彼女の善意あふれる感性だ。

自分というものがあるとすればそれは他力本願の人生ではない、それはたとえば自分が何かを求めて必死で努力する、その結果として目標を得るかどうか? 人間は運命の悪戯にまかされる点がある、でもそこで僕が語るのは<自分は全てを尽くした。あとは最終的にうまくいって万歳 うまくいかなくても何か足りなかったのだろう 何か自分に落ち度があったのだろう。 

たえずそれをルサンチマンとして世の中に腹を立てるのでなく、自分の自己責任として捉え、次はこんな悔しい思いをしないで済むようにと、前へ前へと前向き思考で進むことができるかどうか、時には悔しくて何もできない落ち込みもあるだろうがそれを克服するのは自分だけであり宗教に頼るのは大間違いで時間の無駄だ。神など一切頼りにしない自分の人生、自分だけの自由と満足感 エゴイズム万歳だ! だから楽しいのだ。自由こそ最高の価値なのだ!こんな人生一生に一回だけだ。満喫しようぜ! 教会などに行ってられるかよ!時間の無駄だよ!お祈りして何になるん?時間の無駄 お祈りだったら遊び心で神社でおみくじを買いましょう。孫のために正月は初詣に行った。第一志望の大学に通るようになと!わしもアリバイ作ったぜ!わはは よしんば受験に落ちても来年がんばろう またその正月初詣でお願いしますわ わはは 人生の機微ってこれなんや だからおもしろいんだわ。
さて友人の声楽家の素晴らしい書評をコピペしました。
・・・・・・・・・・・・・・・
奥山篤信氏が「さあ、僕がキリスト教を教えましょう!」を上梓された。
長い歴史の中で絡みに絡まったキリスト教への意識がページをめくるたびにその糸がほどけていくのを心地よく感じた。キリスト教という宗教だけにとどまらず「どこが変か?」を読みながら、読み手が素直に「自信を得る」ことができ、階段を一歩一歩上るように快活な勝利感を得ていくことを実感した。
ただし読み手にはある種の「基礎学力」が必要。
それは成績が良いとか知識がある、という単純なものではなく、正しいことにはすぐに響く感性と常識がある、という基本である。
これに背を向けているとつまらない既知のガラクタのカケラを集め、それが狭い自分を護る盾であるかのように構える。
そういう「頑迷さ」さえなければごく自然に書かれている内容に呼応し感嘆してしまう。

しかもページをめくるたびのスピード感である。次はもう一度目を通してみる。自分自身が「こうであるはず」というものがスッと溶けていく、本来の自分に戻り書き手の奥山氏のユーモアにますますそれがスピードアップするのだ。
例えばロッシーニの「ウイリアム・テル」序曲のフィナーレのような心地よさだ。
奥山氏の文によって強弓をキリリと引いて的のド真ん中に命中させる楽しさを味わいながら「勝利感」を読み手なりに味わい、スッキリした空気を吸う清々しさを思う。(さらに読み手の私は陽気になって前に進み、場面ごとにヴェルディやヴァーグナー、そしてスクリャービンのフレージングをその本の流れの中でBGMの如く感じる。)

奥山篤信氏は教養溢れるお方だが、芸術家としての筋を通した正義感は揺るがず一歩も引かない、それでいて本の内容は読み手の心を解放し長年絡まったいいかげんな知識を解きほぐし、人間賛歌の「正道」へと案内する、このすべては奥山氏の幅広い知識と世界観、哲学的・詩的美感などのおおらかな裾野の広さに裏打ちされるものである。
これらの「事実」は世の中の凝り固まった間違った派閥などに勇気を削がれ、弱気になっていく傾向の強い現代において、間違ったものにはNOとハッキリ判断でき、自分はもとより周囲を明るく元気にする発信源であろう。(ベッラ)

この後に私が書いたコメントです。これを奥山篤信氏は「序文」で上記にお書きになっていらっしゃいます。
>私こそありがたく思って感謝しております。
ページをすすめる楽しさと広々とした解放感・人間賛歌を思い切り味わうことができました。
繰り返し読ませていただいております。



宗教に惑わされないためのキリスト教入門。
その難解な教義・教典のバカバカしい全貌を抉り出す。

文芸評論家・鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏、推薦。

「キリスト教徒は、十字架上で磔刑された人間が、墓の中から復活したということを信じなさいと言っているのだ。そこで信者の反論として、神だから人間には到底理解できない超自然的現象があるのだと言うだろう。そこが宗教というものが使うトリックである。逃げるときには必ず超自然を神の超能力の賜物だというのだ。そんなバカなことを誰が信じられようか。」(本書「まえがき」より)

本書の内容
第1章 キリスト教の基本的教え
第2章新旧聖書のハイライト
第3章 教会は伏魔殿(論理も科学も皆無)
第4章 何のため、誰のための教会の集まり? 聖職者のため? 信者の空虚な他力本願
第5章 パウロ神学がイエス思想を捻じ曲げた
第6章バチカンの堕落
第7章偽善教たるキリスト教
第8章ルサンチマン宗教
第9章キリスト教への違和感


著者について

奥山篤信(おくやま・あつのぶ)映画評論家、文明評論家。1948 年、神戸市出身。1970 年、京都大学工学部建築学科卒業。1972 年、東京大学経済学部卒業。1972 ~ 2000 年まで米国三菱商事ニューヨーク本店を含め三菱商事に勤務。2014 年、上智大学大学院神学研究科修了(神学修士)。2014 年よりパリ・カトリック大学(ISTA)に留学。著書に『超・映画評~愛と暴力の行方』(2008 年、扶桑社)、『人は何のために死ぬべきか』(2014 年、スペースキューブ)、『キリスト教を世に問う! 』(2017 年、展転社)、『キリスト教というカルト~信者になれない、これだけの理由』(2018 年、春吉書房)『僕が選んだ世界の女優50選』(2019年、春吉書房)がある。毎月『月刊日本』に映画評を連載、その他『WiLL』に寄稿している。

★ブログ主より・・・ キリスト教だけでなく、世の中の不自然なことの押しつけや意味のない権威付けに対して、キッパリと「やめてんか」と斬って捨てる、その批判たるや読者を愉快に楽しく導く、しかも鋭く容赦ない。
知識が尋常ではない、しかもここぞというところは絶対逃さず、妥協はなさらない。
しかも文体に読者を夢中にさせる「魅力」が満載。こんな作家は見当たらないと思う。
それに面白いのはもう「プレミア」が付いていることだ。はやくも2960円という値段が「中古品」として存在する。
これも楽しい。私は畏敬しながらも楽しくページを繰る日々です。
音楽家の私は読む内容によって頭の中にクラシックのBGMが流れる。
本日はそのかずかずを「ブログのティールーム」でご紹介したいと思います。

ブログのティールーム

1,ロッシーニ「ウイリアム・テル」序曲からフィナーレ(約3分5秒) クラウディオ・アッバード指揮 ベルリンフィル
Rossini: "Guillaume Tell" Overture / Abbado · Berliner Philharmoniker

2,ヴェルディ「運命の力」序曲 (約2分28秒) リッカルド・ムーティ指揮 ベルリンフィルハーモニー

Verdi: Overture to "La forza del destino" / Muti · Berliner Philharmoniker



3,ヴァーグナー「ローエングリン」~神聖なる国王ハインリッヒよ (約4分53秒)クラウディオ・アッバード指揮 ウイーンフィルハーモニー

Wagner: Lohengrin, WWV 75 / Act 3 - "Heil König Heinrich!" 




4,スクリャービン作曲「エチュード」作品8の12番  ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)

Vladimir Horowitz Playing Scriabin 12 Etudes Op.8 No.12




そして「巻末」の対談 !!  圧巻です。
 チャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲」 リヒテルとカラヤンの丁々発止

Silent Tone Record/チャイコフスキー:ピアノ協奏曲1番Op.23/スヴャトスラフ·リヒテル(pf),ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン交響楽団/サイレント・トーン・レコード (約2分59秒) 



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鳥獣戯画(巻末でこの絵のことが出てきます)
コメント
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